2017/12/02 のログ
ユーニス > 「だから、私と恋人になりましょう、シエル。あと、ユーニスと呼び捨てで結構です。」

焦る少年へと変わらぬ澄まし顔を向けつつ、紅茶の少し残ったカップを置いて立ち上がる。
短いスカートから垂れるリボンが踊るように揺れて視線を誘う。

「私も恋人と言うものに興味がありましてね、まあ、研究の一貫と言う奴です。別に本物の恋人になろうというわけではありませんので、どうぞ気楽に考えて下さい。」

自分の伝票、そして、少年の伝票をつまみ上げ、長い蒼銀の髪が揺れる背中を見せてレジへと歩いていく。

「宿屋通りの『羊の巻き角亭』に部屋を取っていますので、興味がありましたら、どうぞいらっしゃって下さい。』

少年へと背中を向けたまま振り返らず、勝手に代金を支払って店を出て行く。
釣られてやってくるならよし、もし釣れなければ男娼でも呼ぶかなどと考えつつ宿へと戻っていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からユーニスさんが去りました。
シエル > 「え…!? えぇっと…。」

戸惑うばかりである少年。
呼び捨てにしろ、と言われても育ちの良い少年である。
いかんせんいきなり呼び捨てには抵抗がある様子。

「あっ。」

女性の言葉に戸惑っていれば、伝票を持っていかれてしまう。
言葉を聞きながら、茫然とその背中を見つめていれば、女性はそのまま立ち去っていくようで。
宿の名前はばっちり聞き覚えたものの、椅子に座ったままどうしよう…と迷ってしまい。

「…っ。」

少なくとも代金を返さねば。
そう思えば、慌てた様子で席を立ちあがり女性の後を追いかけていく。
心のどこかで女性の誘いに期待しているという自覚を持てないまま。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からシエルさんが去りました。