2019/08/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にヴィルアさんが現れました。
■ヴィルア > その場の嘲笑が収まり、貴族たちが汚い話を再び行い始めた頃。
こつこつ、と奴隷に近づく足音。
「やぁ、こんばんは。」
その足音に奴隷が顔を上げるなら、優しそうな顔をした貴族の青年が、しゃがみこんで、奴隷に視線を合わせようとしている。パーティに招かれた貴族の一人のようだ。
「少し、パーティであぶれてしまってね。よかったら、隣で食べてもいいかい?」
おい、また狙っているぞ、だの。
全く妙な奴だ、だの。
少し注目を引いてしまったためか、そんな言葉が飛んでくるが。
戯れに見世物にしようとする動きは、少し止んでいるか。
■ジラ > 「…………。」
足音に餌皿から顔を上げると、細身の青年と目が合う。
髪や顔には悪趣味な来賓の投げた残飯で汚れているままだ。
ふ、と口元を歪める。小さな容姿には似合わないくたびれた笑い方。
「御機嫌よう。あなたも犬の真似をします? 結構、楽しいですよ」
などと減らず口を叩いて、まだ中身が残っている餌皿を指し示してみる。
周囲の興味がこの男に向かったのは、ジラとして助かったというのが正直なところだ。
だからといってそう簡単には気を許しはしない。
「まあ、何にせよ。わたしでよろしければ付き合いますよ」
この貴族の誘いを断るという選択肢は奴隷にはない。
一応、チラ、とこの場にいる『主人』に目配せをしてみたが、彼は無言のままだ。
好きにしろということらしい。
■ヴィルア > 「……」
少し、意外そうな顔。
そんなに饒舌に減らず口を叩かれるとは思っていなかったのか、くすりと笑って。
「残念ながら、もう作法が染み付いてしまっているからね。…声をかけても視線を感じない、ということは…ご主人様には許可は貰えたと見ていいのかな。」
彼も、奴隷とは初対面。
馴れ馴れしく声をかけたが、特にこの奴隷の主人からお咎めもなく。
「使えるなら、私のものを使うかい?…それにしてもリトルレディを汚すなんて、ひどい奴らだね。」
と言いつつ、自分の食器を差し出し。
犬食いを阻止できれば、という思いだが。
続いて歯の浮くようなセリフを言いながら、小さな布を懐から取り出し、奴隷の顔や髪についた残飯を拭っていこうと
■ジラ > 「旦那様は、もう少し無口なほうがお好みですか?」
意表を突かれたのを見て取って、そんなことを口にした。
伏せられた黒い瞳には、寝苦しいときに見上げた夜空のような、陰惨なきらめきが宿っている。
「わたしの『主人』は放任主義のようです。
……彼らのことは、許してあげてください。自分がなにをしているのか、わかっていないのです」
言葉だけ聞けば聖女のような口ぶりだが、その声には空々しさがついてまわる。
「ありがとうございます。わたしのことはジラとお呼びください」
小さく礼をして頭を下げる。
差し出された食器を手にしたまま、おとなしく汚れを拭われる。
■ヴィルア > 「いいや。少し驚いただけだ。話してくれるなら、その方が嬉しいよ。…もしかすると、無言の君の横で食べることになるかもしれないと思っていたから。」
肩をすくめ、にこり、と笑って。
あぶれたというのは本当なのだろう、話していても、特に貴族からも制止の声はかからない。
「奴隷の扱い方は自由だけどね。だから、許すも許さないもない。」
食べるかい?と残飯ではない、自分の皿に入っている、肉の小さな塊を指しつつ。
「ジラ、か。私はヴィルア。主に食料や雑貨を領民に生産させている貴族だ。よろしく。」
自己紹介を終え、何か気づいたように息を吐いて。
「放任…ということは、さっきみたいなことをされていても。あるいは、ジラがこの会場から消えても、もしかすると、無視するのかい?」
ふと気になったのか質問を投げかけてみる。
先ほどの言葉通り、奴隷の隣に座り込み、パーティをぼんやりと眺めている。
■ジラ > 「そう。わたしは奴隷。おっしゃるとおり。
はい。では……ありがたくいただきます。」
示されるままに、教育された者の手付きでフォークを使って肉を取り、口に運ぶ。
ふう、と人心地つく。人の食べ物らしいものを口にできて、確かな安堵がジラの全身を浸した。
「そうですね。その程度なら、別に気にされないと思いますよ。ヴィルアさま。」
結局はわたしは彼のところに戻るほかないのですから。
そう口の中でつぶやいて、ヴィルアを見る。
この奴隷は小さすぎて、片方だけが座っていても目線の高さがほとんど変わらないかもしれない。
連れ出すというのならジラは従うし、誰も止めないだろう。
■ヴィルア > 「んー…」
相手の返答を聞きつつ、飲み物もどうだい、と
会場を歩いているウェイターを手招きし、果実のジュースを取って渡そう。
そうしながら何か、考えている様子
「そうか。なら、連れ出しても問題ないかもしれないけれど。ジラはどうだい?、ここに居るのは嫌かな。…君の言葉を聞かせておくれ。」
あくまで、話題にしただけだが、そこまで放任となると…奴隷を、ある意味愛する彼にとってはあまり面白くない
「どちらにしても、私のここでの商談は終わったから。ジラが外に出たいというのなら、この時間でも騒がしい街、それに美味しいもの。そういったものを紹介できるよ?」
小さな相手の目を見れば、深い海のような、暗い目をしている。
そこに少しでも光が宿る瞬間が好きな彼は、奴隷の意思、を少しでも引き出そうとする。
■ジラ > 「……いやに決まっています。」
何をわかりきったことを言っているのだろう、そんなむすっとした声。
礼を言って、渡されたジュースを口にする。
「……連れて行ってほしい。ほしいです。
美味しいもの……。それに、お酒だって飲みたい……。」
それから服、と言いかけてやめる。
ジラは奴隷としての暮らしにくたびれていたが、甘い囁きに抵抗できるほど
強くもなかった。
それにヴィルアが仮にどんな悪辣さを秘めていたとしても、
『主人』と夜を過ごすよりは絶対にいい……。
自分の瞳に光を探そうとする視線に、恥ずかしそうに目を背けてしまう。
「……貴族というのは、ひどい連中ばかり……」
悔しそうに拳を握った。
■ヴィルア > 素直な子だ、と思う。
周りの貴族たちは、そんな声に耳を傾けず、この光を見逃すのだろう。
そう思うと少し、優越感に浸り。
「いや。…心を完全に閉ざして、『今の生活がいいです』と…ぼろぼろの姿で言う子もいるものでね。…ありがとう、ジラ。聞けてよかった。」
小さな相手の頭に手を置き、嫌がられなければそのまま優しく撫でる。
「それなら、貴族の例外を見せよう。…私は、ジラみたいな子が楽しんでいるのを見るのが好きなんだ。」
裏では、奴隷の売買なども行なっている彼だが。
あまりに酷い状態の奴隷には希望を与えて喜ばせる事も多い。
「すぐにでも行こうか。公主関係の祭りがそこかしこに出ているから、露店を回りながら…と。ふふ、後、お酒もね。」
相手が飲める年齢なのか、そもそも人間なのかもわからないが。少し弱い酒なら構わないだろう。どうせこんな国だ。飲酒を咎める者は皆無に近い。
微笑んだ後、優しく、ダンスに誘うように手を取って。
パーティの会場を抜け、夜の街に誘い出そう。
■ジラ > 「…………っ……ん」
頭を撫でられるのは『だめ』だ。
この身体はそういうふうにできている。
頬を染めてうれしそうにその手を受け入れてしまう。
頭ではわかっている。こんなものは夜が明ければ覚める夢だと。
見え透いた甘い餌に引き寄せられることのなんと愚かなことだろう?
「ありがとう……ございます。ヴィルアさま……。
こんなわたしを可愛がってくれて……」
それでも生娘のようにはにかんで、はふ、と息を吐く。
小さな手を彼の手にくるまれると、小さな歩幅で伴って外に出るだろう。
■ヴィルア > 「…?、…随分敏感なんだね。」
首を傾げながらゆっくりとパーティを出て行き、夜の街へと。
本当に、見え透いた餌だと、自分でも思う。
暗い目をしつつもはにかむ相手の表情が嬉しく…、もっと自分に依存させたい、その輝きを自分にだけ向けられたい。
それを実現するための、甘い餌。
他人の奴隷であっても、彼の自己満足への想いは萎えず。
「本当に、君のような子を可愛がるのが好きなんだ。
…こう見えて、金は持っている。好きなものを見て、私にねだってくれると嬉しいな。ジラ。」
屋敷から出て少し…歩幅を合わせながら歩くと、ちょうど祭りが行われており。
シェンヤン風の料理、酒…それに少しこの街とは違う意匠の服も、豪華な露店に並べられており。
また、今度は軽くぽん、と相手の頭に手を置いて。
相手が進む方向に合わせようと。
もちろん、金が必要なら、出すつもりで。
■ジラ > 祭りの綺羅びやかさに囲まれると足がすくむ。
まるでお前のいる場所はここではないと責め立てられるような妄想が湧き出るのだ。
それから逃れるように、ヴィルアの身体によりそいしがみつく。
細身の優男でも、幼子の体格のジラにとっては大木に等しい……
軽く頭に手を置かれれば、従順に身を縮める。
「わたしなんて……可愛くないのに。」
小さくぼやいて、ヴィルアの陰から辺りを見渡す。
漂ってくる美味しそうな匂い、色とりどりの出し物。
目を惹かれるものはいくつもあるが、それを全て求められるほど
この男に気を許せているわけではない。
それに自分で何かを考えたり決めたりする力は、すっかり衰えている。
居丈高に命令してくれればいっそ楽なものを。
「……あれ。
食べさせて、ください。」
時間をかけてやっとひとつ、辛く味付けされた羊の肉の串焼きの露店を指差す。
■ヴィルア > 「おっ、と。…こう言う場所には慣れていないのかな。」
ゆったりと、しがみつかれながら…奴隷を守るように足を進め。
「…可愛い…、つまり、魅力的かどうかを決めるのは、ジラではないよ。ジラを見る誰かだ」
幼子があたりを見回している間はそんなことを言いながら、あくまでどこにいくか、何をするかは任せて。
簡単な遊戯場などもあり、露店は非常に賑やかだ。
「ああ。あれだね?…一本くれ。」
どれだけ時間がかかっても、要求してくれる事が嬉しく。露店の店主には、少し家紋を見せながら威圧的に言いつつ、焼かれた羊肉の串を一本手に取る。
「…はい。ただ、結構辛そうな匂いがするが、大丈夫かい?」
見るからに赤い香辛料がかけられたそれの横側を奴隷の口に近づけて。
正面を向けると串が刺さるかもしれないという気遣いであり、横から齧るのなら、幼児でも食べやすいだろうと。
自分の手を串の下に動かし、こぼれ落ちても大丈夫なようにしながら…望むものを手に入れられた奴隷の表情を見ていて。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にヴィルアさんが現れました。
■ジラ > 「そんなこと、わたしのことを何も知らないから言えるんです」
つん、とすねたように唇を尖らせる。
ねだった羊肉の串を口元に近づける所作は、当然ながら完全に幼子へのやりかたで
下にやられた手の意図するところもわかり、恥ずかしさを煽られる。
「ばかにしないで……。っ」
あん、とめいいっぱい口を広げてかぶりつく。
予想以上の熱さと辛さが口から鼻へと通り抜けて、小さく悲鳴を上げて
肉のかけらを口からこぼしてしまう。
それがきちんと受け止められても、地面に落ちても……
「うううううっ……!」
恥ずかしさと悔しさで、目尻に涙を溜めてその場で足踏みをするだろう。
■ヴィルア > 「ふふ。じゃあ教えてくれないかい?、ここには、ジラのご主人様の目も無いだろうし…」
などと言いながら、食べるために頑張って口を開ける様子を見ていたが…
「おや。…っ、やっぱり辛かったかい?」
辛さに悲鳴を小さくあげ、口から肉を零す様子を見れば、思わず堪えきれずに、貴族の青年は吹き出して。
運良く、肉のかけらは青年の手に落ち。
それを再び摘んで、口元へ持って行きつつ…
「焦らなくていいよ。少なくとも今夜は、エスコートしよう。」
相手の事情を知らないがゆえ、的外れな事を言いながら
「ほら、とりあえず…あーん。」
幼子の口内で少し熱が抜けた肉を、もう一度…往来の真ん中で食べさせようと。
■ジラ > 「…………っ。」
もてあそばれている。そんなことはわかっている。
わかっていながら、言われるがままに口を開き……それを食べさせてもらう。
辛いことには変わりないが、はふ、はふ、と息を唇の隙間から漏らしながら、咀嚼し飲み込む。
「ふぅ……」
そうして、幸福そうにほころばせた表情をのぞかせる。
なんだかんだ言って、普段受けている仕打ちに比べればはるかにこの男は優しいのだ。
ずっと気を保ち続けることなど無理なのである。
さらに肉を与え続けるならば、ひな鳥のように、ヴィルアの手から食べるだろう。
そうされることへの疑問を薄れさせながら。
「……ねえ、そんなにわたしのことを知りたいんですか。
……そんなにわたしを辱めたいんですか?」
肉を食べさせるヴィルアの手を、細い指でつかんで、熱を孕んだ視線を向ける。
自分のことを受け入れてほしいという欲望さえ、鎌首をもたげはじめていた。
■ヴィルア > 彼にとっては、ただの幼子の奴隷にしか見えていない…。
外見年齢にしては賢い部分は見えるが、どうしても、その容姿に先入観を得ていて。
「ん。…やはり可愛らしいよ、ジラは。」
などと甘い言葉をかけながら、それほど大きく無い串一本をゆっくりと食べさせて。
残った串を設置されている屑篭に捨ててくれば、投げかけられた問いには、至極真面目な顔で
「辱めたい…というと少し違うが。…ジラのような、暗い目をした子に、依存されるのが好きなんだよ。だからこそ、ジラのことを知って、甘やかし…その目に光を宿しながら、私を見てほしい。…主人、とやらと…何かあるのかい?」
何もここで剥いて、晒し者にしようとしているわけではない。
ただ、奴隷の希望として、依存されたいのだと。
そう言いながら…人通りが少なく、盗み聞きされにくい一角にゆっくり移動し、真剣な眼差しで、幼子が事情を話してくれるなら聞こうと。
■ジラ > 「ずいぶんとあけすけに言うんですね。
そういうのをなんて呼ぶか知ってます? ただの変態、ですよ」
真面目くさって欲望を明かすヴィルアに、悪しざまな言葉とは裏腹にくすりと笑った。
よく思い返せば、この男は自分のことをかわいそうだとか助けてあげたいだとか
その手の安っぽいことは一言も口にしていないことにジラは気づく。
そういう相手になら、むしろ甘えてもいいのかもしれないな、と思った。
もちろん、全部を具体的に説明してやるつもりなんてないが。
「わたしは『主人』……彼に全部を奪われたんです。家族も身体も」
行き交う人の死角で、ぐい、とヴィルアの腕を体重をかけて引き、
自分のエプロンドレスのスカート部分に押し付けさせる。
……そこには、幼い女児にはふさわしくない輪郭が埋まっているのを
感じ取ることができるだろう。
「これは元からあったものではありません。
彼にくっつけられたものです」
恨み辛みなど感じとれない、淡々とした静かな声だった。
■ヴィルア > 「ああ、自覚はしているとも。隠しても、仕方がないだろう?、ジラが言いふらすというのなら、少し隠さないといけなかったかな。」
彼も薄く笑い。
冗談まじりの声音で返答し…
「…奪われた…?、…。これは……」
引かれた手を動かさなくても、それが異様なものであることはわかる。
驚きに少し、青年の目が開かれ。
「…そんなことができるのは…。人ならざるもの、か。…それが、ジラの主人かい?」
話を聞いて少し、得心がいった。
奴隷にしているにも関わらず、拉致されたとしても無関心。視線を向けることすらしない…
それは、完全に玩具として、人ではない次元から相手を見ているから、と考えると自然だ。
「……それで、君はどうしたい。君の眼が深い海のような色である理由は、少し察した。だからこそ…、その奥に、君の光、希望はあるかな。」
どの奴隷に対してもそうだが、無理に引っ張り上げることは、彼はしない。
その奴隷が、何かを求め、彼に自分から縋ってこさせるのが信条だからだ。
その信条に基づき。
再びその眼を見つめながら、問う。
どうしたいか、と。…助けるとは口にしないが、それが幼子の口から出たのなら、助力は必ずしようと思っていて。
■ジラ > 「ええ、当たっています。
こんなものをくっつけられているのも、こんなに背丈が小さいのも」
今ジラを改めて観察すれば、違和感を覚えることが出来るだろう。
彼女は、ただ幼いというよりかは、まるで妙齢の少女をそのまま半分に縮めてしまったような……
そんないびつなふうに解釈することもできる。
「わたしは『主人』から全部を取り返そうと思っています。
きっと方法があるはずです」
希望を問われ、予め用意されているかのように淀みなく言った。
だがそのために必要な力が、彼女にあるように考えるのは難しい。
「あなたにそれを手伝えとは言いませんが……
ねだるものがあるとするなら、活力を与えてほしいな、と思います。
……こんなふうに、可愛がって」
掴んだ手を上に動かし……自分の頭を撫でるようにいざなった。
■ヴィルア > 「……」
自分も、目利きが鈍っていたのか
話を聞いた後によく見れば。
違和感を、彼の目は感じ取る。
彼の認識では、あり得ない事だったため、頭から抜けていたらしい。
少し目をつぶり、そんな自分を戒めてから。
「…それでは、足りないだろう。」
優しく撫でるのはもちろんだが
彼女の決意に、目を細めながら呟いた後。
撫でていた手を、小さな背中に回し、抱き寄せようと。
「…手伝うとは言えない。だが…どうせ玩具として見られているなら、今日は泊まりに来てもいい。…私の部屋には、書物が沢山ある。」
活力というのなら、自分のものをいくらでも持っていけ、と伝えるように抱く手に力を入れる。
続いた言葉は…役立つかはわからないが、その主人から全部を取り返すアイデアの、きっかけにでもなればという提案。
■ジラ > 彼女の矮躯の奇妙さは、『小さな子供』であることを疑わないうちには気づけない。
そしてそれに疑いを向けることは存外難しいものだ。
撫で、抱き寄せ、神妙な声が降るのに、はつりと腕の中で瞬きする。
その腕の力を、ジラはつま先で立って心地よく受け入れた。
「ふうん。これがきみの奴隷を依存させる罠ってやつかな?
確かに引っかかりたくなる魅力があるね、これは……
読書なんて贅沢、最近は全然できなかった」
楽しげに口角を上げて、連れていってよヴィルア、と服の裾を引く。
■ヴィルア > 「…ああ、その通り。厄介な貴族に見つかったよ。ジラは。…なぜなら、入浴や清潔な寝所もついてるからね」
依存させ、頼られるのが狙いの彼としては。
存分にこの…珍しい奴隷を誘惑するつもりであり。そのためなら、手間は惜しまないと。
「では行こうか。…ここから、そう遠くない。」
服の裾を引かれるまま。
まるで親子のような背丈差の二人は、夜闇の露店通りの中を、歩いて行った。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」からジラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」からヴィルアさんが去りました。