2018/09/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にアルクロゥさんが現れました。
アルクロゥ > 街の通りに面したとある建物。
防犯のために雨戸も完全に閉じて明かりも漏れていないが、注意深く見上げれば煙突から薄っすらと煙が立ち上っているため家主がいることは分かるだろう。
そこは看板は出ていないが近くの住人なら知っているような錬金術の工房だった。
その中では机の前に座った男が研究の記録ノートにペンを走らせていたが、やがてひと段落すると自分で肩を揉みながらやれやれと息をついて立ち上げる。

「なんだもう夜か、しかもだいぶ遅い時間だな。
 最近はどうも時間の経つのが早くて敵わん」

年寄りじみた台詞で銀髪をかき上げるように頭を掻くとますます良い歳みたいだが、髪の色は生来のものであって年齢とは無関係である。
少なくとも本人はまだ十分に若いつもりでさっさと机の上を片付けながら、奥の棚にでも何か食べ物が無かったか、あるいはまだ開いている酒場もあるだろうかと考えていた。

アルクロゥ > 特製の避妊薬なんて物を扱っているため、人目をはばかりたい後ろ暗さのあるような客が夜に訪れることは珍しくないが、それでも来る時は来るし来ない時はいたって暇な仕事と言える。
それでも十分な儲けにはなるし、自分としては崇高な研究の費用と後は贅沢しないほどほどの生活費が稼げれば十分なのである。
とりあえず一服しようと思って暖炉の火の上に水を入れたポットを吊るし、湯が沸くまでの間にそこら辺で適当なスパイスや香料を探し出してきて放り込み、即席のお茶を作るのだった。
ポットから湯気が立ち小さな蓋がコトコト揺れると良い香りが広がる。
それをカップに注いで一口飲むと、少し沈黙して。

「……まあ、香りは良いな、香りは」

錬金術の端くれとしてあるまじき適当な調合ぶりゆえ、当然の結果だろう。
自分で原因と結果を分析して一人頷くと、そのまま楽に腰を下ろしてしばらくくつろいでいた。

アルクロゥ > やがてカップに入れた分を飲み終えると、欠伸しながら立ち上がって部屋から出て行く。
そう言えば、明日は調達にもそろそろ出かけないといけない。もし遠出するなら天気は大丈夫かなと思うが、詳しいことは朝に起きてから空模様を確かめてから考えることにしよう。
そして男が出て行くと工房はしばらく静けさに包まれることとなる。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からアルクロゥさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 とある邸宅」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > [待ち合わせ待機中です]
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 とある邸宅」に紅月さんが現れました。
セイン=ディバン > 「お互いスタイルが違うから、苦労の質も違うがな。
 まぁ、荒事に生きる以上は準備ってのがどれだけ大事か、って話よな~。
 ……何笑ってんだよ」

互いの苦労を語りつつも、相手が笑うのを見て。
男は、さらに照れて仏頂面になる。
なんとも。からかわれている気分だ。

「言っておくが、どんな状況で出されても俺は食わんぞ。
 正々堂々、残してやる。
 ……男にゃぁ、醗酵食品なんぞより肉食いたい欲求があるんだよ」

相手の発言に対しては、ズバッ、と一刀両断。
食いたくないものは喰わぬ、と。そう言ってのける男。
年も年だというのに、いまだに肉食のつもり。
実際は胸焼けも酷くなる一方なのだが。

「そうか? オレとしては、メイドに専念してもらっていたほうがいいんだが。
 ヘタに稼がれて身分を買い戻されてもなぁ……。
 だ~から、慣れだって、慣れ。何事も経験、だろ?」

イメージどおり。この相手は部下などを持つのを苦手としているようなので。
男としては、いずれ何かの役に立つとも思うので、なれておけ、なんていうのだけれども。

「可能性の話だけどな。まぁ……。
 少し、考えておいてくれよ」

同棲について。男はそう口にする。すべては可能性だけれども。
考えないよりは考えた方がいい、と。

紅月 > 「そうねぇ~…私も、力封じた状態でもそれなりに立ち回れるくらいには強くなったけど、ポーションやら強化の魔法薬の類いは一定数下回らないように作っとくもんなぁ。
…ふふっ、もう日課みたいになってるから、ちょくちょく作りすぎちゃうのよね。
んー?うふふっ、なんでもなーい!」

引き続き自分の事前準備のアレコレを思い返すも、余計なウッカリまで思い返してついつい笑いながら話し。
彼の仏頂面に、ちょっぴり含んだような笑みを返し。

「えー?食わず嫌いは良くないぞー?
んー…肉ねぇ?
今度鶏肉の梅和えでも作ろっかな」

堂々と否と言う彼に苦笑してはみるものの…肉好きだと言われれば、ちょくちょく自身をオッサンだと言う彼の為にサッパリ系の肉料理を考えてみる。
…さりげなく、第2の鬼門こと梅干しがつかわれているのはご愛嬌。

「あー、主人的にはそうなるのか。
端から見てると、戦場でスカートが翻る瞬間って花が咲くみたいでドキッとするんだよねぇ…眼福眼福。
……うぅ。
そ、そうだけど…経験、だけどっ!
メイドって事は女の子でしょ?
アレコレさせるより愛でていたいわ、どうせなら」

戦闘メイドの良さを自分なりに告げて。
更には、使役するより着せ替え人形にでもして一緒にお茶でもしたいとワガママを。
…それは妖精を使役する能力を持ちながら、あくまでも"協力を仰ぐ"というスタイルを貫く紅月らしい発想やもしれない。

「…う、えぇと……はい。
その、ゆっくり考えておきます…」

可能性の話と彼は言うが…なんとも現実的すぎる可能性に、イメージだけでも何となく気恥ずかしく。
ほんのり頬を染めながら甘味をパクつくのだ。

セイン=ディバン > 「どんな状況でも戦えるようにするのは大事だよな。
 ……そうしたら、売ればいいんじゃねぇか?
 ……な~にがそんなに楽しいんだか」

冒険者視点からの言葉を語りつつ、男は楽しそうにする相手に、ため息を吐く。
相手が楽しそうにするのはいいが、どうにも居心地がちょっと悪い。

「ほっとけっつー。
 ……ウメ、アエ?」

相手の料理の名前に、男は首をかしげる。謎の料理名ではあるが。
相手が作るなら、と。完全に信頼し、興味を持っている。

「まぁ、あいつらが自由になりたい、ってんなら。
 それも悪くないがな。
 ……お紅。そっちの趣味も……あるのか?」

主人としての立場になりつつも、相手の意外な一面に男は苦笑する。
だが、可愛がるような相手かどうかは、会ってみないとわからないだろうに、とも思う。
少なくとも、二人とも一筋縄ではいかないメイドだ。

「あぁ、そうだな。
 時間をかけて考えてみてくれ」

赤面する相手をニヤニヤと眺めながら、今度は男が意地悪そうにする番。

紅月 > 「うんうん、大事大事。
…えー?
下手に売ってソッチで依頼来たら、今度こそ本業が何なのか分かんなくなっちゃうよ…只でさえどんどん稼ぎの比率が治癒術師メインになりつつあるのに!
だったらまだ魔工技師の方でいきたいわぁ」

口をへの字に曲げつつ、ちょっぴり拗ねたように言う。
得意分野とやりたい事は違う、というのはよくある話であるが…やはり、不本意である。
けれど、ため息をつく彼にはクスクスと笑う。
困ったような表情すら微笑ましい。

「そ、梅和え!
梅干しっていう、果実のピクルスみたいなのでソースをつくって、それを裂いた鶏肉に絡めたりしたヤツ…かな?」

不思議そうな表情の彼にざっくりとした説明を…先程東の料理を教えると言ったばかり、梅干しを使うならアチラ寄りになるのかもと思えば、一応。
梅も紅月の好物である故、悪意はないが…はたして西の人が食えるかは未知数である。
納豆同様、ハマる人はハマるらしいが。

「ふふっ、優しいご主人様だこと。
……ん?
あれっ、言ってなかったっけ…紅は産まれつき"二通りの性"を持ちまする。
どちらにもなります故"どちらとも"大丈夫に御座いまするよ?」

相手の苦笑に対して、きちんと説明する。
…僅かに姿勢を正した辺り、突っ込まれれば真面目に答える気なのだろう、が、口の端にカラメルがついてる辺りがまた締まらない。

セイン=ディバン > 「いいじゃないか。稼ぐ手段は豊富に持っておいたほうがいいぞ?
 国の情勢だってどう変わるかわからんのだから」

今回の謎のカラクリモンスターの件といい、この国はトラブルにはこと欠かない。
金を稼ぐ手段は持って置いて損はないぞ、と言っておく男。
この辺も、冒険者としての観点からのアドバイスだ。

「ウメアエ、ねぇ。旨いのか?
 聞いたことない名前だが」

料理は得意といっても、東の地の料理までは熟知していない男。
だが、知的好奇心には勝てないのか。
ついついその料理に対して、意識を向けてしまう。

「誰が優しいご主人だか。
 ……ん、ん~? それって……。
 一応聞きたいんだけど、どっちの性別が本当のお紅なんだ?」

そんな話、聞いたっけ聞かなかったっけ、なので。
男は素直に、まず頭に浮かんだ疑問について尋ねてみる。

紅月 > 「んぅ、そうなぁ…
一度冒険者ギルドに持ち込んでみるかな、備品候補として。
それかマジックアイテム中心の店でもやってみるか…作るのが趣味なんであって、作った子達は溜まるばっかなのよね」

なまじ生存力が高いばかりに行き当たりばったりというか、情勢だのなんだのは興味の外。
が故に、男のように深く考えている訳ではないが…売れば金になる"物"自体は無駄に溜め込んだまま、一度愛着を持った故に捨てられずに保管されている。

「旨いよ?こっちではほぼほぼ見ないけど。
夏バテの時も食べられる系の、酸味で食が進むヤツ!
梅干し自体は魚の煮物の臭み抜きとかにも使うねぇ。
…あ、セインって酸っぱいの平気な人?」

やはり知らないらしい彼に、ちょっとした豆知識を添えつつ。
酸味系は好き嫌いが分かれる故に、今更ながら好みの確認を。

「…うん?……んん~?
本当の性別、か…そうさなぁ?
母方の種族的に言うなら、本来は婚姻の時に性が固定されるはずだったんだけど…他の種族と混じったせいか固定されない特異体質らしくて?
意識的にはそのまま中性というか、魂が1つだからどっちも自分って認識だけど…女として育てられたから、女、なのかなぁ?
いや、でも、正直あんまり拘りは無いんだよなぁ…」

男の疑問に答えようと思考を巡らせてみるものの…自分自身が性別をどちらかに絞っていなかった故、随分と曖昧な返答になってしまった。
…と、いうより。
言い終えた後も首を傾げている始末。
最近半陰陽になる術も不本意ながら習得してしまった故、ますます曖昧になっていく。

セイン=ディバン > 「それこそもったいない話だろ。
 作った以上は、使うか、使ってもらうかしないとな」

せっかくのアイテムも、飾っていたのでは意味が無い。
使用価値を発揮してこそである、とは男の考え。

「ふ~む……一回食べてみたいもんだな。
 ん? すっぱいの?
 いやぁ、過度でなければいけるが……」

相手の言葉に、思わずむむむ、とうなる男。
続いての質問には、男は軽く答えるが。
異国のすっぱさに耐えられるかどうかは、まったくもって未知のお話だ。

「ふむ。なるほどな。
 いろいろと複雑なんだな。……ふ~む。
 まぁ、オレとしては、あまりそういう細かいことは気にしないが。
 お紅が行きやすいように生きればいいんじゃあないか?」

相手の話を聞きつつ、なるほどな、というように頷く男。
基本的に、男は自分のこと以外に関しては、こだわりとかをもたず。
その人間が思うままに生きればいい、と思っている節がある。
当然、生き様を強要することなどできるわけが無いのだ。