2021/01/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にロイスさんが現れました。
ロイス > 平民地区とは違い、洒落たデザインの建物が並ぶ通り。
夜ではあるが街灯の明りに照らされたそこは、平民地区になれた者からするとちょっとした異国の様にも思える。
その通りの中を、あまり似つかわしくない冒険者然とした男が通っていく。
その腕には、警備と書かれた腕章がついている。

「……落ち着かないなあ」

ここら辺は、富裕地区の中でも、特に貴族や王族ご用達の店が多い場所だ。
身分による規制などがある訳ではないが、ドレスコードに違反している感じは否めない。
とはいえ、正にそのドレスコードに違反している事こそが、男が此処にいる理由でもある。
つまりは、警備。敢えて、おおっぴらに革鎧を着ている者がいる事で、此処で"何か"をしようとする者への抑止力としているのだと、男は理解している、のだが……。

「(それにしても、"身分が上の者に命じられた場合、仕事は中断してその者に従う事。その場合は別途報酬を払う"って変な契約だよなあ……?道案内とかもしてあげろって事なのかなあ)」

と、内心首を捻る男。
実はこの警備には、もう一つの目的があり、それは"身分の下の者を道に放つ事により、王族や貴族の玩具を提供する"というものだ。
これは、言わばこの通りの慣習的な文化なので、此処を通るものの多くは知っているが……当然、男は知る由もない。