2016/07/02 のログ
ご案内:「富裕地区にあるとある屋敷」にユノさんが現れました。
ユノ > 「らんらららんら、らんらんらんら、ららららら」

さまざまな種類の薔薇の咲き乱れる庭園。赤色、白色はもちろん珍しい紫や黒の薔薇。
大輪を誇るもの、小さな花をいくつもつけるもの、誘引され、フェンスに巻き付く蔓に花をさかせるもの。
風が吹けば、花びらとともに薔薇の香りがあたりに広がってゆく。
そんな広い庭園に、風に黒髪を揺らしながらハミングを口ずさむながら歩く少女。
過日、社交界デビューのその夜に行方不明となった公爵家の令嬢。
ひと時は、魔族の国のとある領地にいたが、いまは公爵家もあるこの地区の屋敷にいた。
まさか、こんな目と鼻の先に行方不明となった娘がいるとも知らず、愛娘を失った公爵は悲嘆に暮れる毎日を送っているとか。
そんな父の事など露知らず、少女は鈴を転がすような声で旋律を奏でながら咲き誇る花々を眺めやる。