2020/10/05 のログ
ドリス > 其の男が堂々と玄関の扉を叩いたとしても、彼が屋敷の主人たる男と一緒であれば。
そうで無くとも、主人の名を告げれば、恐らくは其れだけで―――初老の家令は恭しく頭を垂れ、
其の男自身の名さえ聞かず、心得た様子で夫妻の寝所へと男を案内する。
夫人が其の部屋で独り眠りに就いていること、そして、
何か必要な物が有れば、いつでも御呼び下さい、等と。

扉は静かに開き、客人たる男だけを呑み込んで再び閉ざされる。
近づいて来る其の気配にも、此方を見降ろす眼差しにも気付かず寝入っていたが、
――――閉じた瞼の直ぐ下辺り、触れる指先を感じれば。
小さく睫毛が震え、瞼の奥で眸が淡く蠢き、僅かに開いた唇が、すう、と息を吸う気配。
鈍く瞬いて、少しずつ持ち上げた瞼の奥、覗く双眸は暫く、焦点も朧な儘、
男の姿を其れと認識するまでには、幾許かの時を要する筈で。

ルヴィエラ > (―――夫たる彼の貴族は、共に連れ立っては居ない
未だ恐らくは夜会へと参加した儘、今宵は戻らぬ心算なのでは無いか
きっと、使用人達から其の様子を伺い、愉しむ為に
己が何者であるかなぞ、恐らくは知りもせずに声を掛けたに違いない
少なくともハイブラゼールでは、そんな危うい事を頼んでくるような輩は
一人足りとて居なかったのだから。)

「―――――御目覚めかな?」

(朧に焦点を繋ごうとする女の、其の瞳を覗き込む
そうして、女が言葉を取り戻すよりも前に、頬を滑る指先が降り
其の胸元を辿り、下腹へと至って、其処に沿う
――後ろで、扉が閉ざされる音。 使用人が閉めたのだろう。
他に誰の視線も無く、誰の声も――否、恐らくは女の声ばかりが届かぬ中で
女の体躯に、其の貌に、身体を傾ける男の影が、緩やかに掛かり――)

ドリス > 夫が此の寝所へ別の男を引き入れるのも、勿論此れが初めてでは無い。
使用人たちも慣れたもので、主人たる侯爵の命に諾々と従い、
記録用の魔導装置を起動させておくことも、時には客人の求めに応じ、
閨事に参加することさえも、平然と行えるようになっていた。

過去にはもっと得体の知れない男を招き入れたこともあり、
其れに比べれば今夜は随分、小綺麗な男を選んだものだ、等と、
階下の使用人部屋で侍女たちが姦しく騒ぎ立てるのかも知れないが、
―――――閉ざされた扉の此方側で、侯爵夫人が泣こうが喚こうが、
余程尋常ならざる物音でも聞こえぬ限り、朝まで扉は開かない。
男が招き入れられたのは、つまり、そういう場所なのだった。

「―――――― ぁ、……………」

初めに認識したのは、男の声だった。
其れから此方を覗き込んでいる、紅玉にも似たふたつの眸。
横たわった己が身の上に、蒼く長く打ち掛かる影。
眠たげな色を一瞬にして拭い去った灰色の眸が大きく見開かれ、
半開きの唇が悲鳴すら上げられずに強張って。

――――誰、と問えば良かっただろうか。
けれど最初の衝撃が過ぎ去ってしまえば、此の状況が誰の差し金か、
己に求められている役割が何なのか、悟るのは容易い。
其れでも、見知らぬ男に身を任せることばかりは、幾度繰り返しても慣れられず、
無駄と知っていながら身を捩り、男の手から、眼差しから、逃れようとしてしまうのだが―――

ささやかな反抗も、逃亡の試みも、今までに実を結んだことは無い。
だからきっと今夜も――――――。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からドリスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からルヴィエラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区の店」にアティさんが現れました。
アティ > 大分涼しい日々が続き、夜風が吹くころになれば過ごしやすい時間となっている近頃。
ほかの地区に比べれば、幾らか賑わい穏やかであり。
喧騒といったものも控え目なのは、平民地区との境に近い場所といっても、富裕地区というだけはあるのだろう。
平民地区と富裕地区の住人が、両方ともちょこちょこ見受けられる場所だけあって、比較的富裕地区の中心に比べれば気安く。
境目以外の部分には憲兵の目も厳しくないため、浮遊地区の中では歩きやすい部類ではあるかもしれない。

「色々ありますって…大雑把すぎない?」

そんな境の通りを兎はいつもの様子で、耳を隠すこともなく。
何か言われれば、ミレーではないと答えながら、あちらこちらへと足を運んでいくが。
少し人気のない路地の合間へと、足を運んでみればそこにあるのは、小さく建物に口を開けているお店と看板が目に入ったようである。
一見入り口だけ見ると、小さなガラスの覗き窓がついているだけの木の扉であり。
あまり大きな店には見えない、古めかしさも感じられる見た目となっており。
目を引くものの、どこかうさん臭さを感じさせる、大雑把すぎる取扱品の項目が書かれていれば、普通なら怪しまれても当然かもしれないだろう。

「ま、こういう所に掘り出し物ってあるのよね」

行き交う人もあまりいない路地で、兎は何度か看板に目を通し。
店内をのぞこうと、小さなガラス窓から中をのぞこうしたり、店の前でしばらく蠢いていたようだが。
やがて意を決したように、扉を押し開くようにして中へと踏み込んでいくことにしたようである。
押し開かれていく扉は、ギッときしむ音を響かせ。
やはり古びた様子を感じさせながらも、幸い埃が舞い上がる。
なんてことはなくて済んだようだ。
ランプに照らされている店内は、薄暗いというほどではなく。
所狭しと並べられた台や、棚に様々な商品は並べられており。
ちゃんとしたお店であることは鵜が買えるだろうが。
パッと見、表通りで見かけないような形状のものばかりであり。
効果はランダム、などと書かれた薬瓶までおいてあれば、怪しさはやはり増すだろう。
遺跡でも潜るような心持なのだろうか。
キョロキョロとあたりへと視線を揺らめかせば、少しだけ慎重な様子で店内へと一歩また一歩へと踏み出していが。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区の店」にスピサさんが現れました。
スピサ > 硝子での覗き窓 顔を近づけ、店内を舐めるように見なければならない薄暗い店内
そういう未知な場所ほど何があるかわからないものながら、中間という場所で構えるような店
そういった地区ならば裏通りの魔女の店、というよりも個人的な趣味嗜好で取りそろえた店であったり、両者の層に需要がある
はたまた、穴場という文字が浮かぶ場所

店内ではいつも通りの、姿に頓着しない素材だけならば珍しい部類の、火に属する獣の革で身を包んだ肌の露出が多い鍛冶師が一人
店内に置かれた砂だらけながら、硝子質を帯びる木の根のような外見
大き目の部類だろうが衝撃が無いようにと、綿をぎっしりと詰めたサイズを合わせた木の枠の中に収められている
それを見つめていた。

「……どこで手に入れたんだろ。」

豊満な胸の下で腕を組み、見つめるガラス質の木の根状のもの
それをジッと見つめている
ゴルドでいえばどれほどの値がするかもわからない
見る者がみれば気づくだろう
砂が混じるガラス状の木の根の形など

「……ん。」

扉の開く音
他にも訪れる人がいたことに敏感に反応する
掘り出し物、というだけではない
値札すらついていないこの商品をどうしようかと思っていた
仮にも常連客なら何を購入しに来ているのだろうか

鍛冶師としての物欲が珍しく、ふつふつと炭に熱が入るように沸いている
チラリと革の眼帯越しに見えた明瞭な視界では、見慣れた兎人が店内を物色していた。

「……?」

思わない人物に遭遇し、心中首をかしげる。
薄暗い店内、こちらを覗く薄青い肌と目元を隠す革眼帯で覆われた人相と眼が合うのなら
ちょっとしたホラーかもしれない。

アティ > 掘り出し物というのものは、いいものと悪いものまさにピンキリである。
そもそも、その人にとっては宝物であっても、ほかの人にとっては価値がわからない、なんてことは往々にしてあるものである。
何が起こるかお楽しみ、なんて薬品だって単純にいたずらを楽しむ者もいれば、その成分に希少価値を見出す。
そんな人もいるかもしれないのだから、侮れないかもしれない。
兎にとっては珍しいものという時点で、興味を惹かれるのは、遺跡などを潜って色々探るのを好む性質であるからなのは、まず間違いないのだろうが。

「とりあえず珍しそうなものは…一通り抑えて…。
って、店員さん?」

どれもこれも、お手頃価格。
とまでは言えなくても、ついている値段は普通に稼ぎを得られている住民なら、気軽に買える範囲の値札が付いている。
流石に兎も、店内では手甲は外して腰に引っ掛けるようにしてぶら下げており。
薬瓶などの割れそうなものや、繊細なものは手でちゃんと丁寧にとるようにして入るようだ。
そしていくつかの半透明な色がついた薬を、光に透かして見たりしていれば、そこでほかの気配に気づいたようである。
お店なのだからほかに人気があるのは当然なのだが。
品物に意識を向けすぎていたのか、ピンっと耳を気配にはねさせれば、視線を気配へと兎はすぐさま向けていくのだが。

「っ…!
…っと、その姿…スピサ?」

人のことを言えないだろうが。
やはり肌の色も違う上に体格もよい、眼帯をした人物を予期していない場所で見れば、一瞬身構えかけてしまったようである。
けれども、店員だとでも思っていたようであり。
その姿をちゃんと見れば、見知った相手であると、すぐ把握できたようだ。
物色していたいくつかの薬瓶や、装飾品を手に持ち腕に引っ掛けたまま、知り合いに会えたせいだろうか。
兎は打って変わって軽い足取りで、偶然の遭遇を果たした彼女のほうへと足を進めていく。

「何々、ここってもしかして…スピサ御用達の穴場?
なんか、妖しい感じのお店だからつい、はいっちゃったんだけどさ」

腕のいい鍛冶の彼女である。
たまたま足を踏み入れた兎とは違い、彼女が足を運ぶに足るものがあり。
目的をもって来店しているとでも思ったのだろう。
彼女の近くにある、品物のいくつかに視線を滑らせ。
兎は明るい様子で彼女へと、言葉を投げかけていくが。

スピサ > 富裕層にも効き平民にも効く
両方の好奇心がそそれるとするならそれは良いことなのだろう
旅人にもそれは効いているようで、手には小瓶をいくつか持ち、再会も含めて買い物という行為を楽しむ姿

スピサからはおおよそ程遠い楽しみ方のアティ
腰に下げたポーチと武具である愛用のメイス以外、手荷物がないスピサは手短な相槌を打つばかり。
鉄と向き合うことが多く、火と見つめ合うことが多いサイクロプスの鍛冶師
しかし、数少ない知己、友人といってもいい相手に、スピサは表情筋がいつもよりも力を抜いているだろう

「……こういう場所って、何があるかわからない、から。
 素材もそうだけど、……廃鉄同然一つの歯車が、魔法銀だったり、するよ?」

両手を後ろで組み、素肌オーバーオールのままでは強調される胸元。
チラリとみるほうは未だ気になる、硝子の木の根だ
よく見ると飾りものとして壁に枠の中で糸などでくくり、張り付けるなどですると予想できた

他にも探せば、身近にありそうで、ないものもあるかもしれないものの
アティの手に持つ瓶を見つめる

「……アティのは?エリクシルでも見つけたの?」

薄暗い趣味全開といえそうな店内の中、半端に煮詰めたエリクシル
火竜の涙、溶かし薬 など、幻想的な希少性から、魔術師が作り出すようなものまで
頭の中では物語を開いたようにあり得ないものを考える。

この店内でおおよそでいうなら、希少葉の油瓶や薬樹のエキスとかだろうか?
この甘い香りは香水かもしれない

「スンスン 良い匂い」

無造作に、手に持っている一つに狙いを定め、手を。

   きゅっぽんっ

薬や調味料など、ふたを開けその裏で嗅いだり舐めたりと味見をすることが普通
得体の知れないものを買わないようにながら、スピサは縁のない代物
無警戒に空けた サイクロプス種という強靭性故の無警戒かもしれない。

アティ > 生業や生活も違い、共通しているという部分は性別と、亜人といったところだろうか。
それでも、防具を主に修繕や調整を兎はしてもらうことも多く。
彼女に対して信用と、ある程度の気軽さを持っているようであり。
兎からすれば、鍛冶師である彼女はすっかり見知った友人という立ち位置に収まっているのだろう。
彼女に比べれば大分コロコロと色を変える兎の表情が、警戒から一気に明るくなったことからもそれがうかがえるかもしれず。
意外な場所での出会い、というのがそれをさらに後押ししているのは間違いないかもしれず。

「私は鉱物とかあんまり見分けられないからなぁ…。
なら、何か変わった金属見つけたら、スピサに持ち込むのもよさそうね」

鉱物の扱いは彼女の分野に間違いないだろう。
餅は餅屋にといった様子で、彼女から豆知識の一つでも返されれば、兎は素直に言葉に耳を傾けていくのだ。
相変わらず立派な彼女の胸元、ではなく。
チラリと兎も彼女の視線に気づいたのか。
視線を揺らめかせれば、硝子の木の根に気づいたようであり。
見慣れぬ物に兎の興味も、むくことになったようだが。

「あ、これ?
エリクシルなのかな…効果はランダムとか、夜のお供にとか、いくつか妙な説明札の場所から持ってきたんだけど…っと?」

これだけの品物が並んでいる場所である。
エリクシルに近いものや、それに挑戦したものがあってもおかしくはない。
流石に本物の高品質なものがあれば、それは掘り出し物ではすまないレベルの価値となるだろうが。
兎は改めて、首を傾げ気味に怪しげな説明札があった棚からのものであることを、彼女へと零し。
明りに透かすように薬瓶の一つにでも視線を向けかけたようだが。
次の瞬間の響く、小気味いい音に兎のは少々震えるように跳ねることになったようだ。

「…いきなり開けて大丈夫?
確かに、甘いような何か不思議な感じの…いい香りだけど。
何かこれ…」

一気飲みをするわけでもなく、試すようにあけられた薬品が破裂するようなことはなかったようだ。
けれども溢れ出す甘い香りは、揮発性が高い成分を含んでいる薬だったのだろう。
ふわふわと空いた瓶の近くにいるだけで、十分に感じ取れる香りに、スンスンと鼻を兎も利かせ。
その何とも言えぬ心地よさに、どういったものだったのかという疑問は余計に膨らむことになったようだが。

ふわふわとした感覚の奥に浮かび始める、一つの疼きに気づけば、兎は彼女の前で一つ身を震わせることになったようだ。
体の芯から疼き上がるような感覚は、覚えがありすぎる熱であり。
蓋を戻すように促そうと、彼女のほうへと身を乗り出すが。
パシャリと揺れて跳ねる原液は、彼女の口元と胸元にかかりそうな飛び方をすることになるが。

スピサ > 「ん……私も、見たことないのは、叩いてみないとわからない、よ?」

そう言って、二人という同性での買い物感覚は段々と緩やかに話が弾むかのよう
2人の話題はアティの好奇心から持ち上げた代物
普段ならスピサは手を伸ばさない未知の代物ながら、アティがというのなら
それはオイルや香水など、治癒薬も含め甘い香りに興味を引かれて開けてみる

漂う甘い香りが無風中でもゆっくり広がるのなら、揮発性かつ芳醇な香り
直ぐに乾くということは吹きつけや塗ることですぐに目立たなくする塗布薬か、と予想
宣伝文句は夜のお供 ランダム 
眠るための香油にしては普通過ぎるだろう
アティが少しばかりの雫をこぼすように蓋を閉じるようにするも、口元は口数の少なさが幸いした
唇にかかるだけであり、胸元のほうが大きい
しかし呼気というものは胸元に塗ると揮発が口や鼻腔に潜りやすくもあり、咄嗟に元を手で覆わなかったのが原因になる

≪1D100ダイス判定 ~30 少しばかりの熱気を伴う 31~60 下半身に自然と力みが入り、勃起症状
 60~100 我慢できない。≫
[1d100→53=53]
スピサ > すると、未だ甘い香りがするものの肌の上にあった水気は全て揮発する
揮発という空気中に漂う大気と混ざり合った成分は口元と鼻腔の内側に全て収まり、一瞬
熱の空気 ほぼ味のしない高密度の酒精のようなそれが入り込んだように感じると
肺にくる熱 お尻に対して力を入れているわけでもなく、ほぼ力を入れていないのに。一部分だけが汗を滲ませる

オーバオールの内側から、強い革の生地を押し上げ、ムクムクッ、と薄青肌の肉棒が押し上げ、天幕をつくる

「ぇ……っ?え……っ!?」

ジリジリと手が這うようなくすぐったさがびりびりと、肉棒に流れてくる
夜通し鉄を打つ際に、口に入れる精力剤の果実にも似た間隔。

「こ、れ……びや、く?」

ここが鍛冶場か自室なら、思わず手を伸ばして自慰と言わんばかりに手で扱きたくなる
そんな詰まった性欲を感じた。

アティ > 「だから、まずは持ち込みかな」

問題はそれほどの金属など、基本的に重量があるものをどの程度持って帰れるかという問題はあるが。
そこまでは深く兎は考えていないのだろう。
遺跡などで目に付いた貴金属をできるだけ鞄に詰め込み。
重さで四苦八苦しそうな未来図が見える気がするのは、おそらく気のせいではないかもしれないが。

固く封をしてあったわけでもなく。
開けること自体はお店は可能性ありとでも思っていたのか、もしかしたらこんな怪しげなお店だからこそ、厳重な封がされてなかった可能性もあるだろう。
けれども、開けられてしまった薬瓶からあふれた香りは既に瓶に戻すことなどできるはずもなく。
兎自身もその性質から、興味津々にその香りと中身に意識を向けてしまった分、対応が遅れ。
彼女へとより効果を広げることに、結果的になってしまったようである。

『薬品体制低 1d100 1~20強い発情(多少我慢できる)。21~50(我慢できない)。51~100(理性が獣の発情に飲まれる)』
[1d100→15=15]
アティ > 「はっ…ふっ!
これ…とんでもない、濃さ…っ!?」

薬品などにはずっと強いはずの彼女ですら、熱にさいなまれ始める様子の威力である。
香りだけをもらってしまい、飛沫を直に浴びてはいないとはいえ、兎に走り抜ける熱はそこらの安物の媚薬の類とは比べ物にならなかったようである。
思わず下腹部周りを片手で抑えるように手をあてがい。
衣服を握りしめるように力を籠めようとする様子を、兎は見せてしまうが。
同じく熱に侵され始めた彼女の声につられ。
視線を向けてしまえば、彼女の姿とオーバーオールを押し上げる肉棒の様子が視線に入り込んでしまうことになり。

「ス、スピサ…こ、股間…隠し…て。
これ…まっずいっ…!」

お互いに味を知りあっている分、彼女の雌と雄両方の香りは、とてつもなく胎内を疼かせ。
雌としての熱と、獣としての発情を刺激してやまないのだろう。
下腹部を押さえて、息を荒げている兎が言う言葉は、お互い様のような状態であり。
兎もまた雌としてのフェロモンをこぼし始めるありさまである。
思わず伸ばしそうになる片手は、彼女の股間に向けられかけてしまうことになり。
蓋を閉じたものの、彼女にかかった分は揮発を続けているのだろう。
そんな状態でふたを閉めただけの薬瓶は、手の合間を抜け。
商品台に勢いよく当たることなりそうだが。

アティ > 『薬瓶の跳ね返り1~50 兎にかかる 51以上 スピサにかかる』 [1d100→59=59]
スピサ > 蓋を閉める
それは行えたはずなのに、スピサへ雄を求めるように、目がギラつきはじめた獣の性を見せるアティ
スピサはまだ、身体が起き上がり、発情している段階
理性は消えておらず、その大人しい身体が熱を帯び、燃え始めるだけ

しかし、瓶を零し、あまつさえそれが零れた反動から適当なものに弾けてスピサの顔から肩、胸元を濡らす
その豊満な乳房をギチリと覆うオーバーオール
谷間は当然のように見え、そこに雫が溜まるほどに浴びてしまった

アティは、その状況を見ながらスピサもまた、固まった
この薬の効能は一国の王の前で首筋や谷間に塗布し近づけば、子をなすまで離さないと言わんばかり
勝ち組に乗れるほどの塗布薬だ

そう理解した瞬間に、鼓動は跳ねる
指先が鼓動でブレてしまうかのよう
髪から雫が一滴床に垂れ堕ち、カシャンッと小瓶が割れる音で店主が顔をだす

その場の行いに腹を立て、媚薬代を請求しながらもハンケチで口元を抑え、窓のない薄暗い部屋
唯一の出入り口を開け空気を流す

その行いが近隣にわずかな影響を及ぼしそうながら、店主と共にアティがまだ理性あるうちに手を引き、外へ連れ出す
もう、どちらが弁償代を支払ったのかも覚えていないままに、二人は脚早に適当な死角、裏路地を探し其処へ入り込んだ
こんな塗布薬に塗れた状態で、宿を借りることすらできないだろう

2人の状況は今、淫魔の高濃度なチャームの瘴気を放つかのよう
異性同性かかわらずその気にさせてしまう危険性を及ぼすくらいなら、向き合う二人だけでいいというように。
2人が出てくるのはきっと、日が暮れ、互いに枯れるまで
いや、枯れて転寝をして起き上がってしまうくらいまで

揮発した後の肌が汗で薄まり、やっと終わる時間はいつになるのか それは二人だけにしかわからない

アティ > なぜこれほどのものがこのお店にあったのか、これほど軽い保存の仕方であったのかなど、店主にしかわからないだろう。
けれども、確実に既に抑え込むに抑え込めないほどに、上質すぎる薬の効果によって、熱にさいなまれ始めているのは紛れもない事実に代わることはなく。
耐久のある彼女ですら熱に飲まれ始めているありさまなのだから、よくという意味では獣の血を引いている分より燃え上がりやすく。
薬への耐性も低い兎は既に、余裕などかけらもないのだろう。
気を抜けば今にでも襲い掛かるような勢いでむしゃぶりつくことになり。
襲いながら誘いに誘いをかける、なんてありさまになってもおかしくないのは、その息遣いや視線が、言葉以上に物語っているのである。

「にげっ…ふ…ぁっ!?」

どちらが逃げるべきか、そんなことまで考えてはいない反射の言葉である。
瓶がさらにこぼれてそのまま落下して、たたきつけられるままに響く硬質な音が、熱の合間のわずかな合図になるように、口を開かせることになったようだが。
店主の顔を確認する余裕もなく、また、店主も姿を完全に確認できたかわからないほどの間をもって、手をひかれれば、それだけで腰を震わせそうなありさまとなったのだろう。

手を引かれるままに、危なっかしい足取りで道を進み。
引かれるままにその手を頼りにするように、いつしかたどり着くほかに人気もない路地裏は、一時の終点となったようだが。
そこからが本番であることには、零れ落ちる香りも、その気配も雄弁に物語っており。
人気のないはずの場所であっても、周りの家にすらそのわずかな影響を与えるほどの熱を、生み出すことになったかもしれないが。

一昼夜、それですんだのか。
それともそれだけではすまずに、更にとなったのかは未知数だったかもしれず―

ご案内:「王都マグメール 富裕地区の店」からスピサさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区の店」からアティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 」にデロスさんが現れました。
デロス > 王都マグメールの平民地区と富裕地区の境界あたりに構えられた旅籠、偃月亭。
宿泊施設のほか温泉や遊技場を完備し、女性客へのサービスが手厚く、割引などもされることが有名な店である。
しかしその実態は、やってきた女性客を店主のデロスが凌辱や調教するための場所であった。
悪事は今でも続いており、裏の社会ではそれなりにデロスの悪行も知られるようになってきていた。
摘発されないのはデロスが権力者に阿り、癒着関係にあるためである。故に、デロスの悪行は見過ごされていた。
無論、表立って摘発がされるようなことがないようにはしているが。

今日は女性客割引の日とし、宿泊だけでなく温泉などの施設の利用のみも可能であることを強調した看板を外に出している。
加えて、闇市場にそれとなく偃月亭での脱衣所や温泉の盗撮、凌辱や調教の一部を記録した映像をデロスは流出させた。
それに気づいた女騎士などが調査にやってくるのを狙ってのことである。
リスクはあるものの、大事にはならないようには根回しをしており、調査に来た女騎士などを罠にはめる準備は出来ていた。

「さて……今日はどんな雌が来るか」

そんなことをつぶやき、下卑た笑いを浮かべながらデロスは店内のカウンターで客を待つ。
もしくは、すでに宿泊している客に手を出すか。
そのようなことを考えて時を過ごす。

デロス > そのままデロスは時を過ごす。
新たな獲物が姿を現すまで――

ご案内:「王都マグメール 」からデロスさんが去りました。