2020/10/23 のログ
クレス・ローベルク > 「や、やけざけ?」

自棄酒。そりゃまあ、彼女とて、既に成人である。
酒ぐらいは飲めるだろうし、男だって彼女の時分には酒を飲んでいた。
だが、今までの彼女の外見のイメージと自棄酒という単語の間に、若干距離があるようなないような。

「(まあ、今までの言動的には凄く似合うけども……!)」

とはいえ、アドバイスしたのは自分である。
微妙に良いように使われている気はするが、しかし此処で断ったとすれば、少女の方に不快ないい知れぬ感情が残るだろうし、何より飲めるとは言え、酒に慣れてるとは思い難い。
一人で無茶をする事は無いだろうが、ならばこそ、自分がついていなければという気もする。

「……OK、解った。何なら、安くてそれなりに治安の良い店に連れて行ってあげよう。
全く、信用されるというのも良し悪しだな」

と苦笑で言って、本を近くの返却棚に置く。
安い、と言っても男基準での"安い"なので、実は若干お高めだったりするが、そこは最悪、彼女が酔い潰れた後でこちらが多めに払えばいい。
本来、女性相手であっても金勘定はしっかりする方だが――

「(――全く。損をしたがる奴に対してこそ、損をしたがる性分ってのは本当厄介なもんだなあ)」

と思うがしかし。
その厄介は、決して迷惑でも、不快でもないのだった。

ティアフェル > 「めっちゃ呑む。浴びる程呑む、ぶっ潰れちゃうほど呑んで酔ってクダをまいてやるのよー」

 そんなものに付き合わされる相手の厄日具合ったらないが。
 ぐぐと拳を握って宣言した。最近煮詰まりがちになってきたので、ここで一発何もかも忘れてやると駄目な方向に開き直ってに、と口角を上げ。

「さっすがクレスさん、わったしの素敵なお友達ー。そう云ってくれるって思ってたよ。
 闘技場とのギャップ萌えー」

 愚痴るのにすぐ疲れて飽きるタイプ。早々とネガから脱して、ちょっと待ってて。と読んでいた本を棚にいそいそと戻しに行ってさっさかと戻ってくると。

「奢っちゃうから治安が悪くても激安な店にしよう、だってその為の用心棒クレスさんだからね」

 酔いつぶれても何とかしてもらう気満々だ。なんという厚顔不遜。高い店だと無理だが安い店で安酒ならギリギリどうにかなる。
 付き合わせる詫びに飲み代くらいは負担しないと――さすがにバチが当たってしまいそうだ。
 GOと笑ってぐいっと腕を引っ張った。お上品な地区の真面目な図書館から出て夜の街に繰り出す為に。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区/王立図書館」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/王立図書館」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 自分の瞳が持つ力を噂で聞きつけたらしい人に呼ばれて、今日は富裕地区へ出張しての鑑定。あまり難しい品物もなかったおかげで仕事は滞りなく終わり、普段受け取る報酬よりも高めの手間賃をいただいて、帰りには馬車で送ってもらう。
乗り慣れない豪華な馬車は、座り心地はいいけれど、気持ちが落ち着かない。もしなにかしらのミスで客車内に傷をつけてしまったらどうしようと心配になり、ぴんっと背中を伸ばした、緊張が外にも伝わりそうな座り方。
やがて住み慣れた平民地区が近くなってくると、ここでいいですと御者の男性に伝えて、おろしてもらった。

「…ありがとうございました」

頭を深く下げて、去っていく馬車を見送り、やっと気を緩められた。ほっと息を吐きながら、鑑定料金とは別に、お土産にと渡された高そうなお酒の瓶を、胸で抱え直す。
自分では飲まないようなものだったけれど断るわけにもいかなかった、このお酒をどうしようと考えては、眉を寄せる。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にネイスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からネイスさんが去りました。
ミンティ > 次に商人仲間での会合があった時に、お酒が好きそうな人たちに飲んでもらおうかと考える。話すのが得意じゃない自分にとっても、お酌をしていた方が、ただ黙って座っているだけの時間がなくなっていいかもしれない。
そう決めると、重たい瓶を抱え直して、のろのろと歩きはじめ、大通りの雑踏に姿を紛れさせて…。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からミンティさんが去りました。