2017/09/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にヘイグイさんが現れました。
ヘイグイ > 日も変わろうという深夜。普通なら寝静まっている夜の時間だが、そんな時間
だからこそ、昼の町と同じく栄えている場所がこの娼館の通りだった。
普通というのがこの今立っている場所にあればの話だが

「何ていうか、戦争の混乱下にあっても下半身は死ぬまで元気なもんかね」

重い足取りで歩く王国の西洋風な出で立ちにはそぐわない男。
男は白梅の花の香りがする香油から昇る湯気を弱々しく吸い込んでいた。
窓が少し空いていれば聞こえる喘ぎ声、喘ぎ声でない場合もある。
もはやちょっとした獣の鳴き声に近い。闘争が生物の中で本質に近いなら
ソレに並ぶほど性欲も真に迫れば人を獣にするという事なのかもしれない。
それは彼自身も此れらを嘲笑出来る立場ではない

「まぁ……分かるよ」
青白く疲労感を称えた男の顏。ふつうの煙草とはまた違った大きな白い煙を
ゆっくりと口から吐き出すと、小間使いに作らせてた、片手に持つ茶を
老人のように啜っていた

ヘイグイ > 眉間に寄った深いシワ。病気のように今にも倒れそうな青白い顔色
最後の力でも振り絞っているのかという香を吸う音。何だか何も考えずに
この娼館のある通りを歩いたが、似たような建物の光景に聞こえるのは同じ喘ぎ声
獣のような声が聞こえたのは一軒だけだったと思う。普通防音や地下での
お楽しみのハズである。ソレだけココでの蛮行をひた隠すには十分な
権力を持つお客人というのが訪れるのだろうか、男はぼーっとそんな事を
考えながら、適当なところで足を止めて。明るい娼館の照明を眺めながら
煙草を吸っていた。

「私も女性の一人は買ってからうろついてれば良かったかね」

とはいえとても、一見すれば娼婦に跨る前に今日という日付を跨ぐ事も
危うそうな男に買われようという事は無さそうである。金の工面の為に売り払われた
奴隷が食い扶持稼ぎに寄って来るという下手までありそうだ。