2017/01/11 のログ
■ルゥ > 「そうなのね…おにーさんは、さすが物知りね」
見た目にともなう知識を持ってるのだろう、自分の血のことなど気にしたこともなかったぁら
手の上に乗せてくれたハンカチに、ふと自然に笑が溢れて、しめってた手を吹かせてもらい
…ためらったけど、そのまま返す、次合うかどうかもわからないから
「私はルゥ、冬の前くらいにこの国にきたの、おにーさんは?」
貴族に対する言葉使いなど知らない、いつもどおり自然に
誰かを見下すことも、誰かを尊敬するつもりもないから
見た目の年相応の娘が、少し人懐こいような口調で
テラスの席に座り、何を飲むか…少し迷う仕草をして
「私は、アイスティーお願い」
テーブルについてくれた人に、伝えて。相手と向き合うような位置で
■アリウム > 「無駄に知識があるだけだと、言ってくれてかまわないよ。
ボク自身も、自分自身が物知りだなんて思いたくないからね。
ただ、その日に何もすることがなく、本ばかり読み漁っているだけさ。」
(自然にこぼれた笑みに、アリウムもまた微笑みを返す。
そのまま返されたハンカチーフを胸ポケットに押し込み。
ルゥの服装は、この場では少し場違いなのかもしれない。
皆、一様に着飾っていて、令嬢などはドレスを着こなしている。
そんな場所に、平民地区のとてもラフな格好をしているルゥが迷い込めば、人の目を引いた。
どこの馬の骨だ、どこから迷い込んだ子猫かと、みな陰口を一斉にたたき始める。
執事ですら、あまりいい顔をしていないようだった。
だが、アリウムだけは違った。
彼女をそんな、奇怪な目で見るわけでもなく、ただ微笑んでいる。
ルビーの瞳を彼女に向け、指を絡めるように組むとその上に顎を載せる。
人当たりがいい少女、ルゥの第一印象はそれだった。)
「ボクかい、ボクはアリウム。
この町にいるのはそれなりに長いかもしれないね。」
(アイスティーを頼むルゥを眺めながら、アリウム。
執事に目配せし、彼女と同じものをと注文を付ける。
ルゥと視線を合わせながら、ナイトメアドリームを発動させる。
ルゥを覗き込む赤い瞳が、妖しく光りだした――――。)
■ルゥ > 「本を読む人は知識が深いから、悪いことじゃないと思うけど」
身なりのせいか…仕方がない
見た目には、ただの街娘なくらいのラフさ
騎士の格好も剣も持たない、独特のスタイルだからこそ城外に出れば
一般人と同じに紛れ込める
富裕地区の面倒なとこ…その影口は自分にも聞こえてる
イラッとするものの…所詮、腐れ貴族の同類かと息をついて好きに言わせたまま
「アリウムは…おかしくないの?」
周りの陰口は、相手にも聞こえてるだろうけど、気にする様子もないことに
不思議に思いながら
視線を合わせて話をしてたから赤い瞳を見ていた
魔力に気づかないわけもなく、ただ近い距離でいるから正面から受けてはしまうけど
「もー…アリウムもやっぱりかぁ」
少しガッカリしたのを感じる、普通に話せる相手とおもってたから
椅子から立ち上がり、間合い以上の距離をあけようと
ジンジンするような体がのぼせたように熱くなるのを感じてるけど、まだもう少しなら大丈夫と
■アリウム > (ルゥのみなり、平民地区の服装はやはり、この場ではどうしても見下される。
平民の分際で、や下民がというような陰口が、そこかしこから聞こえてくる。
すべて、ルゥに浴びせられた悪口雑音であるが、貴族たちはすべて遠巻きだった。
面と向かってルゥに浴びせられるような、度胸なんかもないのだろう。
好きに言わせたまま、何も言わないルゥ。
アリウムは、その度胸に少しばかり感心していた。
たいていの人間は、その罵倒に気おされて、落ち込むかそそくさと立ち去るのだが。
ルゥはむしろ、その帰属をにらみつけんとするような気迫すら漂っている。
離れしているためなのか、もともと肝が据わっているのかは不明だが。
何も気にすることがない、そのことを問われてもアリウムはただ何も言わなかった。
至近距離で見ていた赤い瞳、これなら引っかかるだろうと思い発動させたのだが。
さすがはエルフの血を引いているだけあって、抵抗力が強かった。
気づかれた魔力、だがその種族までは気づかれていない、と思っておこう。
こんな場所に、まさか魔族が入り込んでいる、なんて思ってもいないはずだ。)
「ふふっ…申し訳ないね。
平民だからと馬鹿にしているわけじゃないけれども、ルゥがすこし魅力的だったのでね。
ああ、まあ座りなさい。」
(距離を開けてしまえば、アリウムの魔力は届かなくなる。
だが、一度熱くなったということは十分に効き目はある。
ルゥへと手を伸ばし、その右手をつかんでさらに瞳をのぞき込ませようとする。
効果があるのを確信したアリウムは、白昼堂々ルゥを魅了することにした。)
■ルゥ > 貴族たちの悪口など、城内でも聴き慣れてた
ここで焼き尽くすようなことでもしたら
いつかの事故だか事件の二の舞にされかねないので我慢
少し距離をあけてることで
頭はまだクリアに物事を考えられた
ジンジンする体に自覚はあるけど
我慢できるし、まだ隠せるはず…だったのに
右手を掴まれて、とっさにみあげてしまう
そしたら赤い瞳に自分が写りこんでるのが見えて
危険なシグナルが頭に響いた気がした瞬間
相手の胸元に突っ伏すように、額から胸にあてるほど力が抜けて意識が遠く
■アリウム > (貴族たちもわかっているのだ、あの騎士団が起こした事件。
富豪地区の一角を焼き払った大火災、それが繰り返されるのではないか、と。
だからこそ、平民地区のルゥであっても遠巻きにしか陰口を言えない。
皆、一様に恐れているのだ。
体が火照れば、力もその分はいらなくなる。
隠そうとしても、淫魔であるアリウムの目はごまかせない。
見上げられたその視線の先、ルゥは途端に意識を失った。
まるでもたれかかるようにアリウムに突っ伏し、完全に意識が途絶える。
アリウムは、その体を抱き上げると微笑みをさらに深くした。
周りの貴族は――知っているようだった。
アリウムの正体もだが、ルゥがどんな目に合うのか。
そのせいか、今まで侮蔑的な視線で見ていた貴族が、途端に精々したような瞳になる。
平民地区の人間、それが一人消えたところで小石が水の中に投げ込まれるようなもの。
自分たちさえよければ、貴族はみんなほかのことはどうでもいい。)
「……フフッ。」
(意識のなくなったルゥを、アリウムは抱き上げた。
お姫様抱っこ、といえば聞こえはいい。
しかし、これからルゥがどんな目に合うのかは――それは、太陽ですら知らないこと。
そう、この場にいる、立った二人しか知らないことになるのだ。)
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からアリウムさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からルゥさんが去りました。