2016/08/25 のログ
ネリス > まだ抵抗をしているものがいる。
ここの異常性に気づき、乱れることをよしとしない若い女性。

給仕だろうか?

ふっと妖艶に微笑むと、ゆっくりとした動作でその女性に近づく。
しゃなりと歩く動作すら、目を奪う光景。
近づいてくるネリスを避けることもできず、ただ見つめてしまう。
そんな女性の耳元近づき…何事か囁く。
すると、甲高い嬌声をあげながら恍惚とした表情で自慰を始める。

満足そうにそれを見た女は、この酒場をさらに淫欲の坩堝に変えるべく淫らな交わりに加わっていく…。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からネリスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 レストラン」にフォークさんが現れました。
フォーク > 「俺、わかった。仕事外でもおんぼろ鎧を着ていたから、金と縁がありそうな連中とコネクションができねえんだ」

傭兵仕事でちょっとした金が手に入ったので、上流階級の男性が着ているような立派な服を注文した。
オーダーメイドの紳士用の服。背が高くがっしりとした男が着ると、意外や意外。割と様になっているのである。
さらに髪を整え、無精ひげを剃れば、少なくともみすぼらしさとはオサラバした出で立ちになったのである。

「よーし、いっちょ飯でも食いに繰り出すぜ!」

以前、いつもの鎧姿で言ったら慇懃無礼に入店を断られたレストランに向かう。
出迎えのウェイターを前に激しく緊張したが、問題なく入店が許される。
一番奥のテーブルに案内されたのが多少気になるが、それでも立派なテーブルだ。
綺麗で真っ白なテーブルクロスも掛けられている。普段いく酒場には絶対にないものだ。

(ま、ただ飯を食いに来ただけじゃないってのが、このフォーク様の目ざとさなのよね)

夕方だからかレストランは盛況だった。しかも普段、自分とは縁のなさそうなキラッキラな連中ばかり。

(コネクションを作れるような相手を探さなくちゃな)

食前酒のグラスを取り、ゆったりと口に運ぶ。

「うまっ!!」

予想以上に上物のワインだったようだ。

フォーク > ウェイターがメニューを持ってやってきた。
メニューを開く。心臓がひっくり返るかと思った。やはりお高い。

(おちつけ。じゃなかった、おつちけ。金はある。金はあるんだが――)

オードブル一品だけで一日分の酒代がぶっ飛ぶ値段設定。
なんだか恐ろしく無駄遣いをしているような気分になってきた。おそらくここの料理は旨いだろう。
では、いつも食べているものの何倍も旨いかと考えたら、それは首をひねる所だ。旨さにも限度はある。

(水だけってのは無理だろうな。やはりここはタナールの砦から飛び降りた気になり……)

「あー、君。ステーキを頼む」

好物の肉料理を注文することにした。
やれやれ、これで一安心とメニューを閉じた。
しかし、なんとウェイターは「ステーキはどのように焼きましょうか」と訊いてきたのである!!

「……決まっているだろう。愛情たっぷり精魂込めて焼いてほしいとシェフに厳命してくれたまえ」

ウェイターは解せない顔で厨房へと去って行った。

(変なことを訊いてくるもんだ。料理は愛情に決まっているだろうに)

目立たないように背伸びをする。
まったく食事に来たんだか疲れに来たんだかわからない。

フォーク > 真っ白な皿に、焼きたてのステーキ。付け合わせはマッシュポテトと人参のグラッセだった。

(こりゃまた、なんていうか……お姫様が食べるようなステーキだな。俺の掌ですっぽり隠せるぜ)

男は体だけでなく掌も多いのだが、それでも男にとっては予想を遙かに超えるボリュームのないステーキだったのである。
少しずつ食べよう、と小さく切って、口に運ぶ。

…………
………
……

(はっ! あまりの旨さに思考が止まってしまった)

フォークの先端を咥えたままなことに気づき、慌てて手を下ろす。
肉の部位もさることながら、牛の育成からこだわっているのだろう。

(すぐに食べてしまっては勿体ない。口の中でうんこになるんじゃないかって位、ゆっくりと食べることにしよう)

口に出したら店から蹴り出されるような事を考えながら、ステーキを食べる。
脂で汚れた口内は、マッシュポテトとワインが清めてくれる。

(やっぱり人間たまには贅沢をしないとなあ)

ご満悦。

フォーク > 皿のステーキが半分になった頃。
ウェイターが申し訳ないといった顔でやってきた。料金はいらないから帰って欲しいとのこと。

「え、なんで?」

顔を上げて周囲を見回せば、すでに店内で客は男一人。さらに外はすでに真っ暗になっていた。
時間を訊けば、すでに日を跨いでいると言う。営業時間をかなりオーバーしているようだ。

「あのね、そういうわけじゃないの。俺はこのステーキをなるべくゆっくりしっかり味わおうと噛みしめてね」

新手の営業妨害と思われたらしい。
これで揉めて、さらに時間は過ぎていくのであった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 レストラン」からフォークさんが去りました。