2019/04/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にミュリエルさんが現れました。
■ミュリエル > 夜中でも、例の行事で祭りの様になっているマグメールの町
その富裕地区の一角、屋敷から抜け出していく小さな姿
「は、はあ…はあっ…」
小さな頭からすっぽり被ったローブを揺らしながら…路地裏まで走り、肩で息をする
けれど顔は達成感に溢れていて
今日、彼は屋敷を抜け出して…、以前から自分を苛む、腰の奥のむずむずを解消するために…女性を探さなければならない
ちゃんとそのための道具も持ち出していることを確認して
「…あ」
しかし、しまった、と息を吐く。
ここでは、路地に居るのは貴族の娘たちがほとんどだ。
そんな場で問題を起こせば…自分の家が怒られるかもしれない、と。
けれど、抜け出せる時間はそれほど多くはない。しかも、貧民地区や平民地区に行くのはなんとなく怖い。
だからこそ、時間が来るまで都合のいい相手を待ってこそこそと表を伺っている…
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」からミュリエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】ファールバッハ邸」にカナンさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】ファールバッハ邸」にネイトさんが現れました。
■カナン > 王都に帰還して半月ほど経ったある夜のこと。
自室に呼び出した犬耳メイドを投げやりな理由で押し倒し。
ケダモノみたいにプリミティブな肉欲を満たしあい。
小波のような余韻と充足感に包まれて。
気の抜けた声をあげながら、ふかふかのベッドへと倒れこんだあとの出来事。
普段ならそのまま心地よく夢の世界に旅立っているのだけれど。
「あっ」
黒々として艶めく乱れ髪もそのままに、身を起こしてキスマークの付いた白い裸身を夜気に晒した。
「………あの、ちょっと大切な話がありまして」
「ネリー。ネリー?」
むき出しの肩に触れてゆさゆさと揺さぶる。
■ネイト >
女性の体での睦み事というのは非常に体力を使う。
というか、快感が強すぎる。
「なんだい、カナン……僕はもう満足したぞ…」
「大切な話っていうのは今しなくちゃいけないことか……?」
体を起こすと胸が揺れた。
こいつがまた自分についているとちょっとした動きについてくるのが慣れない。
「何か……あるのか…?」
気だるい体を薄弱ながらも意思の力で奮い起こす。
■カナン > 「ううん…どうして今の今まで忘れていたのか……」
忘れてはいけないことを忘れていたので、気まずそうに頭を振って。
「実は縁談があったんですよ」
「世間体、というと実も蓋もないのですけれど」
ベッドを這い出て、散らかり放題の作業机から三つのファイルを発掘してくる。
一見すればわかる通り、いわゆるお見合い写真みたいなものだ。
魔術的なアレがこうしてナニがナニして、まるで生きているみたいに克明な肖像が入っている。
「よそ様にあるコトないコト言われる前に、身を固めた方がいいんじゃないかと」
「だいたいそんな感じのお小言を貰ってしまいまして」
三冊のファイルをネリーの前に並べる。
「お相手はこちらのお三方。正直、どの方も悪くないかなって思っているのですけれど……」
「ご覧になりますか?」
■ネイト >
気まずそうにしているカナンを見て、なんだかとんでもないことがおきている気がした。
何がってカナンがそんな顔をすることが珍しい。
「へー……エンダン…」
「演壇……?」
炎弾……えんだん………
縁談!?
「縁談っすか!?」
びっくりしすぎて眠気もすっ飛ぶ。
寝耳に溶けた蝋を垂らされてもこうはなるまい。
「へ、へええー……悪くないって思っているのかああ……」
「じゃあ僕が男の目線で見てやろうかなぁ………!!」
ファイルの一冊目を手に取り、血走った目で開く。
■カナン > 「ひとり目はこの方ですね」
最初のファイルを開けば、まるで目の前にいるかのようにリアルな肖像が露わになる。
そこに描かれているのは、赤銅色に日焼けして、彫刻のような筋肉に負けないほど立派な髭を蓄えた男性の姿だ。
精悍な表情からは、恵まれた体格と比類なき武を誇る益荒男の猛々しさが伺える。
その身に刻まれた無数の傷痕が、幾多の戦陣を渡り歩いた不屈の闘士の生きざまを物語っていた。
「けっこういいカラダしてると思うんですよ」
「このゴツゴツした腕に抱かれて堕ちない牝(メス)はいないでしょう」
アッシュブロンドの髪に半ば埋もれながら、丸みを帯びた獣の耳が覗いている。
それは大型猫科生物の証。百獣の王たる獅子のミレーだ。
「レオさんは三つお隣のシェレンベルクさんちの方ですね」
「王国の軍務に就いて、戦功は数限りなく。すでに自由市民の地位も得ています」
ファイルの向かって左側に書かれている経歴を指でなぞりながら読み上げる。
「ご存知でしょうか……獅子は夜に狩りを行なうんです」
「きっと、おいそれと寝かせては頂けないでしょうね………」
情欲を煽るような声音で囁きながら、二冊目に手をかけて。
「どう思います?」
■ネイト >
「ふ、ふううーん………どうって言われてもなぁ……」
「ボカァあんまり良いとは思わないなぁ………」
ミレーだからってなんだ。
軍務についてるからってなんだ。
こんな奴がカナンを抱くのか。信じがたい。
「夜のハンターは僕一人で十分だと思っているフシがなきにしもあらずんば虎児を得ず」
嫉妬か、僕は嫉妬をしているのか。
この薄汚い気持ちが嫉妬なのかッ。
おのれシュレンベルクのレオ。僕の心は汚れたッ。
「………二枚目を見せてもらおう」
■カナン > 「二人目もつぶ揃いなんですよね」
次のファイルには、神話の世界からそのままやってきたような美しい人馬の肖像が収められていた。
その肉体は競走馬の均整美だけでなく、鍛え抜かれた狩人の力強さを伺わせている。
顔立ちは……どんな賛美の言葉さえ陳腐に響いてしまうほどの、絶世の美男子だ。
私がこれまでに出会った誰よりも美しく、こんなに美しくも逞しい男性がこの世に存在したこと自体が驚異と言うほかない。
「えっと………」
美しすぎて言葉を失う。胸がドキドキとして苦しくなり、吐息が上ずってしまう。
おかしいですね。ほっぺたがぽかぽかとしてきましたよ。
「………っ………ああ、イオアニス様……」
目が潰れてしまいそうで肖像から視線を外す。
「あ、何がとは言いませんが大きいのではないでしょうか。お三方の中では間違いなく一番大きいですよね」
馬並みといいますし。
「夜の営みに不安は残りますが……こちらの身体も労わってくれるでしょう。ご覧のとおり超絶イケメンなので」
三冊目に手を伸ばす。
「どう思いました? かなり良くないですか?」
■ネイト >
「な、なんだこいつは……!?」
う、美しい!!
男の僕から見ても美形だ!!
僕は男性時代に美男子を標榜していたけれど、
僕を上回る美形がこの世界に存在することを認めざるを得ないッ!!
でも、馬ァ!!
「ふ、ふぅぅぅ~~~~ん、こんなのが……そんなのが…」
声が震える。
馬のピストンはすごいらしいが。
カナンが見とれているのが気に食わない。
「ま、まぁ労わってくれるなら仕方ないな……」
なんで二人とも獣成分高めなのか。
なんか気になるが、三人目を見よう。
「それじゃラストを見せてくれ」
■カナン > 「この方で最後です」
最後のファイルには、立派な双角を備えた眼鏡の青年が描かれていた。
深い叡智と慈愛を感じさせる表情からは、その内面が見かけの年齢よりもずっと老成していることが伺える。
ミレーの世界に詳しい者なら一目でそれと気づいただろう、世にも珍しい竜種のミレーだ。
絶対数においてきわめて稀少な彼らの一人。
王国にありながら、世人の敬意を集めてやまぬ博覧強記の碩学。
古今に比類なき学識を備えながら、決して誇ることはない篤実の士。
「ルヴァ様は……有名人なので説明不要でしょうかね」
本を読まない方でもお名前くらいは聞いたことがあるでしょう。
「七十年ほど前に奥様を亡くされて、しばらく喪に服していたのですが」
「ようやく新しい奥様を探す気になったみたいです。人生経験の豊かさではダントツトップですね」
誠実なお人柄が肖像からにじみ出てくるみたいで。
「逆鱗に触れるとキャラが変わるというウワサがありますが……」
「ベッドの上で試してみるのも一興ではないでしょうか」
三冊のファイルを並べる。
「どれがいいですか?」
■ネイト >
「ルヴァってあのルヴァさんですか?」
思わず敬語になってしまう。
有名人じゃねーか!!
っていうか獣度高いっていうか、竜種じゃねーか!!
「人生経験が豊富なのはよろしいけど…」
「あの……カナンさん………その、聞き忘れてたんだけど」
なんか話が読めてきた。
「どれがいいですかってこれ明らかに僕に向けて選んでますよね!?」
そういえば誰の縁談か聞いてなかったね!?
僕のだよこれ!!
「僕は男だし、君の縁談だったとしても君にこんな野趣溢れるメンズに触ってほしくはないから!!」
むがーと吼える。
とんでもないオチだよ!!
■カナン > 「え、何だと思ってたんですか……言ったじゃないですか、大切なお話だって」
呆れてモノも言えないとはまさにこのこと。お手上げだぜみたいに肩をすくめて。
「ご存じなかったかもしれませんが、ミレーの使用人はほとんど例外なしに家庭に入っています」
「配偶者がいれば、少なくとも主家の家人との密通はあり得ない……建前の上ではそうなっています」
「家族を持てば逃げられなくなる、というアレな事情もあるかもしれません」
おすわり!と鋭く一声発して。
「先輩は男性かもしれませんけど、「ネリー」は女の子でしょう」
「ファールバッハのお嬢さんが囲った妙齢のミレーはどうも独り身らしいと噂になりかけています」
「まあなんですか? 私の評判なんてどうでもいいと? そう仰るのでしょうけど?」
そっぽを向いてむくれて。ちら、と紅い目を向ける。
「ええ。私はいいんですよ別に。ただ、父と母には……迷惑をかけたくないんですよね」
■ネイト >
おすわり!と言われると反射的にベッドの上に座る。
「いやいやいや、ネリーは女の子かも知れないけど僕は…ネイトは男だろう?」
「男に抱かれるとか嫌だからな僕はッ!!」
身振り手振りで自分の感情をアピールする。
「君の父母の感情も君の評判も察しよう!」
「でもこれはあんまりだ! 君はやっぱり僕の事を狂ったミレーの女だと思っているんじゃあないか!?」
「僕は今はこうでも心は男性だし、こういうのが耐え難いんだ!!」
三つのファイルを前に肩を落として。
さっきまで女の声で嬌声を上げていたのでなんだけど。
僕は男だ。誰がなんと言おうと男なんだ。
■カナン > 「そうですか。どうしても嫌だと」
腕に挟まれて強調された大きな胸に吸いつく。
出るはずのないお乳を啜るみたいに強く吸い、喉を鳴らして。
「それなら、私にも考えがあります」
蒼黒の瞳をじっと見上げ、間を置いてふっと笑う。
「人の噂も七十五日。ほとぼりが冷めるまで旅に出ましょうか」
「バフートでの仕事の成果を陛下に奏上しないといけませんし……」
写本作りは一段落した。世に隠れた貴重な書物の数々を、余人の手になど託せない。
私のささやかな仕事が、陛下の永き世をわずか一刻でも引き延ばす役に立てるのなら。
「ネリー。こういう時は何て言うんでしたっけ?」
お腹に触れて、そろりと細指を下ろしていく。
縁談のことは早々に忘れ、紅い瞳に情欲の焔を灯しながら。
■ネイト >
胸に吸い付かれると、身を捩って甘い声を堪える。
「んぅ、ば、ばか! 今はこういう……のじゃ…っ」
次に出てきた提案は、旅に出るという話で。
それに縋るように体を預けて。
「……なんだよ、最初から答えなんか出てたんじゃないか?」
彼女の首筋にキスをして、強く抱きついた。
「……お嬢様、わたくしにお情けをくださいませ…」
外に世界なんて存在していなくて。
自分と彼女を取り巻く環境だけが全てであるかのように。
二人は再び、甘い時間を重ねていく。
■カナン > 「ありがとう」の一言が返ってきて、それでおしまいだと思っていた。
それ以上の何かを期待してもいなかったのだけれど。
今もって自分は男だと主張し続けるミレーにも、変化が起きていたのだ。
出会ったばかりの頃からは、とても想像できなかったような変化が。
「………へえ。おねだりが上手になったじゃないですか」
「どういう心境の変化でしょうね?」
しっとりと蒸れた獣臭をまとう、ぬくもった柔肌が重なりあい、膚が悦びを叫び始める。
「ネリー。ネリー……愛らしい、私の……」
明日になったら旅支度を始めよう。
けれど、日が昇るまでは。堕ちていく。尽きせぬ情欲に身を焦がして。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】ファールバッハ邸」からカナンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】ファールバッハ邸」からネイトさんが去りました。