2021/01/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にヴィルアさんが現れました。
ヴィルア > 「ふぅ……」

仕事を終えた夜。
火照った頭を覚ますため、彼はたまに富裕地区を散歩する。
勿論護衛は付いているが…彼の気晴らしを邪魔しないよう、少し離れた場所を着いてきていて。

邸宅に戻って地下の奴隷たちを愛でるか、あるいはこのまま富裕地区の中を一回りするか。
仕事から解放された彼は自由だ。
いつもと変わらぬ、しかしいつも何かが違う街を楽しみながら。

足の向くまま角を曲がり、道を選択し…大きな公園や、整備された道の真ん中をゆったりと歩いている。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からヴィルアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区の一角」にビョルンさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区の一角」にアイリースさんが現れました。
ビョルン > 本家での仕事始めの会合は儀式的なものに終始した。
そうして殊更また、格好が堅苦しい。

用事が済めば挨拶もそこそこに辞去をして本家の傍に取った宿の一室へと帰りついた。

「──水、」

何よりも一度緩めれば二度と自分で着れぬような今日の装束が悪い。
寝起きからの絶水絶食に掠れた声を上げてドアを開いた。
女は何をしているだろう。

アイリース > 自身の仕える主君の仕事と言うのは。
まぁなんだ、噂にしか聞いたりはしないけど。
いろいろとやることが多いようで。
その上で家柄だのなんだの、となってくると。
面倒が更に増す、なんていうのは私にも分かるので。

「……どうぞ、若様」

ドアを開け放したと同時の注文に。
私は即座に応じ、相手に水を差し出す。

「どうにも。お疲れのご様子ですね」

ふ、と。小さくほほ笑みつつ。
さぁ、この相手の疲れを取るにはどうしたらいいだろうか、なんて考える。
少なくとも、このままでは。
明日以降の仕事にも差し支えるだろうから。
なんとか癒して差し上げないといけない。

ビョルン > 差し出されたコップの水はまず一杯、立ったまま一気に飲み下した。
はふ、と息をついてソファへと体を投げ出して草履を脱ぎ落とす。

「叔父貴たちはまだ残って、ドンチャン騒ぎでも始める心算かもしれない」

それにしたって、毎年のことながらなんて窮屈な装束なのだろう。
とにかく紐状のものがあれば引いて解けば緩むのはわかtっているが今はその気力もない。

アイリース > 差し出した水を一瞬で飲んだ相手を見ながら。
私は、にこにこと笑顔を浮かべてしまう。
なんというか……こういう、疲れている相手を見るのは。
ちょっと楽しい。

「それはそれは。
 一緒にドンチャン騒ぎをすればよかったではないですか」

当然。そんなことを言っても。
相手がそれを嫌うのは分かっているのだが。
まぁ、一応。立場上。
そういう風なことを言っておくのも大事かなぁ、とか思うので。

「若様、お着替えになります?」

まず、私としては相手にリラックスしてもらうため。
衣服を着替えさせるのが先決か、とも思うのだが。
しかし、一応来客の可能性も考慮すれば。
まだもう少し、着替えないほうがいいかもしれない、という思いもある。

ビョルン > 「いやいや、
 ボク様のような下っ端が大幹部様と酒を酌み交わすなどおこがましい」

心にもないから紋切り型の断り文句がすらすらと口を突いて出る。
実際居残れば何かいい物が食べられたかも知れないが、今一つ興味は湧かなかった。
この装束なりの所作は見よう見真似で覚え、今も左手は懐手して襟元から出して己の顎を撫でている。

「うん、今日のところはもう着替えてくつろぎたい」

ただ、寝起きに手早く着つけられたもので己には構造がわからぬ。
足袋くらいは己でこはぜを外して脱ぎ、裸足になり。

アイリース > 「ふふっ。よく言いますこと」

予想しない相手の物言いに、思わず笑みがこぼれてしまうので。
私は、口元隠しつつ、返答するに留めておく。
あまり、同調しすぎても良くない。
主人を立てつつも、組織にあまり敵意を見せても。
そりゃあ、良くもないであろうから。

「それでは、お着替え、用意しますので。
 少し、くつろいでいてください。
 ……あぁ、いつもの服か、寝間着か。
 どちらになさいます?」

私は、相手の返答聞き、荷物として持ってきていた服を取りに行く。
そこで、どちらの服が良いか、ということを確認するのも忘れない。

ビョルン > 何年もすればそのうち見栄の為に酒宴を催さねばならぬ立場になるやも知れぬ。
だがそれはその時になって考えれば足りる。

刀だけは己で下し、問いかけには

「寝間着はまだ早いかな──セーターと、ズボンでも。
 ……そこ含めて、任す」

水分も口にして人心地つけば、消化管がしきりに空腹を主張する。
近く寄れば時折腹が鳴るのが聞こえるだろう。

アイリース > 相手は、まだ若い。私よりも若いわけで。
そんな歳なのに、組織の重要な位置に担ぎ上げられるとなると。
そりゃあ、疲れる毎日だよなぁ、と思う。

「はいはい。では、そのように」

相手から、服の注文を受け付ければ。
私は、荷物の中から、気楽に過ごせる服を用意し、相手の元へと戻る。
相手の腹から、空腹を訴える音が響くのを聞けば、また笑みがこぼれてしまうが。

「では、着替えたら食事にしましょうか。
 ……一度、立って下さいませ」

ちょうど、私も空腹ではあったので。
着替えたら食事にしよう、と提案してみる。
そのまま、着替えのために相手に立って下さい、と願い。

ビョルン > 東国の装束というのは不思議なものだ。
着る時にはそれほど体に添うわけでもないが脱いで畳めば四角く平らになるものらしい。
けれど正しく畳むのも慣れが必要とあれば、全て女へと任す気でいた。

「終わったらルームサービスを頼もう」

ソファの脇へ一度立って、水差しの水をグラスへ汲んでもう1杯飲み干す。

「とりあえずこの窮屈さから開放してくれたら大概のことは言うこと聞いてあげてもいいぜ」

グラスを置いてへらっと笑う。

アイリース > こちらの国と、東の地では、服のあり方が大きく違う。
素材、着方、形、用途。
それらを加味すれば、こちらの国の人間が、東の地の服装に慣れぬのも、無理はない。

「いいですね。そうしましょう」

相手が立ち上がったのを確認して、手早く服を脱がせていく。
いくら男性の服とはいえ。自国の服装だ。
着せるも脱がせるも、勝手知ったる、というもので。
私は、ほんの数分で。相手の服を脱がせ、セーターとズボンを着せることに成功した。

「まぁ、さておいても。
 お似合いの姿だった、とは思いますが」

服を畳みながら、そんな感想を口にする。
正直、下手な東の地の人間よりも。
よっぽど見栄えする姿だったのは間違いない。

ビョルン > そうしてまた、己の所属には東国風の風習や信仰が残っているのか。
いつしかそれも不思議には思わなくなっている。

「いちばん高い、いちばん美味いものを食べよう。
 ワインも、つければいいし」

着物から帯と紐が解けるたびに段々と体が楽になっていく。
着慣れた服に身を包めば再びソファの上で姿勢を崩す。

「お褒めに預かり光栄。
 ──お前だってさ、都の余所行き服も似合ってるよ」

護衛でも娼館でも和服の多い相手にはレアな姿なのだけれど。
一遍褒めた後、クッションへと頭を乗せて寛ぎきった姿を見せる。

アイリース > 「いやぁ、私はそれなりでいいですよ?
 どっちにしろ、味もそんなによくはわからないわけですし」

あれ、これは言ってなかったっけ? と。
私は、修行の結果、毒物に対する耐性を手に入れたが。
その代償に、微妙に味覚が鈍い部分がある。
特に、いわゆる『旨み』について鈍い。
なので、実は東の地の料理も、一定以上の美味さの物については。
あんまり、感動したりしないわけで。

「それはどうも。
 ただまぁ、あまり。好んで着たいわけでもないですが」

私だって、ラフな格好を好むのではあるが。
少なくとも、客商売時や、相手に同行するときは。
それに恥ずかしくない格好をすることくらいは。まぁ。
常識の範疇ですよ、ということで。

ビョルン > 「いいんだよ、こういうのは景気づけなんだから。
 時期には時期なりの、金の使い方があるってね」

女の経歴としてその能力にまつわる話は聞き及んでいたかもしれない。
けれど普段から相手の給仕する食事に満足しているためマイナス面については実感はないのだろう。
言うなれば、己の場合は毒の耐性もなければ子供っぽい食癖である訳だし。

「まぁ、たまに着るから良いのだと──俺の場合はキモノの話だけど」

コツコツ、とノックの音。
夕食はいかがしますか、との声にディナーコースの名前とワインのフルボトル、それに炭酸水をと告げた。
じきに遅い夕食が始まろうか。

アイリース > 「……です、か。
 まぁ、そういうことなら。お言葉に甘えますよ」

少なくとも、ここで拒み続ける理由もない。
こういうとき、相手の厚意に甘え。
かつ、いっしょに食事を楽しむ。
これだって、大事なこと、なのだから。

「ま、そういうことです。
 ……ただまぁ、お互い、いつもと違う格好、っていうのも。
 いいとは思いますけどね~」

なにが、と。尋ねられる前に。
ルームサービスの確認が来て。
相手に注文を任せて、私は一応。
お高い食事への心構えをする。

ビョルン > 「──いつでも甘えて欲しいって、最近じゃ思うんだけどな」

ふふっと含み笑う息を乗せて伝える。
今日のコースメニューを読み上げて給仕は去った。
先に飲み物を持ってくるのらしい。

「──お互いに、いつもと違う格好で。
 ……どこか行きたい? 何かしたい?」

ソファーの上に姿勢を正して座り直す。
そうしてワインと炭酸水が届けば互いのグラスに注いで。

「──とにかく、改めて今年もよろしく頼む」

乾杯する如く、グラスを掲げるだろう。

アイリース > 「あら、そうなんですか?
 ふふっ。じゃあ、考えておきましょう」

相手の意外な一言に、再度の笑み。
なんだろうか。今日は良く笑うなぁ、私。

「そうですねぇ。
 普通に、デートとかどうです?
 身分関係無しに。お姉さんがリードしてあげますよ?」

何がしたいか、なんて言われれば。
まぁ、冗談一つ返すとしよう。
……ま、実際デートとかしたいのは間違いないんだけど。

「えぇ、こちらこそ。
 よろしくお願いいたします」

そうして、飲み物が届いたのなら。
私も、グラスを掲げて、そう言おう。
今年も。この相手とは付き合い深くなるだろうから。

ビョルン > 「じゃあキモノを着ていこうか。
 足元はブーツにするかもしれないけれど」

デートの提案には少し甘い表情を見せて快諾をする。
楽しみだなァ、なんて歌うように嘯き。

乾杯して相手へと視線を絡めているのも束の間、料理が届けられ始める。
豪華な夕食に舌鼓を打ち、広いベッドで女にじゃれついて眠りに落ちる。
仕事始めの一日はそのように終わった。

アイリース > 「……アハハッ。
 なんですかそれ」

その格好を想像して、ちょっと笑ってしまう。
じゃあ私は、燕尾服でも着ようかしら。

そうして、届いた食事は……。
まぁ、おいしかったですけど。
やっぱり、おいしい、ってしかわからなくて。
でも、相手とこうしてゆっくりできたからこそ。

幸せだなぁ、なんて。思ってしまったので。
そのまま、相手と一緒に眠りに落ちるのは。
本当にすぐだった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区の一角」からビョルンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区の一角」からアイリースさんが去りました。