2017/11/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは富裕地区、人通りのそうない裏路地。
挟むような建物の屋根から、人影がふわりと舞う。
と、それを追っていたのか、更にいくつかの人影が寄って来るが…かなりの高さだ、そこで足を止めてしまっていて。

「ふふ…惜しい惜しい、もう少しで妾を捕らえられたのぅ?」

とん、と高さを感じられぬような、軽やかな着地。
くすりと笑いながら、屋根のうえでがなり立てる者達に、ひらりと手を振った。
…まぁ、たまにある事だ、己を金色の悪魔とか呼ぶ冒険者達がこうしてやってくる。
大した事はやってないだろうに、酷い呼び名であると常々思う。
そもそも、何をやったかって問われれば、気に入らない小悪党の身ぐるみを引っぺがしたりしたくらいか?
まぁ、気紛れに、たまに見掛けた者達で楽しんだりもしてた気がする。
…そっちが原因じゃないかって?相手も楽しんでたんだから良いじゃないか。

ともあれ、そんな連中は無視し、細い裏路地を歩き出す。
さっさと面倒事からは、離れるに限る、である。
もしかしたら、追ってた連中の一部が回り込んだりもするかもしれないが…それはそれだ。

タマモ > 上からは…さすがに、無謀にも飛び降りてくる者は居なさそうか。
その姿が引いて行くのが見える、今日は諦めたのか、はたまた諦めずに追ってくるのか。
前者ならば、このまま散歩と洒落込むところだが…後者ならば、また逃亡者でも演じてみようか。
別に追っ手を叩き伏せるのは、簡単な事だ。
なのだが、今日は何となく逃げ回って楽しみたい気分だった。

「ふむふむ…まぁ、所詮はこの程度じゃろう。さて、どう動いてくるものか…」

右手で裾から扇子を取り出すと、ばさりと開き、ぱたぱたと扇ぐ。
気温も下がったとは言え、動き回ったのだ、さすがに少々体温が上がっているか。
扇ぎ漂う微風が、今はそれなりに涼しく感じる。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にクトゥワールさんが現れました。
クトゥワール > 人気の無い所ほど、何かに出くわす時は思いもよらない。
何かに出くわす事の方が断然少ないのだが、どうやら今夜は違うらしい――そうと気付いたのは少し前の事。
人気の無い中でも路地に人影のあるのは理解できるが、家屋の上から物音がするとあれば違和感と興味を惹かれ、近寄って行く。
近づいて判ったのは、身軽そうな影一つをその他複数の影が追い回しているらしいという事だった。

「――……。まあ、このまま歩いた所で何があるという宛もなし。」

何かに出くわしたのなら、その事態を眺めて歩く方が面白い。
複数の追跡者とは別、路地を縫いながら彼らの行先を追って事態を観察していたのであるが、やがて身軽な影が路地へと飛び降り一連の追跡劇は幕を下ろしたよう。
追う側が躊躇うほどの高さを居りてのけた小柄な影は、人ではないのか。
であれば己の存在にも気付いていると思うが、暗がりの中、もう少し様子を見る事とする。

追う側も追われる側も、何者なのか己には判らない。本当に幕引きとなったのか、判断をつけかねたゆえ。

タマモ > 動き回るには、少々複雑な路地であろうか。
飛び降りた屋根から、この場所へと到達出来る者は…どうやら、居なかったらしい。
そう大人数だった事も無いらしく、耳を澄ませてみても、それ以外の足音は聞き取れなかった。

「ふふんっ、妾の手に掛かればこんなものじゃ。
いやはや、残念じゃのぅ…捕まえられれば、楽しめていたのやもしれんのにな?」

くすくすと笑い、ぱしん、と扇子を閉じる。
ぴくん、と揺れる耳が、それ以外の何かを感じ取ったのを示す。

「………連中のお仲間、と言うにはちと違うものを感じるのぅ。
さて、そんなお主は何者か…?」

視線は進もうとした、路地の先を見詰めたまま、ぽつりと呟く。
正確な場所は分からないが、何かの気配は感じている。
声を掛けてはみたものの…果たして、言葉の通じる相手だろうか?
もっとも、言葉が通じようと、応じない場合もあるのだが。

クトゥワール > 状況の推移は、部外者よりも当事者の反応を参考にする方が間違いない。
路地に飛び降りた影は暫く様子を伺っているようだったが――満足げな反応を見るに、コトは終わったという訳なのだろう。
次いで誰何されたのも当然だった。己としても特段隠れ立てするつもりもないのは、気配から伝わるはず。

「これは失礼。妙に騒がしかったもので、何事かと思い見ていたのだが。」
「何者かと言われると……夜歩きが趣味の、通りすがりだ。こんばんは、お嬢さん。」

娘――古風な口調のこの相手に妥当な表現かは判らないが、娘の視線が向く先、曲がり角から姿を現す。
片手にかざしたステッキに光を灯し、軽く頭を下げて続けた。

「興味を惹かれはしたが邪魔だてしては悪いと思い、声を掛けれずに居たわけだ。もう終わったのかね。」

彼女の視界に己の姿が現れ、はっきりしていくにつれて或いは己の容姿は変化するかもしれない――男か、女か。
常人ならばその変化に気付くこともないだろうが、或いはこの相手ならばその変化すら見通せる可能性はある。

タマモ > まぁ、何かするつもりならば、言葉を掛ける前に何らかの動きはあっただろう。
それが無いのは…更なる探りを当てているか、ただの傍観者か、である。
向けてみた言葉への反応に、前者では無いと判断出来た。

「ふむ…なるほど、まぁ、騒がしかったのは上の連中じゃがな?
ともあれ、お晩じゃ、涼しい時期になって出歩き易くもなったものじゃ…のぅ?」

姿を現わす相手に、ちらりと視線を向ける。
別に相手の言葉に疑問も何も持つつもりはない、大体、自分だってこうして夜歩きをしているのだから。
同様に、自分であれば同じ状況を目にすれば、眺めて楽しんだであろうから。
なので、言葉を返しながら、挨拶代わりにひらりと手を振る。

「別に構わん、楽しげなものが見えれば、その成り行きを見ていたくなるのは当然じゃ。
………さてはて、どうやらそんな感じらしいか?」

軽く肩を竦め、そう続ける。
そうした目の前で、相手の姿がはっきりと見える距離にまで近付いて。
それを見れば、軽く首を傾げる。
相手の姿が結局はどうなるも、違和感は感じ取れていた。
が、別に、それを気にする様子は見られないだろう。
色んな存在をこの世界に来て見てきたのだ、今更驚きはしない。