2019/01/27 のログ
■クレス・ローベルク > 流石にダイラスの路地裏と違い、こちらの路地裏は土や砂はあまりない。
清潔な路地裏、と言うと妙だが、少なくともその言葉のイメージほどには、ゴミゴミとしていない。
とはいえ、それでも、倉庫の代わりとして、木箱やガラクタが幾つか置かれている。
「よしよし。悪くないぞ……」
路地裏の奥まで青年を引きずっていき、置かれている木箱の影にそっと凭れかけさせる。
起こさないように慎重に彼の体勢を微調節すると、路地裏の外からはただ木箱が置かれているだけにしか見えない様になった。
「ふぅ、これで何とか……」
どうやら隠蔽できたとほっとする男。
しかし、慣れないことをしたせいか、後ろの警戒が疎かになっているようだが……
■クレス・ローベルク > 「……」
一度安心すると、それはそれとして、ケチな悪党心が出てくるのが人間と言うもの。
泥酔していたということは、恐らくこの男は何処かで酒を呑んでいたのだろう。
仮にも貴族が、友人の家でベロンベロンに酔う事はないだろうから、ということは恐らく、何処かの店でこっそり呑んでいたのだろうと当たりは付く。
「という事は当然……お、一目瞭然じゃん」
青年のズボンのポケットが膨らんでいた。
取り出せば、そこには重そうな金貨袋。
「ま、俺じゃなかったら殴られてたのは絡まれた側だったかもしれないし、これは未遂の罰金って事で」
そう言うと、ポケットの中にそれを仕舞った。
■クレス・ローベルク > 「それにしても、富裕地区でもチンピラみたいなのは居るもんなんだなあ」
街は見た目に依らないというべきか。
男はそれなりの実力者なので、余程の事が無い限りどうこうなることはないが。
未だこの街に居る自分の想い人の事を考えると、不安になってくる。
「うーん」
なにかするべきなのかなー、でもするとなったら面倒くさいだろうなーと考え込む男。
■クレス・ローベルク > 「さて、それじゃあ帰るか」
明日も早い。
故にさっさと帰りたい所だが、まずは安全を確認しないといけない。
路地裏から顔だけだして左右を確認。
「……誰も居ない、か?」
真夜中だ。不夜城ダイラスならば、未だに人がうろついているだろうが、この街は皆良き市民ということだろう。
とはいえ、
「一応、様子を見たほうが良い……か?」
万が一見られる事を考えると、中々勇気を持って踏み出すのも難しい。
別に今出るのも後で出るのも変わらないが、何となく踏ん切りがつかず、路地裏でぼんやりと立っている男。
■クレス・ローベルク > 「よし、問題はない。っていうか、冷静になって考えたら此処に居る限りトラブルの可能性が上がり続けるだけじゃん。さっさと出ちゃおう」
そう言うと、表通りに踏み出す。
幸い、誰にも見られずに外に出ることができた。
ちなみに、男は知らぬ話だが、結局殴り倒した青年は、男に絡んだ事自体を覚えておらず、酔っぱらいが路地裏で寝てしまっただけという事で、この件は片付けられた。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/路地裏の小さな公園」にサランティアさんが現れました。
■サランティア > 昼下がりの公園。
小さな樹木の林とベンチがある程度の、木陰のための場所程度で。ベンチに座って休憩中。富裕街にあるお菓子屋に行ってみて、いくつかケーキを購入。噂ではカフェスペースも有るとのことだったがあいにく満席…仕方なしに持ち帰りにして、近くにあった公園。人目を遮る程度はある林と生け垣。それほど華美ではないが、静かに本を読んだりするにはちょうどいい場所。
「家の近くだとすぐに誰かしらよってくるからね…」
住まいは貧民街。であれば物乞いやストリートチルドレンなども多く、しかも「飴玉くれるおねーちゃん」扱いになってれば静かに外でのんびりすることも出来ず。静かなのでベンチに座らず、木の根元に外套を敷いて魔法で温めたお茶と買ってきた焼き菓子で一服。肌寒い季節とはいえ、今日は天気もよく…ふぅ。と一息。木漏れ日を楽しんで
■サランティア > 「さて。そろそろ戻りましょうか」
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/路地裏の小さな公園」からサランティアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 喫茶店」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 「……ふぅ」
喫茶店のカウンターで、一人溜息を吐く男。
この時間帯は仕事が終わった商人などで割と席が埋まる時間帯だ。
カウンターもぼちぼち埋まり始めており、その内誰かが横に座ることになるだろう。
「今日は色々見て回って疲れたからなー」
背もたれに体重を預けてゆっくりと天井を見上げる。
何時もは喫茶店に来れば本など読むのだが、今日はそんな気力もなく。
一人、静かに時を過ごしている。
■クレス・ローベルク > 『おまたせしました。紅茶とケーキのセットです』
「おー」
疲れているせいか、注文のケーキを持ってきてくれた店員への対応もおざなりに、のろのろとフォークを取ってケーキを一口。
「……んまい」
疲れていても、いや、疲れているからこそ、甘味が染みる。
淡々と、しかし何処か幸せそうに、ケーキを消費していく。
時折、角砂糖を4つ入れた紅茶を飲みながら。