2017/12/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にユーニスさんが現れました。
■ユーニス > 「しかし、本当にそろそろ何とかしないといけませんね。」
富裕地区、小洒落たカフェの大通りに面したテーブルに案内された少女は通りを眺めながら独りごちる。
先日、北方諸国に雇われ王国軍から砦を奪取する仕事を終えてからまったく仕事がない。
平和なのは良い事なのだが、問題は平和だとおまんまの食い上げだと言うこと。
他の店で頼んだら半額以下で飲めそうな紅茶に口を付け、大きくため息を漏らす。
もちろん、まだ蓄えはある。が、そもそもの母国の再建を果たすという目標を考えれば足りないどころの話ではないのだ。
長い銀髪を風に揺らしつつ、物憂げにティーカップを傾けるその姿はどこの深窓の令嬢かと言った趣を湛える。
「今日の相手も探さないといけませんし、本当にどうしてこう何もかも思い通りに行かないのでしょうね。」
戦場でならすべてを読み切る自信はある……が、いかんせんその戦場がなければどうしようもない。
むしろ、誰か拾ってお抱えにしてくれないかと甘えた思考を巡らす始末。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にシエルさんが現れました。
■シエル > 今日の授業を終え、立ち寄ったカフェ。
それなりにもらっている昼食代を手にふと看板を見る。
「…一日くらいなら、いっか。」
一瞬思案したものの、そこへと入っていく。
いらっしゃいませ、という給仕の丁寧さに少し怯みながらも歩を進め、
今日はどうしよう、と思案した後にサンドイッチを注文する。
飲み物は今日はミルクティー。少年にとっては少々の散財である。
しばしの後、
ハムと葉物野菜、焼いたオムレツとトマト、2種類2片ずつの乗った皿と、
温かいミルクティーの乗ったトレイを手に、どこに座ろうかな、と視線を巡らせる。
それなりに人が多く、相席かなぁ…と思案しつつテーブルの間を歩いてゆき…。
■ユーニス > 通りに面したテーブルにひとり、ティーカップを傾ける少女、年の頃は少年と同じくらいに見えるだろう。
蒼銀色の長い髪は絹糸のように細く冷たい風に流され、頬杖を突いてアンニュイな表情で人通りを眺める姿はともすれば一枚の絵画のよう。
椅子はぽつぽつと空いてはいるものの、どこに座っても相席になる盛況を見せていた。
ベルスリーブの袖口から見える指は細く、短いスカートから覗く脚はどこか艶めかしい。
そんな足元に視線をやれば、スカートの中からピンクのリボンが左右に1本ずつ垂れているのも見えるだろう。
■シエル > キョロキョロと周囲を見回す。
空いてないな、とわずかに肩を落として元来た合間を振り返れば、ひと席空いている。
お、と思ったけれど。
「…う。」
と若干ひるんだ。
凄い美人が物憂げな表情で佇んでいる。なんというかそこに行くには男性として非常に勇気を必要とされる様子であった。
…再度後ろを振り返り、席の空いていない事(逃げ道)を確認するものの世は無情。
小さくため息をつき、ちょっとだけ気合を入れて女性の方へと近寄っていき…。
「あの、すいません。…相席、いいですか?」
と、問いかける少年の顔はちょっと赤い。
気恥ずかしさと、来る際見えていた女性の白い肌というか色香にわずかに当てられたようで。
■ユーニス > 「ん?」
通りを眺めていると不意に横から声を掛けられ振り向く。
そこには年の頃十代半ばほどだろうか、外見的には自分と同じ程度の少年の姿。
「ええ、構いませんよ。どうぞ、座って下さい。」
頬を染める少年とは真逆に表情ひとつ変えずにテーブルの向かいの椅子を左手で指し示す。
「学生さんですかね?お昼にしては少し遅いですね。」
ティーカップをソーサーの上に置き、赤いベレー帽を被り直しながら問いかける。
じっと少年を見つめる瞳は少し釣り気味で、アメジストのような紫色に恥ずかしげな少年の顔が映る。
■シエル > 女性は澄ました表情のまま向かいの席を示してくれた。
女性が恥ずかしがる事は無いのだろうが、自分だけ恥ずかしがっているようで更に照れ臭い。
内心の焦りを隠すように、ありがとうございます、と小さく頭を下げ、席へと着く。
「えぇと、そうです。…今日は放課になってからお昼摂る予定だったので…。」
まずミルクティーを手に取り、一口。
ほう、とその温かさに癒されてから…その紫水晶のような瞳と目が合って、
ドキリとさせられてしまい、ちょっとドギマギしつつもサンドイッチに手を伸ばす。
パクリとかじりつくものの、あんまり味がわからなかった。
「…お、お姉さんは休日なんですか?」
訊かれてばかりも何なので、飲み下してからそう聞いてみる。
■ユーニス > 「なるほど。真面目なのはいいことです。学生のうちは何よりも学業を優先すべきですしね。」
王都で学園に通えているくらいだ、それなりに裕福な家の子なのだろう。
少年を観察するようにじっと真正面から見つめつつ、ベルスリーブからわずかに指先だけが覗く両手をテーブルの上で組む。
「ええ……。」
休日……その言葉に思わず視線を逸して引き攣った苦笑を浮かべる。
休日には違いない、仕事がない日なのだから。
問題はここ数週間ずっと休日だということだけだ。
「まあ、そんな所です。ところで大丈夫ですか?私と同席していて。恋人や友人に見られては誤解されるのでは?」
自分の見目がそれなりにいいことは自覚している。
軽く小首を傾げ、あまり触れられたくない話題から逃げるよう少年へと問いかける。
もっとも……おそらく恋人はいないであろうことは想像できる。
それくらい少年からは女性に対する怯えや憧れと言った物が読み取れる。
もしかしたら童貞かも知れない……たまには童貞もいいかななどと下世話な思考を巡らせつつも済ましたままの表情は眉一つ動かない。
■シエル > 「ありがとうございます。でも、学生の本分ですから。」
学生なのだから学業に励むのは当たり前、という思考を持っている様子。
観察していればわかるだろう。
少年はあまり遊んでいる風には見えず、そこそこ真面目であるだろうと。
休日、と聞いた時に女性の様子がちょっと違ったような。
何かちょっと困っている、風な。
少年はわずかに首をかしげるものの、踏み入ったことまでは訊かなかった。
そうなんですかぁ、と素直に返したのみ。
「う…だ、大丈夫ですよ。学校からはちょっと離れてますし。恋人はいませんから…。」
ここは僕の帰り道ですから、と続ける。
ここで食べたら近くの商いで賑わう通りをゆっくり見て帰る所です。
と、ついでに訊かれていない事まで女性に説明してゆく。
女性関係は少々なりあるものの、まだまだ多感な時期ではある。
まだまだ女性慣れというには遠いだろう。相手が凄い美人であれば、なおさら。
■ユーニス > 「なかなかそれが分かっていない子が多いんですよ。自由と自堕落を履き違えているような子がね。」
この街に来てから実際学生と名乗る少年にナンパされたこともある。
下心丸見えながらも、こちらも都合もあるしと抱かれてやったものだが……もしかしたら少年の友人だったかも知れない。
済ました顔して尻穴まで差し出した、などと。
「そうですか、恋人はいないのですか。寂しくはありませんか?」
カップに手を伸ばし、少し冷めた紅茶を口に運ぶ。
まるで学校の先生が質問しているような落ち着いた口ぶりながらも、その見た目は十代半ば。
どうやら暇を持て余しているようだ、なら、少し可愛がって上げるのもいいかも知れない。
「恋人が欲しいとか思ったりはしないのですか?」
長い睫毛で縁取られた瞳を少し伏せ、ティーカップで顔のほとんどを隠しつつ落ち着いた声で、さりげなく、意味深な言葉を投げかける。
■シエル > 「…はぁ。あの、お姉さん?」
もぐもぐ、とサンドイッチを口に運びつつ不思議そうな表情。
大人びて見えているものの、自分より2つ3つくらい上だろうと思っていた様子。
なんだかもっと年上みたいな感じだなぁ、と。
説教臭い、とでまでは思わなかったのだが…。
「え?…あ、えと…うーん…。」
寂しくはないかなぁ…と呟くように言った。
周囲の男子などは彼女欲しいぃー!と言ってる子もいるのだけど。
自分はそこまで飢餓感を感じたりはしていない。
「まぁ、その…いたらどんな感じなのかなぁって思ったりはしますけど…。」
と、正直な気持ちを言った。
視線の先で、隠すように若干顔を伏せながら小声で、だが。
女性にしてみれば照れ隠しやドギマギとした様子がありありとわかってしまうかもしれない。
■ユーニス > 「ふむ、なるほど。」
少年の答えを吟味する。
この年頃にありがちなガツガツとした性欲はない様子。
こちらに向ける仕草や表情から、そもそもまだ女性に免疫がないのだろう。
そして、恋人という存在や性に興味津々ではある、と。
「私の名前はユーニスと言います。年齢は15歳、Eカップ、非処女です。どうですか、私で良ければ恋人という存在を試させてあげますよ?」
この年頃だと直接宿に誘っても恥ずかしがって逃げてしまうかも知れない。
なら、と策を巡らせた先は一時の恋人関係。
もっとも……恋愛感情よりも肉体関係を結んだ男性のほうが圧倒的に多い……と言うより、恋愛に関してはまるで実践経験のない27歳故にどこかずれてしまっていることは否めない。
それでも軍師的には完璧な策なのだ、心の中でドヤ顔を浮かべる程に。
もっともそんな内心などおくびにも出さず澄まし顔を少年に向け続けるだけの老獪さも身に付けている。
■シエル > 「??」
何か納得した様子にやっぱり不思議そう。
が、まぁ概ね女性の考えは当たっているのだが。
弄ばれた経験そのものは色々あったりはするのだが…。
「はぁ、ユーニスさん、と…あの、僕はシエルって言いますけど…。」
もぐもぐ、と最後のサンドイッチの一口を口に運び、
ティーカップを持ち上げようとして、
がちゃり、とソーサーとカップで音を立てて紅茶をわずかにこぼしてしまう。
思いっきり動揺はしていた。
「な、な…な、何言ってるんですか?!」
いきなりの直球宣言に顔を真っ赤にして慌て始める。
女性的には完璧な策であっても少年的には羞恥が先に来るようであった。
…尤も年頃は年頃である。性欲もあるし多感な時期。
甘い言葉と身体で篭絡しようと思えば簡単なのだが。
軍師たる女性がそれに気づけるか、どうか…。