2016/07/01 のログ
イニフィ > 此れだけの魔力を内包すれば、彼女が願うことはきっと適うだろう。
父親や友人の敵討ち等、きっとたやすく出来るかもしれない。
だけど、そのだいじょうとして、ノエルは自分を失った―――。

「ううん、違うわ……。
彼らが、欲望に忠実に…そう、とっても自分に素直に、わがままになっていくのを愉しむの。
私たちはね、そのお手伝いをするだけ…。」

だけど、それがとっても楽しいのだと、淫魔は笑った。
欲望に忠実で、そして自分にとっても甘えてくれるその姿を見ると、きっとノエルも気に入るだろう。
人間という、愚かで可愛い存在を。

彼女との契約は完全に完了した。
その証拠に―――ノエルの姿は―――?

「え、嘘………?」

確かに、ノエルは淫魔になった。
けれども、その背中に生えているその羽はむしろ天使を思わせる純白の羽。
だけど、その頭に生えている角、そして格好は正しく淫魔。
さすがに、イニフィもこの変化には驚きを隠せなかった。
天使のような魔族。そんなもの見たことなどない。
だけど、この姿こそ―――淫魔ノエルの姿なのだろう。

「…んふふふ……!面白いわ。正に天使のような悪魔、ね。」

淫核を弄び、軽くつまんで少しずつ引っ張っていく。
ゆっくりこね回せば、今度はそこを軽く弾いて遊ぶ。
刺激の強い底を執拗に攻めながらも、触手は彼女の中で変化をもたらしていた。
更に膨れ上がるその触手は、彼女の中へと精を放とうとしていた―――。
逸れに孕ませる効力はないものの、きっと満足できるほどの量を注ぎ込むだろう。

ノエル > 身体が軽い、何もかもさらゆる誓約から開放されたそんな気分
肉体の変化、いや淫魔、魔人への進化によって高揚感とエクスタシーがノエルを襲う

「あ、ひゃう、ああ、もう戻れない……でもいいの、か弱いボクには戻りたくない。
 ノエルはこれからお姉さまのお手伝いをするの、
 人間の本能をさらけ出して、その本当の姿を楽しむの」

嬉しそうにひょこひょこと翼が動く、良く見ればほんの小さな羽根も生えている。
二対四枚の羽根、いや一対の翼と一対の小さな羽根という感じだろうか。
ノエルの進化はある意味異様に見えるかもしれない。

「お姉さま、ノエルなにかおかしいですか?」

己の姿をちゃんと把握していないからか、イニフィの反応はイマイチ理解できていなかった
だけど

「くふぅん、あ、ひゃんおねえさま、いっちゃいます、いっちゃいますうう!!」

精が子宮を、ノエルの胎内を満たしていくのと同時にノエルは達してしまう。
子を孕むことはないが、その胎内の精をしっかりと吸収しさらに魔力を高めていった。

イニフィ > 人間が淫魔になる、そんなことは何度も目にしてきた。
だけど、純白の羽が生えるなどという事は今まで目にしたことはなかった。

だからこそ驚いた。
よほど、以前のノエルは厳格な正確をしていたのだろう。
だけど―――もうそんなことは気にするものでもない。
既にそのノエルはいなくなったのだから。

「ううん……何にもおかしくなんかないわ?
そうね…沢山。たくさん人間の本当の姿を見せてあげる。」

手始めに―――ノエルを落としいれようとしたあの貴族からにしようか。
確か、5日後にここを引き払う際に訪れるんだったか。
その際に、まずその男を2人で蹂躙してしまおう。
いくら魔族と契約しているからといって、2人係で教われては、ただの人間が適うはずもないだろう。
もっとも、イニフィにはそれまでにやることがひとつあるのだが。

触手が注ぎ込むそれ、人間ならば強い媚薬の効果をもたらし、しばらくはその精でまともに動けなくなるだろう。
しかし、淫魔であるノエルならば、その力を魔力として蓄えて己のものにすることも出来る。

貯蓄に長けたノエルの体は―――イニフィにとってもとてもいいものだった。

「んふふ……お疲れ様。
此れで、ノエルちゃんに私の魔力を供給することが出来るようになったわ。
だけど、反対に私に魔力を供給してもらうことになるけど…いいわよね?」

イニフィは、タユナのように一方的に搾取はしない。
だけど、ノエルが望むならば、イニフィへ魔力を供給することも出来る。

ノエル > ノエルの身体の変化、もしかしてその理由があるかもしれないが
今は特には関係はない、だけどこの姿は面白く作用するかもしれない。
ノエルのことを天使だと勘違いするものもいるかもしれないから。

「んふあ、おねえさま、何か久しぶりにちゃんと食事ができたような感覚ですの
 はい、おねえさま一緒に色んな人間の本性を見ていきましょう」

触手から開放されると、ノエルはよろけるどころかちゃんと両足で立ち上がっていた。
しばらくすればノエルの身体は縮む、元の少年の時のような大きさに
だけど身体にはちゃんと丸みがあり、髪は長いままだ。

「大きな姿はなれませんから、この姿で少しいますね」

彼女を淫魔にしたタユナの影響からか、ノエルはある程度、肉体の成長をコントロールできるようだ。
子供から大人、髪の長さも自由自在。
身に着けている衣装も、ボンテージ風から清楚なワンピースに変わっていた。

「はい、おねえさまありがとうございます。
 もちろん私からお姉さまへの供給もさせてもらいますわ
 共存は素晴らしい関係構築をするのにかかせませんし
 ノエルはおねえさまにも気持ちよくなって欲しいですもの」

そう言ってイニフィに抱きつき目を細める。

小さな妹が姉に甘えるような、そんな光景である。

イニフィ > 天使のささやきをする悪魔―――なんと面白いことか。
そういえば、人間の偉人はこんな言葉を残していた。

「天使ほど残酷な悪魔はいない」と。

「あら…それはよかったわ?…んふふ。
ああ、早々…ノエルちゃん。貴方の敵の淫魔のことだけど……どうするの?」

ノエルもまた、淫魔になってしまった。
ゆえに人間のことはどう思おうとも別に構わないし、彼女が自分に習って人間を玩具にするのは構わない。
だけど、彼女の父親を殺した淫魔のことは、どうするのだろうか。
人間だったときの記憶はあるはず、ならばやはり、仇を討ちたいと思うのだろうか。

「……へぇ?大きさも自由自在なのね。
ん~…………。あ、ごめん。」

本来、イニフィは契約をした相手の能力の一部を使うことが出来る。
だけど、それはあくまで物理的、そして魔法的に鑑賞する能力に限定されていた。
さすがに自分の体を作り変える、という能力は少しその範囲を超えてしまっている。
だけど―――ノエルのときにだけ使える能力は、ひとつだけあった。
いまはまだ、秘密だけれども―――。

抱きついてくる、新しい淫魔のそれを、イニフィはしかと受け止めていた。
そして、ひとつ決めていることがある―――。

「ねえ、ノエルちゃん。……後5日したら、私…旅行を止めようと思うの。」

その言葉がどういう意味を持つのかは、推して知るべしというところか。

ノエル > そのまま姿見の前にたてば、くるりと回って己の姿を確認する。
細く服のデザインを変えたりしている姿を見れば、もう完全に少年ではなく少女のそれだ。

「あ、そうですね……まず取られた魔力と魂を取り返さないといけませんね
 あと……生かさず殺さず、飼い殺し、私とお姉さまの下僕として飼いたいですわね」

髪の毛を整えながら、淫魔のことをそう答える。
殺すのではなく飼い殺し、やはり人間の頃に育んだ仇への怒りはあるのだろう
でもそれは、残酷な形で表された。
己の下僕とした相手に下僕にされる、そんな状況になったらあの恐ろしかった魔族はどんな顔をするのだろうか。

ノエルの興味対象はもしかすると姉よりも残酷なのかもしれない。

「んーやろうと思えば、男の子にも慣れそうですね、あと動物とか
 たぶん私を変化させた魔族さんの魔力を食べれば、もっと色々できるかも……全部ノエルがもらっちゃうの」

愉快そうにクスクス笑い、姉の顔をじっと見る。

「お姉さまが、旅行を止める? 魔族の国に帰るというわけではないですわよね?」

折角できた姉がいなくなる、そんなのは嫌だ、イニフィの手をぎゅうっと握りながら心配そうに顔を見つめている。

「それとも、ノエルと一緒にこの国に住みます?
 お姉さまのお友達もみーんな呼んで、一緒に皆で?」

イニフィ > イニフィは元々、ノエルを完全に女の子にするつもりでいた。
その目論見が適ったのだから、此れはとても満足だ。
服のデザインをいろいろ弄っているその様子に、どこか人間チックなところも残っているところがある。
だが、その思考はそのころに比べると、似つかないものだった。

「うわぁお、ノエルちゃんってば結構残酷。んふふ……。
淫魔を飼うなんて発想、なかなか出来ないわよ?」

まあ、書く言うイニフィもまた淫魔である。
少なからず抱いていた怒りが、彼女の残酷性の源なのかもしれない。
無邪気であったがゆえに、淫魔人となったいまは―――その無邪気さがとても恐ろしくなった。
―――人間にしてみたら、だが。

「変身系の力か……。ふぅん、面白い方向に変化したわねぇ…。
って、ちょっとまってよ。お姉さんにも少しくらいお裾分けしてよね?」

会話は至極普通の、姉妹のように見えるかもしれない。
全部もらうという一言に、イニフィは少し口を尖らせた。
やはり、イニフィとて力がほしいのだ。自由を勝ち取るために。

「うん、一緒に暮らそうって思ってね?
あ、でもしょっちゅう出かけてると思うし、たまに別の女の子を食べてるかもしれないけど…そのときは許してね?」

旅行もそろそろいいかな、と思い始めていたときだった。
もう沢山見て回ったし、美味しいものも十分堪能した。
このまま、何もなければ魔族の国に帰るつもりだったけど―――そうできない理由が、目の前にいた。

「ええ、ずっと一緒にいたエルフの女の子も、ここに呼ぼうかなっておもってるわ。
…あ、でも……ダメって言うなら諦めるわよ?」

ノエル > 少女の姿であるのだから、こう色々を可愛く着飾るのが楽しいようだ。
またこれもまた、男を誘惑する手段だとも思っている。
元が人間だからこそ、そういうところにも目ざといようで

「そうですか? でも、楽しいと思いますよ……やっぱりノエルも元人間だったりしますから
 お姉さまの見たい人間の真の姿の一面かもしれないです」

口元に手を置き、クスリと笑ってみせる。

「はーいちゃんと分け分けして食べましょうね。
 あ、でも……お父さんや皆の魂はノエルに頂戴ね、皆ノエルの中で生かしてあげるの
 ノエルを夢中になって貪ったみんなをね」

魂を弔う為か、永遠に苦しめる為か、ノエルの胸中はわからないけど

「よかったぁ、大丈夫ですよ、それは淫魔の本能ですから。
 ノエルも、女の子や男の子食べたいですからおあいこなのです!
 あ、エルフの子が来るのは大歓迎ですよ! ノエルも会いたいですし
 それに、ノエルにも可愛がらせてもらったり、可愛がってもらったりしてもいい?」

と姉におねだりをするように見つめる。

青い瞳が、一瞬赤く染まったような気もするけど。

イニフィ > エルフの子は、また後日必ず紹介しよう。
実は、彼女のことはいくらでもここに呼ぶことは出来るのだ。
逸れることさえなければ-―のはなしだけど。

さて、この後はどうしようか。
さすがに一人用のベッドしかないのに、止めてもらうわけにも―――と思った。
けど、今日は結局このや方から出ることはなかったのである。

せっかく、人間界で家族とよべる物が出来たのだから。

後日、魔族の国へと一通の手紙を届けた。
その送り先は、勿論自分の母親に向けて。
今度、里帰りもいいかも―――と、考えているのであった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区/シュヴァンシュタイン家の屋敷」からイニフィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/シュヴァンシュタイン家の屋敷」からノエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にセリアさんが現れました。
セリア > とある貴族の家の前で立ち尽くす女が一人。
途方に暮れたように頰を掻き、眉を下げた表情で豪邸を見上げている。

「……うぅん……」

古い友人から招かれ、こうして来てみたは良いものの。
先方が忘れているのか、はたまた日付を間違えているのか。
門は開かず、迎えも無い。
困ったな、と小さく呟いて手持ち無沙汰に辺りを見渡してみる。

セリア > 辺りに何がある筈もなく、耳をすませばどこかより女性の嬌声が聞こえてくるばかり。

「……おとなしく、今日は帰った方が良さそうね」

小さく呟けば踵を返し、今しがた来た道を逆に辿っていく。
幸い、何事もなく帰路につくことができたとか――

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からセリアさんが去りました。