2021/06/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にフェリシアさんが現れました。
フェリシア > 日も暮れてしまった富裕地区の高級店が並ぶ通り。
見るからに見るからに治安の良いと言える場所を一人で歩く人影。
どこかの店からの帰り道なのか手には小さな袋を持っていて。

「探し物が見つかったのは良いですがやはい値が張りましたね。
平民地区で同じものを扱う店がないのが痛いです、本当に…」

そうすればこちらまで来なくていいのにと小さく息を吐き。
治安はよいのだがあまりいい感じのしない空気を感じては身震いし。
同じ街でも平民地区より安全で、監視されているような感じのする富裕地区から早く戻ろうと足を速めて。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
少女が道を急ぐ富裕地区の通り。
日が暮れても、煌々と店や屋敷から零れる灯りで、平民地区程暗くはないのだろう。
夜でも明るい、という事自体が治安の良さを見せつけているのかもしれない。

そんな明るく輝く店の一つ。
丁度少女の進行方向にある質実剛健な構えの店の扉が急に開いて――

「それじゃあまた――………っと…!?」

店の中に視線を向け、店主に挨拶しながら出て来た少年は、進行方向に居た少女に気付かずにぶつかりかけてしまう。
此方は踏鞴を踏んで足を止める事に成功したが、無事にぶつかることなく済んだだろうか。

フェリシア > あまり慣れない場所を速足で歩いていればどうしても視線は帰り道を探すように動いて。
そのおかげで先のまだ明るい店の扉が開くのを見落としてしまい。
そこから人が出てくる事に気が付くのが見えて驚き。

「……ひゃ……!だ、大丈夫ですか?」

ぶつかりそうになったのを如何にか踏ん張り身体を止めて。
後少しでぶつかるという所で身体が止まり、慌てて大丈夫かと問いかけて。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
御互いにギリギリでぶつかる事を避けられた。
小さく安堵の吐息を吐き出した少年は、身嗜みを整えながら少女に視線を向ける。

「ああ、私は大事無い。君の方こそ、怪我は無かったかね」

豪奢な礼服。一応心配する素振りはあるが、何処か尊大な態度。
如何にも貴族です、と言わんばかりの雰囲気を纏った少年は、小さく首を傾げて少女に問いかけるだろう。

フェリシア > 「そうですか、良かったです。私も何ともありません。
少し前を見ていなくて…本当にすみません」

ぶつからなかった衝撃はなく、驚いてはいるようであるが身嗜みを整える余裕がある相手を見てほっとして。
そうして視線を向けると一歩下がり改めて頭を下げ。

そうして相手を見ればその服装と尊大な態度に貴族という事は直ぐに分かり。
その言葉使いに少しだけ警戒を持ってしまう。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
「気にするな。此方も前を向いていなかった落ち度もある。御互い何事も無くて良かった」

何ともない、という少女の言葉に穏やかに頷く。
其の侭立ち去ろうと脚を踏み出しかけたが――少女から向けられる僅かな警戒心に、足を止める。
魑魅魍魎の蠢く宮中で生きていれば、敵意や悪意。警戒心の類には敏感になってしまうもの。

「……見たところ此処の住民、という訳では無さそうだが。
何か警戒させる様な事をしてしまったかな。
それとも、此の国の王侯貴族は信用ならないかね?」

クスリ、と笑う姿は少年というよりも少女の様ではあるが。
その尊大な口調は間違いなく支配者階級に属する者。
可笑しそうに含み笑いを零しながら、再び首を傾げてみせようか。

フェリシア > 去ろうとする相手を見送ろうとするが、足を止める姿。
まだ何かあるのか、もしくは何か文句がつけられるのかと身構えてしまい。

「え?えぇ、そうですね。最近来たばかりです。
この国の事は色々と聞いているのでつい……貴族は油断なりませんと」

笑ってそんな事を口にする相手につい本音を零してしまい慌て。
そんな事はないと首を振るが後の祭り。
可笑しそうに笑みを零してはいるが直後に無茶難題を言われないかと心配をしてしまう。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
さて、そんな少女の言葉を耳にした少年の反応といえば。
クスリ、からクスクス、と。浮かべる笑いを大きくするばかり。
其処に怒りや嫌悪といった負の感情は感じられないだろう。

「成程、成程。王国の民でなければ、より警戒心を深めるのは仕方のない事よな。
そして、その警戒心は間違いでは無い。此の国では、権力さえ握っていれば大抵の事は許される」

と、肩を竦める。
そして、自分と背丈の変わらない少女と視線を合わせて。

「治安の良い様に見える此の地区も、王族や貴族の行為についてはほぼほぼ不問故な。
例えば。仮に私が此処で君を連れ去り、嬲ったとしても私は罪に問われぬし、衛兵も手出しはしてこない。
此処はそういう国だ。君の判断は、正しいものだと思うよ」

と、あっけらかんと少女の言葉を認めるのだろう。

フェリシア > つい告げてしまった言葉に笑いを大きくする相手。
怒っているようには見えないが、それがかえって不気味に見えてしまい更に一歩下がり。

「あまりいい話を聞く国でもありませんので警戒は当然かと思います。
やはりそうですよね、そういう場面は何度か見ています」

平民地区でも街中や商店で横暴を振るう貴族や兵士という姿は何度も見ている。
なので目の前の相手も貴族ならば同じ可能性はある。
ゆえにどうしても警戒をしてしまって。

「こちらの治安がいいと思えるのは表向きだけと取っていいのですね。
…そ、そんな事になる前に逃げます」

視線を感じているように感じたのは本当に視線を受けていたのかもと思えば街中のどこでも身の危険があると身震いし。
告げられた言葉にもしかして相手の手下がいるのではないかと
言葉を認められただけに警戒を強めて。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
警戒を強める少女を、へえ?という様な含み笑いと共に見つめる。
特段、少女にどうこうしよう…というつもりは無かったのだが、
此処まで警戒されると逆に揶揄ってみたくなるというもの。

「ほう、逃げる。逃げる、か。
それは良い判断だ。危険から直ぐに身を引く、というのは大事だからな。
その姿からすると冒険者かな?良いセンスを持っている、と褒めてやろう」

と、偉そうな口調。子供らしからぬその言葉や口調が妙にさまになっているあたり、少年は少女が警戒する王侯貴族である、と認識を強めるものになるだろうか。

「しかし、些か警戒し過ぎではないかね?
私は恐らく君とそう年齢も変わらない。筋力だけなら、下手をすれば君にだって劣るだろう。
今日は私用の買い物に来ただけだから、別に付き人も部下もいない。
それでも君は、私を警戒し、逃げ出すというのかな。
それはそれで、少し悲しいものがあるのだが」

と、少しだけ悲しそうな表情。勿論演技だが。

フェリシア > 「当たり前です。如何にもならないのでしたらそれしかありません。
自分の国ならばともかくこの国ではそれが最善のようですので。
……良い観察眼をしていますね」

偉そうな口調が変に似合っている姿はそれが普段の姿。
一番警戒すrべきものだという事を知るには十分で。

「しかし警戒を解くだけの安心要素もありません。
そうかも知れませんが付き添いの方はそうではないでしょう?
……え、いないのですか?貴族なのにそんなはずは……。
悲しいと言われましてもあなたも貴族なら分るでしょう?」

悲しそうな顔をされるのだが偉そうな口調、態度を見ただけに演技ではないかと疑ってしまって。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
疑いの視線。流石に騙されないか、と少しだけ苦笑い。

「ふむ?事実だよ。元々私は付き人だの護衛だのといった煩わしいものは好まない。
しかしあなた"も"とは。君も、何処かの国の貴族なのかな?
此の国よりまともで、此の国よりも正常な国の」

悲しそうな表情は一瞬で愉快そうな笑みへ元通り。
付き添いも部下もいない、と再度明言しながら、少女の言葉に僅かな疑問符を浮かべるだろう。

「……まあ、貴族であろうとなかろうと構わない。
少しばかり興が乗った。どうだね、今宵一晩。私に買われてみないか。
報酬は弾むし、朝にはきちんと返そう。それとも、娼婦の真似事は苦手かな?」

ゆっくりと手を伸ばす。
少女ならば余裕を持って躱せる程の動き。
その手は、少女の頬を撫でようと伸ばされるが――

フェリシア > 「珍しい方ですね。普通は付けるものでしょう?
……そういう家系ではあります。
まともではなく、この国が異常なだけです」

付き添いも部下も居ないという言葉にそれだけの実力があるのかと考え。
口を滑らせたかと自分の迂闊さに息を吐くとそうですと認めて。

「馬鹿を言わないでください。どれだけ用意されてもお断りします。
そういう相手がお望みでしたらあちらにそういう店が並んでいると聞いていますよ」

買うと言われると断りますときっぱりと告げ。
延ばされた手から離れるように後ろにと下がり、あちらですと話にだけ聞いている高級娼館があるという方向を手で示して。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
あっさりと躱される手。
まあ、少女ならそう言うだろうな、と肩を竦めるだろう。

「此の国が異常、か。その通りだな。此の国は異常で異状で黄昏に揺らめく残照に過ぎない。
外から来たのなら、尚の事それが良く分かるだろう?」

そこまで告げると――ぱちり、と指を鳴らす。
その瞬間。少女の背後に現れるのは6本足の巨大な馬。
『スレイプニル』と呼ばれる神獣――の紛い物が、少女の背後を塞ぐだろうか。

「君も薄々感じていたとは思うが。私が付き人をつけない理由はもう一つ。
単に、私が護衛など必要とせぬ程に強いから。それだけの事だ」

そうして、コツリ、コツリ、と革靴の足音を響かせながらゆっくりと少女に近付く。
その視線と表情は、少女を試す様な。或いは、観察する様な色を含んでいるだろうか。

「もう一度、問おう。私に抱かれるつもりはないかね。
それとも、此の国の王族である私の提案を…拒否するかね?」

少女を威圧するかの様に。背後のスレイプニルは、大地に蹄を打ち付ける。
それだけで、整然とはめ込まれた路上の石畳が粉砕されるだろう。

フェリシア > 「嫌というほどわかります。よくこんな状態で国が成り立っているのか不思議でありません」

普通ならば暴動の一つでも起きていそうなのにそれもない。
不思議で異常な事ばかりのこの国は本当に分からないと首を振り。
その一瞬目を離した瞬間に指を鳴らす音が聞こえれば背後に巨大な馬が現れ退路を断たれ。

「そんな事だと思っていました。
多少腕が立つ程度でしたら一人は付けるものです」

背後が塞がれてしまえば逃げるに使える場所は左右と前方。
靴音を響かせて近づく相手を真っすぐに、睨むように見つめて。

「ありません。お断りします。
もう一度言いますがそういう相手をお望みでしたらそういう方を買ってください」

相手の言葉と背後からの蹄を打ち付ける音。
それを聞いてもはっきりと断りを口にして。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
「………ふむ」

明確に否定の言葉を告げる少女を、じっと見つめる。
威圧的な態度、かもしれない。配下を従え、命令を下そうとする立場故の雰囲気。
その間、僅かな沈黙。それは、ほんの数秒の間だったかもしれないが、二人にとっては長い時間に感じられた…かもしれない。

「……………冗談だよ。この街で狼藉を働く程、私も落ちぶれてはいない。
君の様に気が強い女は好ましい部類ではあるが、それはそれ。これはこれ、というものだな」

再びぱちり、と指を鳴らせば砂の様に崩れ落ちる巨馬。
少女に向けるのは、尊大さを纏った笑み。

「その気高さと気の強さが、穢されぬ事を祈るばかりだ。
次に出会う時も、そうやって私の誘いを断って欲しいものだ」

と、告げると少女から離れる様に数歩足を進める。
此方は手を出さない、と少女に伝わる様な距離を開ければ。

「……私はギュンター。ギュンター・メルヒオール・フォン・ホーレルヴァッハ。
此の国の王族であり、王位継承権を持つ者。
名乗ったのだから、名前くらい教えて欲しいものだ。それくらいは、許してくれても良いだろう?」

ふわり、と笑みを浮かべれば。
そうやって、少女の名を尋ねるだろうか。

フェリシア > 明確な拒否を告げて相手を見つめる。
これで無理やりに行動を起こそうとすれば殴って離れ直ぐにこの国を離れることまでを頭に浮かべて。

「悪趣味な冗談です。私には本気に思えましたが?」

こんなものを用意している訳ですと背後の馬を一目見。
相手が巨馬を消し笑みを見せてもいつでも動けるようにして。

「早速汚そうとした人の言葉ではありませんね。
そういう誘いに乗るつもりはありません」

相手が離れればようやく警戒を解いたように息を吐き。
下がった事に何もしないという事にとって。

「王族でしたか。でも答えは変わりませんよ。
……名乗られて名乗り返さないのは非礼に当たりますね。
フェリシア・ウッドゲイトです」

そういえば一礼をして相手の傍を抜けるようにして歩き出し。
手を出さないという態度は示されたが気が変わらないうちに離れようとして。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
「随分と疑われたものだ…とも言い切れぬか。
とはいえ、此の程度の事は戯れに過ぎぬ。私以外の王侯貴族も、当然の様に仕掛けてくるだろうさ。
それを笑っていなせるくらいには、経験を積む事だな」

疑われるのも警戒されるのも自分の行動の所為なので仕方のない事。
肩を竦めれば、警戒を解いたかの様に息を吐き出した少女に視線を向ける。

「構わんよ。寧ろ、王族だからと知って答えが変わってはそこらの娼婦と変わらぬからな。
…フェリシア、か。では、此の国を精々楽しみたまえ。
冒険者として旅をするには、此の国はまだ見栄えの良いものであるだろうからな」

歩き出した少女を追い掛ける事も無い。
離れていく少女を見送れば、此方も背を向けて立ち去っていくのだろう。

フェリシア > 相手の言う言葉は間違いなくこの国に滞在すれば起きるかもしれない事。
それを笑っていなせるようになれるかは分らないが大変な事は起きる可能性だけは判り。

傍らを通り過ぎるときに聞こえた言葉に小さく頷くだけを見せ。
後は振り返らずに平民地区へと続く道を歩いて去っていく。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からフェリシアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。