2021/01/16 のログ
トーラス > 胎内にて跳ねる肉棒は一度のみでは収まらず、
二度、三度と、痙攣を重ねると彼女の胎内に精を吐き捨てる。
夥しい量の白濁は子宮に捻じ込まれ、矮小な孔に注ぎ切れぬ分は逆流して膣襞の隅々にまで染み渡る。
己の子宮に精を浴びながら絶頂に至り、ぐったりと意識を喪う女を見下ろしながら、口端を弛め。

「くたばるのは、まだ早いぞ。……夜は長いんだ。
 まだまだ、たっぷりと女の悦びを叩き込んでやる」

精を解き放ったばかりの肉棒は女の膣内にて、未だ硬さを有しており、彼の無尽蔵の欲望を物語っている。
投げ掛けた言葉通り、狂宴の夜は幕を開けたばかりで――――。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からコラリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/パーティ会場」に竜胆さんが現れました。
竜胆 > 富裕地区と言うのは、貴族の住まう王城付近程ではないにしろ、こういう場所は多い。
 貴族たちが己の財を、権力を誇示するために夜会を開く。そして、その時に、物珍しい物を持ち込んだり、連れ込んだりする。
 トゥルネソルも一応はこの国でもそれなりの資金力のある商会で、その一族故にお呼びがかかる事もある。
 普段は、父親で会長のエルヴか、母親のオリヴィエが対応するのだが―――残念ながら本日は外洋に買い付けに出て居るので戻ってこれない。
 そういう時は、名代として、長女リスがやって来るはずなのではあるが―――残念ながら、彼女も不在となる。
 そうなると、自分に―――トゥルネソルの次女である自分が矢面に出なければならなくなる。
 三女のラファルは冒険者だし、そもそも10歳の幼女、それを出すのは流石に先鋒にも失礼だ、性格的には礼儀とかそう言ったものは一切ない獣だし。

「面倒臭い事、この上ないわ。」

 主賓に軽く挨拶と、心にもない世辞と礼を伝えたのち、竜胆はグループから離れることにする。
 そもそも、竜であることにプライドを持つ竜胆は三姉妹の中で唯一、変化の術を使わぬ娘、角も、翼も尻尾も、だ。
 呼ぶ方も其れを了承したうえでの招待なのではじき出されることはなかろうが、それでも、物珍しさに話題に上がる。
 それが竜胆の苛立ちを助長する。
 高名な魔術師などが居れば、コンタクトを取っても良いだろうと思うがそんな相手は今は見つからず。
 ひそひそと、噂の話を耳にしながらも、端の壁の方まで歩き、ロゼワインを手にし、静かにそれを呷る。

 今はまだ見えぬが、後は、好みの女性でもいれば、口説きに行こうかしらね、なんて、その程度の思考。

 退屈を胸に抱きつつ、会場の人を遠巻きに眺める。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区/パーティ会場」にコラリーさんが現れました。
コラリー > (夜会の開かれているパーティ会場、参加するには地味な装いで会場の隅のソファに腰掛けている。
屋敷にいても気分が優れず部屋にこもり、ため息ばかりをついていることを心配した侍従長が、夫が参加するはずだったのを急遽出られなくなったパーティに出られませんかと勧められて、パーティに忌避感があったものの、夫の代理を務めるのも妻の勤めと参加して。
物珍しい商品が集まるので気分転換になるでしょう、と侍従長には言われたものの、心の中の重いものは中々晴れず、主催者に挨拶をしたのちは隅の目立たないソファに腰掛けて時が経つのを待っていた)

「勧めて貰って申し訳ないけど、もう少ししたら帰りましょう。
気晴らしには少しはなったけど……余り気分転換にはならなかったわね……参加して直ぐに帰ってしまうのは失礼だし、後少し……」

(溜息を零し、失礼にならない程度の時間を過ごすことに決めて。
時折声を掛けられれば愛想笑いを返し、手にハーブティーのカップを包むように持ち、時折口に含みながら、時計をときどき見つめる)

竜胆 > 「――――あら?」

 壁の花となって居た女。静かに会場の中を眺めて居たのだけれども、一人、楽しくなさそうな女性に視線を向けた。
 他の貴族婦人たちは、どんな化粧が良い、とか、どのようなドレスが良いだとか、グループを作って会話をしているのが見える。
 貴族婦人としては、婦人同士でもコネを作るものだと思って居たのだけれども、そういうわけではなさそうに見える。
 寧ろ、自分と同じように早々に辞したいという雰囲気さえ感じられる。
 雰囲気や立ち居振る舞いは、貴族に見えるものの、その憂いの有る表情に惹かれ、女はしずしず、と近づいていく。

「こんばんは、もし、お暇でしたら―――少し、お話でも?」

 退屈そうな、愛想笑いばかりをしている女性。
 姉であれば、直ぐに彼女の事を思い出せたかもしれないが、女自身は家からは殆どでないし、こういうパーティにも参加はしない。
 だから、彼女の事を思い出すことも出来ず、首を傾いで見せる。

「私は、竜胆。竜胆・トゥルネソルと、申しますわ。」

 彼女は貴族だ、自分は平民なので、先に名乗り、彼女の許可を待つことにする。
 彼女が自分と話すのは嫌だ、と言うのであれば、仕方のない事だ、辞することにする積りだ。なにせ、見た目からして、人間ではないのだ。
 今は、トゥルネソルの名代なので、本来の気質は隠さなければならないのだが、それは竜胆に取って言えば、退屈、になるのだけども。
 今回に関しては、個人的に興味を持った故に、事を荒立てたくない、そちらの方が勝っているから、苦痛に思うことはなかった。
 純粋に、笑みが零れてしまう、近づけば、美人だな、と思え、うらやましくもあったから。

コラリー > (両手でカップを持ちながら、ぼんやりと何処か虚ろと言ってもいいほどの目で会場を見るとはなしに見つめていて。
視界の端にこちらの方へと歩いてくる女性の姿が目に入り、そちらへと視線を向けて、自分の勘違いか、それとも自分に用事があってきているのかと思っていれば、その女性は自分の前で止まって)

「こんばんは、ええ、構いませんよ?ただ、もう暫くしたら退席させて頂こうと思ってますので、余り長く話せないかも知れないですけれど、それでも宜しくて?」

(声をかけられ女性の方を見て、その姿にほんの少し驚いたように目を瞬かせる。
挨拶を受ければ竜人の特徴を色濃く出ている女性の家名に、有名な商会の関係者であることが分かり、しずしずと立ち上がり、裾を摘まんで綺麗なカーテシーをして挨拶を返す)

「私はコラリー・ドゥラクロと申します。
高名なトゥルネルソル商会の方とお会いできて光栄ですわ。
様々な商品を扱っていらして手広く、国中の流通の一角を担ってらっしゃるとか」

(下手な貴族よりもよほど力のある、資金力、竜の武力、人脈に優れた商会の関係者に粗相があってはならぬと、丁寧に接して。
元々、実家の爵位も高くない為、貴族と平民とで線引きをするべきところはするものの、そこに差別や傲慢を持ち込むのは嫌っているため、身分を笠に着た態度は苦手で)

竜胆 > 近づいていく毎に彼女の表情が判ってくる。退屈しているという事が、良く判り―――だからこそ、もう少ししたら戻るのだろう事も判った。
 しかし、顔立ちが美しいのに、その、生気の無い顔は、とても、寂しそうに思えるもので。

「あら、それは。それならば、退席迄の少しばかりの時間を、頂ければ、と思いますわ。
 正直、私も退屈しておりまして。」

 驚いている様子、自分の家名を―――トゥルネソルを知っているようだ。
 平民地区と、裕福地区の中間の大通り、そして、平民から貴族迄満足できる品ぞろえに、必要であれば、買いに行かずとも宅配する。
 様々な事をしていればやはり、記憶にもとどまるのだろう。
 カーテシーの仕草はとても様になっており、此方も返礼とばかりにカーテシーを。ただ、矢張り彼女ほどの洗練は無いが。

「コラリー様ですね。それとも、ドゥラクロ夫人とお呼びしたほうが?
 ふふ、私などトゥルネソルでも末端ですわ、名乗るのであれば、姉の方が。
 もし、宜しければ、ドゥラクロ様も必要なものをお伝えいただければ、何時でも取り扱いますわ。
 お望みならば、ドゥラクロ様の所にお伺いをするようにも手配を取りますから。」

 どうぞよろしくお願いいたします。
 彼女は貴族だとしてもそれを鼻に掛けずに対応してくれる、一個の人物と対応してくれるのであれば、此方もその礼儀に返答する。
 彼女の対応はとても嬉しく思える、貴族と言う物に偏見を持つわけではないが、高慢なものが多い。
 半分は人間ではないからこそ、その高慢な所に少女は苛立ちを覚えることもある。
 それは、少女の竜の部分もあるのだけれども、今は其れとして。
 彼女とは、仲良くやっていければ良いな、と感じたのである。

「もし、此処にいるのが苦痛であれば、共に辞して、二人でお茶とかでも、如何でしょう?」

 彼女はもう、此処にいることで、役割を果たした様子でもあるし。
 逆に言えば、竜胆も同じなのである、此処で、二人して辞しても、問題は無いだろうと判断するのだ。
 そして、このいい出会いを、終わらせたくないな、という思いが強くなる。

コラリー > 「うふふ、もちろん構いませんよ。
退屈している者同士でお話を致しましょう?
そうですね、私のことはコラリーと呼んで下さいませ。
私は竜胆さまとお呼びしていいですか?
あら、お姉さまがいらっしゃるんですね、お姉さまが商会を主にお手伝いされてるのかしら?」

(商会長とその夫人はまた違う名前で、女性が姉と言うならおそらく娘さんでしょうと考え。
商家の人間らしい挨拶を受ければ、上品な笑みを浮かべて頷き、そのときはお願いしますと)

「屋敷に来て頂くのも良いですけれど、色々な商品を見てみたいですしお伺いさせて頂きますよ?
そのときは竜胆様を尋ねていけばいいかしら?それともお姉さんの方を尋ねていけばいいかしら?」

(屋敷に来て貰ったとして、その荷を運ぶ者が女性出会った場合に夫が気に入れば無体を働くかも知れないと思うと、自分が商品を見たいと理由を付けて向かう方がいい。
そう思えば相手かその姉なる人物を訪ねようと、女性へと尋ねて)

「あら、苦痛なんて言ったら主催者様に失礼になりますよ?
ですけれど、そうですわね……少し早いですが退席させて頂きましょう。
ここにいるより竜胆様とお茶をしながらお話しする方が楽しいでしょうし。
トゥルネルソル商会の方と商談をするために、と言えば無理に引きとめもされないでしょう」

(伯爵夫人と大手の商会、二人が退席するというなら引きとめる無粋もしないでしょうと微笑み。
二人でお茶をしましょうというお誘いには喜んで、と応じて)

竜胆 > 「嬉しいですわ、それでは、コラリー様、とお呼びさせていただきますわ。
 ええ、ええ。私の事は、竜胆と、気軽にお呼びくださいませ。
 年上の貴族の方に、様、なんて言われてしまいますと、恥ずかしくて、顔が赤く成ってしまいます。
 ええ、私の姉はリスと言いまして。王都、マグメール支店の店長をしておりますわ。」

 年上の貴族に様、なんて言うのは―――他の有象無象であれば当然と言わんばかりであるが、気に入った女性から真摯に言われてしまうのは気恥ずかしい物だ。
 思わず彼女の上品な笑みを見て、頬を赤く染めて見せながら、はにかんだ。

「そう、ですわね。来ていただけると言うのであれば……、ええ。本来は、姉の方が詳しくもありましょうが。
 ご友人を姉に任せると言うのはまた違いましょう、私をお呼びくださいましね、直ぐに駆け付けますから。
 もし、間に合わなければ、そうですわね、リスを呼んでいただければ、後で話を通しておきますので。」

 彼女が遊びに来てくださると言うのであれば、少女はそんな風に言おう。
 他に少女を知るものが訊けば、驚きを隠せまい、普段は傲慢である少女が、自分から動くという事は稀なのだ。
 それだけ、気に入った、と言うべきことだ。
 そして、姉に対しては―――それで良いだろう、自分が対応できない事であれば、彼女に動いてもらえばいいわ、と。

「ふふ、そういうコラリー様も、言葉にしなくても態度では…ね?
 ま、悪い子同士、こっそり抜けてしまいましょうか。

 もう、お上手です事。
 では、お誘いした手前、エスコート、させて頂いても?」

 微笑み、同意してくださるのであれば、と少女はそっと手を差し出した。
 近くに静かなカフェがありますので、と。

 同意してついて来てくださる彼女、主催者に二人、辞することを伝えて外に出れば冬なのに少女の近くがほんのりと温かい。
 周囲の空気を少女は温めて、適温にしているのである、だから、少女は外套など上に着るものを身に纏って居ないのだ。
 トゥルネソルが用意した馬車は、豪奢ではないが、最上級の素材を使ったものである。余り豪奢にすると貴族に嫌われるので、素材と乗り心地を追求したものとなる。
 当然、仲は暖かく、暖房が無くても快適に過ごせるようになっていた。
 この貴族の屋敷から数分程度馬車に揺られて、到着するのは、貴族御用達のカフェサロン。
 オープンで皆で飲むことも出来るし、密談用に、防音の個室の有るタイプ。

「コラリー様は、何方が、お好みですか?」

 外で景色を見ながらのお茶と、二人きり、静かに秘密のお茶会、辞して出てきているのでどちらでも問題はないので。
 彼女の気分に任せたいという考えだ。

コラリー > 「はい、宜しくお願い致しますね、竜胆様。
あら、年下の方でも敬うべき相手には敬称を付けるものでしょう?
お姉さまのお名前はリス様と申されるのですね。
あら、それではお尋ねするときは竜胆様を訪ねさせて頂きます。
あら、赤くなられて……可愛い、竜胆様」

(はにかんだように頬を赤く染める少女に、パーティ中に見せていなかった優しい笑顔を浮かべる。
姉に任せるより自分が、そう言う少女には頷いて、間に合わないときは、リス支店長にお願いしないといけないけれど、出来れば少女がいいなと微笑む)

(少女の噂までは知らず、素直で優しく明るい少女に癒されるのを感じ、明るい表情を浮かべて。
悪い子同士と言われれば、もう子、というような歳でもないけれど、はしゃいだ様子で嬉しそうに頷く)

「ええ、こっそり抜けてしまいましょう?
それでは、エスコート、宜しくお願い致します、竜胆様」

(そっと差し出される手、その手に手を乗せてエスコートを任せて。
主催者に退席の挨拶を済ませ外に出れば寒さを覚悟していたのがほんのりと暖かいことに気付き、エスコートしてくれている少女へと顔を向けて首を傾げる)

「寒いかと思っておりましたけど、なんだか暖かい……竜胆様、何かされてらっしゃいますか?
あ、それと少しお待ちくださいませ、家の者に伝言をしますので……」

(馬車の待機所に向かい、御者へトゥルネルソル商会の方とお茶をして帰ると伝えて先に戻るように指示をだし。
それから馬車へと案内され、中へ入れば豪奢ではないものの質の良さを感じ、走りだせば揺れの少ないことに少し驚いて)

「内装の質が高いですね……それに揺れが少なくて乗り心地が良くて……一台、購入しようかしら……お願いしたら用立てて頂けますか?」

(伯爵家の馬車も家格にあっただけの質を持っているものの、ここまで乗り心地は良くなく、乗っていても疲れないお尻が痛くならないこの馬車の乗り心地を気に入って)

「そうですね、折角の秘密の二人のお茶会ですし、個室の方に致しましょう?」

(彼女の側なら暖かいけれど、暖房代わりにするのは失礼なことと思えば室内の個室の方がと選ぶ。
それに商談、と称して出た以上は人目に付くところでお茶をするのも、主催者に悪いと気遣っていて)

竜胆 > 「私などは、未だ若輩……敬称を頂くには早いですわ?コラリー様。
 もし、知って言った上で、付けていただけるのであれば、幸い、と。
 はい、リス・トゥルネソルと申します、どうぞ、お会いの時はよろしくお願いします。
 ただ、私自身は、家に居る事が多いので、向かう前にお手紙でも一つ頂ければ、と。商売の方には出ておりませんの。
 もう……コラリー様のように美人な方にそう、仰られてしまうと、誰でも、紅くなってしまいますわ。」

 優し気な笑顔、最初に見たときの、人形のような硬い表情などは、最初から無かったかのようだ。
 可愛らしいと言われてしまえば、年上の包容力という物なのだろうか、強く言い出せない。
 それでも、楽しそうにする表情に、はしゃいだ様子にコラリー様こそ、可愛らしいと思うのですが、と軽く彼女へと意趣返し。

「はい、この身を見ればわかると思いますが、トゥルネソルの家系は、竜の家系で。
 私も、その竜の異能を持っております、それを使って、周囲を温めておりますの、寒いの嫌いなので。
 と、それは気が付きませんで、ご無礼を。」

 エスコートの最中、空気の暖かさに気が付く彼女には、楽し気にウインク一つ送りながら解説を。
 家に連絡するという言葉に、ああ、と納得したように頷き、少し、身を引く。
 彼女の用事が終わるまでは、静かに待っていた。
 彼女が戻り、馬車に乗り。

「ふふ、嬉しいです。それでは、後でしっかりと商談をいたしましょう。
 用立ては簡単ですけれど、貴族が使われるのであれば、外装もしっかりと、ですし。」

 馬車の中、ベンチの部分にはしっかりと柔らかなビロードと、毛皮で作った椅子があり、長時間座っていても大丈夫。
 そもそも、馬車の中で子供が寝られるぐらいにふかふかに、と言うのが目的なのである。
 それも、トゥルネソルの幼女が馬車の中でいつも寝るので、思い切ったのが始まりだったりもする。

「畏まりました。」

 個室が良いと仰られる彼女。
 少女はうなづいて、先に歩き、馴染みとなって居る受付へ。個室の利用を伝えて先に個室の値段を払う。
 先ずはハーブティを二つと、ケーキを注文しておく。
 そのまま、二人は個室へと案内される。

「ふふ、コラリー様を独り占め、出来て少し舞い上がってしまいそうですわ。」

 個室に通され、向かい合わせに座りながら、少女は微笑んで。

コラリー > 「とてもしっかりとされていて、私が竜胆様の歳の頃に比べれば雲泥の差ですよ?
ええ、お会いした時は素敵な妹さんがいらして羨ましいです、ともお伝えしますね。
ではお伺いするときは先触れの手紙を出してお訪ねしますわね。
あら、一児の母を捕まえて可愛いなんて……御世辞でも嬉しいです」

(年下の少女に意趣返しで可愛い、そう言われると少し年甲斐もなくはしゃいでしまったかしらとくすりと笑って。
不躾にならない程度に少女の容姿を見て、竜の特徴があることに確かに竜の家系であることを見て取る)

「冬は暖かくて夏は涼しく出来るのかしら、羨ましいわ。
待ちぼうけをさせては心配させますし、寒い中に待たせて風邪を引かせては申し訳ないですし。
ええ、外装も……そうですわね、家紋を付けたり……ううん、私的に使うものですから、外装は質素でいいですよ」

(この乗り心地の馬車を購入するくらいの資産はあれど、家紋を入れるとなると夫の許可がいることを思いだし。
自分の置かれている立場を考えると家紋を入れるのは嫌がられかねないと思うと、質素なものにしようと決めて)

「長距離の移動にも良さそうですね、私は余り遠出をしませんけれど……旦那様にお勧め……はしなくてもご自分のお抱えの商会がありますもの、しない方がいいわね」

(彼女の所属する商会なら、少々どころかかなりの嫌がらせをされても跳ね返せそうに想うけど、トラブルはないに越したことはないと思えば夫に言うのは辞めようと)

「失礼いたします。
あら、素敵なお部屋ですね……うふふ、私を独り占めすることで竜胆様が喜んで下さるなら、幾らでも独り占めしていいですよ?」

(個室の支払いを少女にされれば、自分がとも思うものの、接待と考えれば自分が払うよりも、払って貰った方が少女的の心理的負担が減ると思えば任せることにして。
少女のはしゃぐ様子を優しく、微笑ましげに見つめ、少女の微笑みにこちらも微笑みを返す)

竜胆 > 「あは、それは、竜の所為でもありますわ?人とは違う生まれ、ですもの。
 でも、私に驚いていれば、姉に有っても同じかも、ですわね。何せ、二つしか違いませんもの。
 それは嬉しいですわ、後で、個人的に連絡用の魔道具でも作って、先触れと言う面倒なくすのも、良いですわね。
 一児の母?そうは見えませんわ、お世辞ではありませんが、未だ、男性など放っておかない気もします。
 今回は、人目の多い所ですし、夫人であった、と言うのが大きいとは思いますが。」

 正直、竜胆自身は彼女が人妻である事は、先程の名乗りで判って居たが、子供がいるとは思えない美しさだった。
 自分を見ている彼女の生き生きしている表情は、十分に美しい、とおもうのである。
 彼女が声を掛けられなかったのは、人が多かったのと、彼女が有名でもあったからなのだろう、伯爵と言うなれば爵位的には上から三番目、そこそこに良い家系とも言えるはずだ。

「はい、その辺りは私の自由自裁に。熱くも、寒くも出来ますわ。なので、夏の暑い日に外で静かに本を読んでいても汗一つ掻きませんの。
 帰りはしっかりと送りますから、ご安心くださいませね。
 ふふ、嬉しくも、残念ですわね?私の用意する馬車を独り占めしてくださるのが嬉しくて。
 でも、お仕事には使えないと言うのは、残念ですわ。」

 公用として使ってもらえるのと言うのは、公私ともに使えると認めてもらえたという理由にもなる。
 まあ、馬車を旦那が乗った後にどうするか、その後の購入も考えれば、今はこれで良いのねと思う少女でもある。
 彼女が喜んでもらえるなら、それはそれでと言う感情が強く有った。

「その辺りは、私が口出し、出来ない所でも、在りますわね。」

 確かに、おすすめ自体はしても良いのだろうけれど、先に言った通り、竜胆は商売に関わってはいない。
 個人的に仲良くなった相手にと言うのは在りだが、旦那に営業を掛けるのは寧ろ姉の方である、だから、彼女が無理と言うなら、無理、それで良いのだろうと考えた。
 それに、嫌がらせなどしようものなら―――言葉にしない方がお互いの為であろう。

「あら。あらあら。もう、そんな事を仰っては。
 私、本気にしちゃいますわ?コラリー様を独り占めして、口説いてしまいたくなりますの。」

 今回は此方が誘い、此方が連れて来たのだ、お金を持つのは当然こちらなのだと言わんばかりに。
 彼女の資産は疑う必要もないが、その辺りは、少女でもわかるマナーの問題のはずだ。
 
 そして、彼女が微笑ましそうにしているのを見れば、もう、と、頬を染める。

「コラリー様ほど美しいなら……人妻でも、気にならないですわ。」 

コラリー > 「そういうもの、ですかしら?
あら、という事はお姉さんも年下ということになるのかしら……連絡用の魔道具を作って貰えるなら、いつでも気兼ねなく竜胆様とお話が出来ますね。
それとも余り私用の通話には使わない方がいいかしら?
放っておいて頂いた方が、ずっとましですけれど……。
でも、竜胆様のような素敵な方なら、構って頂けて嬉しいですよ」

(心の中に重くのしかかるものに、異性からの誘いはいらないと、瞳が暗くなって。
慌てて相手を心配させまいと、冗談交じりに構って貰えて嬉しいと笑みをこぼす)

「木陰で涼しい風に当たりながら本を読むのは心地よいですけど、気温が上がるとそうも言ってられなくなりますし、竜胆様が羨ましいですわ。
余り旦那様のお仕事に触れさせて貰っておりませんし、竜胆様みたいな可愛い子を夫の目に触れさせたくありませんもの。
馬車、作って頂けましたら大切にしますから」

(流石に放置されている、とも言えず冗談を言うように誤魔化しながら、少女の立場から口を出せるところ、手を出せるところが限定されていると思えば、無理を言う心算も無茶を言う心算もなく
口説くと言われれば少女の冗談か、こちらを褒めるお世辞か、からかいかこちらを明るくさせようと気を遣ってくれていると、少し申し訳なく思うも優しく笑顔を浮かべて)

「竜胆様みたいに素敵な方になら口説かれても構いませんよ?
それで私が靡く位、素敵に口説いて下さいね?
気にならないと言って頂けるのは嬉しいですけど、美しいは言い過ぎですよ?
竜胆様の方が私なんかより、ずっとお綺麗なのだし」

(幼さは少し残っているけれど凛とした表情、自分より少し高い背丈、スタイルも良く立ち姿も美しく。
自分のような地味な女よりも余程綺麗だと思う、色々な意味でも、と思えば一瞬だけ表情が沈むも、直ぐに明るい表情に戻って)

竜胆 > 「はい、竜と言うのは、伝説にもあるくらいには頭のいい者が多いでしょう?そういう事ですわ。
 そういう事になりますわ……と、言いたいのですが、コラリー様のお年が判らないので、控えておきますの。
 連絡用の魔道具は、ええ、どのような物が?気軽に身に着けて居られるものとかの方が宜しいのかしら。アクセサリー……イヤリング、とか、ネックレス、とか。
 いいえ、いいえ。連絡用の魔道具に関しては、いっぱい使ってくださいまし、お話ししましょう?

 ……お辛い事、在りましたら、何時でも相談に乗りますから、ね?」

 一瞬だが、昏くなる瞳は見逃すことが出来なかった。ああいう目は、よく見る。
 この国では、良くあること、と言う物でもあるのだろうが、貴族でも、そうなのか、と言う思いもあるのだ。
 冗談交じりの笑みは、強がりにしか、見えなくなっていて。

「ふふ、そういう時は何時でもお呼びくださいまし?お茶のお時間だけになりそうですが、何時でも涼しくさせられますわ。
 大丈夫ですわ、だって、基本殿方って―――こう言うのは、お嫌いですもの。

 ええ。ええ。では、トゥルネソルの全力を持って、納品させていただきますわ。」

 自分が旦那に襲われることを心配してくださる彼女、しかし、少女は軽く笑って見せる。人から見れば、異形なのだ。
 背中の翼も、竜の尻尾も。だからこそ、手を出す男は先ず少ない。
 それに、いざ手をだそうとして、尻ごむ。最終的なラインがあるのだ、彼女も未だ、知らないその秘密が。

「ふふ、凄くハードル、あげられてしまいました。
 それなら、まずは先に宣言しませんと、ね?」

 素敵に口説いてください。先に言われてしまえば、それは口説く方としては、屹度大変なのだろう。
 判って居るけれど、でも、其れで諦める積りもないので、少女はウインクを返して見せる。
 す、と一つ息を吸い込んで。

「コラリー様、私は、コラリー様の事、人妻と知りました。
 その上で、貴女と、絆を持ちたいと思いますわ、ええ、友人として、そして、それ以上。
 貴女といつか愛を交わしたく、思います。」

 居住まいを正し、彼女の眼を見る、少女の金色の竜眼は、人でないことを彼女に知らせよう。
 冗談を紡ぐわけでもなく、ただ、本気をまず、彼女に教える。
 今すぐ、と急ぐ気はない、だから、貴女と恋人になりたいという事を、伝えるやる。

「それに、美しい、は言い過ぎではありませんわ。
 だって、私は、貴女に惹かれておりますわ。
 女性を惹き付ける女は、美しくない訳がありません。」

 黒く長い髪は艶やかに、白い肌は、滑らかで弾力を未だ、失ってはいない。
 愁いを帯びた瞳は何処か物悲しそう、それが儚さを一層沸き立たせる。
 薄い化粧、控えめな仕草と、彼女の優しい心根、それ等全てを持って、美しい、そう、いう事が出来るのだと。
 少女はにっ、と赤い唇を吊り上げ、挑発的に笑って言って見せる。
 貴女自身にだって、この評価は覆させませんわ、と。