2018/10/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 広場には他に何人かの人がいる。
とはいえ、流石に他の者は周りの目があるからか、流石にパンにかぶり付く様な真似はしてないが。

「まあ、お行儀悪いといえば悪いからね……」

といいつつ、食べる手は止めない。
丸型のパンにかぶりつくと、柔らかさだけではなく、硬い食感も交じる。

「お、これくるみ入りか。ラッキー」

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にぼたんさんが現れました。
ぼたん > 豪奢な服に身を包むものが多い富裕地区の昼間。少し場違いな、鄙びたふうな服装の女がひとり。
(そういや昼間、あンまこっち来た事なかったかも…)
少し大き目の紙袋を抱えなおしながら、てくてくと広場を通りかかる
「ええっと…」
きょろきょろして、ポケットから地図を出して、ううんと首をひねっている

クレス・ローベルク > パンを一つ食べ、二つ食べ、三つ目に手が伸びようとしたとき、その女性が目に入った。

「(平民の人か……?いや、もしかしたら観光客かもしれないな。ということは俺のご同類か)」

別に困っているからと言って、助けなきゃいけないと思うほど殊勝な男ではないが。しかし、目についてしまったのも何かの縁か。幸い、まだ時間はある。人助けするのも気分転換にはいいだろう。

「そこの人、何かお困りかな?」

そう言って、ぼたんに話しかける。

ぼたん > ひねった首が肩につきそうになったころ、声を掛けられてハッと顔を上げる。ふたたびきょろきょろして、声をかけてくれた相手をみつけると、気だるげに笑いながらすこし、近寄ってくる。
「ああ…ちょいと道、探してて。そこそこのお屋敷らしいンだけど…」そう言って、付近では少し有名な侯爵の名前を言う。同時に地図を差し出して、知ってるかい?とふたたび首を傾げる

クレス・ローベルク > 「ああ、急に話しかけて悪いね。えーと、俺もそこまでこの辺に詳しい訳じゃないが……」

差し出された地図を受け取って、さっと見てみる。
そして、十秒ぐらい眺めてむむむと唸った後、

「ちょっと待ってて」

と言うと、止める間もなく広場に居た身なりの良い、五十ぐらいの夫婦に話しかける。
二三話した後、再び戻ってきて

「おまたせ。そのお屋敷なら、この辺にあるってさ」

といって地図を指し示す。目立つ建物がない割に、分岐が多い複雑な路だ。

「ちょっと解りづらい場所だけど……一人で大丈夫かい?」

ぼたん > 唸っている姿を見て瞬き、知らないなら大丈夫…と言いかけたところで、彼は人に訊きに行ってしまう。(あら、あら)
予想外の親切さにぽかんとしながら、戻ってくる彼を眺め、ありがとう、とこぼしながらその指し示した場所を見て…じっと見て…
「…………」
たぶん無理だけどここで更に手を煩わせる訳には行かないけど来てくれたら心強いかもしれないけど
「…だい、じょぉぶ」…だと思う。
少し掠れた声で言った顔が、地図から上げられないでいる

クレス・ローベルク > 「別に礼を言われる程の事じゃないけど……」

と言いつつ、目の前の女性の表情を見る。
いや、正確に言うと地図を見る為俯いているから顔は見えないのだが。
大丈夫とは言うが、どう聞いても大丈夫ではなさそうだ、と思う。
とはいえ、そのまま「大丈夫」「大丈夫じゃない」という遠慮と親切の綱引きをするのも何だったので。

「そっか。でもまあ、俺今お一人様なんだよね……せっかくの休暇に、一人でパン食べてるのも、正直寂しい話だしさ。お姉さんみたいな美人さんと、一緒に歩いた方が有意義って思うわけよ」

と言って、少し頼み込むように手を合わせて

「だから、寂しい男の見栄っ張りに付き合ってくれないかな?……無理?」

ぼたん > 必死に地図の場所を覚えようとしていた所、思わぬ申し出が聞こえてくる。
何を言ってるんだろう?ぼやっと相手を見上げてから、ようやく理解して、何度も瞬いて
「…むりじゃない…」親切すぎる。幻聴ではないかと疑って
「えと…一緒に行ってくれる、ってえことだよね?」わざわざ確認してしまう

クレス・ローベルク > まあ、この言い方ならよほどこちらの第一印象が悪くない限りは、断らないだろう、とは思う。別に、あちらもこちらに悪意があるかと疑っているわけではないのだろうし。

ただまあ、あんまり恐縮されたり感謝されるのも座りが悪いし、一応言っておく。


「そちらが良いなら喜んで。……まあ、実際、暇なのは確かなんだよ。休日はこの辺でお茶飲むか地元で博打打つかぐらいしか、楽しみなくてさ」

何か道案内って言うよりはナンパみたいだよなーと思うが、短い間とは言え同年代の女性を誘っているわけだし、ある意味一種のナンパだろう。ならば堂々とやろうと思い、

「君みたいな美人さんが一緒に歩いてくれるなら嬉しいってのも本当。だから、そこまで気にしなくて良いんだよ」

ぼたん > そう…と気だるげに笑って、もの好きだね、とくすくす笑う。素直に甘えることにして
「今日、仕事休みなのかい?普段は何してンの?」地図と周囲を見比べて、進む方向を見定めようとしながら問いかける。

クレス・ローベルク > 「そうなのさ」

どうやら笑ってくれたということは、然程恐縮などされていないらしいと思い、こちらも地図を見て周囲を確認する。近くを通ったことはあるので、そう迷うことはないが、念の為というものがある。道話を振られると、

「ああ、ダイラスの闘技場で、剣闘士をやってる。後は冒険者や傭兵の真似事かな?お姉さんは?」

とこちらも同じ問を

ぼたん > 「闘技場…ダイラスは行ったことあるけど、そンな場所もあるンだねえ」あっちだよね?と一応指さし確認して、歩みを進めはじめる。
「アタシは、平民地区で居酒屋やってる…にィさん、傭兵とかそンな感じしないね?」
改めて、相手をてっぺんからつま先まで眺めてみる。雰囲気も殺伐としているわけでもないし、何だか不思議で、また首を傾げる

クレス・ローベルク > 「ああ、大観衆の前で切った張ったやるのは結構楽しいよ?偶にとんでもないのに遭遇して痛い目にも合うけど……まあ、それも楽しみのうちだしね」

まあ、実は楽しみはそれだけではなく、女性を犯したりするのも楽しみのうちなのだが、流石に女性との会話で出すものではあるまい。

「ああ、その道であってるよ。パン屋さんの角を左ね。あそこの道、何か箱とか置いてあって私有地っぽいけど、勝手にあそこの店主が置いてるだけだから気にせず通って」

時折こうやってアドバイスをしつつ、二人でぶらぶらと歩く。
ぼたんの話を聞くと、

「へぇ、居酒屋さんか。場所何処?お酒は嗜む方だし、後で呑みに行きたい。東国の酒はこっちとはまた違った味わいがあるからなあ」

こちらを観察されると、やや苦笑する。
確かに青い闘牛士服は、戦う衣服というよりは、貴族のおめかしらしくもある。

「まあ、傭兵の人は生き急ぐ人多いけど、本業はあくまで剣闘士だから。食いっぱぐれがないぶん、のんびりしたものさ。お姉さんの方こそ、何ていうか商売人って感じじゃないよね。金にがめついって感じは受けないし……たちの悪い酔っぱらいの相手とか、大変じゃない?」

喋り方も随分おっとりしているし、そこまで力があるようにも見えない。平民地区ということはお行儀が良い客ばかりでも無さそうだし、少し気にはなった。

ぼたん > ふウん?と目を白黒してから、本当の所は知らずにふふふと笑って「にィさん、目立ちたがりなンだねえ?」大歓声に、力のぶつかり合い。小さい男の子が憧れそうなシチュエーションだ。

「…よくわかるねえ」地図は自分が持っているはずなのに。角を曲がると本当に言う通りで、思わず彼を何度か見てしまう。

「お店の場所?…まあちょいと、外れのとこ…」何とか説明しようと思うが、周囲にもまだ詳しくなかったりする。呑みに行きたい、という言葉には心底嬉しそうに待ってるよ、と笑う。

店の切り盛りの事を問われ、少しばかり人の悪い笑みをうかべて「まあちょいと…アタシ手品みたいなのが得意でねえ。煙にまいて追っ払っちまってる」思い出し笑いなのか、くすくすと荷物を抱えた肩が揺れる…

ぼたん > それからふと気付いて「にィさん、ふだんダイラスってェことはここら辺、初めてじゃァないの?」
明らかに、自分より詳しい様子が少し気になるらしい。

クレス・ローベルク > 「そうそう、目立ちたがり屋さんなのさ。特に、綺麗な女性には常に見ていてもらいたいね。闘技場にはあんまこないけど」

来ない理由は単純にそういうことをするからなのだが、まあそこはぼかして。

「ふうん、外れの場所か。ま、結構この辺うろついてるし、何軒か店を回ればその内当たるか。うん、その内見つけると思うから、その時はよろしくね。それにしても、手品……。店の中で使って問題ないとなると、力学的にではなくて精神に作用する……幻術系の魔法かな?うん、それなら問題ないかな。それにしても、何やったんだい君……?」

人の悪い笑みに怪訝な顔をする。魔法は自分もよく喰らうが、この人の良さそうな女性がどんな魔法で悪い客を懲らしめるのかは興味があった。

そして、自分がこの街に詳しいことを問われると、「あー」とバツの悪い顔をして

「元々、この辺の生まれだったんだけど、家出してね……。住みづらくなったんで、ダイラスの方に住んでるんだ。まあ、その後も休暇になるとこっち来てるから、それのせいだけって訳じゃないけど」

そう言うクレスの顔は、何とも言えず渋い顔。

ぼたん > 「そうなのかい?男らしい男が好きなコも、結構居そうだけどねえ…」心底不思議そうに言ってから、まあにィさんならモテるんじゃァないの、と笑う。

「悪いね…店の名前は『たぬきばやし』ってェんだけど、ちょいと変わってるらしいから、割とすぐ、わかるかも…」申し訳なさそうに言うが、手品の内容を聞かれるとまた、人の悪い笑みを浮かべて
「幻術…てェのかねえ?ここらじゃァ…こういうの」荷物を片手で持ち直し、右手でつるりと自分の顔をなでる。と、眼も鼻もないのっぺらぼうが瞬間、現れてすぐに悪戯っぽい顔が戻ってくる。

家出、と聞くと一瞬ぽかんとして、そう…と頷く。渋い顔を見ると、それほど深刻でもないのかなぁと首を傾げるが、今は深追いはしないことにする…
「なァんだ、アタシがすっごく方向音痴になっちまったかと思って、焦って損したよ…」あはは、と笑ってみせる

クレス・ローベルク > 「おや、そう言ってもらえると嬉しいね。まあ、ダイラスに来た時にでも寄ってみると良いよ。っていっても、お店が忙しいだろうし、中々旅行という訳にもいかないのかな?」

自営業の人は何だかんだ忙しいイメージがある。
店を任せられる店員が居るのかも知れないが、流石にそこまでは解らない。

「『たぬきばやし』か。そんだけ特徴的な名前なら、聞けば解りそうだな……ってうわっ」

こういうの、と言われてぼたんの顔を見ると、びっくりして一歩後ずさる。直ぐにもとの顔が現れるとほっとして

「急に脅かさないでよ。びっくりするなあ。俺も魔法使いとは戦うことは多いけど、こういう幻術系が一番苦手なんだよ……」

びっくりするし、攻撃があたっても本当に当たっているか解りづらいしで、正直良い思い出がないのだった。とはいえ、焦って損したと言われると、こちらも苦笑して

「まあ、人に聞くぐらいはしても良かったとは思うけどね。通りなれない道を通る時は皆そんなものさ。俺だって、最初ダイラスに来たときには迷子になったしね」

ぼたん > ううん、と少し首を傾げて「まァアタシ、居酒屋だけでなくってお弁当とか色々やってるから…お店休んで、お魚見にダイラスに行ったりもするよ」そのとき寄ってみるね、と頷く。

まんまと驚いた相手にくすくすと笑う。「まァアタシはこんな誤魔化しだけど、火だとか出せるわけじゃァないンだけど…苦手なンだねえ?」いいこと聞いちゃった、と更に人が悪くわらう。

「そうなの?にィさんが迷子ね…」今までの割と落ち着いた様子からは想像がつかないようで、くるりと目を回す。
「あァ…お屋敷、もうすぐかも…」辺りに見覚えがあるらしい。きょろきょろと周囲を眺め始める

クレス・ローベルク > 「おや、何だちょくちょく来てたのか。じゃあすれ違った事ぐらいはあったかもね。それにしてもそうか。東国は寿司とか天ぷらとか、魚でも有名だったな……。じゃあまあ、その時はお楽しみにってことで」

もしかしたらエロい試合を引くかも知れないが、それはそれで面白い。
流石に後で謝らないといけないかもしれないが、これぐらいのいたずらは許されるだろう。

「だって距離とかごまかされると絶対攻撃当たんないし、心術系と組み合わせてトラウマ見せたりするのも居るし……あ、今の、特にダイラスでは言いふらさないでね?狙い撃ちされるかもだし。」

ほとんどありえないが、剣闘士は弱点を露呈するとそれだけで命の危機になりうる職だ。こればっかりは本気でお願いする。

「まあ、もう十年前だったからね。その時はこういうキャラじゃあなかったし……っと」

もうすぐかも、と言われるとこちらも止まり、同じく周囲を見渡す。すると、少し離れた場所に、大きなお屋敷が有り、

「そこじゃない?大きなお屋敷って言ってたし」

と指をさす

ぼたん > うん、楽しみにしてる。と屈託なく笑う。果たして…

焦っているような様子にふふふ、と笑って「大丈夫…その替り、買ったら祝い酒、飲みに来てよね…ちょっとはおまけしたげるから」にィさんのトラウマってなんだろね、と嘯いて見せる

指さされた屋敷を確認すると、ほっとした顔で息をついて
「ありがと…助かったよ、ホント」気だるげな笑みを向けて見せる。と、ここまで来て漸く、相手の名前を知らないことに気付く。
「アタシは『ぼたん』ってぇ名前…」にィさんは?と尋ねる替りに首を傾げて

クレス・ローベルク > 「うおっと、そうきたか、商売上手だな。うん、勿論。勝った試合の後は、君のお店でお酒を呑むとするよ」

いや、本当にキッツいんだよ、戦闘用の幻術って……と少し青い顔。
そしてほっとした顔で息をつかれると、こちらも安堵した笑みで

「こっちも楽しかったし、お互い様だよ……っと、これは失敬。レディに名前も名乗らず同道とは」

と言って

「俺はクレス・ローベルク。剣闘士のローベルク。弱点以外はお店で宣伝してくれると嬉しいかな」

と笑う。

ぼたん > ローベルク、口の中で繰り返して、わかった、と気だるげに笑う。
屋敷の方へ走って行きかけて、そうだ、と向き直って腰の辺りをごそごそ。やがて竹筒を取り出して
「詰まんないモンだけど、あったかいお茶…」良ければもらってくれ、と差し出す

クレス・ローベルク > 「うん、よろしくね」

と言って見送ろうとするが、竹筒を差し出され、

「おお、有難う。うん、後でいただくよ。それじゃあ、何しに行くかは知らないけど、気をつけて。この辺りは治安は良いけど、念の為、ね」

そう言うと、改めて手を振って送り出そうとする。

ぼたん > 「うん…ちょいと届けモノするだけだから、大丈夫
ホント、ありがと。楽しかったよ」笑みこぼすと手を振り返し、今度こそ踵を返して、屋敷の門へと。

クレス・ローベルク > 「そっか。俺も楽しかった。それじゃあ」

そう言ってぼたんが屋敷の門の中に消えたのを見送ると、こちらも踵を返し、もとの公園に。

「うん、良い休日だった」

と呟いて

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からぼたんさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からクレス・ローベルクさんが去りました。