2017/08/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にリンハイとユエフォンさんが現れました。
■リンハイとユエフォン > 今日も二人、テーブル越しに向かい合って座る兄妹。
にこやかな兄に比べ、妹はまだ表情が硬いが多少はマシになってきた。
視線を感じるとぎこちないがそちらに微笑みかける。
そんな妹の様子に、兄リンハイも少し安心した様子で。
「ふふ、大分上手になってきたね。その調子で次の査定では良い評価が貰えるといいけど」
そう言われると、怒ったような恥ずかしがるような微妙な表情を向ける妹ユエフォン。
「別に、そんなつもりでやってる訳じゃないけど……」
兄に比べ反抗的な態度が目立つ妹だが、この頃は段々その反抗も大人しくなってきた。
心の方でも現状を受け入れつつあるという事か。
とはいえ従順には程遠く、まだまだ調教は必要である。
「分かっているだろうけどあんまり評価が離れちゃうと、こうして一緒にという訳にもいかないからね」
現状、兄と一緒なら最低限言うことを聞いて使い物になるので特別な措置としてセットでの仕事を与えられる事が多いユエフォン。
とはいえ兄の方は協力的で評価の伸びも良好。
奴隷もランクが上がれば仕事の種類も変わってくる。
兄の評価が更に上がれば、妹に合わせた仕事ばかりという訳にはいかなくなってくるだろう。
その辺り理屈では分かっているし自分たちの境遇も頭では理解しているが、精神的に受け入れるにはもうひと押し必要なようだ。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
■チェシャ=ベルベット > 「それじゃあ毎度あり。失礼しました」
マイヤー商会に頼まれていたマジックアイテムの仕入れを終えたチェシャが
従業員用の出入り口から出てくる。
娼館ということもあって仕入れた道具は魔術のギミックを凝らした大人用の玩具だったり傷跡を残さないローションだったりする。
そういうちょっと下卑た品物を主人の仲介として娼館に卸すのはよくある話だった。
さっさと帰ろうと足早に出入り口に向かおうとした矢先
なんとなくテーブル越しに向かい合うよく見た目の似通った双子の兄妹に目がいった。
どちらも中性的で斬新なメイド服に身を包んでいるが
なにより目を引かれたのはシェンヤンの血筋らしい面立ちだった。
無造作に二人に近づくとまじまじと相手を眺め兄と妹を見比べる。
「帝国出身なの? 名前は?
そっちの男だか女だかわかんないけどぎこちない方、
愛想悪いね」
ツンと澄ました声で不躾にも程がある言葉をユエフォンに投げつけた。
■リンハイとユエフォン > 「なっ……!い、いきなり失礼ね!」
図星を指されて狼狽えるユエフォン。
思わず声も荒らげる。
立場的にはあまり褒められた反応ではない。
「あはは、ごめんなさい、妹はまだ不慣れなもので。
僕は兄のリンハイ。こっちは妹のユエフォンです」
腰を浮かせかけた妹を制しながらチェシャの方へ笑いかけるリンハイ。
「ええと、お察しの通り帝国の出身ですが、今はただの奴隷の身です。
折角ですし買っていかれてはいかがです?料金は、この値札に書いてある通りですので」
納入の商人か何かであろうが、別に仕事のついでに娼婦や男娼を買っていけないという事はないだろう。
自分の襟についた値札、一晩800ゴルドというものを見せながらここぞとばかりにアピールしていく。
一方ユエフォンは、色々と言いたそうにしながらも食いしばって耐えていた。
■チェシャ=ベルベット > 「なんだ、怒った顔のほうが可愛いじゃん」
ユエフォンに声を荒らげられても動じること無くあっさりと言い放つ。
「リンハイにユエフォンね。帝国式の名前は言いづらいな」
リンハイの説明にふぅんと相槌を打つと、指し示された値札を眺める。
兄が800ゴルド、妹が300ゴルド。値段に随分と差があるのは
相手の接客態度を見てもよくわかった。
従順な奴隷のほうが値が高いのは当然のことだろう。
「買ってあげてもいいけどさ、そっちの妹はどうなの?
僕にいい印象無いみたいだしベッドの上で復讐されるのはゴメンだな」
まだ何か言いたそうなユエフォンにちらと視線を送る。
どうにもムキになる質らしい少女をからかうのが楽しいらしい。
■リンハイとユエフォン > 「確かに妹は娼婦としてはまだ不慣れですが、それでも十分仕事はこなせると判断されてお店に出ていますので。
そこでどうでしょう、試しにここで何か一つ妹に命令をしてみるというのは?
その態度を見て頂ければご理解して頂けるかと」
ぎょっとしたように兄を見るユエフォン。
突然の提案に驚く。
だがすぐに大きく息をつき。
「え、ええ……。
も、申し訳ありませんでしたお客様。私もちゃんと娼婦として仕事が出来ると証明したいので、ここで何かご命令を……」
冷静になったとは言い難いが、何とか我慢してチェシャに頭を下げるユエフォン。
果たしてどのような言葉が返ってくるのか、頭を下げたまま待つ。
■チェシャ=ベルベット > 「へぇ、面白いこと言うね。実の妹なのにいいの?そんなこと言っちゃって。
僕がひどい命令を下さないって保証なんかないのに」
にや、とチェシャ猫のような笑みを浮かべて二人を見る。
そうだなぁと顎に手を当ててしばらく悩み
「僕にキスしてみせてよ。唇をくっつけるだけのなんかじゃ駄目だよ
ちゃんと口の中に舌を入れる大人のキス。
それとも妹ちゃんはそんなキスもしたことないのかな?
間違って舌でも噛まれたらどうしようかなぁ おお怖い怖い」
意地の悪い笑みを浮かべ、ユエフォンをからかうように挑発する。
さぁどうする?というように後ろに手を組み、相手の出方を待つ。
■リンハイとユエフォン > もっと酷い命令も覚悟していたが、手心を加えてくれたのだろうか。
そのぐらいならと安心するユエフォン。
「はい…、ご命令とあらば……」
初対面の相手といきなりキスをしろというのも忌避感が全くない訳ではない。
しかし評価は低くとも過酷な調教を受け続けていただけはある。
このぐらいならば、我慢はできる。
「失礼します…、はむっ…、ちゅぷっ…」
顔の高さを合わせ、チェシャの両肩を軽く掴むとそのまま唇を重ね、命令されたように舌も差し込んだ。
■チェシャ=ベルベット > 明らかに安堵した様子の相手に肩をすくめる。
ぎこちなく自分の肩を掴み、唇を重ね舌を差し込まれた。
「ん……っ」
確かに娼婦として店に立つには値するのだろう。
調教の成果も確実に現れている。
だが、拙い。まだ自分は我慢してやっているという態度が透けて見える。
「はっ……、全然だめっ……本当のキスっていうのはこうやるんだよ」
がば、と今度はチェシャの方からユエフォンを抱きしめ覆いかぶさるように唇を重ねる。
最初は荒々しく、次第に繊細に相手の舌を吸い歯列をなぞり
口内を徹底的に蹂躙する。
チェシャだって伊達に経験を積んできたわけではないのだ。
まだ未熟な娼婦に性技を教え込む厳しい教師のように濃厚なキスを続ける。
「んふ、ちゅ……れる、ちゅぷっ……」
ユエフォンの魂すら吸い出そうとするかのように激しい猛攻を続ける。
■リンハイとユエフォン > 「そ、そんな、ちゃんとやったのに……。んぅむぅ!?」
反撃のキスをされ、流石に払いのけるような事はせず最初はただ無理やりにされるのを耐えようと。
だがすぐに様子は変わり、体が震えだす。
「んっんっ!じゅぶっ、んぅ!ふあっ……!」
甘い、というよりも熱い吐息。
明らかに快感を得ている声が漏れ出す。
肩を掴むだけだった手は、チェシャの体に回されがっしりと掴みこんでいた。
■チェシャ=ベルベット > ふっ、と唇の隙間から勝ち誇るような吐息が溢れる。
ユエフォンの態度から快感を引き出せたことに気を良くして
次第に前のめりになって唇をより激しく重ね合わせる。
だが、ふと一旦口内を蹂躙していた舌の動きが止まり
がっちりと掴まれていたユエフォンを優しく押しのけるように体を離す。
二人の口の間に唾液の橋がかかり糸を引いて落ちる。
「ぷは、……いいか?自分はいやいややっています、なんて態度
娼婦が晒して客が喜ぶわけ無いだろ。
嘘でもいいから自分を騙して、相手を気持ちよくさせろ。
あわよくば自分も気持ちよくなっちまえ。
……ったく、柄にもなく熱くなっちゃったよ。
今日は悪いけど、これから用事があるから二人を買ってあげられない。
今度、また日をあらためて買いに来る。
それまで妹、ちゃんとキスぐらい相手を満足させられるように練習しておけよ!」
そう言ってぐいと腕で自分の唇を拭うチェシャ。
何を偉そうにか、びしっとユエフォンに指を突きつけて先輩風を吹かせる。
キスだけとは言え、お手つきしたぶんの代金として
300ゴルドの金貨をリンハイの胸の谷間に滑り込ませる。
そうして衣服の乱れを整えるとバイバイと手を振って娼館を後にした。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。