2019/04/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」に徒綱さんが現れました。
■徒綱 > 新しき行事に沸き立つ王都の一角。
人々の流れに乗ってきてみればこのような場所まで来てしまっていた。
普段は足を踏み入れぬような場所であれ、道に迷ったという様子は皆無。ただ、この状況を楽しもうという猫さえ殺されるような好奇心に押されている有様である。
まあ、本当に迷っても扉さえあれば帰れるわけだが。
そのあたり便利なものである。
「しかし、どういった物事でこうなったかが見えぬというのは。中々に奇妙というべきかね」
顎をさすりつつ、呟く。片手にはいつもの鞄に、もう片手には先ほど買った串焼きなどが握られている。
もう少し情報もほしいところだが、どうすべきか。
■徒綱 > ともあれ、この人だかりはこの国が平和である証でもあるだろう。
外交問題に一応の決着が見える兆しがあったのだ。ここを機に儲け話に発展するものもいるだろうし。
もっとも、この状態から何かがひっくり返って戦乱に、という可能性もゼロとは言い難い。状況を見ることは必要なのだ。
そのためにも必要なのは。
「何はなくとも、まずは情報、か」
踏む、とひとつうなずく。指針は立ったがそのためにする行動は少々見えにくい。
まあ、問題なく王城に入る手段もないではないのだが、それで手に入るものと危険を考えると少ししり込みしてしまうのだ。
どうしたものか、と串焼きを口にしながら考える。焼き加減が絶妙だ。
■徒綱 > ともあれ、そんなことをもいながら道を行く。
もう少し、この日々を楽しもうか、などと。そんなことを思いながら。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」から徒綱さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 迎賓館」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > シェンヤン帝国から訪れた公主達を歓迎する為の晩餐会。
――といえば聞こえは良いが、王国の貴族達が帝国の公主達を品定めする為の謂わば【市場】の様なもの。
厳重な警備。高価な料理。着飾った豪華な衣服に身を包んだ人々を内包して尚、この場所は本質的には奴隷市場と大差無い。
「……ええ。我々としても帝国の皆様との友好は金銀財貨に劣らぬ貴重なものであると認識しております故。既に本家の者を含めて、縁談が纏まった者もおりますので、近日中に婚礼の儀を執り行いましょう。
……いや、私はまだまだ浅学若輩の身故。公主様とお近づきになるなど畏れ多い事ですよ」
華やかな舞踏会の中で、貴族達に囲まれて談笑する少女の様な風貌の貴族が一人。身に纏う礼服は男性用であるが、嫋やかに微笑みながら愛想を振りまく姿は、中世的を通り越して少女染みたものがあるだろう。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 談笑の輪の中に別の貴族や帝国の公主達が訪れれば、これ幸いとばかりに笑顔で会釈して輪の中から抜け出す。
公主達は此方と話をしたい様な視線を向けていたが、生憎此方に用事は無い。
華やかな会場をすり抜け、開け放たれたバルコニーへと足を進めると、浮かべていた笑みを崩して疲れた様に溜息を吐き出した。
「……全く。こういうのは父上の仕事だろう。あー……疲れた…」
ごきごき、と首を鳴らしながら深々と大きな溜息。
懐を探れば、先程帝国の付添人から貰った葉巻が一つ。普段は喫む事のないそれを口に咥えると、同じく帝国人から受け取った魔法の道具――火が付くだけのものだが――を使って葉巻に火をつける。
思ったよりもまろやかで甘ったるい紫煙が口内を満たし、ぷかぷかと吐き出した白煙をぼんやりと見上げていた。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 見目麗しい帝国の公主達は、王都の貴族達にも評判は上々。
来るべき帝国との大規模な交易に備えて、ホーレルヴァッハが傘下に収める組織も繁忙期さながらの大賑わい。
主戦派と厭戦派の軋轢によって国が乱れれば、己としても今回の降嫁は大歓迎である。
「…後は、主戦派の軍人共に金と装備を融通してやるか。憂国の義士達には、精々暴れまわって貰わねばならないからな」
視線の先では、未だ繰り広げられる華やかな宴。
既に数人の貴族達は見繕った公主と別室へと消えていく。何とも浅ましい事だと嗤いつつ、己も同じ穴の狢かと自嘲すれば、その鬱屈を吐き出す様に紫煙をぷかりと吐き出した。
何か香料でも混ぜているのか、やけに甘い紫煙が夜風に棚引き、酒精の回った頭を幾分落ち着かせた。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 微睡む様な紫煙をかいくぐって、給仕の女が此方へと近づいてくる。
バルコニーで貴族が一人佇んでいれば、流石に気を遣わせてしまっただろうか。
「…すまないな。少し、風に当たっていただけだ。直ぐに戻る
……だがその前に、水を一杯貰えるかな」
上品な笑みを浮かべて立ち去る給仕を見送り、葉巻を灰皿に放り投げる。
着飾った貴族達による"選別会"は、まだ始まったばかり――
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 迎賓館」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。