2019/10/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > この地区では何処にでも見られる、邸宅のホールを利用した貴族たちのパーティ。
とはいえ、今日、剣闘士の男が参加しているパーティは、少し風変わりなものだった。
何せ、顔触れが雑多すぎる。大多数は貴族であるものの、それでも少なくない数、冒険者や傭兵など、帯剣した者たちが混じっているのだ。
中には鎧なんかを着ている者も居るし――もっと言えば、耳や尻尾こそ隠しているが、ミレーすらも居る。

「すごいシュールな光景だよなあ」

かくいう男も、衣装こそ煌びやかだが、闘牛士服であるし、剣も帯びている。
戦闘マニア(戦うのではなく見る方の)の長男が開くこの会は、貴族と市井の戦士の交流会という事になっている。
招待された者たちは全員、武器や防具の持ち込みは自由だし、ドレスコードを始めとした礼儀儀礼も最小限で良い――例えば初めて会う人とは敬語を使うとか――事になっている。
貴族の方も、それを承知で来ているので、故意に失礼なふるまいをしない限りは大目に見てくれるし、何なら料理だけ食べていて良い。
そういう点では、気楽なのだが、

「とはいえ、流石にこんだけいろんな人が居るんだ、話しかけないのも勿体ないな」

誰か話しかけやすい人はいないかなーと辺りを見てみる。

クレス・ローベルク > 「意外と手が空いてる人いないな」

料理に夢中になってたり、或いは会話を楽しんでたり。
意外と純粋な一人の人はいない。
どうするかな、と歩いていると、何やら人だかりが。

「……お?」

見ると、ホールの中心に、縄で区切られたスペースがある。
どうやら、この中で簡単な剣舞や、試合が出来るという趣向らしい。
いわゆる宴の趣向な訳だから、そこまでガチな戦いを想定ししているという訳ではないのだろうが。

「……今のところ、誰もいないか」

どうやら、即興の思い付きらしく、いまだ誰も名乗りを上げる者はいないらしい。
成程、確かにこういうのは手があげづらかろう。
だが、

「よいしょっと」

こういう時に、剣を取らないのは剣闘士の名折れ。
男は遠慮なく、縄を潜り抜け、スペースの中に入る。
そのまま、軽く剣舞を披露する――回転やステップを駆使した、軽い動きの演武だ。

「さあ、誰か俺と踊ってくれる人は居ませんか?」