2018/11/23 のログ
■ローレディア > 「失礼致します。将軍」
夜会用に仕立てたドレスの裾をさばいて優雅に一礼する少女。年は成人したてといった頃だろうか。シンプルながら流行りを取り入れたドレスと、同じように華美ではない小花の意匠で統一されたネックレスやイヤリングを見れば、それなりに資産と地位のある貴族の令嬢と知れるだろう。
彼の返事を待ってから、差し出すのは少女の服装にはいささか似合わぬ、華美に装飾され、これ見よがしに紋章の押印が捺された封筒。
「さるお方より預かって参りました。将軍にお届けするようにと」
内容は…実は知っている。中の文章を代筆したのは少女自身。
文官の見習いとして代筆を頼まれることはよくあり、これも仕事の一環として引き受けたものだった。
内容はといえば、貴族らしい持って回った言い方で、パーティーを楽しんで欲しい事や、後日娘と逢わせたいので屋敷に来て欲しいことなど…よくある文面。
とはいえ、引き受けた仕事内容を口外する訳には行かないので、内容は黙ったまま手紙だけを差し出すことになる。
彼が受け取ってくれたなら、自分の仕事は終わりだ。
■ザイヴァー > 声をかけられれば、そちらの方を見やる。
「……む?君は……?」
声をかけてきたのは、どうやら貴族の娘の様だ。そのシンプルで華美ではないが、
それゆえに素材の…着ている娘を引き立たせるその衣服は、煌びやかなだけの貴族たちの衣服に比べ、
個人的に好印象だ。そして差し出されるのは、その娘とは印象の違う手紙。
そして話を聞けば、別の人間が自分宛てに手渡したもののようだ……
「ああ、ありがとう」
ふっと笑んで、礼を言って受け取ろう。この場で手紙を開けるような不作法なことはしない。
そして、受け取るときにその手を見て見れば……
「ふむ……君は、文官かい?」
これでも、人を見る目、特に、手先を見る目はあるつもりだ。
手指の感覚から、彼女が文官であるか、それに近い仕事をしているのかと言ってみよう。
まあ、それだけだ。手紙を手渡されたなら、質問の後、そのまま離れようと……
『おいおい、ザイヴァー。せっかくケバい貴族女じゃない娘が話しかけてきたんだぜ?
そのまま離れるのかよ……ムグ』
「黙れ、愚剣……失礼した。俺の剣はおしゃべりでな…」
そう、苦笑し自分の剣の非礼を詫びようか。
■ローレディア > 「はい。シュタインベルクの娘で、ローレディアと申します」
あくまで姿勢は崩さないまま答える。伯爵家は、貴族で言うなら中間。父親の実績をかんがえても現役で将軍である彼のほうが身分が上であり、文官見習いでないしか自分から見れな雲上の方。失礼があってはならない。
手紙を渡して、気分的に一息ついた所で投げられた問いに、ひとつ目を瞬いて。
「はい、まだ見習いの身分ですけれど…何故それを?」
どこかで会ったことは、ない。そもそも所属が違うし、今回のように言付けや手紙の受け渡しなどで城の中を歩くことはあるけれど、流石に軍部の上層部となれば事前に先触れがなければ逢うもできない。偶然廊下や庭で合ったなら、衝撃的すぎて記憶に残っているはず。
思わず自分の記憶を攫って、合った事が無かったかと必死に思い出そうとしている所に聞こえた、もう一人の声…もう、ひとり?
「あ、え?あの…剣がおしゃべりなのですか?」
喋るんですか?と思わずまじまじと彼の腰のものを見つめようか。確かにとんでもなく高度なマジックアイテムには、意志を持つと言われているものはあるけれど、当然見るのは初めての事。
■ザイヴァー > 「ローレディアか…俺はザイヴァー・グランフォード・カイゼルという」
シュタインベルク家の事はよく知っている……ほどでもないが、一応知っている。
将軍に就いてからは、政治もやらなければならなくなっているのだ。
名乗られれば、此方も名を返して。
そして、文官であることをなぜわかったかと聞かれれば。
「ふ、文官と言うのは、よく筆を握るから指に微妙な特徴があるのだよ。
仕事柄、手先が重要なのでな。つい手先を見てしまう」
此方は剣を握るため、手先が最も重要だ。なので、相手の手を一番に見てしまう。職業病のようなものだ。
そして、しゃべる剣、バスカードに相手が驚けば。
「ああ。言いふらすような事でもないが……悪い魔女に呪いをかけられてな。
剣の癖にこうべらべらと口汚くしゃべるようになってしまったのだよ」
『ひでぇな。ザイヴァー……まあ、口調が汚いのは否定しないけどよ。
俺様はバスカード・ヴレイカーだ。よろしくな、嬢ちゃん』
そう苦笑しつつ話していれば、近くをワイングラスを持ったボーイから、ワイングラスを二つ受け取る。そして、片方を差し出し…
「まあ、バスカードの言うことも一理ある。ローレディア。せっかくだ…
共に、酒を飲んではくれないか?」
何て言ってみようか。
■ローレディア > 「カイゼル様とお呼びしても?お噂はかねがね聞き及んでおります」
名前を聞けば家名に敬称をつけて呼ぶのが普通だが、ちゃんと本人に確認するのも忘れてはいけないマナー。
指の特徴との言葉には、思わず顔を赤くしながら改めて自分の指先を見つめた。パーティーに出るのだからと、インクの汚れなどは綺麗にしてきているけれど、確かにペンだこなどは隠せない。失礼しました…と両手を後ろに回し、隠すようにして。
「悪い魔女の呪い…なんだか、おとぎ話のようですね。
はい、よろしくお願い致します。ヴレイカー様」
剣にも家名があるんですね、と驚きも一周回るとかえって冷静になるようだ。そういえば、将軍にはほかにも吟遊詩人が歌にするような逸話がいくつかあった事を思い出す。おとぎ話というのは、あまり間違っていないような気がして。
「私でよろしいのでしょうか?
その、ご迷惑でなければ是非ご一緒に…」
パーティーにやってきたものの、パートナーがいない壁の華。こういう場所で居心地悪く感じていたのも事実だった。
差し出されるグラスを受け取れば、控えめに一口口を付けようと。
実は、アルコールにはそれほど強くはない。酔わないよう、少しづつ飲むことになるだろう
■ザイヴァー > 「ああ、その通りに呼んでくれたらいい」
カイゼル様と呼ばれれば、こくりと頷き、了解する。
相手が手を隠すように後ろに回せば、ふっと笑み。
「ふ、それだけ仕事に熱心だということだ。何も恥じることなどない」
そう言おうか。そして、バスカードも様付けで呼ばれれば…
『はは、何だかくすぐったいな。いつも愚剣、愚剣ってザイヴァーに呼ばれてるからよ』
バスカードもまんざらではない様子…どころか、剣なのに様付けをされたのがとても嬉しいらしい。
ほんのりと、聖なる光が鞘から漏れそうになる。
「まったく。おとぎ話だったらとても楽しく、美しいのだがな…」
実際は、若返りに年齢固定。しかも聖剣をおしゃべりにされたのだ。たまった物ではない…
そして、相手が自分と酒を飲むのを了承すれば、優しく笑む。
「ああ。こちらから頼んだのだ。迷惑などとんでもない……む?」
と、言いつつ相手の酒の飲み方から、相手はあまり酒が強くないのでは?と予想を立てる。
「ふむ、年頃の娘を強い酒で酔わすものでは無いな。もすうこし、ソフトな飲み物を頼もうか」
そう、気を使おうか……
■ローレディア > 了承の言葉に、はいと嬉しそうに答える。貴族と言えば腹芸も仕事のうちではあるが、成人したばかりの少女はそちらの方面はまだ得意ではなく。だからこそ素直な表情を浮かべて
「その、有難うございます…まだまだ未熟ですけれど、精進させて頂きます」
女が仕事熱心というのも、考え方が古い貴族からは眉を顰められる事なのだけど、自分なりに頑張っている仕事への評価は素直にうれしい。自然にやる気も上がるというもの。
愚剣との言葉に小さく微笑んで
「本当にそう思ってらっしゃるのなら、帯剣など致しませんでしょう?」
喋るというのは驚きだけれど、愛剣だからこそ手放さないのだろうと。もしかしたら、これも呪いの一環かもしれないけれど。
「あ…失礼しました。あの…呪いを受けられたのはカイゼル様ですのに」
苦労しているだろう本人の前で軽率すぎる言葉だった。謝罪の言葉とともに頭を下げよう。そういえば、子供のころのおとぎ話には『その後』の話なんて存在しなかった。
「あ、いえ。私も大人ですから…ワインくらいは」
大丈夫です。そう答えるがグラスの半分も飲めば頬が赤く染まる。ほろ酔いといった具合だろうか。
歩けるし、理性もある。けれど何となく体が熱いし、怠さも感じてひとつ、ため息をついた
■ザイヴァー > 相手の素直な表情はとても新鮮に映る。貴族たちの腹芸をいやというほど味わっているから、
彼女の素直さがとてもまぶしい。
そして、仕事に関しても自分の師団にも女騎士はいるし、仕事熱心な女はとても魅力的と言える。
そして、相手からの優しい言葉には、バスカードだけでなく。ザイヴァー自身も感心して…
『あああ~嬢ちゃんの言葉が剣身に優しく響くぜ……』
「ふ、まあ、なんだかんだ言っても……こいつは相棒だからな。愚剣だが」
そう言いつつも、相手からの謝罪には…
「いや、良いんだ。気にしていないよ」
なんて笑って。呪いを受けたという過去は変えられないが、
少なくとも、その後を幸せに過ごすために努力はしている。
そして、ワインを飲みつつ頬を染め、ほろ酔い具合とった相手。
その様子に優しく苦笑し…
「はは、もう酔いが回っているではないか」
そっと、ローレディアさんの肩に手を回す。だが、そこにいやらしい感情は欠片も込められていない。
「とりあえず、酔いを醒まそう。バルコニーに出ようか」
そう言って、そっとエスコートしつつ、バルコニーに出て…
途中で、水ももらい、手渡す。
「ふ、大人かどうかは、酒の強さ弱さには関係ないさ……」
っして、少し冷たい空気と、室内からの明かり。そして……星空。
「ふむ、星空が綺麗だな……確か、もうすぐ冬の大三角と言う星座が見れるんだったか?
詳しくは知らないが…部下がそんなことを言っていた」
なんて、言いつつ相手を労わろう…
■ローレディア > 貴族なのだから、素直さは美点とは限らない。表情を隠す事、体裁を整える事も義務の一つではあるのだが、幸い今夜はこちらに注目している人間も少ないので、いつもよりは緊張せずに済んでいる。
「ほら、やっぱり」
互いに信頼しているからこその軽口が先ほどのやり取りだったのだろう。気軽な関係は自分から見て羨ましく思えるもので。
「それなら良いんですけれど…本当に済みません。あの、後日ですけれど、お詫びに伺ってもよろしいでしょうか?」
本当に気にしていないのは解るけれど、水に流すには自分にとって重すぎた。お詫びの品くらいは用意したいのだけれど、と相手の都合を伺おう。押し付けてしまうのもまた、失礼に当たるだろうから。
「あ、あの…これは…うぅぅ…済みません」
肩に回る手に感じるのはいやらしさではなく、温かさ。支えるという意味以外の意図は感じられないそれに素直に頼ってバルコニーへと足を運ぼう。
酔い覚ましの水と初冬の寒さが、体の火照りを鎮めていって
「そうでしょうか…先ほどからお見苦しいところばかり見せてしまって。恥ずかしいです…
星ですか?ええと…確かあちらの空に…こちらが、オリオンですから…」
学生の頃習った知識を思い返し、夜空を指さしながらの会話。
パートナーもいないし、早めに帰ろうと思っていた集まりだったけれど、彼のお陰で楽しく過ごすことが出来そうだ。
そのまま雑談を交わしながら、夜も更けたころこの場を辞すことになりそうで…
■ザイヴァー > お互いに信頼しあっているからこそ軽口が叩ける。それはそうだが、
言葉にするとくすぐったい。
後日、詫びの品を~と言われれば、ふっと笑みつつ。
「ああ、そんなに気にしなくてもいいのだが…まあ、拒否することも無いな」
と、了解いして…恐らく、後日予定を記した手紙が届くだろうか……?
そして、外に出れば外の肌寒さと、酒による火照りがちょうどよく…
二人は、穏やかにパーティの残りの時間を過ごすことができただろうか。
自分にとってはそこまで期待した集まりではなかったものの。
こうして、穏やかな女性に出会えたことだけでも、今日、パーティに参加した甲斐ああったと思うだろう……
ご案内:「パーティ会場」からローレディアさんが去りました。
ご案内:「パーティ会場」からザイヴァーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 高級家具屋」にピロリムさんが現れました。
■ピロリム > 今日のピロリムは、自分の仲間である枕やお友達のベッドについて調べて
触ってまわる日。陽も緩やかに落ちて空が赤々と染まる頃のおはなし。
「ふふー…ジェリーちゃん、おげんきー…?まだ売れてなかったのねー、でも綺麗なままで何よりだわ…」
行きつけの高級家具屋である。彼女が話しかけている”ジェリー”は、一つの枕である。遥か南方の高級綿を
仕込んだベージュ色の大きな枕だ。富裕地区の、それも通向けに品が揃えられている店舗なので、中の客は少ない方だ。
寝具のコーナーには他にも様々なものがある。ベッド自体、ブランケットにシーツもサイズ、素材様々、何よりも枕が
一般人には使われないようなものがあったりする。
「あら…こんな枕、前にありましたっけ…?すぅ……、なんていい香りのする枕かしら?オーナー、
これはどういう品です…?……え、仕込み枕なのですか…?中に、毒が入っているのですね…」
それを枕として眠ったものをじわじわと侵す持続性の毒入り枕である。気づかない内に体が動かせなくなり、あとは
仕掛け人の思うがまま、殺されるか誘拐されるか、あるいは、だろう。貴族の闇を覗かせる。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 高級家具屋」にエミリーエミリーさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 高級家具屋」からエミリーエミリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 高級家具屋」にエミリーさんが現れました。
■エミリー > 家具屋の扉が開き、ゴロゴロと音を立てながら店内に入ってくる
黒一色の肌が全く見えない全身鎧の大男
そしてそんな彼が押す車椅子に座りながら…
「ふぁ…あぁ……ゴーちゃん着いたの?」
顔をあげ周りに並ぶ寝具を見れば満足気に笑う口元が覗く
のんびりと甘ったるい声で呟けばゴーちゃんと呼ばれた男が押すままに
車椅子に座る女は寝具を眺め進んでいく
時折枕や毛布に触れればその感触を確かめている
「柔らかすぎぃ……こっちは固い…良いの無いかなぁ…」
気に入るものが見つからずに不満を漏らした
■ピロリム > 一人、興味だらけの寝具の間で品試しをしていると、一つ、いや二つの影が彼女の視界をよぎる
それは、この貴族御用達の店では重厚にすぎる鎧の男と、車椅子に座って前に押されている娘である。
「……あら……?珍しい、私以外にもお客さんが。欲しいものがあるのかしら。
ふふ、ジェリー、彼女の目についたらいいわねえ。」
と、先程まで横に座りつつ両手で撫でていた”ジェリー”という枕を後にし、その車椅子の客に問いかけにいく
「こんばんはー……?ふふ…、あなたは初めてですか?ほしい寝具はありそうですか…?」
その彼女は自分と殆ど変わらない身長には見えるか。体格もそれほど変わりないといえる。肌の色も同じように白く―
血色がまずなさそうである。そんな彼女に対してピロリムは微笑をかわし、右手のベッドに腰掛けた。
■エミリー > 「かた……やわ……」
欲しいものが見つからない、そんな状態が続くとイライラどころか段々意識が朧げになってくる
半分眠りながら枕に触れて感触を確かめる、そんな事を続けていると人の声が聞こえる
「ん?…はじめましてー。私はエミリー。」
こんばんはと挨拶されたので自己紹介
続いての質問には少し考え…
「うんーきもちいい枕が多いってきいたから…いまはまだ欲しいのは無いかなぁ……
モフモフフワフワでいい匂いがするのがほしいんだぁ♪」
眠たげな口調で話す
ベッドに腰かけた貴女を見て首を傾げた
「あなたも…なにかさがしてるのぉ?」
■ピロリム > 「ふふ…エミリーさんですか…、私はピロリム、言いにくい名前でしょ…?」
初対面の人に対して名を出す位に、彼女は人見知りしないようではあるようだ。聞いていると、どうやら枕、
それもきもちいい枕が欲しいようである。自分自身が枕…なのは実際そうではあるが、姿形的にそうは思われる訳は
なかったのであって。
「枕ですねー…、モフモフでありながらフワフワ…いい匂いのですか…。まだ見つかっていないとは、ここの店の
品揃えは結構良い方ですのに、欲しがりなお方ですねえー…」
相手のエミリーは眠たそうである。どうやら長く欲しい枕を探していたらしく、疲れたのだろうか。車椅子に乗ってここ
に来たことも考えれば、道中も退屈だっただろうか。
あなたも?と彼女に聞かれてピロリム。自身は枕なので、ここは”主”を探していますと言えば今日の夜は満足なものと約束
されるのだが、そうストレートにものを言うにまだ自分は彼女を信頼していないようすで
「そうですねえ……。私は今日の寝場所を探しているのですが…あいにく自分の家からは追い出された身でして…。
ここで一夜を過ごすにはオーナーに迷惑ですし…。ところで、欲しい枕の感触はどれくらいがいいのでしょう……
そうね……、私のようですか?」
と、流暢な嘘を吐きつつ、すっとエミリーの手を掴み、自身の胸元に寄せて、触れさせてみせる。
ピロリムの胸はまんまると、しっかり弾力がありながら吸い込まれるような柔らかさがあり…
一部の貴族の間では絶世の”枕”と評価されているが―
■エミリー > 「ピロリムちゃんだね…おぼえたよぉ♪」
言いにくいかと気にしている様だがそんな事は無い
ただし寝ぼけて呼び間違えては失礼なのでぐしぐしと目を擦り眠気を抑え込む
「そうなんだ…?
きれいな枕が沢山なのはうれしいんだけど…
わたしが気に入るのが無いのはほんとなんだもん…」
たかが枕だが一日の殆どを眠って過ごす自分にとっては枕は適当に決められるものではないのだ
だからここまで眠りそうになりながらもやって来たのである
「寝場所……?」
それを探すなら宿を探すんじゃ?
と考えていると手を掴まれ胸に当てられる
「ん~……?
やわらかくてきもちぃけど……」
触れたまま胸を揉み感触を確かめる
柔らかく触っていると癖になりそうな感触で…
「ねぇ…あなた、にんげん?」
人の肉らしからぬ感触に小さな声で尋ねた
■ピロリム > 寝場所といえば宿を探せばいい、そうではないのである。彼女は
宿はもちろんだが、一緒に寝てくれる”主”が必要なのである。そうでなければ自分の存在意義が満たせない。
そのことはピロリムにとって辛さ、苛立ちを起こすだろう。
「そうですよ…寝場所です。そうですね、ただ一人で私は寝れませんね…」
と、今日の添い人を探しているように言う。言い切らない内に彼女の手を胸に当てて、揉ませる。意外にも彼女は
はずがしがる様子がなかった。どうもこの手には慣れてそうである。それどころか、自分の正体を見透かすような言葉を返す。
「え……、そうですねえ、にんげんと言われると、そうではなさそうですよね……、魔性の者であるのは確かでしょうか…」
なぜか他人事のように言う。そして、やり返すかのよう、今度はエミリーの胸へその左手を伸ばし、服上から弄り始めた
「んん……、え?ふふ、あなたは私という女に触ることに少しも躊躇なかったようで…、スキンシップであれば私も行ったまで
ですのよ…、ふふ…いいですね…ぷにぷに、肉付きが…しっかりしていて…」
触っている内に分かる、彼女の、ニンゲンと違ったところ。身体はひんやりとしており、脈も感じられない。それで、
ピロリムは尋ねる。
「ねぇ…返し言葉で失礼だけど、あなた、にんげん?」
■エミリー > 「1人で……」
そう聞けば娼婦、そんな考えが浮かぶ
だがそれとは違うだろうなとも同時に思う
寝具の店で客を引くなんて話は今まで聞いた事も無い
「やっぱりかぁ…人のお肉はこんなにやわらかくないしねぇ…」
生きた人間や死んだ人間の感触と違うのですんなり納得できた
「うん。だっていやそうじゃなかったしね…♪」
触られる側が嫌がってなければ自分にとって問題は無い
「にんげんだよー。元がつくけどねー…
あ、騒いだりしないでね…?
まちからでるまで大変だから…♪」
お互い同じ様に違うのだからここで伝えたって問題は無い
騒いだりしても2人に損が有るだけだ、街中に…
それも富裕地区に魔物なんて聞けば兵が飛んできてしまう
■ピロリム > ピロリムは今でも、枕としての体つきの面影は残っている…少なくとも人間ではないだろうか。
人に触られることは確かに嫌じゃない…、生身自体が枕自体とすれば、服は枕カバーなだけであろう。
「そうねえ…、私は触られて、抱かれて、洗われることもあるし、人の汗を滲ませていますからね…それも、裸だったりも
しますから…ふふ…。」
なんとも、娼婦か?と思わせる表現で言う。しかし、エミリーの方が既にそうと考えるには違和感を覚えたかのように、
歪な表現を交えていて。
そしてエミリーの口から、にんげんに非ず事を告げられても、何も恐れなく、顔色を変えず答える
「元…人間ですか…。そうね…。ふふ、私も、そんな方にずっと抱かれておりましたもの。全く、嫌なことはありません…
大丈夫ですよ…、あなたのことは分かりました。では……」
彼女が街の外に出る必要がある身なのは、ここマグメールが魔物を赦してはいないことからすれば当然なのだろう、しかも
生きた死体というものは、民の知るイメージは凶暴なものであろうか。
なおピロリム自身も、全ての貴族に”枕”として好まれている訳ではない。彼女も見方も変えれば”死体”である故に―
「…今日は私を召してはいかがでしょう…?枕として……」
枕とはなんたるものかによって、この提案に対するエミリーの返答は変わるだろう。ただ、ピロリムは、にこやかながら、
両手を胸下にあて、誘惑するかのような仕草に尋ねてみた。胸の谷間からは洗われている…とはいえない、
甘く濃厚でいい匂いが漂う。
■エミリー > 「んー……なるほどぉ…?」
洗われる、汗が滲む、そしてさっきの枕を引き合いに出した時私の様と表現した事
全てを合わせて考えると…寝具のお化け?と中々無茶な考えが浮かんでくる
少なくとも完全に娼婦ではないと確信している
「よかったぁ…ゴーちゃんもあんしんだねぇ♪」
少ない緊張を解いてそう問いかける
鎧は何の返事も無いが不満はない
「枕……うん、おねがいしまーす♪」
数秒もかからずにそう答えた
枕として使わないかとのお誘いは先程感触を確かめた限り全く問題ない
対価として山ほどの金貨を望まれれば無理なのであるが…
「やどはわたしがかりるけど、ほかになにか対価はひつよう?
お金はあるけど貴族の人ほどじゃないよ…?」
■ピロリム > 「いいですか…?ほ…、ピロ…うれしいです…。」
枕として自分を見てくれることに快諾を受けて、安堵するかのよう吐息をつく。
この娘には自身のアイデンティティを崩さずに対応できそうだ。
続けて対価はいるのかどうか聞かれる。娼婦であれば、身体を交えるお代として金貨は必要になるが
彼女は一夜を誰かとすごすだけでもとても嬉しい。ただ、精気は若干必要としているので、それを何かしらの
表現で伝えなければならない。そもそも死体のエミリーにそれが宿っているかもわからぬもので
「ええ…、今夜の私は、ほとんどタダですよ…。ふふ…、少しだけ私を抱く際に言っておかなければならないことは、
あなたの”精気”も少し味わさせていただきたいもの…。そうねえ…簡単にいえば、”夢”?うーん…
男相手であれば、”ザーメン”と答えてもいいところですが…」
死体相手はこの何千年と枕として過ごしてきたなかでもそうそう機会はないものである。数十年も前の事なら忘れてしまって
して振る舞い方もぎこちないだろう。少々困り顔で、思案にふけるピロリムである。
■エミリー > 精気…と言われれば少し悩む
男でもないし死んでいる自分にそもそも精気は有るのだろうか?
魔力はあるから何とか?と考え…
「夢でも精気でももってっていーよー♪
有るかも分かんないしねぇ…消えちゃわない範囲ならすきに吸っちゃってね?」
それが得られるかもわからないがそう言っておく
多分魔力で代用できる!そんな根拠のない自信が有るのだ
心地良い枕を得る、今夜の目的は達成できるのだから細かい事は気にしない
■ピロリム > 心を持つものであれば大体大丈夫である。ピロリムはその返答になんとなく納得して、頷く
「では、いきましょうか…ふふ、車椅子ですね…、私は自分で歩く事もできますが…
後ろの方は力がありそうですし、”主”がよければ、抱いてもらえると…うれしかったりします。
後でも、そう触れ合いますものね、やってみましょうか…」
なお、今夜の目的とエミリーは言っていたが、別に日は長くとも構わない。ピロリムが枕として一人の主に使われたいと思う
期間は、気分によるもので。彼女の飽きが来たりすれば、それまでになるらしい。
準備ができたのならば、エミリーが借りるだろう宿へと、誘われていくだろう…―
■エミリー > 「あー…これって楽だからつかってるだけで身体はもんだいないよー♪
じゃぁそういうのもぜんぶおねがいねー…」
ただ寝るだけ、もしくはそれ以上も…なんて考える
彼女が良いと言うなら暫く宿を借りてのんびりするのも良いかもしれない
彼女の寝心地がよければ冗談ではなくそうなる筈
そして、商品ではないが最高の枕を手に店を後にした
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 高級家具屋」からエミリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 高級家具屋」からピロリムさんが去りました。