2020/02/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にソーニャさんが現れました。
ソーニャ > ――――人間なんて嫌い、人間なんて本当に、大っ嫌い。

先刻から何度繰り返したか知れない言葉を、頭の中で繰り返す。
声に出さないのは出せないからで、暴れないのは動けないからだ。

此処は典型的な腐敗貴族の屋敷だろう、地下サロンなどと格好つけても、
毒々しい緋色の調度で彩られた部屋で行われているのは、奴隷の披露会だ。
客人たちが持ち寄った奴隷、ホストである屋敷の主人が用意した奴隷、
次々に哀れな弱者たる存在が中央の舞台に引きずり出され、
凌辱と蹂躙の限りを尽くされて泣き叫ぶさまを、貴族どもが鑑賞する。
鑑賞、に留まらず、参加するのも自由であるし、何処かへ連れ込んでも構わない。
イベント自体は珍しいものでもないし、好きにしろと思うけれども。

己自身が首にリードを付けられ、両腕を後ろ手に拘束されて、
ご丁寧に目隠しや猿轡までされて奴隷の一人として供されるとなれば、
勿論、話は全く別だった。

緋色の天幕の此方側、サロンの前室には奴隷たちが集められ、
甘く絡みつくような香りが漂う中、奴隷たちの啜り泣きが彼方此方から聞こえてくる。
天幕を潜り、サロンへ引き出される屈辱だけは避けたいと思うが、
――――拘束されているからだけではなく、身体が重く感じられて身動きも儘ならない。
何かの術式が使われているのだとすれば、ますますもって忌々しかった。

ソーニャ > 怒りで人が蹴散らせるならば、今頃此処は惨劇の場だ。
残念ながら、そうした特殊能力を持たぬ身は、ひたすらに時を待つのみ。
何処かで誰かに隙が生まれれば、と、ただ其ればかりを考え続けて――――。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」からソーニャさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にミストさんが現れました。
ミスト > 「ここも異常はなしっと」

富裕地区の屋敷が並ぶ一角をカンテラを片手に一人の巡回。
貧民地区を回るに比べれば安く、平民地区よりは高い報酬が貰えると飛びついた仕事は相変わらず平穏そのもの。
場所が場所だけにそうそう問題を起こそうという者も居なく本当に見て回るだけ。
念の為と路地を覗き込んでも酔っ払いなどもいる筈も無く…。

「今日の仕事は当たりかな」

これで報酬が貰えるなら本当に楽な仕事。
後は終わりまで平穏に済むことを祈って決まったルートを歩き。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にリアさんが現れました。
リア > (誰も居ないと思われるその地区の上空で、少年は羽を広げて飛んでいた。
蝙蝠にも似たその羽を広げれば、まるで悪魔かのようなシルエットを地上に映し出していた。)

「…ふぅ」

(しばらくすれば着地し、近くの石段の上に足を抱えて座り込む。)

「最近、全く相手を見つけれなかったから…ちょっと魔力不足かなぁ…。
はぁ…。」

(ため息をつき、どうしようかと悩んでいると、近くで足音がした。
そちらを向けば、女性の気配。
可愛らしい顔に怪しげな笑みを浮かべるとそちらへと歩を進める。)

「…こんばんは♪お姉さん♪」

(貴族らしいきっちりとした服装に、女の子のような細い体をした男の子が目の前に現れたのだった。)

ミスト > この辺りの仕事はあまり気が進まないが報酬がいいので時折引き受ける。
引き受ける時に限り面倒ごとが多い訳だが今の所は平穏そのもの。
このまま終わればいいと考えて角を曲がり…。

「どうしたの、ぼうや?もしかして迷子…じゃないよね」

きっちりとした服装の女の子に見えそうな男の子。
同性と異性は流石に間違えず、こんな場所で迷子とも思えずに声を返して。

リア > 「えぇ、ちょっと散歩をしていまして…。」

(軽くお辞儀をすれば、目元を隠す髪が少し乱れて片目が現れる。
目を閉じて、糸目の様にしているその顔はとても綺麗であった。)

「ですが、良かったです…なんせ…。」

(再度、ミストに顔を合わせる様に顔を上げると、その眼が開く。
ルビーのような赤くて綺麗な瞳が現れると、その眼は一瞬強く光り、ミストに魔術をかけて、力を無くし、拘束しようとしていた。)

「今夜のお相手を探していましたので…♪」

ミスト > 「こんな時間に?お屋敷のパーティーでも抜け出してきたのかな?」

どこかに護衛が隠れているか屋敷が近いのかなと散歩と告げる少年を見て。
お辞儀をする姿に貴族なのに礼儀正しい?と考えるのは貴族との出会いは大体ろくでもない事が多いので。

「よかったって……ボクは遊び相手にはなれないよ?」

でも偉そうでなくちゃんと顔を見て話しを出来るのはいい子だと笑みを見せ。
少年の眼が開かれ瞳が現れ光ると身に着けている耐魔系のアミュレットが一斉に反応し、いくつものガラスが割れるような音が鳴り響き。

「……っ!いい子かと思ったら悪い子だったみたいだね」

アミュレットがなければ危なかったと慌てて少年から離れるように後ろに飛び。
金棒を腰から引き抜き構えて見せて。

リア > 「オヤ?破られましたか…。」

(拘束できなかった様子を見ては首をかしげて不思議そうにする。
どうやら、アミュレットに魔術を弾かれたようで、魔術を有効かすることが出来なかったようだ。)

「ふむ…仕方ありませんね。
こちらも、久しぶりの女性なので…なんとしても手に入れたいですしね…♪」

(軽く跳ねると、背中から巨大な蝙蝠のような翼を広げて浮遊し、腰辺りからは槍のような先っぽをした尻尾が出て来る。)

ミスト > 「破られたじゃないんだよ。巡回の仕事で出費増やさせないで欲しいんだけど?」

首を傾げ不思議そうにする少年。
可愛くは見えるが今の行動ではっきりと敵と認識すればたとえ子供でも手加減をする理由もなく。

「ボクは躾けの出来てない子は嫌いだよ。
少し痛いお仕置きをしないとね?」

跳ねた少年の背中から巨大な翼。そして尻尾が現れれば魔族轟はするが直ぐに落ち着き。
どうやって倒すか追い払うかと考えて。

リア > 「ん~?申し訳ないけど、お姉さんの事情に関しては僕は関係なんだよね…。」

(空ちゅで頬杖をつく。
猫の様にのんびりとした微笑み顔をすると、人差し指を一本立てる。
すると、少年の周りに複数の赤黒い魔力球が現れる。)

「とりあえず…大人しくして?」

(ミストに向けて指を向けると、そのまま球が襲い掛かる。
個体となった魔力の塊はあちらこちらへと浮遊し、叩きつけるかのように動き回って来たのだった。)

ミスト > 「ボクもね。悪い子に付き合う義理はないんだけど?」

悪徳役人、碌でもない貴族、そして我儘な子供、特に会いたくない一角に出会ったと判れば肩が落ち。
それでも警戒を解かないのは実戦経験の多さ故。
ただ問題は……相手が飛んでいる事と今現れた魔力球。

「絶対にしないから帰ってくれないかな…!」

指の動きと共に襲い掛かってくる魔力球。
純粋な鉄の棒である金棒では叩き落すことも出来ないものだが……。

「今日に限って災難しかないよ…本当に!」

懐から小瓶を取り出し中身を棍棒にかけ…疑似エンチャント。
それで避けれそうにない魔力球を打ち払い間合いを少しずつ開けていく。

リア > (地面に落ちてもすぐに浮かび上がり、容赦なくミストに迫ってくる。
そのたびに魔力球は弾かれて地面に落ち、いくつものクレーターを作っていく。)

「ふーむ、道具に頼る感じか…」

(どうした物かと余裕そうな顔をする。
距離を開けられる、逃げられると困り作戦変更と移った。)

「めんどくさいし、やってみようかな?」

(そう言うと、リアは突如分裂を始めた。
地面に着地したリアには槍のような先をした尻尾があり、浮いているリアには尻尾が無かった。
そのまま、尻尾のみのリアは構えると、超高速な動きでミストに近づく。
スリップを効かせ、身軽に背後に回ると、そのまま腕を掴み、足の関節に蹴りを入れて地面に倒そうとした。)