2019/05/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」に刀鬼 紫沙希さんが現れました。
刀鬼 紫沙希 > 公主を囲んでの宴が今日も富裕地区の通りで行われている。

大きな集団から離れた位置で佇む一人の鬼。
手元のキセルからは小さい煙が上っている。

「こうも毎日大騒ぎだと流石に飽きてくるよなあ。」

鬼は近くの子分に声を掛ける。
振られた子分はと言うと、まだまだ遊び足りないと言った様子の顔。

「なんだ、仕方ねえ奴だな。 ほれ、遊んで来いよ。」

懐から小遣い銭を渡し、子分を自由にさせる。
へい、と頭を下げてから宴の方へと向かう姿を紫煙をくゆらせて見送っていた。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にダストさんが現れました。
ダスト > 相変わらずのお祭り騒ぎな宴が広げられる富裕地区。
それに乗じて繰り広げられる権力争いが繰り広げられているのだろう。
一魔術師である自分には関係ないと思いながらもパトロン同士の争いに巻き込まれそうになって逃げるように市中に脚を伸ばし。

広場まで出てくれば何やら催しをやっている大きな集団の塊を横目で見て通り過ぎようとした時。
その外れにこの国では見かけない雰囲気の女性がいるのに目が付いて。
好奇心がそそられれば口角を上げて笑みを浮かべ、相手の元へと近づいていき。

「へぇ……こんなところで異国の鬼を見れるなんて思わなかったよ」

相手から数歩離れたところで脚を止めれば、特徴的な相手の角などを見上げてつぶやき。

刀鬼 紫沙希 > 「あぁ?」

口元に笑みを浮かべる少年らしき相手に眼を向ける。
こちらも口の端が伸びていた。

「随分と素直じゃねえか、少年。
鬼とすぐに分かるのも大したもんだが、分かってて堂々と口にするのはもっと大したもんだ。」

煙を口から吐き出す。
他人にかからないよう、上を見上げて。

「で、あんたこそ何の用だ?」

服装からして魔術師だろう。
公主か貴族の連れだろうか。
退屈していた鬼は彼に興味が湧いた。

ダスト > 「ん~多分君と同じだよ。
 お祭りごとはあまり好きじゃなくて、暇つぶしに散歩してるって感じ」

反応を得れば躊躇なく近づく。
気性は荒いと聞くが、こんなところに出てくるほど知恵が回るのならこの地区でいきなり襲われることもないだろう。
襲われても自分の身くらいは守れる自信があっての行動だが。

「それで?遠くに住む鬼がこんなところにまで何をしに?
 宴に引き寄せられて遊びに来たってわけじゃなさそうだし」

フードを下ろして顔を見せ。
背の高い相手を見上げるようにしながら訪ね

刀鬼 紫沙希 > 「こうみえて祭は好きだぜ?
だがよ、こう毎日毎日続くと流石に飽きる時もあるんだよな。」

遠慮なく近付く少年に困ったように笑う鬼。
祭の雰囲気が引き寄せるのか、いやいや元からこういうタイプなのだろう。

「色々あってな、元居た所じゃ暮らしにくくなったんだよ。
で、今はこの国でシマを守って飯食ってんだ。
付き合いのある偉いさんも出ているのに俺が顔見せないわけにもいかないだろ?」

褐色で中性的な顔立ちの少年を見下ろす鬼。
聴かれたことには差しさわりのない範囲で答え。

「納得いったか?」

ダスト > 「ふ~ん。
 僕の知ってる鬼ってこっちのオークみたいにもっと粗暴だと思ってたけど。
 結構苦労してるんだね。」

相手の話を聞けば納得したように頷く。
あとわかったのは相手が貴族の機嫌を気にするくらいには地位のある鬼だということだろうか。

「じゃあ、貧民地区とかにも顔を出してみたら?
 ここだとどうしても格式ばったものしかないし」

知識の中の鬼という種族を照らし合わせれば、富裕地区で行われるようなものより、下層地区で行うものの方が好きかもしれないと。
考えて提案し。

刀鬼 紫沙希 > 「オークだのオーガだのと一緒にしてくれんじゃねえよ。
私の所の鬼は基本的に喋るんだよ。」

角が生えているだけで化物扱いかと首を捻る鬼。
どうやら彼の中の鬼はただのモンスター扱いの様だ。

「あっちのエリアにもたまには顔出してるぜ。
ただなあ、俺が単に血なまぐさいのを好むような生き物だと思っているようならそれは間違いだぜ。」

彼の頭の中ではいまだに野蛮なだけの生き物と思われているようだ。
さてさて、どうしたものか。
鬼は口から紫煙を吐きだす。

ダスト > 「あぁ、気分悪くさせたならごめん。
 僕も異国の鬼と会話したのは初めてだからさ」

少し言葉が過ぎたかもしれないと謝罪を口にし。
本の中の知識だけで会話してしまうのは悪い癖だろうと反省し。

「じゃあさ。
 君のところの鬼がどういう人なのか、僕に教えてよ」

純粋に初めて見る種族に好奇心がそそられ。
どこか子供らしい目で相手を見ながら頼み。

刀鬼 紫沙希 > 「まあ、こっちの鬼はそういうのかも知れんがな。」

はっきりと謝意を述べられるとそれ以上は追及しない。

「教えてやってもいいが、自己紹介くらいしたらどうだ?
私は刀鬼 紫沙希。 一家の主をしている。
鬼と言っても私の所のは普通だぞ。
見た目が少し違う以外は人間と大差ない。
だからこうして話しているだろう。」

子供らしいキラキラした瞳を見下ろしている鬼。
ぽつぽつとだが、種族の特徴や自分のことを口に出していた。

ダスト > 「あ、そうだね。
 僕はダスト、フリーの魔法使いだよ」

相手が先に名乗られると少し申し訳なさそうに眉を下げ。
気を取り直すように肩をすくめて名前などを名乗り。

「そうだね、正直下手な人間よりも理性を感じる。
 けど、鬼ってことは肉体的には人間と違うんでしょ?」

刀鬼 紫沙希 > 「ほう、魔法使いか。」

見た目や口ぶり道理だなと得心する。
自らの顎に手をやり、まじまじと彼の表情を眺めていた。

「一家を構える以上は多少大人をしねえとな。
並みの人間より力はあるし、当然体力もあるわな。
それと、鬼は大抵酒に眼が無くてな。」

煙管の火も消え、口元が寂しくなる。
鬼が一声かけると、少し離れた位置にいた部下がやってきて煙管を手にし下がる。

「話しをしていたら酒が飲みたくなってきたな。
どうだい、良い所知ってるか。魔法使いさんよ。」

ダスト > 「お酒かぁ、知ってはいるよ」

自分自身はあまり酒を嗜まないが、それでも友人との付き合いで店くらいは知っている。
相手と話す限りだと、それなりに綺麗にまとまった店がいいだろうがだからと言って格式ばった店は好かないだろうと考え。

「じゃあ知り合いの騎士がよくいくお店に行く?
 ここから遠くないし」

刀鬼 紫沙希 > 「なんだ、飲まねえのか?」

見た目通りの年ではないだろうと思っている鬼は意外そうな表情を見せる。

「いいねえ。そこなら面白そうだ。
おい、今日はもういいぞ。」

にんまりと笑みを浮かべて鬼。
子分たちに共を断れば、魔法使いの彼の案内で店へと向かう。

ダスト > 「飲まないことは無いよ?
 ただこの見た目だと色々ややこしくて」

この国で未成年がお酒を飲んでいても咎めるものは少ないが。
それでも大人のような飲み方をしていればいい顔をしない人も多い。
ゆえに部屋でゆっくりホットワインを嗜む程度が多い。

「ん、じゃあ行こう」

そういえば相手とともに近くの酒場件宿屋の店に行き。
王国の騎士も来ることが多い店内は小ぎれいながら程よい喧騒に包まれていて。
ウェイターに案内されるがままに壁際のテーブルに腰掛けて。

「今日は僕が奢るよ。
 いろいろ聞いちゃったしね、好きなものを頼んでいいよ?」

刀鬼 紫沙希 > 「なら何故そんななりをしている?」

彼と祭から外れた道すがらで尋ねてみた。
富裕地区内にある酒場は大層賑わっており、それでいて内装は整っている。

「別に気を遣わなくてもいいんだぞ。」

席に着くとメニューをテーブルの上に広げて。
彼にも見せながらじっくりと一通り目を通す。

「これにするか。 あんたはどうする?」

指差したのはウイスキーの一つ。
この店の中では比較的安価な物。

ダスト > 「別に気を使ってるわけじゃないよ。
 ……じゃあ僕はこれを」

相手に促されればアルコール度数の低いワインを選ぶ。
店員が注文を確認して下がれば相手に向き直り。

「ん、この身体は別にしたくてしてるわけじゃないんだよ。
 魔族の奴隷になってた時に魔法を身に着けたは良いんだけど、そのせいか体が成長しなくなったんだよね」

自分の過去については別に隠しているわけでもない。
調べればすぐにわかることだしと躊躇なく話し。

「魔法で性別も変えられるけど、年齢だけはどうにもならないんだよね」

刀鬼 紫沙希 > 「ほう、魔族にか。
随分と辛い目にあってるじゃねえか。
おかげで不老というわけか。
まあ、今となったら良かったんじゃねえか?
年取ると色々支障がでるもんだからな。」

酒がやってくるまでの間、テーブルに置かれた豆を口に入れる。
なかなかパンチの効いた内容にふむ、と瞼を上下させて。

「性別を変えられるのか。 便利な魔法を知っているんだな。
で、あんたはどっちの姿が好みなんだ?」

ダスト > 「まぁ、捕まったのは自業自得だしね。
 もっと魔法の技術を得ようと思って魔王の城に侵入して捕まったんだし。」

自分が招いたことなのだから後悔はない。
運がいいとすれば魔族が徹底的な実力主義だったという所だろう。
そんなことを思いながら自らも豆に手を出して一つつまみ。

「どっちも好みだよ。
 それぞれの性にいいところがあるしね」

話をしている間に酒が届いき。
グラスを持てば軽く持ち上げ。

「とりあえず今日の出会いに乾杯」

ちょっとキザっぽく言って見せ、中身を傾けて喉を潤し。

刀鬼 紫沙希 > 「魔族の国ってのはそんなにやっかいなのか。
私も一度行ってみてんだけどな。」

タナールの向こう側は行ったことが無い。
彼の話しでは実力主義らしいが。
はてさて、鬼は受け入れてもらえるか。

「どちらもねえ。」

茶色の液体を掻きまわす様にグラスを回して。

「乾杯。」

グラスを傾け、酒を味わう。
一口で空になると、グラスをテーブルに置く。

「で、今でもその魔王ってのとは繫がりはあるのか?」

ダスト > 「ううん、もう何年も連絡とってないから」

一気に酒を飲み干してしまうところは流石と言った感じで。
自分は一口だけ飲んでグラスをテーブルに置けば相手の質問に返し。

「今は独学で色々実験してる感じかな。
 性転換魔法も自分で調整して身に着けたって感じだし」

噂では討伐されたとか何とか聞いたこともあるが。
自分としてはもうあそこで学ぶこともないと身きりをつけているため未練もないようで。

刀鬼 紫沙希 > 「そんなものか。 まだ繋がりがあるのならもう少し聞きたかったんだがな。」

こっちの国にいることもあり、予想はしていたがどうも詳しい話は得られそうにない。
鬼は通りかかった店員に声を掛けると、先ほどと同じ酒を注文する。
ついでに食べ物も何品か頼んでおく。

「さぞや危ない実験とかしてそうだな。
自分で性転換を覚えるってのはどういう心境だったんだ?」

魔法使いの考えはよくわからんが、興味はありそうで。
酒の肴に丁度良いと色々聴いてみることに。

ダスト > 「いやー、そうでもないよ?
 人に迷惑はかけない範囲だし?」

魔法は一歩間違えれば危険なものになるのは重々承知しているが。
かといってそれを使って何かしようという気はなく。
自分の遊びの範囲でしか実験していないと言い切り。

「ん~、深い考えはなかったんだけど。
 女の子にもなれたら、そっちの楽しいこともできるかなって思って」

一応人目も多いところということもあり、率直に言うわけにもいかず。
濁した言い回しになってしまったが、含みを持たせた笑みを相手に向けて。

刀鬼 紫沙希 > 「ならいいがな。
当局に眼を着けられるようになったら色々とやりにくいぞ。」

重たい息を吐きだす。
日頃から思う所もあるようだ。

「…なんだ、私とそういうことをしてえのか?
しても構わねえが、ここだと人目があるからなあ。」

添え善は頂く方であった。
顎に手をやり、物言いたげな表情の彼をまじまじと見つめていた。