2017/03/31 のログ
ノア > 「 一回拐われろ。」

当然本心などではなく、 少年スマイルの愛らしさが憎たらしくての仕返し。荷物持ちをすると手を挙げる姿に ふんと生意気な笑みを浮かべ、 ゆっくり立ち上がった。

「 そ、 泊めるだけ。一つの要求に一つの対価、 ギブアンドテイクってやつ.. でしょ ? 」

寝床の提供に対し、 荷物を持ってもらう。先日の街道でもそんな話が出たことを思い出し、 バッサリとドヤ顔で言い放ち。せめて一つくらいはと 最も軽い紙袋を手に取り、 自宅までの道を共に歩き出そうと

「 そう言えば.. この前のランタン、 あれもジアが作ったんだっけ ? 上客にはなってあげられないけど、 実用的な物なら買うよ。こんな風に服や靴ばっか買っちゃうから、 ろくに日用品揃ってないし。」

ジア > 「やだー!」

相手の悪戯っぽい笑みと共に言われる仕返しには、少年も目を細めて歯を見せながら笑う。

「う、ギブアンドテイク…」

契約の魔神であったからこそ、対価の話をされれば反論できずに弱る。相手が軽い紙袋だけを持ち、他を全て自分が持っていると重量という以前にとてもかさばって歩きづらく、相手の後ろをよろよろと着いていくことになって。

「え?ああ、小物とかは自分で作ったほうがお手軽だもん。あのランタンはボク専用だからあげられないけど、調理に仕えるナイフとか、食器とかも」

歩きながらの相手の問いにそうカッコつけて言うものの、単に少年の炎を操るがなければ、ただの端材をツギハギしただけの手抜きランタンはまともに火をつけることも叶わないだろう。しかしちゃんと材料を用意すれば、見習いとは簡単なモノなら作れると、少年は作れそうなものを列挙していって。

ノア > 中身の殆どが衣服の為、 重量は然程なくとも かさばり具合はなかなかのもの。とはいえ 女を抱えるくらいの筋力があるのも知っているから、 特に申し訳なさそうにする事もなく.. 小柄な少年が紙袋に埋もれてしまいそうな姿に くすくすと肩を揺らした。その代わり歩調はゆったりと、 貴方に無理のないよう合わせて。

「 そうそう、 そういう調理器具とか食器とか。時間あったらでいいから作って、 お客さんになってあげる♡ 」

斜め後ろを歩く貴方を、 ちらちらと定期的に気にしながら。家までの帰り道、 客として鍛冶見習いの少年に商品を注文した。

ジア > 体格で言えば相手より小さい少年は、中々持ち辛い大量の紙袋を抱えて相手の後ろをしっかりついていく。離されていかないことから、合わせてくれている優しさは感じ取っていて。

「うん、いいよ。ホントはちゃんと工房を通さない注文は親方がうるさいんだけど、自分で使うってことにして作っちゃうね」

職人は己の腕で食い扶持を稼ぐのだから、私的な契約には結構厳しい。そういう矜恃がない少年はやはり、腕はともかく職人としては見習いで。そうやって相手の注文を聞きながら、時折こぼれそうになる紙袋の山を必死に立て直しつつ、相手の家までそれらを運び込んでいったのだった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からジアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からノアさんが去りました。