2018/04/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にジェイコブさんが現れました。
ジェイコブ > 夜になった詰め所には、大男が一人、模擬用の刃引きした剣の手入れをしながら時折窓から静かな街の様子を眺めている。
詰め所にはもう他に人影はなく、出払っている状態で手持無沙汰になり、訓練に使う武具の整備に時間を充てていた。

「なんとも…やり辛い練兵だな…」

戦いの趨勢が決まった戦場から呼び戻された大男に告げられた任務は、まだ新米と言える騎士たちの訓練だった。
富裕地区に詰めている騎士の殆どは、貴族や王族の血縁といった家柄の者ばかりである。
そういった騎士たちへの訓練は、ある意味で苦手なものである。
騎士たちはやる気がないわけでなく士気も高いことは結構だが、家柄が家柄なだけに激戦区に送るわけにもいかないのだ。

「本人が言ってとしても、だからといって俺が連れていくわけにはいかないものな」

一通りの戦える術を覚えれば、よほど才覚に恵まれるか家を含めて本人が強く希望しなければ安全な王都付近の鎮護に回される。
そこで戦うようなことは、前線が崩壊したような状況でも起きなければあり得ないだろう。
訓練に使う武具も、模擬であるとは言え本物同然の作りながら、その表面には目立った傷もない。
要はその程度の訓練しか許されていないからである。

ジェイコブ > 「おっと、もうそんな時間か」

装備の点検が終わった頃に、巡回に出ていた人員が戻ってくる。
巡回を交代して戻ってくれば、明日の訓練のために休むことになる。
その夜は、街でもたいした出来事もなく時間が過ぎていった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からジェイコブさんが去りました。