2018/10/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にアルクロゥさんが現れました。
アルクロゥ > 昼間は明るく美しい街の通りも夜になると物静かになる。
だいぶ冷たくなってきた風が街路樹から落ちていた枯葉を巻き上げて夜の虚空へと飛び散らせていった。

「さすがに冷え込んできたな。早く家に帰って温かいスープでも作って飲みたくなる」

今日は街の反対側の方の貴族屋敷まで届け物をして、とくに食事にも有り付けないまま遅い帰りとなってしまった。
自然と急ぐ足を阻むように進む方から風が吹き付けてくると身震いして腕組みをし上着を押さえ込む。
もともと厚着の装束なのでこれから本格的に寒くなるとまた着るものにも苦労しそうだ。
用事さえなければずっと部屋の中に閉じこもって自分の研究に明け暮れたいが、こんな男でも何かと世間のしがらみに捉われてしまうので世知辛いものである。

アルクロゥ > 帰り路を急いでいると、その先の路地から不意に誰かが姿を表す。
フードを深くかぶっていて誰かも分からないが、体格は女のようだった。
その彼女が手招きをするので、一応振り返って周囲を確かめてみるが自分の他には彼女が呼ぶような相手はいない。
いかがわしい客引きか、陰謀かと怪しまずにはいられない。
少し悩むのだが、結局観念したようにため息を漏らすとそちらへ足を向けて誘いに乗ってやる事にした。
温かいスープにありつけるのはもう少し先延ばしとなるようだ。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からアルクロゥさんが去りました。