2018/04/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にオフェリアさんが現れました。
■オフェリア > 橙色の小さな照明を幾つも用いた店内。絞った光量が程好く内装へ影を落とし、落ち着いた雰囲気を演出している。
カウンター席に着いた女は時折グラスを傾けて、細めた眸で自らの手首を―其処へ巻きついた金の腕輪を眺め、一人穏やかな夜を過ごしていた。
まるで凛と咲いた花の輪郭を其の侭嵌め込んだ様な、繊細な彫刻が蝋燭の灯りに照らされる。
艶めいた口唇が、仄かに笑んだ。先刻付近の店で見付けたばかりの物だが、良い買物だった、と、胸が疼く。
■オフェリア > ほんの僅かに腕を伸ばし、手首を覆う金細工から距離を取って見る。幾らか重いが、苦痛を覚える程では無い。
深紅色の爪の先迄やや小首を傾げて手許を見詰め、満足が行くと、静かに腕を退く所作の間にグラスを取った。
鮮やかなオレンジの果実色をしたカクテルが、煌くシャンパングラスに残り少量。其れを喉へ通して空にしてしまうと、カウンターに控える店員へ向けて下ろしたグラスをそっと、差し出して、
「――…ミモザを。
…ええ、同じで良いわ。 有り難う」
薄い笑顔の侭追加の注文を済ませ、カクテルが用意されるのを待つ。フルート型のグラスへ液体が注がれて行く音を、微かに耳へ拾いながら。
■オフェリア > ゆるりと貌を伏せ、動きに従い流れる髪を片手で払い、耳へ掛ける。
頬を擽った片方だけ、特に意識せず反射的に腕輪が嵌った腕を持ち上げたが、矢張り少しだけ重い。普段とは違う違和感を拭えないものの、伏せた眸に映るあえかな黄金の輝きには抗えそうにない。
そっともう一方の手で身に付けた装飾へ触れ、指先で細く透かし彫りにされた縁をなぞる。
―冷ややかで、硬く、繊細な黄金の線。弧を描く曲線に合せ指の腹を辿らせて、緩慢に睫を上下に震わせた。一つ、二つ、緩やかに瞬きを付きながら、細い紅色の視線を手許へ注ぐ。