2016/10/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にリズさんが現れました。
■リズ > 『お嬢様、危険です。』
「そのための護衛でしょう?」
家の召使いの忠告をさらりと切り落として深夜の街に足を運ぶ。
あちらこちらと、街灯が立ち、明かりの保証されている公園へとやって来る。
四人の護衛は油断なく周囲を見回していて、少女はその真ん中で鼻歌交じりに歩いている。
「夜も、起きているのね、この町、は。」
良い商売の種になるかもしれないわ。
店は、夜に空いているのは基本的に酒場とか娼館。
少ない数の商店。
夜も空ければ、それなりの稼ぎになるのかしらねと考えて。
とことこ、と上品な足運びで噴水に近づいていく。
噴水のヘリに腰を掛ける前、護衛の一人がさっと誇りを払い、座るための布を敷いて。
少女は当然のように、そこに腰掛ける。
■リズ > 流石に、起きているとは言えども、人の数は少ない。
護衛は周囲を確認しているだけ。
少女の目には護衛と、暗がりの木々と、星と月が見えるだけ。
背後からは噴水の水が流れているだけの音。
陳腐な言い方をすれば、静かなのだ。
「退屈ね。」
静寂ということはそういうことである。
あふ、と小さくあくびをこぼし、空色の瞳は軽く横を眺める。
無言で、少女に背を向けて周囲を警戒する護衛しか見えない。
顎に手を当てて、少女はちょっと考える。
雑談がないなら、考えるのは金のこと。
どうやって儲ければいいのか、だ。
(夜も起きてる町、でも人の数は昼間に比べ激減する。
夜に店を開いても毎日来るわけではなさそう。
すると、人件費や光熱費が馬鹿にならないわ。
昼夜逆転した人を求めるなら、それに対応した方法があればいいのかしら。)
静かに、瞳を閉じて少女の思考はぐるぐると回転を早めていく。
■リズ > 「宿題にしておきましょう」
ぶる、と身を震わせる。
カーディガンを羽織っては来たけれど、流石に秋の夜、噴水の近くは寒くもなる。
立ち上がって、行くわと護衛に声をかけて。
少女は歩き始める。
あとに残るのは、静かに水を吹き上げている噴水だけであった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からリズさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にイルミさんが現れました。
■イルミ > …………(背中に大荷物を抱えながら、いかに落ち着きなさげにあちこちを見渡す。挙動不審なのは比較的いつものことだが、今日の動きは一段とせわしない。というのも、この背中の荷物との兼ね合いもあって、今日はいつも身に纏っている黒いマントがないのだ)
……こ、このあたりで、いいかな……(通りのすみっこ、なるべく邪魔にならないように、折り畳みの、しかし十分重かった机と椅子を置く。そうやって「占い屋」の準備をしている間にも通行人からの視線を集めていたのは、その富裕地区に似つかわしくない風体のせいか、もはや隠しようの無い大きな胸のせいか)
■イルミ > はぁ……(疲れた身体を休めようと椅子に腰掛ける。いつも自分の身体を、主に男性の視線から守ってくれているマントが、今日はない。比較的治安がいい富裕地区を営業場所に選んだのはそういう理由によるものだった)
……よしたほうが、よかったかな?(机の上に水晶球を置くと、目深に被った三角帽子も相俟って「いかにも魔女」「いかにも占い師」な雰囲気が整った。それでも自信が持てないのは、通行人から注がれる視線の真意を掴めなかったからだった。こんなところで占いをやるなんて珍しい、というだけのことならいいのだけど……)
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からイルミさんが去りました。