2019/06/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にリィナさんが現れました。
リィナ > とある貴族の邸宅での宴会
父の昔の伝手でその会場にやってきた少女は、もちろん来賓というわけではなく。
身に纏っているのは、支給されたメイド服。
普段着ている服よりも上質な生地を使っているらしい肌触りに、何とも言えない気分になるけれど。
それはそれとして、気持ちを入れ替えて仕事に向かう。

参加者が多いだけに、当然料理の消費も早い。
厨房と会場を行ったり来たり。それは街の酒場のアルバイトとそう変わりはないものの、大きな違いは上品に振舞わなくてはいけないところか。
一応は幼いころにひととおり躾けられた礼儀作法に則って、貴賓の邪魔をしないように控えながら料理のお皿を運び。

ガフバン > 見かけた少女に目をつけて、さりげなく距離を詰めていく。
厨房から一定の場所に料理を運んでいるらしいことがわかると、手近な来賓に簡単な催眠をかけた。彼女が皿上の料理を運んでいるときに、タイミングを合わせて足をかけさせる。
うまくいけば、体勢を崩す彼女が転ぶ前に、受け止めて……
「おお、っと。危ない。ケガはないですか?」
ケガから救った上に、白い僧服が料理で汚れて台無しになる。仕掛けてやったことだが、罪悪感を植え付ける……というわけだ。

リィナ > 相手が貴族だけならば、食事よりもワインがメインとなるのだけれど。
今日ばかりは教会関係者ばかりか、自分と同じような平民の姿も多い。
そうなると、歓談の合間に嗜むワインやおつまみだけでなく、
お腹にたまるボリュームのあるものが喜ばれるわけで。

「パスタ持っていきます。サラダも追加お願いします!」

厨房は此処でもやはり戦場だった。
ミートソースのたっぷりかかったパスタの大皿を手に会場へと戻る。
決して駆け足ではなく、けれどもキビキビと素早く。
街の酒場で鍛えた動きで来客の隙間を縫うような身のこなしで移動していくけれど――

「えっ!? きゃっ……」

確かに避けたはず。それなのに視界が急転する。
転んでしまう衝撃に耐えようとぎゅっと瞳を瞑るけれど、身体は何かに受け止められ。

「あ、あれ……? あっ! そ、その……申し訳ありません!
 お、お召し物が……!」

ふと見上げると、白い服を着た男性に助けられたらしい。
御礼を、と思った矢先に、ミートソースがべっとりとその白い服に付いているのが目に入って真っ青になってしまう。
貴族の宴会でこんな不始末をしてしまえば、どんな咎を受けるか。
ましてや相手が高位の神官ならば、なおのこと。
慌てて拭くものを探すけれど、拭いた程度でとれるものではないのは考えずとも分かるもので。

ガフバン > 分厚い感触の体が、少女の体を受け止める。派手にソースが飛び散って、僧服を汚してしまった。暗い夜中とはいえ、それは隠しきれるものではない。想定通りの展開に、彼女には見えないイチで、にやり、とほくそ笑んだ。
「いえ、あなたが無事なら、それでいいのです。しかし……このままでは、さすがに続けられませんね」
少女の体を支えた手を、そのまま肩に置いて。建物の中を示すと、
「ひとまず、着替えませんと。手伝ってくださいますか?」
相手の立場上、断れないことくらいはわかっている。屋内……二人きりになれる場所へ誘い、そちらへ歩き始める。
教会の息がかかっている。自由に使える部屋くらいは、用意してあるのだ。

リィナ > 幸いにも優しい人らしい。
助けてくれた上に、おそらくは正装らしい上等な服を汚してしまっても怒らない相手に、ほっと安堵する。
けれど、その分、申し訳なさが募ってしまう。

「は、はい…っ! え、えっと……空いてる部屋は……」

着替えと言われて、こくこくと頷くけれど。
初めて来たお屋敷だけに勝手が分からない。
何処に行ったらいいのか少し迷っているうちに、相手の方が先に歩き出す。
ぺこりと周囲に居た来客に頭を下げてから、神官の後を追い。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」からガフバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」からリィナさんが去りました。