2019/12/20 のログ
シロナ > 「―――あ、しまった。」

 戦士ギルドとか、そういうのは、基本的には、平民地区である。ここは冨福地区であり、そういった場所とは縁の薄いわけでは……ないのだろうが、どどん、とある場所ではないのだ。
 家の近くなので、家に帰ることもできるけれど、何か今帰るのは負けた気がする。何に負けたのかは、判らないのだけれども。
 こう、思うのだ。
 自分に何が足りないのだろうか、と、母親は強い剣を持って暴れまわる、叔母であるラファルは……短刀で高速。
 自分は、母親と同じように大剣を使って居るが、被っている気がするのである、母親は気にしないけれど。
 姉は短槍である。

 職業で言えば前衛戦士 中衛シーフ 中衛ヒーラーと言う所か。
 自分はどっちかと言えば、前衛戦士である。
 こう、武器を変えて、もっとチェンジした方が良いのではないだろうか。

 魔法で閉まって居た大剣を引っ張り出して、しみじみと眺める。
 こう、違う武器を使った方が良いような、気がして、居るのである。

シロナ > 「前衛……。」

 考えるのは苦手だが、必要であれば考える、脳筋と言うのは、筋肉でできた脳みそであり、戦いのために使われる脳みそなのである。
 つまり、何も考えないで行くのは脳筋ですらない―――ただの馬鹿なのである、と考える。
 ただ、問題を解決するための早道としての暴力を選びやすいだけなのである、暴力とはわかりやすい力であるからして。
 思考がまたズレているような気がする、寒いせいだからだろうか、少女は周囲を軽く眺めて、ベンチを見つける。
 戦士ギルドで筋肉を見ていたいけれど、気になったこと、思考するべきことを認めたので、ちゃんと座って考える事にする。

「前衛としての役割。」

 武器をぶんぶん振り回して敵を薙ぎ倒すタイプの前衛、防具を固めて、敵の攻撃を受け止める系の前衛。
 母親と自分は、恐らく前者なのである、さて、其処で考えてみよう。
 同じ武器という事は、同じ手段である、つまり、斬撃が効果のない敵が出てきた場合、斬撃のみでいた場合はピンチになるだろう。
 考えてみれば、魔法使いは―――叔母の竜胆だけれども、彼女は冒険に出るだろうか?まず、出ない。
 そうなると……やはり、武器は違う方が良いのではないだろうか。魔法を使える方が良いだろうか。

 魔法はちょっと難しいけれど、武器は替える事は出来そうだ、自分はまだ、習熟と言うレベルではないし。
 今の武器だって、何となくで使って居る所も有るのだし。

「戦士ギルドで、色々な武器を、聞いてみるのもいいなぁ。」

 筋肉も見れるし、筋肉も、視れるし。

シロナ > 「―――よし。」

 決めた。
 今日はもう、家に帰ろう、考えるのは疲れる、運動する何百倍も、疲れるのだ。
 だから、今日は家に帰って休むことにして。
 明日、戦士ギルドに移行、そして戦士たちから、色々な武器に関して聞く異にしよう。
 母や、姉、叔母が使って居ない武器を。

「アタシだけの武器を―――。」

 何か、そう考えてみたら、少し嬉しくなった、愉しくなった。
 ちょっと、訓練とかしても良いかもしれない。
 よし、と息を吐いて立ち上がって。

 ダッシュで家に帰るのだった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区/閑静な公園」からシロナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にネコさんが現れました。
ネコ > 『……』

富裕地区の通りに、一人のメイドが立っていた。
何をするでもなく、通りの人々に視線を向けている。
メイドは、ミレーであった。メイドは、隻腕であった。

『……当てが外れる、というのは。
 こういう状況のことを言うのかね』

少女は、通りに面した銀行の壁に背を預けながら不満そうに言う。
普段あまり富裕地区にこないこの少女が、なぜ今夜ここにいるのか。
それは至極単純な話である。つまり……。
借金返済のため、体を売りに来た、ということ。

『なんだよなんだよ。お貴族さまは片腕のねぇ女はいらねぇってか?』

ぶちぶちと文句を言う少女。
普段なら、貧民地区で客を取るのだが。
莫大な借金の返済のため、今宵は金払いのいい客を求めた……のだが。
どうにも。噂よりも、変態な貴族、というのは少ないようで。
少女はすでに、数時間寒空の下に立っていた。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にヴィルアさんが現れました。
ヴィルア > 変態、かどうかは別として。
メイド姿の少女が、視線を通りに向けているのを見つければ。

「やあ、寒空の下、どうしたのかな。ご主人様の命令かな?」

丁度商談の帰り、富裕地区の一角にある屋敷に帰ろうかという貴族の青年が近づいてくる。
雰囲気からは相手が春を売ろうとしているとは気づいておらず。
メイド服も相まって、主人に何か命令を受けているのかと考えて。

「身体が冷え切っていそうだが…、君の主人は酷い奴だね。…大丈夫かい」

何せ今日も寒い。
こんな空の下放置するとは、従者に対する管理がなっていないな…と思いつつ。
にこり、と好青年と評される顔立ちを歪め、笑いかけよう。

ネコ > 今日はもう帰るか。少女がそう考えはじめた時。
ふと、声をかけられ、そちらを振り返る。
そこにいたのは、若さを感じる男であった。

『……そんなんじゃねーよ』

主人の命令で立っているのか? と問われれば。
少女は、不機嫌そうに答えた。
しかし、そこで少女は、ようやっと客を捕まえられたかもしれない、と考える。

『これはあくまでもアタシが自発的にやってること。
 ……確かに、体は冷えちゃってるね。
 ……ねぇアンタ。私のこと、買わない?』

すでに最初の一言で地を晒してしまっているのだから、と。
少女は、演技もせずにそう問いかける。
もしもこの相手が買わないなら、別の客を探すだけだ、と。

ヴィルア > 声をかければ、不機嫌そうに答えられ。
男はクス、と笑う。躾けもなっていないのか、と。

ただその勘違いは正されることになる

「自発的に?……ああ、そういうことか。
要するに、一夜限りの相手を探していたわけだ」

自発的に…という言葉に首を傾げるも。
続く言葉に、納得を示す。
客を探していたのかと察すれば、少し考える表情。
そうして少し、時間が経てば、再び笑みを浮かべ。

「丁度、私も仕事が終わったところだ。
いいだろう、君を買おう。…暖かい寝床も用意してね。…君、名前は?私はヴィルアだ」

情か、あるいは別の思惑か。
身なりのいい、いかにも金を持っていそうな青年はこく、と頷き。
ダンスのエスコートのように手を差し出そう。

ネコ > 相手が自身に対してどのような評価を下したか。
という点について、少女は気にしない。
そもそも自分の主人の名を出さなければ、主人の評価も落ちまい、としか考えていないのだ。

『ま、そういうこと。ちっと訳ありでね……』

相手の率直な言葉に、少女はやれやれ、といった様子でそう告げる。
なんというか、変なやつに絡まれたぞ、と少女は内心だけで失礼なことを考えるのだが。

『……案外、あっさりだね。アンタ、この腕見えないの?
 ……ま、買ってもらえるなら文句は言わないけどさ。
 ……ネコ。アタシの名前は、ネコだ』

どうしたものか、と考えていれば。相手が自身を買うと言い。
少女は、拍子抜けしたように思いつつも、左腕で右肩を指差す。
隻腕の女を買うのなら、もう少し……分かりやすい変態が来るものだと思っていたので、意外であった。
だが、このチャンスを逃す手は無い、と。少女は相手に向かい左手を差し出す。
名乗った名前は、偽名ということではないのだが。
猫のミレー族だからネコ、だなんて。相手にしてみれば、ウソか冗談に思われるかもしれない。

ヴィルア > その変な奴は、笑ったまま手を差し出し続ける。

「訳アリであろうとなんであろうと。私が良いと思えばいいのだよ」

この腕見えないの、と言われれば
関係ないとばかりに笑って。
むしろ、そういった、特異な身の上は彼の好むところだった。

「ネコか。…偽名だろうとなんだろうといい。着いてきなさい」

左手を差し出されればこちらも左手で手を引き。
富裕地区の自分の屋敷に連れていこう。
屋敷に入れば…燃料をかなり焚いているのか、入った時点で既に暖かく。

そのまま、まずは彼の部屋へと案内しよう。
豪奢な天蓋付きベッドと、衣装入れなどが設置されているその部屋に案内すれば、好きに座ってくれ、と言い。

「そういえば、君はどれくらいで買われてるんだい。…内容にも寄るのかな」

しゅるりとコートを脱ぎながら、部屋に連れ込んだ相手に、聞いてみよう。

ネコ > 『……あぁそう』

相手のさわやかな言葉に、少女はいよいよ隠しもせずに。
うげぇ、なんて表情である。と、いうのも。

(……このアンちゃん、アタシの嫌いなタイプだぁぁぁぁ……)

そう。嫌い……というか、まぁ。反りが合わぬタイプとでも言うべきか。
そもそも、少女は貧民地区のスラム出身だ。
貴族やら金持ち、なんて人間とは、頭から反りが合わぬので。
この相手うんぬん、ではないのではあるが。

『偽名じゃねーっつー。今の雇用主に付けられた名前だっつー。
 ……あいあい。お供しますよ』

一応、今の本名だ、と説明しつつ。相手に手を引かれ、屋敷へと案内される。
やっぱり金持ちだ。いけすかねぇ、なんて感情は内心に秘めつつ。
少女は、相手の部屋へと案内されるがまま。

『……そうな。まぁ、プレイ内容による。
 どんなことしたいのさ。SM? スカトロ? ダルマ?
 一応、ある程度はお応えするけど?』

少女自身、毎回金額を決めているわけでもない。
なので、ここは相手の求めるプレイを聞いてから適当に決めよう、と思いつつ。
少女は相手のことをまっすぐ見る。

ヴィルア > 嫌そうな表情をされても。
既に買った、と宣言したのだから…男はそのまま手を引いていくだろう。
貴族を嫌う者は多い。それもまた、仕方のない事だ。

「そうか。それは失礼した。ではネコと呼ぼう。こっちだ」

部屋に連れ込めば、タイを緩め、ふぅ、と一息。
仕事が立て込んでいたため中々帰ってこれなかったのだ。

「中々ハードなこともやっているのだな、ネコ。
そうだな…時間から決めた方がいいだろう。一晩、朝日が昇るまで。
内容は…軽いSM込みだが、どちらかといえば普通の性交かな」

そもそも、この部屋には。
特殊なプレイをするための道具はない。
浣腸器やダルマなども、地下ならばできないことはないが…。
一先ずは、ノーマル寄りの提案を。

見つめられれば見つめ返し。
隻腕ながらもそれに負けず、強い意思を感じさせる瞳のミレー族を観察し。
相手とは逆に…彼は、貴族にも物怖じしない少女の事を気に入り始めていて。

ネコ > 隠そうともしていない表情を見られたというのに。
相手は嫌悪すらしない。予想外に大物なのかもしれなかった。
とはいえ、少女のように鬱屈した人生送ってきていると。
この、さわやかさというのがどうにも胡散臭く感じられてしまうのである。
……何のこともない。ひがみ根性である。

『ん……。ま、本当の名前はもう捨てて、思い出せないんだけどね』

どんな名前だったかなぁ、と考える少女であったが。
今やどうでもいいか、と。すぐさま思考を切り替える。

『そんなに頻繁にやってるでもないけどね。
 ……ん。承りました。そいじゃあ……。
 一晩、金貨1000枚。それで何発でもやりほうだい。
 それでどう?』

相手の静かな提案に、少女は頷き、金額を提示する。
正直言って、高級娼婦でもそこまで取るかどうか、という金額だ。
時間内なら回数無制限、と言っても。隻腕の娼婦に払う金額ではないかもしれない。
相手に見つめられれば、少女はその提案だけをして、見つめかえす。
買うか買わないか。それは、相手次第なのだから、と。

ヴィルア > お互いの印象が乖離していくが。
鬱屈した人生でなければ、腕を失うことなどそうはないだろう。
ひがむ視線を受けたとしても、青年は爽やかなまま。

「いや、いい。呼び名が無いなら呼びにくいと思っただけだ。
ふむ……」

値段を提示されれば、また考える仕草。
今度は少し無遠慮に、少女の体を上から下まで眺めて。
そして、態度と…少女から感じられる気軽さを加味し。
計算しているのだ。少女を買って、自分に得があるかどうか

「高いね。富裕地区で娼婦を買った方が安いだろうな。
ただ…その分、サービスしてくれるのなら、構わない。
…本当に一晩いいんだね?」

何発でも、一晩。
そして…恐らく金を積めば、追加で先ほど少女が言っていたプレイも追加できるのだろうと推測して。
それだけ取るからには、サービスを男は求め。
最後の言葉は…どこか少し脅かすような声音で。

ネコ > 微妙な少女の視線をも受け流す相手。
少女はこと、ここにおいて確信した。
あぁ、こいつは変わり者、もしくは大物だ。きっとそうに違いない、と。

『なんなら、好きに呼んでくれていいっすよ』

所詮一晩だけの関係だろう、と。言外に主張する少女。
そのまま、相手の考え込む様子に、少女はふ、と笑みを浮かべてみせる。
それは、どこか挑発するような様子でもあった。

『……高い、って言いつつ、買うことを選ぶとか。
 良く分からないなぁ、アンタは……。
 ま、いいや。そういうことなら商売していきましょうかね』

相手の決断に、呆れ半分驚き半分。
しかして、相手の言葉には少女は無言で頷き、そして深い一礼を。
次に少女が頭を上げた瞬間。

『それでは、本日、ご主人様のお相手を勤めさせていただきます。
 今宵は私の身を買っていただき、感謝が尽きません。
 どうぞ、ご主人様のお望みのまま、この体をお使いくださいませ』

そこに、完璧なメイドがいた。すらすらっ、と言葉を紡げば。
少女はメイド服をゆるゆると脱ぎ始める。

ヴィルア > 彼の脱いだコートなどをよく見るなら。
食材や衣料品など、王都に広く出回っている商品によく刻印されている紋が刻まれており。
得に言う言う必要もないため黙っているが、本物の大物だ。

「商談も上手くいったのでね。その祝いでもある。
困っている娼婦を買うのに、少しくらい贅沢をしてもいいだろう?」

少しくらい、の範疇がおかしいが。
次の、少女の宣言を聴けば…ほう、と感嘆の息を吐く。

「ああ。使わせてもらおう。それと…挨拶は嬉しいが、素で構わないよ」

少女が紡いだ言葉に鷹揚にうなずき。
彼はまだ服を自分からは脱がない。
きっちりとした挨拶は、彼を十分悦ばせるものだったが…敢えて、素の状態で構わないと告げて。
最初に出会った際に、丁寧に挨拶をされていればそんな提案は出なかっただろうが。
むしろ少し険のある視線を受けた方が、彼の性質…そういった意思が折れる瞬間を見たいという嗜好には合うのだ。

そのまま、少女がメイド服を脱げば。

「下着も、脱いでくれ。さて…望みのまま、と言われたからには…そうさせてもらおうかな。…ん。」

追加でそう要求し。
挨拶の一部を抜粋し、相手の反応を待たず、相手に身体を近づける。
更に、少女の体を引き寄せ。
その唇を、虚を突くように軽くではなく…深く深く、奪おうと。

ネコ > ちら、と少女の見たコート。
そこの刻印を見れば、思わず少女はため息を吐いた。
雇用主に言われて勉強していたときに見たことがあるもので。
つまり、やっぱり大物じゃないか、と。

『そりゃあ、人様のお金の使い方にケチつける趣味はねーですから』

お好きにどうぞ、と肩をすくめる少女。
金持ちの趣味は分からないし、その分からない趣味に助けられるのだから。
文句を言う意味もない、と少女は考える。

『……本当に、変な人ですね。
 もしかして、生意気なメイドをいたぶる趣味でもおありなのですか?』

首をかしげながらそう言う少女であったが。
相手が、素の方がいいというのなら、ソレに従うまでだ。
メイド服を脱ぎきれば、下着の脱衣も命じられ。
少女は、黙って従うのだが……。

『んぅっ……』

相手に、唇奪われるのならば。
それすらも黙って受け入れ。
少女も、自ら相手に抱きつくようにしていく。

ヴィルア > 折衝や商談などで忙しいこの身。
たまの出会いすら楽しめないのなら、仕事をする意味もないと。

肩をすくめる少女に、その通りだと頷いて。
売買の契約は、既に完了した。金については…行為後に、間違いなく支払われる。

「そうかな。
被虐寄りというわけではないが…そういった…少し気概のあるような相手が好きでね。
――その意思を、折ってみたいと思うのさ」

だからこそ、素のままでいいと宣言したのだ。
脱衣を命じれば、恥ずかしがる様子も見せず脱いでいく様に。
ハードなことをした回数は少ないと言っていたが。
こういったことは相当に経験を積んでいるな、と感じる。

「ん……、…。……………、」

長く、長く。
抱き着いてきた相手の体を片手で抱きしめ返し。
蒼の髪を湛えた少女の頭を引き寄せ、口づけを続ける。
少女の口蓋を舌でなぞり、じゅる、じゅる…と唾液を少女の口内に送り込んでいこう。

空いた片手は、裸となった少女の尻に当てられ。
柔く、もみほぐすように動き、その谷間や脚の付け根を擽ろう。

ネコ > 少女は、とりあえずは相手の身分などについて考えることはやめた。
もともとそういったものに興味が無いし。
大事なのは、相手を満足させることだからだ。

『……十分嗜虐嗜好だと思いますけどね。
 ま、そういうことなら。
 あぁ、言っておきますけど。アタシの性根をへし折るのは骨ですよ』

やれやれ、とため息を吐きながらも、相手に向かって宣言する少女。
なにせ、色々と経験豊富だ。
そう簡単に手折られる華ではない、というのは。
もはや、雰囲気だけでも十分に相手に伝わっているだろうが。

『……ん、っ……』

深くはあれど、優しいその口付けに、少女は息と声を漏らしつつ。
少女は相手の背中を撫でていく。自分のものとは違い、大きい背中だ。
少女は、男性のそういった部分に触れると、酷く自分がメスだと自覚する。

体への愛撫を受け入れつつも、少女もまた、相手の背中から手を移動させていく。
腰、太もも、そして、股間へと。その手つきは、実になれたものであった。

ヴィルア > 娼婦と考えると、悪い態度ではあるが。
先ほどの礼と言い、現在の積極性と言い。
その気概も含めて、非常に彼にとっては良い印象を与える。

「ああ、わかっているさ。
だから…簡単に折れてくれるなよ、ネコ」

挑発の応酬のようなやり取り。
普通なら、貴族とこうして話すこともないだろうが。
今は心地いい。
言葉通り、簡単にはネコの気概が折れないことを、男もまた願っていて。

「―――……ん……」

息継ぎのために一度口を離し、またすぐに、深く。
自分に比べれば小さな、相手の体を抱きしめて。
お返しの愛撫を受けながら…ようやく、口を離し。

「ふふ。1000枚の価値を見せてくれ、ネコ。
…次は、私の服を脱がせて、しゃぶってくれ」

優しくしていたかと思えば貴族らしく、上から。
少女に自分の脱衣と、口淫を要求する。
仕事終わりで今日は富裕地区を馬車も使いながら駆け回っていたため。
脱がせていけば…部屋には、籠った雄の匂いと、人間の平均としては少し大きい程度の陰茎が現れる。

深いキスを続けておきながら半起ちであるそれは。
不感というわけではなく…そういった刺激、性交に慣れているからこその反応の薄さ。

ネコ > 普段なら、最初から媚びた様子で接客するのだが。
今回は客待ちをしていたのが富裕地区だったのが悪かった。
とはいえ、素の少女を相手が嫌わなかったのは行幸であるが。

『……大した自信ですこと。
 まぁ、楽しんでくださいよ。えぇ』

どうやら、相手は交わる相手の気概が簡単に折れるのもお嫌いな様子。
少女としては、わざわざそういうところで演技をする気も無いので。
楽しんでもらえれば、まぁいいや、という構え。

『……ふっ、ぁ……』

微かに離れ、そしてまた結ばれた唇。
想像していたよりも緩やかな行為に、少女は、少しずつリラックスし始める。
少なくとも、警戒最大にする必要の無い相手なのかな、なんて思いつつ。

『……はいはい、わかってますって。
 ……じゃあ、失礼しますよ~』

相手の服を脱がせる。この辺りは、まぁ普通によくあることだ。
少女は、片腕ながら器用に相手の服を脱がせていく。
そうして、あらわになったペニスを見れば。
しゃがみこみ、ちろり、と唇を舌で舐め。

そうして、少女はその肉槍を、まず一度、ぺろり、と舌で舐めた。
根元から先端までを舐めれば、口内へと導き。
そのまま、吸い、舐め、刺激を加えていく。
上目遣いで、相手のことを見るのも忘れない。
この辺りはテクニック、というやつである。

ヴィルア > 今のご主人様、だのという言葉から。
少女が今誰かに雇用されていることは察しており。
だからこそ…無理矢理に自らの奴隷に落とすということは、今回は狙わない。
少女の心に自分を刻み付けることを、一つの目標とする。

もちろん、その過程も楽しいため…少女の素の態度を受け入れている。

「―――ふ……」

少女の身体が僅かにリラックスしているのも男は感じつつ。
いきなり行為に移るよりも、こうして…相手を解していくことが性交において肝要だと知っている動き。
片腕の少女に、服を脱がすよう要求するのは、普通であれば酷だろうが。
この少女ならできる、という一種の信用もあり。

「ああ」

相手の言葉には短く頷いたのみ。
やはり予想通り…片腕でも器用に脱がせてくる少女に笑みを深め。
男も裸になっていこう。

まずは丁寧に、綺麗にするように幹を舐められ。
じっくりと焦らすようにされたあと、口内に導かれる。
視覚も…悪態をついていた少女が、従順にペニスを舐める姿と言うのはそそられる。
計算ずくなのだろうが、身体には間違いなく反応が見られ。
ぐ、ぐ、と…半起ちだった陰茎が硬さと熱さを増していき。少女の口内を埋めていくだろう。


「…ありがとう。準備ができた。後ろを向いて、ベッドに寝転がってくれるかな。おねだりもしてくれると嬉しいが?」

ただ、絶頂する前にくす、と笑い…
少女の頭に手を置いて、礼と共に撫でようと。
そのまま、次の命令も、続けて。
ねだらせようとするのは…『苦手』であろう人物からの命令に従わせることで、少女の心を少しでも揺さぶろうという狙いか。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」からネコさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」からヴィルアさんが去りました。