2021/08/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にヴィルアさんが現れました。
■ヴィルア > 【待ち合わせ待機中】
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にシンディ・オーネさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からシンディ・オーネさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にシンディ・オーネさんが現れました。
■ヴィルア > 富裕地区にあるリルアール家の屋敷
その中の主人の部屋は、まだ明かりがついており
とはいっても、仕事をしているわけではない
今日は護衛の一人として雇っている者を呼び出し、話をする予定
その護衛は、非常に優秀かつ主人好みの珍しい技能を持っているため
重用したいと考えていたところだ
ただし、その護衛は縛り付けすぎると手元から離れてしまう可能性があったため
ある程度自由なシフトを組み、長く働きたいと思わせる条件で雇っている
しかし、最近その護衛のシフトに穴が開くことが多い
ただ、それ自体は特に問題は無い
護衛は…死亡やケガなどで交代せざるを得ない状況があるため、多く雇っている
穴を埋めること自体は問題でもないし、休むことも事情があるのなら仕方のないことだろう
けれど、その理由を告げる護衛の様子が妙に憔悴していたり
あるいは、仕事中にも同様の様子を見せることがあることから…
何か事情がありそうだ、と他の護衛から報告が上がってきている
その理由を尋ねる為に、今日は仕事扱いで呼び出しをした流れだ
せっかく雇い入れた珍しい能力を持つ護衛に何かがあってはたまらない、というのが大きな理由である
彼の部屋は、ふわふわの絨毯が敷かれており
左右にそれぞれガラスがはめ込まれた棚が飾られており、中には酒瓶と細やかな装飾が施されたグラスがいくつか飾られている
正面には向かい合うようにしておかれた皮張りの大きな長椅子と
その長椅子の間にガラスで作られたテーブル
奥には主人の執務机と、左奥に浴場、右奥に寝室へとつながる扉がある
主人は執務机の後ろにある窓から外を見ながら、護衛が来るのを待っている、
■シンディ・オーネ > (呼び出され、仕事着のパンツスーツで主の部屋の扉の前に立つ。
勝手知ったる屋敷の中とはいえ主人の部屋は特別で、
一呼吸入れる間に居住まいを正してからノックする。
一拍空けた規則的な三回。ややスローモーな気がするが、
それが正式とかどこかで聞いて、やってみているうちに慣れた。
実のところ正道も邪道もないのかもしれないが、
田舎者がフォーマルな世界に足を踏み入れると、背景の隅っこでも場違いな気がしてしまう。)
「シンディです。」
(呼び出しの理由は察しがついていた。
冒険者として名を上げるため、護衛の仕事は不定期でも構わないという事になっていたが、
それは組まれたシフトに穴を空けてもいいという事ではない。
既に組まれたシフトから急に抜ければそれは戦力の1マイナスで、警備の穴となる。
そしてシフトとはある程度前もって決められるもので、決定された分は守るのが当然の前提だ。
冒険者ギルドからの依頼を受けるも受けないも冒険者の自由なら、そこを守るのに問題は無いはずなのだが。
ギルドを通した貴族からの無茶ぶりという体でこられると、
何度かそういう空けてはいけない「穴」を空けた事があり。
これはクビかなあとそわそわ気分が手先とかに出そうになるのを、努めて身体の横にぴったりつけて待つ。)
■ヴィルア > 「ああ、入ってくれ」
ノックがあれば、その礼儀の良さに微笑んでから入室の許可を出す
相変わらず、仕事の時は彼も貴族の紋が入った上等な衣服を来ており
入ってきた護衛に、柔らかく口角をあげる
その笑顔に、表面上は特に怒りは見受けられない
「…その顔は、呼び出された理由はわかっているようだね」
声音にも苛立ちなどはない
あくまで、事実を確認するために呼び出したのだからいきなり怒りを見せるのは相応しくないだろう
「一先ず、座って構わない。楽にしてくれ
先に行っておくが、今日は話しを聞きたいだけだ。そう硬くなることはない」
そう言って、革張りの椅子を勧めよう
皮の内には綿が詰め込まれており、柔らかく体を沈み込ませるもの
護衛に勧めた後は、自分も対面に座り
そして、少しの間沈黙した後
「最近、急に休むことが多いようだが…何かあったのかな?
いや、例の『彼』のことなどもあるだろうし、少しは仕方がないと思っている
だが…なにがしかの…そういった軽いものではない理由がある気がしてね?」
今更迂遠に聞くこともない
軽く前傾姿勢になりながら、じ、っと優し気な視線を向けている
■シンディ・オーネ > 「失礼します。」
(扉を開き、主人の様子には変わりなく、そうであろうともと思う。
感情の振れ幅を測れるような姿を目にした事はなく、
気品というのはこういうものなのかなと、ぼんやり感じていた。
貴族、なんて言葉には小市民としてろくなイメージを持っていないし、
実際その先入観の通りというか上をいく貴族から絡まれていると、もう底なしに株が大暴落なのだが、
相対的にこのヴィルアの評価だけはうなぎ上りで、そこが貴族も悪ばかりではないという砦になっている。
…微笑む口元にほっとしてしまいそうになって、きゅっと唇を引き締めた。)
「はい。」
(楽にしてくれ、という言葉は無視がデフォルトだった。
特にこういう状況ではしゃちほこばってしまうが、もういっそこれも礼儀のように思っている。
…あくまで紳士的な問いかけに、観念して息をついた。
呼び出された理由には心当たりがあり、対応は決めている。
暇を申し渡されるなら、お礼だけ言って素直に従おう。
理由を問うてくれるなら、内容はさておき状況は、正直に困っていると相談しようと。)
「…申し訳ありませんでした。
アニーは… アーネストは、関係ありません。
彼は別の冒険団で仕事にかかりきり… ですし、仮にそうでなくても、一度決定されたシフトは極力守ります。
ただこの間の… 何件かは、冒険者ギルドを通した貴族サマからのご依頼があり、
先方が多少… いえかなり、ものすごく、無理を言う方で。
こちらでのお仕事がギルドを通したものではないと、ギルドの手続き上でも味方をしてもらう事ができず…
その依頼をお断りした場合のイヤガラセ… あー… 不利益、が深刻なものになる可能性があり…
というか直接はっきりと脅されてしまい、突っぱねる事ができませんでした。
どうすればいいですか。」
(優し気な視線を見つめ返して、精一杯事務的というか冷静な報告を試みるけれど、
生来あまりよろしくない目つきは語るにつれて険を増し。
最後の一言で急に相談に切り替わり、言われても困りますよねと眉根が寄った。
誤魔化してもクビを覚悟の上になるならば、ヴィルアはこの件で数少ない助けを求められる相手である。
貴族同士にも色々あろうし、簡単に助けてもらえるとも思っていないが、
暴力で解決できないとあっという間に八方塞がりだった。
メルド子爵夫人の件は百歩譲ってやむをえないとしても、
グラハムのやりようは身の危険を覚えるもので、
目をつけられた平民が貴族から身を守るには?と貴族に聞いてみる。)
■ヴィルア > 余程の事…例えば、この護衛が自分を暗殺しようとしてるだとか
そういった事が無い限り、暇をやるつもりはむしろ無かった
コレクター的な感性を持つ男にとっては、護衛であるのと同程度に、その技に興味があるのだから
そして、その珍しい技を持つ相手が明らかに困っているのなら
それを助けることでこちらになにがしかのリターンがあることもある
そのことを考えれば、むしろ護衛の支払いなど彼にとっては安いものだ
相手が素直に…といっても一部不明瞭にして口を開けば
話している間は何も言わず、所々で相槌を打つだけであった
そして最後に、ふむ、と頷いて…前傾だった姿勢を後ろに倒し
皮張りの椅子に身体を預けつつも、視線は外さずに
「……これは、私の方が信頼を得られていなかったということかもしれないな
自由が利くとはいえ、私は君を雇用しているのだ
そうなると、雇用される側にも責任はあり、もちろん雇用する側にも責任が生じる
雇用された者を出来得る限り庇護せず働かせるのは…怠慢だと、私は考えていてね」
少し眉根を寄せて…ため息を吐いてそう告げる
「…だからこそ、こう考える。
その件は、君からしてみれば仕事の空き時間に依頼を受けて、冒険者として名を上げようとしただけなのだろう?
ならば、君に非は無い。むしろ、相談して欲しかった、と思うくらいだ。私の考えの根底はそこにあると、まず抑えておいてくれ」
まずは、相手の心を軽くすること
そこで何があったとしても、相手の責任ではないと上の立場から断言する
それから、顎に手を当てて考え
「さて、貴族、そしてギルドに対する解決策としてはいくつか思い浮かぶが…
その不利益、脅し、と言ったものがどういった類かにもよる
例えば、金銭的なものなら、君の仕事の重要度を上げて給金を上げることで対応できるだろう
醜聞的なものであるなら、私の顔が利く店には悪い対応をしないよう通達することもできる。
市井の噂はどうしようもないが、それで生活はできるだろう
身体が脅かされるなら、護衛というよりは屋敷付きの…そうだな、メイドのように雇用形態を変え、少なくともここに居る間は安全を確保してもいいだろう」
まず思い浮かぶものを例としてあげる
ギルド、あるいは貴族に直接干渉するのは最後の手段として、敢えて口には出さず
その方法は、少し護衛という部分を超えた対応になるからだ
そこで、一息ついてから
「…シンディほど気丈な者が言い淀む、ということは相当な事があったと予想はできる
…ただ、ここには君と私しか居らず、私の口の堅さは私の誇りにかけて保証しよう
その嫌がらせ、不利益とは何か…また、良ければ何があったのかをかいつまんで聞かせてはくれないか?」
男の態度は変わらない
声音は優しく、問い詰めると言った様子ではなく
助けになりたいのだから、詳細を知る必要がある、といった調子で
その裏には、彼女を手元に置き続けておきたいという欲望もあるため…
胸の貴族紋に手をあて、真剣なまなざしで相手を見つめる