2018/11/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > 聖都から白い制服に身を包み、正式な書状を携えて王都を巡る。
王都の要請に応じて聖都が派遣している講習の教壇に立つためだが。
柄ではない。人手不足の現状が実感として理解できる。

この格好でいれば、流石に人目も気にするし、出入りする場所を選ばなければならない。
頭を切り替えて、富裕地区の店でも開拓しようと街を歩くが。
あまり趣味ではない店ばかりだ。独りで飯を食うような街でもないということだろうが。

グスタフ > 制服に帯剣というのは、まずもって正式なスタイルなのだろうが。
困ったことに実用性に乏しい。剣というのは儀礼的な意味では良いが。
屋外では弓や槍に劣り、屋内だとナイフや針にさえ劣る可能性も高い武器である。
剣を得手とする輩もそれなりにいるが、それ以外は見栄えがいい程度しかない。
一応腰後ろに警棒を重くした程度の鈍器は備えているが。こちらが実用的だ。
ガチャガチャと見せびらかす為だけに腰に重りをぶら下げて道を練り歩く。

こんなことでも治安維持の一端くらいは担えるのだろうが。
公益より個人利益だ、と胸中でごちる。

グスタフ > 腹が減った。
と口には出さずに半開きの口で、路上に立ち尽くす。
意識が三段階に離れていくようだ。

昼飯に迷うというよりも、一般的な聖職者はいつも何を食べているか思い出す。
味のないパンと、薄いスープと、赤ワインあたりか。
さすがに昨今の肉体労働者はもっといいものを食べているだろうが、イメージにない。

らしくないといえばそうなるが。厄介な監視のような目を感じるところもある。
目立たぬようにやり過ごすか、気にせず振る舞うかは思案しどころだ。
身内のものか、外様か、敵対組織かということでも変わってくる。

グスタフ > 「……気にしたものか」

外套を口元に手繰る様に引き寄せて呟くと、獣染みた笑みを口元に浮かべた。
立場を考えてなどと煩く言う輩もいるが、机上で喚く声を聴いてられもしない。
飯を食うのに迷うことに幸福を感じるほど、生活に飽いていたくもない。

トラブルがなければそも必要のない男なのだと嗤う。
外的要因ならいつものことだ。身内か外様だった場合にはまた考えよう。

グスタフ > 大通りを練り歩く、気にせず歩けばそれほど見られてる気もしない。
単に聖都の人間がこんなところを徘徊してるのが気になるだけか。
そう思えば気も緩み、脚も軽くなる。

珍しく露天が出ているのを認めて、立ち寄ったが。
南方のフルーツの出店で、現地の何十倍かの値段だ。

「行商も命懸けだからな。ご苦労」

一つ買い付け、頬張りながら思う。
王都に落とすよりは行商に回した方がいいのは確かだ。

グスタフ > だが、やはり遠くから伝わった分鮮度も落ちていて……。

「まずいな」

ぺっ、と路地に吐き捨てる。
ただ珍しいだけの果実なぞ、道楽にすぎない。
そのまま足早に去っていった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 静まりかえった公園」にピロリムさんが現れました。
ピロリム > 月は隠れ、静寂なる暗き夜の公園――彷徨うかのようにぽつんと映るは独りの少女

「寂しいお方はいますでしょうかぁ……」

その姿は、朧げで、上質なナイトウェアをしているが薄汚れているようにも見える。乗り手のいなかったブランコに
腰掛けて、しかし漕ぐことはなく虚ろにしている

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 静まりかえった公園」にルキさんが現れました。
ルキ > 齢11にして夜遊び癖を覚えた悪童ルキ。
父も家政婦もアーレの家で食事の準備をしつつ帰りを待ちわびているだろうが、そんなこと何処吹く風。
今日も平民街やら貴族街やらで食べ歩きに興じ、ひととおり食欲と甘味欲を満たしたところで、ようやく家路についたところだ。
……しかし。

「んー?」

この時間、普段なら無人であるはずの公園のブランコに、今日はめずらしく人影が見えるではないか。
興味をそそられたルキは、躊躇なくそちらへと歩き近寄ってくる。

「なんだー? おねーちゃん、一人でこんなとこ居るのか?
 あぶないよー? 女の人がひとりで出歩いちゃ! この辺は治安もいい方だけどよー」

月明かりに乏しくとも、半妖精のルキはある程度夜目が効く。その瞳で人影の詳細を捉えられるほど近づくと、口を開いた。
発せられる声色は、第二次性徴を感じさせない甲高いハスキーボイス。周囲の静寂に慮ってか、やや控えめな音量だ。
少年はそう心配するような声をかけながら、それでいて唇はやや嫌らしく弧を描き、目も楽しげに細めて見つめている。
半袖半ズボンの裾から覗く四肢はまるで少女のように細く白く、明かりに欠ける闇夜でも薄く輝いているかのよう。

ピロリム > 遠くから見れば彼女は幽霊のようにも映っただろう、そう見られることは彼女の作為であるから問題とは思っていない様子。怖がる
人は寂しさの埋め合わせが出来ていると。但し、今回の遭遇者の場合は…ただ気を惹かれただけだろうか――

「幼な子…?おうちに帰る途中だったかな…、にしてもう遅すぎるけど…?」

ゆったりと、その低いアルトの声色で問いかける。眠たげ彼と比較すれば聞こえづらい程に小さい声量で
その子を近くに見れば、彼女からすれば自分より遥かに小柄で、軽快な身なり、貴族の子とは第一印象では思えない。
突拍子に現れた少年。しかし驚く事はない。彼女にとっては、今日のよいお相手様になってくれるか、まず試す気持ちで次に問う

「女…ですよ。きみは一人の私を心配してくださってるのね…?うふふ…、でも、人は見かけによりません。あなたはとっても
分かりやすい元気そうな少年?私の…考えてることが分かります…?」

ルキ > 「ああ、そうだぜ。ちょーど良い感じに眠くなってきたとこなんで、そろそろ家に帰ってやろうと思ってたんだ。
 オレん家の中は楽しいことはちーっともないけど、布団だけは上等だかんな。
 ……幼子? ふん、オレぁそこまでガキじゃねーぞ! まぁまだ酒は飲めないけどよ! ……ふぁ、あ」

ブランコの上から帰ってくるゆったりとした返答に、少年はケラケラと笑い、短い茶の髪を揺らしながら応える。
その声色は快活そのものだが、たまに露骨にあくびが混じるところを見ると、眠いというのも嘘ではなさそうだ。

「心配? ん、ああ。そりゃ心配だぜ。オレは毎日朝ここを通って学院に行くんだ。
 その通り道に女の人が倒れてたりしたら、そりゃ気まずいだろ。こういう時に声を掛けてやるのが『紳士』らしいぜ。
 ……ま、人が見かけによらないってのも知ってるけどさ。この街じゃどこにどんな強者が住んでるかわかんねーし。
 …ん? おねーちゃんの考えてること? そんなのわかるはずねーっしょ、心が読めるわけでもないし…」

おっとりとしたピロリムとは全く対照的に、半ば早口めいてまくしたてるように言葉を返すルキ。
妙な返答をみせてくる女の雰囲気には若干警戒心を覚えるものの、それ以上にルキの中にいつもの『悪戯欲』が湧き上がり。
……喋りながら、ルキの人差し指がピロリムを指し、静かにつつっと上に向けられた。

「あ、でもよ、『この服じゃ寒いーっ!』とか考えてるんじゃね?」

次の瞬間、ピロリムが着ているナイトウェアの、ボタン、結び紐、帯といった留め具がすべて、同時に外れる。
まったくの予兆なく、結び目はほつれ、ボタンはボタン穴から滑る。
さすがに即全裸とはならないだろうが、前面が束の間露出することは避けられないだろう。
半妖精たるルキの超常能力、いたずら術である。突然のアクシデントに彼女はどう反応するか。

ピロリム > 子供の扱いがあまりよしと思わなかったのか、笑いながら反抗してみせている少年。
早口だが長くつらつらと返される言葉をただこくり、こくりと頷いて聞いている彼女。眠たそうなのは確からしく、
子供は早く布団に入って寝るという習慣は守るべき子だねとは思ったところ

「そうかあ…、きみはしっかりしてるね…、いい大人になりたいんだねえ。強者は確かに、普段から強そうなふりはしていないと
思うよ。そうね、私の事は今会ったばっかりなのに、読めるはずないよねぇ…」

こういう質の人は、実は彼女は苦手だと思っている。所謂”心理術”が聞くような相手ではなさそう。自分気ままで悩みない人ほど
甘い誘惑や賭け事や、そんな事には引っかからないことは世間一般の大人を見て考えられるところ…

それどころか、彼は彼女の思いがけない事まで起こしてみせたか――

「え?寒いかな…きゃ?」

予知できない現象、服がところどころに開けて、ちらりと胸やらへそやら見えてしまう。
しかし彼女、いきなりの悪戯に驚き手で隠しはしたが、状況を理解して、くすりと笑い、そして口角を上げて尋ねる

「へええ…きみ、女の人にこんなことして……それから、どうしたいの?」

そんないやらしい質問をしてみる

ルキ > 「いい大人? ふん、知らねー。オレは大人になんてなりたくねーし。
 学園にも父ちゃんが行けって言うから仕方なく行ってやってるだけだし、家よりも何倍もつまんねートコだし」

『いい大人になりたいんだね』という彼女の感想を聞くと、ルキはあからさまに眉間に皺を寄せ、口を尖らせる。
反抗期の少年少女のテンプレめいた文句を吐きつつ、強がってみせる。

「さすがにもう冬って感じだぜ? オレはこの程度まだまだ半袖でヨユーだけどよ。
 おねーちゃんのそのパジャマはさすがに見てて寒…………」

そう言いつつ術を行使したルキだったが。
たしかにうまく術はハマって、目の前の女性は可愛らしい悲鳴?とともに服を抑える仕草を見せる。
その愛らしい反応に彼は目を細め唇を釣り上げ……ようとしたところで、逆に目を見開く。
寝間着姿であればその下に下着はない、ということに気づかなかったルキ。胸の谷間を直視できるとは思ってなかったのだ。
女性の胸部はルキが今までに見たことがないほどにたわわに実り、それでいて弾力がある。
さすがに乳首までは見れなかったが、それでもウブな彼にとっては強い刺激だった。
言葉に詰まり、白い頬がみるみる内に紅潮し、こくりと唾を飲み込みながら、抑えられた彼女の胸に視線を落とす。
目を外せない。

「………え、いや、その。オレ、何もしてねーし。勝手にその……パジャマ、ほつれただけだし。
 ……おねーちゃん、おっぱい、でけーんだな……」

さっきまでの饒舌がどこへやら、今のルキは歯切れ悪く、舌を震わせながら、懸命にいいわけめいた言葉を紡ぐ。
次いで出たピロリムの体つきへの感想の言葉を紡ぐと、すぐにルキはぶんぶんと頭を振って、自分を戒める仕草を取る。

「……な、何言ってんだオレ。その、そういうんじゃねーぞ。
 『それからどうしたい』……って、なんだよ……も、もっと見せてくれたりするのかよ?」

挑発的な言葉で反撃されれば、今度はルキの視線は露骨に泳ぎ始める。しかし脚はブランコの前に釘付けにされたまま。
いたずらをした後のことは全く考えてなかったようだ。

ピロリム > なんともまだ童話の中にいるような、若々しい少年なこと、その自分への思いやりが”大人だからできる”ではなく
かといって”子供には見られたくないから”と、心の移り変わりの真っ只中にいるもので

「そうかあ、君は君自身の優しさがあるんだね…うふふ、うれしいよ、お姉ちゃん…。そうだよ、寒いよ…でも、家なんて
私にはありませんから…」

下着を付けてはいなかった、そして実際のピロリムは殆ど温度を感じる感覚も薄かったので寒いとも思っていない。ただ、
敢えて寒いなど困った姿を見せるのは”らしい仕草”であり、彼の反応を見たかったのだろう
そして、硬直して、言葉もしどろもどろに、明らかに動揺した少年。やはり、こういうタイプの人は心理よりも、感覚である。

「えぇ…?え?何もしてない?他に誰かいましたっけ……?風がこんなに私のボタンを丁寧に外しませんよ?パジャマ、汚れてる
ようにみえたでしょうけど…大事にしてたんですが…あら…ボタンがどこかいっちゃったわ…
そうねえ、おっぱい大きいかな…じゃなくて、どうしてくれるんですか?これじゃ他の人目についたらひどい目で見られちゃいます…」

ゆったりとだが、相手を言葉の重みで圧するかのような、そんな喋り方で少年を責める。

「んんー、反省してる?あれ?もっと見たい?これは反省してないよね…?もう…お姉ちゃん困ったねえ…」

その場を動けないでいる彼に次々と精神攻撃を畳み掛け、最後に彼の行った悪戯の報いを告げる

「しょうがないからあ…きみの家で温めてくださいます…?そうしてほしいんだけど……?
私が一体何者かはまだ考えないで…、ただ”身ぐるみはがされたかわいそうな人だから家に入れてやった”って、言うんだよ…?」

ルキ > 「えっ、おねーちゃん家なしなのかよ……そうは見えなかったぜ?」

心身ともに幼いルキでも、この街を退廃が包んでいることは感づいている。浮浪者だって何度も見掛けた……関わったことはないが。
眼の前にいる女性は、衣類のつくりは上等でもその所々が確かに薄汚れている。ふらりと散歩に出たどこぞの子女ではないようだ。
それでも、悠然と闇夜の公園に佇んで、ルキが語りかけても堂々と応対する姿は、浮浪者のそれともいささか違うように思えた。

「……チッ。し、しょーがねぇなー。いいよ。家に連れてってやるよ。
 部屋になら裁縫道具もあるから、おねーちゃんの服がどこか傷んでても直せるっしょ。
 ここから近いから、誰かの目に触れることもないだろ。……その、見られたらオレも困るかもだしな」

なおも頬に赤みを保ったまま、ルキは警戒するように周囲を見渡す。家までの道には他に人の気配はなさそうだ。
ピロリムの方に視線を戻すと…なおも胸の方に視線が向きがちだが…親指で公園の向こうを指し、立って歩くよう促す。

「……はぁー。やっぱり一人でいるオンナには話しかけないほうが賢かったか……」

ぼそり、小言。推定浮浪者の女性を自らの家に招いたら、父にどう言われるかわかったものでない。
身から出た錆ではあるものの、自身の不幸を嘆かずにいられない。しかしここまで同情を誘われると引っ込みもつかない。
加えて、先程一瞬目にできた乳房の谷間の映像が脳裏に焼き付いているのも確かで。
もし自室に招くことができたら、もう一度や二度、その光景を見られる機会もあるかもしれない。

そうして、ピロリムが着いてくるなら。200mも歩かず、ひとつの邸宅に着く。
大きすぎず小さすぎず、しかし平民地区の家屋と比べたら確実に豪華といえる、そんな中流貴族の佇まい。
玄関を潜ると、老年の家政婦が出迎える。どうやら父はすでに寝たらしい。
素直に事情を述べれば、家政婦は二つ返事で居間へと引っ込んでいった。
かくして、うまいことルキは彼の自室にピロリムを招き入れることができたのであった。

「……さすがに風呂とかは使えないかもだけどよ、外よりは絶対暖かいぜ。ゆっくりしてくれよな」

家人によって掃除はされているようだが、机の上などは書物が乱雑に置かれている。まさしくガキの部屋といった感じ。
その中でベッドだけが不自然にデンと鎮座している。子供一人で寝るにはやや大きすぎる。

ピロリム > 自分が家なしという事実には若干疑いを持たれたものの、
興味でやりたいように動ける人にはやりたいが先に来るものであった。嫌々そうな顔をしながらも言葉のまま導かれてくれる
彼に寄り添って、望み通りの路線に乗れたとにこにこするピロリム。

「うふふ…、優しいねえ、そうね君だからの優しさよね。まあ、怖がらないで、責任を全うしてくれるんだね、その勇気は大事、
子供でも大人でも……あ、この事は言っちゃいけなかったね?あと私の言うことが難しかったら、なんとなくで思ってくれれば
いいからね?」

そうして手を引かれたまますぐに家にたどり着く。途中ぼそりと聞こえた彼の失言には聞こえなかったフリをして。
家の玄関には家政婦らしい人がいて、そこで彼の呼び名が聞けた

「ルキ…さんですね?ごめんなさい…こんな私を助けてくださるなんて…ほんと、感謝致します。父方にもルキさんは勇気のある
方だってお伝えくださいませ…」

家政婦のいる中であり先程のようなくだけた口調では言わない。本当に助けられた女のように振る舞う。
ピロリムとしては、なかなか素晴らしい豪邸に入れてもらえたと、心の中でガッツポーズ。あとは、彼のしたい事を考えて、それを
叶えてあげることだけである…―そうすれば自分の望み、欲望も叶うと

「ありがとねえ…うふふ、温かいー…ええ、風呂なんてとんでもないよ、こう寝床まで用意してくださるなんて。ルキ君はこんな
豪華な部屋を思うように使えて幸せねえ…」

そう部屋の隙間の座れる所にちょこんとして、ほっこりとしている。ただ、ゆっくりと話しているが、先程も見たようにルキは
もう眠たそうである。父も既に眠っている位である。
ベッドはとても大きい。それは…二人添い寝しても全く余裕がある大きさだと。彼女は既に環境は整ったと、その上で一言

「……眠いよね、…寝る?」

まだ服は仮に留めてるだけで直ってはいないが、寝ることに服があるかないかは関係ないと思っている

ルキ > 「……あー、うん。正直、おねーちゃんの言う事はオレにはよくわかんねぇよ。
 責任とか勇気とか知らねーし。ただその……まぁ何だ。優しい奴ってのは合ってるかもな。うん。恩に切れよな!」

ルキがどうしてこのような行為に及んだかといえば、簡単に言えば『打算』である。
部屋に入れてもせいぜい親に小言言われる程度で済むなら儲けだし、それで女性に悪戯する機会が増えるなら僥倖。
そして今こうして親の目にも止まらずに自分の領域に彼女を招くことができたのだ。コトは自分の望む方向に動いている。
……現時点ですでにピロリムのペースに嵌っていることなどは露知らず。

「メイドとの話が聞こえてたか? うん、オレはルキ、ルキ・アーレって言うんだ。
 おねーちゃんは何ていう名前なんだ?」

厚い木製の戸を閉める。部屋の中は複数のランプで煌々と照らされ、居心地は良い。

「さすがに風呂使ったら親にも気づかれるからなー。オレも面倒だから風呂はいいや。さっさと寝ようぜ!」

親に気づかれる、という心配をしつつも、ピロリムに語りかける言葉は先刻と同様にハキハキと快活。
どういう理屈か、この家全体の作りが防音性に富むようだ。
ルキは話しながら、戸棚から綺麗に畳まれたパジャマを取り出し、着替えようとする……が。
普段は部屋にいない別人の気配を思い出し、それをベッドのそばに放り投げてしまう。少しは羞恥心があるようだ。

「服もこのままでいいや。……うん、眠いぜ。オレのベッドは広いから、一緒に寝ようぜ?」

ルキは無造作に己の細身をベッドに投げ打つと、掛け布団をめくり、平然とした顔で同衾を誘う。
ある程度羞恥心はあっても、『異性をベッドに誘う』ことの真意はまだ知らないのだ。