2021/03/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 歓楽街」にスバルさんが現れました。
スバル > 街並みは煌びやかで、雅で、美しいく整えられている。
平民地区の様な呼び込み、スラム街のような、立ちっぱなしの娼婦の居ない、上品な場所。
とは言え、其処は性を売るための街であり、様々な店が立ち並んでいる場所。
スバル少年が、一生頑張ってお金を貯めて入れるかどうか、という場所だ。
其処の娼婦は、貴族たち向けであり、ただ単にエロイことをする、というだけではなく、上品なお話、楽しい時間を含めて、総合的に楽しむ場所。

きっかけは、唐突だった。
久しぶりに帰ってきた姉がスバルを見るなり、こうの賜る。

『もっと、女遊びでもして、男でも磨いてみなよ』と。

言い方はちょっと違ったかもしれないが、大体はそういう意味の詞。
そして、何故かわからないけれど、貴族が持つような、高級歓楽街用のパスを渡された。
姉が何を言ってるのかわからないし、何をさせたいのかが判らない。
しかし、押しの弱い、姉に逆らえない少年は、引っ張ってこられて、歓楽街の入り口に放置される。
自宅のある平民地区よりもとても上品で安全な場所だから、だと思うが、置いていくのはないんじゃないだろうか。
泣きたくなって、帰ろうと思うも、先にいなくなった姉が気になる。

「―――どう、しよう。」

髪の毛で隔した視線を落とせば、手に持っているフリーパス。
これを持っていけば、全部とは言わないが、高級歓楽街で、楽しむ事が出来るらしい。
パスを見て、街並みを見て。
戸惑いを隠すことできない少年は、静かに、立ち尽くす。

スバル > 「このまま、何もしないで帰る………。は、だめ、だよね……。」

ポツリ、と呟く少年の声に滲む諦観の意味。
姉はどういう事かわからないが、其れなりに色々な情報源を持っているようで、多分何もしないで帰ると屹度……。
お仕置きされてしまうのだろう、せっかく渡したものを使わないで、とか。
それとも、にやにやしているだけだろうか、意気地なし、とか。
色々考えてしまうが、その結果が推測しきれない、姉は奔放なのは確かだ。
そもそも、家族が奔放なのは、今更だとは思うけれど。

母は冒険者で、様々な所に行く、家に帰るのは珍しい。
姉は、何をしているのか、職を持っているわけではないけれど家に帰るのは珍しい。
父親は軍人で、基本的に家に帰ってこない。

―――だから、少年の家事スキルが無駄にレベルアップしていくのだけれども、それは些細な事だ。
今は、目の前の状況だ。

「―――っ。」

大きく深呼吸をして。それから、踏み込んでみる。
歓楽街に入り込み、少年は歩いてみる、こう……あれだ、追い払われてしまえばいいのだ。
パスがあっても、貴族の使う様な格式高い娼館だ、普通の子供が来ても、パスを持っていても。
駄目だと言われる公算が高いのではないか、と。

少年は、びくびくしながら、歓楽街の中に入り、歩き出す。
場所が場所だけに、酔っぱらっている貴族とか、其れにしなだれかかる女性とかが、多いな、という印象。
取り合えず、隅っこをこっそりと歩く程度

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 歓楽街」にソラムさんが現れました。
ソラム > 「やっぱり、賑わってる、ね。此処は」

赤い瞳から発される視線であちこちに往復させながら少女が歩いている。
目立ったモノはなく、ただの少女だと見られがちだが、その少女の頭には、一対の捻れた角が小さく生えていた。
そんな彼女は胸元に黒いファイルを大事そうに抱え、足を進めている。

「.......ん?」

彼女の瞳が道の端をびくびくしながら歩いている少年を捉える。
怖がりなのかな?
そう思いつつも少年の元へ歩いて行き、

「......気になること、あるの?」

そう問いかける。
ビックリしないだろうか。そう願いつつも少年の反応を待つ。

スバル > このまま、通り過ぎて……いや、ダメだ、せめてどこか一軒位には入って追い出される方が。
姉も姉だし、母親も母親だ、少年自身性的な欲求があるかどうかでいえば、ない訳ではない。
幼過ぎる少年だからこそ、まだ早い、と自分でも思ってしまう。
ただ、屹度娼婦の人とかに、そうでなくても、女性に誘われたら、否と言える自信がない。

多分、心のどこかでは、入って、エッチな事をしたい、そう期待している自分もいるのだ。

「―――ぴぅっ!?」

急に声を掛けられて、少年はびくぅっ!と、全身を震わせ、硬直させる。
声のする方を見ると、其処に自分よりも身長の高い女性が立って居る。
見下ろす瞳は紅く、そして、その頭には、一対の角。

「あ、わ、わ、わ……。」

魔族、という言葉が思考をよぎる、竦んでしまい、動けなくなった様子。
蛇に睨まれた蛙の様に、顔に脂汗をだらだらと滲ませて、壁に背中を押し当てる。
ぶるぶる、ぶるぶる、少年は蹲る。

「助けてください、殺さないでください……っ。」

お願いします、お願いします。
少年は、目の前の存在に、救いを求めて命を乞う。

ソラム > 「......?」

いきなり命乞いを始める少年に首を傾げたが、原因がすぐに角だとわかると、角が捻じれを解くように頭皮に同化するように沈んでいく。

「...ごめん、ね。驚かせた...かな?」

少女は穏やかな微笑をを浮かべ、戦闘の意思はないことを少年に伝えようとする。
ファイルを懐にしまい、空いた右手で優しく少年の頭を優しく撫でる。