2019/04/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】ファールバッハ邸」にカナンさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】ファールバッハ邸」にネイトさんが現れました。
カナン > 前回の探索行の成果であるところの写本作りを、自室に篭もって日々少しずつ進めていく。
王都の中でもとりわけ華やかな邸宅の多いこの一帯は、このところにわかに浮き足立っている。

帝国のお姫さまが山ほど嫁入りをしてきたのだ。ゆえに人の出入りがいつになく多い。
ファールバッハの邸宅を訪れる人の数も頻度も増え、人手が足りなくなってきた。
そこで白羽の矢が立ったのが私の連れ帰ったミレーだった。
親からの借財もあり、どうしてもと頼まれてしまえば私も断りきれなくて。

ネリーことネイト・オルブライト。
実家を追われて傷心の彼に与えられたのは新品のメイド服とエプロンだった。

メイドの朝はとても早く、夜は夜でとても遅い。
もともと私付だったメイドはお客様の対応に回ることになって、今は先輩が身の回りの世話をしてくれている。
新人メイドの仕事振りはといえば―――。

「……ああ。そこに置いておいて下さい。あとで自分で畳みますから」

机に向かって書き物をしながら背後の足音に声をかける。

ネイト >  
結論から言えば。
元、男性。次、女性。次、奴隷。現、メイド。
まぁ、メイドになってしまったのである。

絶望に満ちた心を塗りつぶすために流されるように受け入れてしまったけれど。
今、その仕事ぶりは。

「はい、お嬢様。また何か御用がありましたら何なりと」

その辺の一山いくらの駄メイド程度にはできるようになった。
もうどうとでもなぁれ、みたいな捨て鉢な気分のままではない。
何せ、死ぬほどしごかれて負の感情を抱えている暇がなかった。

「…少し根をつめすぎではないでしょうかお嬢様。何か飲み物をお持ちいたしましょうか?」

カナン > 「最近多いですよね。帝国の人。おかげで外を出歩きやすくなりました」

私みたいに、どう見ても帝国人みたいなのが歩いていると、口さがないことを言われたりもするんです。
平均して月に一度くらいは。一応、というか法的にはまだ戦争中の当時国同士なので。

「ミレーの立場も少しはよくなるといいのですけど……」

そこまでは、宗教的歴史的な理由があって難しいかもしれない。
カルネテル王家の権勢にも翳りが見えつつある昨今……百年後か二百年後には、少しは変わっているでしょうか。

手を止めて振り向いた。

「だいぶ様になってるじゃないですか。ネリー」

ミレーとしての名前で呼ぶ。ミレー用のメイド服もちゃんと似合っていて隙がない。

「メイド長の「指導」は効いたでしょう? 私も何度お尻を叩かれたことか……」
「飲み物は結構です。それより」

積み重なった本の山々の頂のひとつ、指でなぞって。

「埃が溜まっていますね?」

ネイト >  
「そうですね、帝国の方が往来を歩いている姿を職務中によく見かけます」
「ミレーの立場………」

そこまで話してから重苦しい溜息を吐いて。
肺腑の中に貯まった苦しみを足元に転がして。

「良くなるわけがないよなぁ……僕だって自分がミレーになるまで、ミレーの立場なんて拘泥したことがなかった」

様になっていると言われればくるりとその場で一回転してウインク。
スカートをはためかせるのがポイントだ。

「ありがとうございます、お嬢様」
「お嬢様にタメ口を利いていることがメイド長におバレになられましたらファッキンお説教なので緘口あそばせ」

仕事の行き届いてない場所をツッコまれれば半泣きでそこを拭う。
本の扱いも叩き込まれた。
書海に等しきこの屋敷において、古書をぞんざいに扱えば即・メイド長が大激怒。

「カナンくんはいい鬼姑になるよ」

カナン > 「本当なら今ごろ、縁談のひとつやふたつあったんじゃないですか?」
「公主の降嫁は王族に限らぬ話。オルブライトの家格であれば、帝国のお姫さまもよりどりみどり……」
「私みたいな黒髪が苦手でなければ、惜しいことをしましたね。どこかの誰かさんは」

片隅に積まれた古新聞は連日のようにきらびやかな婚礼の様子を伝えている。
ネイト・オルブライトが健在であれば今ごろ紙面を賑わしていただろう。

「まあ、あなたには関係のない話ですけれど」

ネリーはふつうの新人メイドよりずっと呑み込みが早い。

「ええ。意外に悪くないんですよメイドとしては」
「超一流のメイドの仕事をずーーっと間近に見ていたおかげでしょうか?」
「『やあそこのキミ、ボクは愛を探しにいったとママンに伝えておいてくれたまえ! 愛してるよ~ボクの小鳥たち! モナム~~!』」
「とかなんとか言ってたんでしょうスキップしながら」

ミレーになっていなければ間違いなくやってますよ今も。この人は。

「あ。そうじゃなくて」
「てーい!!」

エプロンのフリルをシャラランとたなびかせている小癪なメイドをベッドの上へと突き飛ばす。

ネイト >  
「ぐああ! なんて勿体無いことを!」
「そろそろ家庭に入るかなんて言って帝国の箱入り娘と蜜月入り!」
「遊んでた分上手いだろ? でもこれからは君だけを見ているさマイハニー…」
「希望は潰えたッ!」

あぐぐと唸るミレーメイド。
あ、今のもバレたらロングお説教です。
無関係と断じられれば肩を落として本の上の埃除去作業に従事する。

「ですよねー」

今となっては股間にネイトがぶら下がっていない状況に慣れつつある。
悲しいことだ。

「僕のことを調べたのかカナン君、感心しないな人の素行調査とは」
「でも細部が違うな、僕はメイドたちを僕の小鳥たちじゃなくて、僕の子猫ち」

ベッドに突き飛ばされて。
めくれたスカートの裾を気にする。

「あーれー。おやめください、お嬢様が斯様なことをされるわけがない斬れ、斬れぇい」

カナン > 「ご冗談。お仕置きタイムに決まってるじゃないですか」
「言わせないで下さいよもう……何カマトトぶってるんですか。おサセがよぉ!」

この流れはそうでしょう。もちろんそういうアレでしょう。
アレでなければ嘘でしょうとも。

「毎朝起こしてくれるのも感謝してますし、お茶をこぼしたためしもありません」
「先輩が私のメイドで、ベッドを直してくれているなんて夢みたいですよね」
「でもそれはそれ、これはこれというか」

丈の長い黒のスカートをぺろんとめくれば、その下もまた一分の隙もなく。
着衣の乱れは心の乱れ。ほんの少しでも乱れていれば、百叩きの刑が待っているので。

「シワになっちゃうとか、アイロンかけないととか考えてません? ええ。普通そうなんですよ」
「いつか元に戻れたら、メイドさんには優しくしてあげて下さいね」

私もローブを脱ぎ捨て、馬乗りになって衣装を剥ぎ取っていく。

「というか、大部分は合ってたんですか。モナム~~!とか言う人はじめて見ました」

サラサラとして繊細で、青みがかった長髪がベッドにふわりと広がっている。
所在無げに揺れる尻尾も、くたりと柔らかく垂れる耳も欲情を煽って。
アクアマリンの瞳の両隣に手をつき、次の軽口が飛び出す前に唇を塞ぎにいった。

ネイト >  
「おサセだなんてパパにも言われたことないのに!」

いや、言われたら大問題だけど。
身を捩って弱々しい抵抗を見せる。

「お、お嬢様……戯れはおやめください、まだ仕事がアホほど残っておりますので…」
「私のような卑しい身分の女をかどわかすなどお父上が悲しまれます」
「まだ日も高うございます、どうかご容赦を……」

この台詞、本で読む分には興奮したけど自分が言う立場になるとは……
ええと、この後の台詞はなんだっけ。

「やー」

服を剥ぎ取られていくと自分が結構可愛い声をしていることに心底ヘコむ。

「僕は愛が多」

唇を奪われるとそれ以上の軽口は紡げず。
肌を重ねる興奮が女同士でも変わるわけでもない。
舌を絡ませる湿音が響いて。

カナン > 「ああ。ネリー……ネリー」

息を継ぐたび浅い吐息が重なり、混ざりあってさらなる熱を生む。
早まる鼓動を柔らかな肌が伝え、乱れた黒髪が一筋口の端にかかって。

「ちゃんと仲良くできてますか?」
「『例のミレー』はこの家では有名なので……変にいじめられたりしてないでしょうか」
「責任の半分は……私にあると思っています。何かあったら言って下さいね」

メイド長の目が黒いうちは変なことは起きないでしょう。
でも一応。余所のお家ではメイド同士で陰湿ないじめがあるとも聞きますし。

「最近、鏡見てます?」
「だいぶ雰囲気が変わったと思うんですよ。細かい仕草にも気を使っているみたいですし」
「かわいいと思いますよ。ええ」

ネリーの目の前で胸を露わにして、重たく弾むそれを顔へと押し当てる。
私はといえば、獣の耳を甘噛みしながら耳の内側奥深くへと細指を埋めていく。

ネイト >  
跳ねる鼓動が女の子みたいだ。
みたいっていうか、今はそうなんだけど。

「大丈夫……みんな良くしてくれるよ…メイド長の教育の賜物だろうね」
「君に大恩はあっても責任はない。すまない、カナン…」

鏡の話を聞けば、くすぐったそうに笑って。

「かわいいと言われて僕が喜ぶとでも……あっ」

耳は弱い。甘い声を出して逃れようとベッドの上で体を仰け反らせる。
その抵抗が相手の扇情をそそるだけと知っていても。

カナン > 「実を言うと……少し安心したんですよね」
「先輩を、私のネリーをすぐに手放さなくてもいいとわかって。悪い子でしょう?」

ネリーの頭を崩した膝にのせ、赤ちゃんに授乳するように胸を差し出しながら頭を支える。
もう一方の手は下腹部を覆う薄絹の下へと潜りこんでいく。
手のひらを薄く茂った下生えが出迎えた。

「……ああ、生えてきたんですね。その身体、もしかして生えないのかと思ってました」

熱く蒸れた場所を細指で覆い、滲みはじめた蜜を絡めて柔らかい肉の隆起を撫でる。

「素直に喜んでいいと思いますよ。かわいいって言われて、嬉しくないですか? 本当に?」

時間をかけて指をなじませ、第二関節まで呑まれた二指が熱い抱擁に包まれる感触を味わう。
少しずつ少しずつ水音が増していくのを聞かせるように細指を使う。

ネイト >  
「…それを叱られたいのかい? それとも褒められたいのかい?」
「本当に悪い子だ……」

下の話になると頬を染めて。

「別にいいだろう、生えても生えなくても……」

清潔にさえすれば、ね。
今は風呂にも入れるし、十分に眠れる。
それだけで奴隷時代よりもずっと良いご身分。
乳房の先を咥えて吸う。

「……あのね、僕は男なんだからな…でも、悪くはないかな…?」
「でも…んっ、ちょっと……激し…っ」

中をかき混ぜられるように指を使われると、羞恥に目を開けていられなくなる。
反撃とばかりに相手の桜色の先端をまた吸い始めて。

秘め事が噂にならないわけがない。
でも、今は。この時間を。

カナン > 「あのままご実家に帰れていれば、私とはそれっきりだったでしょう?」
「後でたくさんのお金と、手紙のひとつでも添えて下さったかもしれませんけど」
「……なので、これでよかったのかなと」

片方の手で獣の耳を弄びながら、もう一方の細指をくの字に曲げて責め立てる。
戦慄く体の深みからぶちまけられ、手のひらをぐっしょりと濡らしたものを更なる潤滑油に変えて。

「変なこと言わないで下さいよ。「ネリー」は女の子でしょう?」

夢中になって胸に吸い付くさまが赤ちゃんみたいで、背筋をめぐる快楽にゾクリと震える。

「ああ。シーツが汚れちゃったじゃないですか。ネリー、あなたの粗相が染み込んで」
「これは……お仕置きしないとですね?」

情欲を煽るように責め立てながら、獣の耳へと甘く囁きかける。
この家では誰もが知っている。『例のミレー』はお嬢様の新しい恋人なのだと。
父母さえも、うっすらと察していながら口出しはしない。
情事は続く。二人が疲れて眠るときまで。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】ファールバッハ邸」からカナンさんが去りました。
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