2016/06/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にヴィールさんが現れました。
■ヴィール > 見た目ばかりは荘厳な空気の漂う街並みを一人歩く。
何処の誰ともわからぬ貴族の邸宅に家族で招かれた、その帰りだった。
親と共に居るのが何とも耐えられずこっそりと抜け出す。あとで怒られるだろうが知ったことではない。
「……クッソ。あの豚やろー……」
厭らしい手つきで肩を揉んできた邸宅の主人を思い出す。
母に顔立ちが似ているというのは得なことではないと知っただけでも行った価値はあるが。
差し掛かった十字路で一旦立ち止まり、設えられた長椅子に腰を下ろす。
■ヴィール > いつものこととして受け流すことも出来たが、今日はそういう気分にならなかった。
最近外出もしていなかったからやや持て余していたのかもしれない。
「―――…チッ」
小さく舌打ちを零す。どうせ誰も聞いていやしない。
膝を抱え込むようにして座る。
疼くような感覚が収まらず、どうしようかと深呼吸しながら考える。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
■チェシャ=ベルベット > にゃおん、とどこかで猫が鳴いた気がした。
ヴィールの周囲で鳴いた様子ではあるが、どこにいるのかはとっさにはわかりづらい。
「……親と喧嘩でもしたのか」
いつの間にか座り込んでいた彼の真後ろに夜色の髪の少年がぶっきらぼうな表情で立っている。
特に顔は見覚えがないだろう、仕立てのいい服は使用人用のものらしい。
年も比較的近そうな相手が覗きこむように顔色を伺う。
金緑の目が猫のように細められた。
■ヴィール > 猫の声が聞こえて、ふと瞬く。軽く見回してみたがそれらしき影もない。
と――真後ろから声が聞こえて、ピクッと肩が小刻みに震えた。
「……そんなんじゃねぇよ」
一瞬乱れた呼吸を落ち着かせてから振り向き、金緑に光る瞳を見上げた。
見覚えのない顔、されど年頃は己とそう変わらぬ雰囲気と見て取って。
「まぁ……親絡みなのは間違ってねぇけど」
■チェシャ=ベルベット > ふぅん、とわかっているのかいないのか生返事を返す。
体を折り曲げるようにして相手の方へ顔を近づけ、鼻をすんすんとならす。
「お前以外の匂い、……男の、家族じゃないやつの匂い……」
猫の鼻はききづらいがそれでもこのぐらいはわかるというように独り言をつぶやく。
難しい顔のまま、ひらりと長椅子の背もたれを乗り越えてヴィールの隣に座る。ただし体一つ分開けた場所へ。
「喧嘩していないなら、さっさと戻ればいいのに。
いくらここが金持ちどもの多い場所でも、子供が一人でいたら
面倒なことに巻き込まれるのは目に見えているぜ」
心配しているのかしていないのかわからない苛立った声で、不器用そうにそう告げてみる。
■ヴィール > 間近で鼻をならす仕草を、瞳を細めながら眺める。
その後告げられた言葉にその通りだと示すよう、肩を竦めた。
開けられた一つ分の距離は敢えて埋めることもない。
「……うっせぇな。戻りたくねぇんだよ」
苛立った声からの忠告は、その内容がどうであれこの少年の気位を微かながら刺激した。
ぶっきらぼうに言葉を返しながら、続けて。
例の疼きのせいで微かに息が乱れているがそれを押し隠す。
「あの狭っ苦しい籠に居たってつまらねぇし。……それに家を抜け出すのはいつものことだしな」
■チェシャ=ベルベット > 「お前の家族は、お前が嫌なことをするのか?
お前が男に触られて発情しているのに気づかない間抜けなのか?」
今ひとつ要領を得ない様子で首を傾げながら、そう尋ねてみる。
相手の言葉からどういう状況にあるのかを推察しようと難しい顔をして
考えているものの、家族というものがわからないチェシャに相手の苛立ちがすぐわかるわけでもない。
「そのまま本当に抜けだして独り立ちする気はないのか?
そんなに嫌ならもう二度と戻らなければいいのに」
変な奴、みたいなニュアンスを言葉の端々ににじませながら
依然として相手の息が乱れがちなのに、微妙に困った顔をする。
「……お前も発情期なのか……?そうじゃないよな、だってお前人間だもんな……」
どうしてやれば相手が楽になるかはわかっているが、それを自分から切り出すのははばかられているような様子でちらちらとヴィールを伺っている。
■ヴィール > 「……間抜けではあるかもしれねぇな」
「皆、あの豚が厭な目で俺を見てくることに気づいてねーし」
ハッ、と笑うような呼気を吐き出した。
首に掌を当て、擦る。特に意味のない行為ではあるが落ち着く。
「……独り立ちか。つって、未だ一人で生きて行く気になれてねぇし、……多分今の俺にはまだ」
男娼に身を落として生きている知己を知っているから、尚更踏み切る気にもなれない。
変な奴、という認識は当たっているかもしれず。
「……気にすんな。最近外出してなかったから……持て余してるだけだ」
深い呼吸をしながら、困った顔をする相手を横目で見やる。
■チェシャ=ベルベット > 「……そんな奴ら、家族じゃない。家族なら、嫌なことから守るはずだ」
押し殺したような低い声、ヴィールから聞いた家族の像に怒りを覚えているような様子。
ぎらりと獣じ見た目が光ったような気がした。
だがそれも一瞬のこと、すぐにぶすっとした表情に戻ると相手の言葉にじっと耳を傾ける。
確かに身なりの良い、言い換えれば明らかに世間を知らないヴィールが一人で生きていくのは、この国では多少過酷すぎるかもしれない。
狭苦しい籠を厭いながらその籠は確かに彼を守ってもいるのだ。
やがて、話も区切りがついたところでぴょんと長椅子から立ち上がる。
猫のような音のない軽やかな着地。
そのままちらりとヴィールを見ながら
「……男は嫌なんだよな?女だったら……紹介してやれるかも。
もし”そういう気分”で”その気”があるならついてくればいい。
……男でも、構わないって言うなら……まぁ、相手してやっても……」
最後の方は何やら歯切れが悪く、口の中でもぐもぐと言葉尻が掻き消えた。
立ったまま後ろを振り返り、ヴィールがどうするか待っているようだ。
何も無ければこのまま立ち去るかもしれない。
■ヴィール > 「……ハッ。そんな理想的な家族ばかりじゃねぇ、ってことさ」
両親はいっそ清々しい程に厳格で、姉兄弟から情を感じ取ることは殆ど無い。
とはいえそんな環境に慣れてしまったかのような表情で相手を見る。
狭苦しい籠に守られる少年は今日も籠の中へ身を帰す。
しかしその前に――立ち上がったチェシャの姿を眺め見た。
「………男でも構わねぇ。……つか、アンタみたいなのが相手してくれんなら有難いけどな」
片手でぽん、と自分の頭を叩き、腰を上げた。
一瞬で調整したのか、ほぼ変わらぬ目線になった瞳を覗き込みながら。
切れ長の鋭利な眼差しが向く。
「……アンタが良ければ、相手してほしいけど。どう?」
■チェシャ=ベルベット > ヴィールの擦れた言いようと表情に、一瞬寂しそうな顔をしたが
すぐに別の方向に顔を逸らした。
これ以上彼の家族の問題には踏み込めないと思ったのかもしれない。
「なんだ、男が嫌なんだと思ってた」
意外そうに呟く。いつの間にか身長の高さが合っていることに訝しげな顔をするが、
自分が相手の丈を間違えたのだろうということで納得した。
「いいよ、別に」
そっけない同意の言葉とともにさっさとその場から歩き出す。
相手がついてくるであろうことも織り込み済みで勝手知ったる富裕地区をすいすいと通り抜けていく。
やがてどこをどう曲がったらここにたどり着くのかわからなくなりかけたであろう頃に、一つの宿にたどり着く。
白いレンガにこじんまりとした扉、富裕地区ならではの小奇麗なものだった。
木の扉を開けて入れば、中も簡素ながら品の良さそうな作りだった。
奥の部屋から出てきた宿の主人らしき人物とチェシャが一言二言会話をした後、ポケットから鍵を渡される。
鍵を受け取って二階へ進み、部屋の一つを開けた。
「入って。ここは信用できるところだから変な噂は立たないし」
ヴィールの方へ入るよう促す。
清潔なシーツがかけられた大きなベッドと足裏に優しそうな絨毯、こじんまりとした肘掛け椅子が添えられた部屋だった。
■ヴィール > 寂しそうな表情は見えたが、気にする素振りは見せない。
踏み込まれたとしても、あの家族をどうこうと変えるのは難しい。そのことは他ならぬ自身がよく知っている。
「強引に迫ってくる奴とかは嫌いだ。別に男が嫌ってわけじゃねぇ」
それこそ先般の邸宅の主人が良い例だ。
歩き出す相手の後ろにつき、歩幅を合わせて道を抜ける。
迷路のような錯覚を覚えつつ辿り着いた宿。その地区の雰囲気に違わず品の良い作りを見上げながら屋内へ足を踏み入れる。
「………へぇ」
案内された部屋に入り、感心するような声が落ちた。
内装は簡素だが、数日を過ごすには十分な清潔さだろう。中央寄りに進んで、チェシャの方を振り返った。
■チェシャ=ベルベット > ヴィールが中へ入ったのを確認してから扉を閉めて鍵をかける。
主人から預かった部屋の鍵を脇の棚に置いてから
ベッドのそばに歩み寄り、我が物顔で座る。軽く敷布から空気が抜ける音がした。
「それで、どうしたい?抱く方か抱かれる方か、服着ていたほうがいいとか……
自分で脱がせたいとか他にも何かあるなら先に言って。
嫌なことは突っぱねるけどまぁ……、多少は希望に添えるようにする」
慣れた様子で自身の上着を脱いでから畳まずに椅子の上へ放り投げる。
靴も乱暴に脱ぎ散らかすとぶらぶらと脚を振った。
「そういえば、名前は?言いたくないなら別にいいけど
最中に名前呼びたい時とかあれば……」
■ヴィール > 部屋の鍵の位置を一応確認しながら、ベッドに座った相手の元へ歩み寄る。
首元の釦を緩め、袖無しの上着を床に脱ぎ捨てた。
「……アンタが嫌なことって俺は知らねぇけど、変なコトは言うつもりねぇよ」
「脱ぐのはアンタに任せる。で……そうだな、今日は……抱かれる方、かな。そういう気分」
靴を脱いで、上のシャツを脱ぐ。
あまり日に焼けていない色白の肌が晒される。
「名前か……ヴィール。って、呼んで。で、アンタは?」
■チェシャ=ベルベット > 「そう」
短い返答、テキパキと事務的に自分の衣服を剥いでいく。
これから情事を行うというのに色気のないような仕草。
上のシャツ一枚残してほとんど裸に近い状態でベッドの上に相手を招く。
「ヴィール?……ふぅん、ヴィールね。
僕はチェシャでいい」
ヴィール、と舌で名前を転がすように呟く。一瞬眉をしかめたのは
見知った敵対者とやや名前が似ていたせいなのだが、ベッドの中でよその相手のことを考えるのはマナー違反だ。
さっさと頭から忘れると、相手の手をとってはだけた肌に唇を寄せていく。
ざらりとした猫舌が肌をこする。相手の胸元から鎖骨、首筋にかけて丁寧に子猫がミルクを舐めとるように舌を這わせる。
やがて掴んだ相手の腕をベッドの中に引きこむように強めに引っ張った。
■ヴィール > 色気のない仕草は此方も同じこと。
さっさと衣服を脱ぎ捨て、シャツ一枚を残す相手に対し此方は全てを剥いだ格好。
「……チェシャ、ね。……ふぅん」
覚えこむように鼻を鳴らした。緩く瞳を細めたのは相手の反応を見たせい。
取られた手を軽く握り、肌に這う唇と、猫舌。
人間のそれとは異なる感触に眉間に薄く皺が寄る。不快ではない心地良さ。
お返しのつもりで相手の首筋に舌を這わせて、歯を柔らかく立てて。腕を強く引かれれば抗うことなくベッドへと身を沈めゆく。
■チェシャ=ベルベット > 恥じらいのない脱ぎっぷりに、相手が他人に肌を見せることに
ためらいがないということを悟る。
手っ取り早くていいが、雰囲気はまるでない。
相手の様子を見ながら徐々に顎先から頬のあたりへ舌を伸ばす。
軽くついばむようにキスを重ねれば、相手も同じように自分へと舌を這わせる。
ベッドに沈めた相手を寝かせ、馬乗りになるようにして上半身を起こす。
「僕のことは気にしなくていい。
とりあえず、お前を楽にしないと」
遠慮がちにそう申し出てから再び愛撫を再開する。
するすると細い指と手のひらで相手の腹や胸を撫ぜ、額や頬にくちづける。
触る手の反応でどこがいいのかを探りながら、やがて相手の唇に吸い付いて舌をちろりと控えめに割り入れた。
■ヴィール > 他者に肌を見せることなど今更だ、と言わんばかりの躊躇いの無さ。
雰囲気を欠いたまま二人はベッドに身を沈める。
馬乗りになる相手を見上げた。背を抱いていた両手は、しなやかなラインを描く腰へ添えられる。
「……されっ放しは好きじゃねぇ…… ん、っ」
腹や胸を掌が蠢く。胸にある突起を弄られれば、身を震わせるような反応が得られる。
割入れられる猫舌に己が舌先を緩く擦り付け、次第に絡ませていく。
腰骨から臀部へ、細い手指は緩やかに移動する。
つと互いの逸物を緩く擦り合わせるように、腕に力を込めて抱き寄せる。
■チェシャ=ベルベット > かすかな喘ぎに反応して、優しく、時折強く胸の先端を指や手のひらで転がし、摘む。
一方キスも手を抜かぬよう、相手の舌先をゆっくりと味わい歯列をなぞる。
唾液を絡ませ、何度も角度を変えながら深く口付け時折息を吸う。
やがて相手の手指が臀部に下がってくればむっとして口を離した。
「抱かれる方っていったじゃん……、おとなしくしてろよ……っ」
ちょうどヴィールの指先が隠していた尾の根元あたりにくると、かすかに体を震わせ逃げるように腰を引く。
同時に相手と自身の性器がぶつかるような動きに声を押し殺して
「こういうの、好き……?」
これがいいのかと、両手でお互いの性器を包み込み鍔迫り合いのようにこすり合わせる。
く、く、とチェシャのものも刺激に立ち上がりゆるゆると硬く熱を帯びていく。
頬を興奮に赤らめ、とろりとした目元で気持ち良いかとヴィールに尋ねた。
■ヴィール > 緩急をつけた突起への刺激に、ピクピクと眉が快感を得てひくつく。
一方のキスは、互いの舌を味わうように絡ませ、擦り付けて、深い口付けを重ねる。
唇が離れればつっ、と唾液が銀糸を繋ぐ。
「……っ、く……うっせ……っ」
尾は触れるつもりはなかったが――指先が触れると、やや虚を衝かれたように瞬いた。
そしてお互いの性器が擦れ合う、兜合わせとなれば目尻を淡く染めて。
「……っ、好き………」
徐々に硬く、熱を持ち始める逸物。包み込む相手の両手に掌を重ねて。
もっと、と声なく強請る。
■チェシャ=ベルベット > 「ん、わかった……」
促されるままに相手のペースに合わせ互いに性器をこすりつけ合う。
徐々に先走りがとろとろとこぼれ、それが潤滑剤となって滑りを良くする。
こすれるたびにくちくちと隠微な水音が響く。
同時に相手の胸へ突っ伏すように姿勢を傾け、胸元に吸い付き先端を舌先でつついて転がした。
硬くしこれば、唇ではさみ唾液をまぶして一気に吸い上げる。
「ふ、……いつでも、出して、い、から……っ」
その間も絶え間なく両手と腰を動かして責めを続ける。
まずは相手が欲望を吐いてから、楽にさせてやりたいという気遣いで奉仕する。
■ヴィール > 溢れた先走りによる潤滑剤のお陰か、性器を擦り合わせる行為に苦はなく。
顎を逸らし、唇を噛み締めながら重ねた両手を動かす。
淫靡な水音を一層響かせるよう腰を揺らして。
「は、……っ、く………っ」
胸元に這うざらついた舌先と唇に弄られ、突起は硬く尖る。
二箇所を同時に責められれば、溜まった欲望を吐き出すのにそう時間もかからず。
「……っ、ふ……で、るっ……ッ」
きゅっ、と強く握りこむと同時、とぷっと性器の先端より白濁の液体を迸らせていく。
■チェシャ=ベルベット > 相手が絶頂に達したのを手のひらに吐き出された熱と直に触れ合った肌で感じとる。
危うく自分も射精しそうになるのをぐっとこらえて、ゆっくり丁寧に相手の性器を手で扱き、最後の一滴まで吐かせてやる。
やがて落ち着いたころに、再び上半身を起こして、両手にべったりとたれた精液を舐めとった。
「ほんとうに、溜まってたんだなぁ……」
出された量に感嘆しながら
ちゅうちゅうと片手の汚れをすっかり舐め清める。わざとらしく指の一本一本を舐めて見せた。
「それじゃあ、慣らすから……痛かったら言って」
もう片方の手指を相手の尻の下に潜りこませる。
精液で滑ったそれを相手のすぼまりへと進めるとまずは周りを柔らかく刺激するようにくるくると円を描く。
相手の脚を開かせ、ももを抑えるように姿勢を変えると
内股に顔を寄せて再びざらりと舐め始めた。
■ヴィール > 何度かに分けて吐き出された白濁が、相手の掌を汚す。
丁寧に扱かれる快楽に腰を薄く震わせ、同様に精液の垂れた手でシーツを握り締める。
「……は、ぁっ……まぁ、な……」
相手が手を舐め清める様を見上げて。そのわざとらしい仕草にまた逸物が反応する。
進められた相手の手指が緩々と窄まりを刺激する度、快楽を得ていることを示すように性器が脈打った。
舐られるのも厭わず、シーツをギュッと握りしめて荒い息に胸板を上下させて。
■チェシャ=ベルベット > (初めてってことはないだろうけど……)
相手の緊張を示すシーツの握り具合に、懸念を感じたが
なおさら丁寧にことを進めようと肝に銘じる。
指先で何度かすぼまりをつつき、内ももをなめていた舌を離して
無遠慮に鼻先を尻へ近づける。
舌と指、唾液と精液を使ってゆっくりと後孔をほぐし、割り開く。
最初は舌先で押し広げ、徐々に濡れてきたなら指さきを引っ掛け
一本入れてから中をゆっくりとかき回す。
何度か往復させてから指をくっと曲げて相手の良い所をこりこりと触り、反応を伺う。
良ければ、更に指を増やし広げるように動かすと、そろそろというところで全て引き抜いた。
「声、出さないと気持ち良いかどうかわからないから、できるだけ出して」
再び相手に覆いかぶさり、位置を調整して相手の中に入る準備を整える。
先ほど我慢した分、余裕が無いのか獣に近い荒い息が溢れる。
■ヴィール > 窄まりの柔らかさから、初めてではないことが分かるかもしれず。
丁寧に進められればなお快楽も高まり、立てた爪先がベッドを緩く引っ掻いた。
後孔はあっさりと相手の舌先を迎え入れ、淡く締まってゆるやかな刺激を舌に、指に与える。
「……っ、く……ぁ、いい、からっ……」
内部のとある箇所を曲げた指先で弄られれば、合わせてひくひくと腰が動く。
もういい、と荒い吐息で零したところで指が引き抜かれ、体勢が変わった。
「……っ、チェシャ……早く、……ッ」
相手が動きやすいように両足を開き、覆い被さってくる背に、首に両腕を回す。
互いに獣のような吐息を露わにしながら、潤みを帯びた双眸で見上げて強請る。
■チェシャ=ベルベット > 「ん……」
相手のねだる様子に応じて、相手の額の髪をかきあげキスをする。
ぐりぐりと無遠慮に自身の性器を押し付け、何度か狙いを外した後相手の後孔を先端で割り開いた。
「動く、から……」
短く告げるとぐっと腰に力を込めて相手の中へ深く穿っていく。
最初はゆっくりと、すべてを相手の中へ収めてから深く息を吐き
再び動き始めると挿入を繰り返す。
先ほど指で確かめた場所を重点的に突き上げ、
相手の頭を抱きしめながら獣のようにまぐわった。
「ふ、ぅ……!っ、はぁ、ヴィ、……ル……なか、あっつ……っ」
突き上げに合わせてかすれるように相手の名前を呼びながら
愛おしそうにまぶたや鼻先へと何度もキスをし唇を舌で舐めあげる。
■ヴィール > 額にキスされる行為が擽ったくもあり、返答するような口づけを相手の頰に落とす。
暫し焦らされるような感触の後、ひくつく後孔を割り開く性器に、待ちわびたかのよう内壁が絡みついた。
「ん、っ………」
告げられる言葉に小さく頷き、間も無く深く穿たれる身。
ゆっくりとした挿入から、やがて獣のようなまぐわいに熱く硬い己の性器が下腹を擦り立てる。
首に腕を回して、頭を抱きしめられて間近に金緑の瞳を見遣る。
「ふ、っ……ぁ、く……チェ、シャぁ……っ、くぅ……!」
瞼へ、鼻先へと降り注ぐ唇。
薄く舌先を伸ばし、落ちてくる猫舌に擦り付けて絡ませる。
■チェシャ=ベルベット > 絡みつく相手の柔肉が気持ちいい、同じように心地よさを感じているか
相手を確かめると再び舌先を絡められた。
あえて受け入れ、ゆすり上げながら相手の舌を弄ぶ。
ヴィールの乱れ具合に煽られて、自分もだんだんと相手を気遣う余裕もなくなってくる。
腹の間で硬く主張する相手の男根に手を触れて、体の動きにあわせて握り扱いてやる。
「も、そろそろ……い、く……っい……い?んっ……」
キスの合間に途切れ途切れの声で尋ね、ヴィールの体の中でひときわ大きく性器が跳ねた。
「くふっ……うっん!んぅ……っ!」
ぐっと脚をつっぱらせ、相手の最奥へ押し込み絶頂する。
ぎゅうと目をつぶり大きく痙攣しながら、熱い白濁を相手の中へ注ぎ込む。
同時にしがみつくように抱いていた相手への力もこもり、ぎゅうと性器を握り肩口の肌を淡く噛みついた。
■ヴィール > 舌先を絡め、弄ばれる。時折唇を押し付けて、零れる吐息は熱を帯びていく。
柔肉はキツく、絞るように絡み付き、相手の精液を急くように求めて。
主張し、突き上げられる度に跳ねる性器を握り込まれれば、ゆら、と腰が自ずと揺れる。
扱かれると先走りが掌を濡らしていく。
「ん、っ……いい、チェシャ……っ、ぁ、くぁ、ぅ……!」
尋ねられれば途切れがちの声で返し、内で跳ねる男根の熱を直に感じる。
やがて最奧へ叩き込まれ、注がれる白濁が内を満たす感覚を味わう。
強く握られる性器から同時にまた精液を迸らせ、背を抱く腕に力が篭った。
肉壁は残滓を、最後の一滴までも吐き出させんとうねる。
■チェシャ=ベルベット > 淫らに蠢くヴィールの肉壁に、チェシャの吐精も長く、しつこいものとなった。
相手をしっかりと逃さないように抱きすくめ
何度目かの射精を最後に、すっかり出しきった後ふーふーと獣の息遣いの粗さだけが残る。
やがてゆっくりと相手から体を離し、中の物をそっと引き抜く。
噛んでしまった相手の肩口から口を離し
「ごめん、噛んだ……」
恥じ入るように歯の跡を指でなでて詫びた。
手のひらに出されたヴィールの残滓を再び舐めとる。
相手をうまく導けた証として満足そうに目を細めてすべて飲み下した。
「……大丈夫?」
唇をぺろりと舐めながら気遣うように頬をなでて相手の意識を確かめる。
■ヴィール > 長く、しつこい吐精を全て受け止めて、強く抱き合いながらも大きく息を吐く。
荒い息遣いも漸く収まってきた頃、身は離れ、内より引き抜かれる性器に小さな声が鼻に抜けた。
「……いい。夢中だったし。……謝んねぇでもいいから」
未だ赤みの残る頰、表情を横に振る。
しかし吐き出した残滓を舐め取る仕草には、照れ臭そうにふいっと横を向いて。
「……大丈夫」
言うと相手の頰に掌を添え、緩く唇を啄んだ。
■チェシャ=ベルベット > 「ん、なら……いいけど」
事後の余韻にひたる相手にほっとして、それから再び最初のぶっきらぼうな姿勢に戻る。
ヴィールを寝かせたまま立ち上がると、軽く着衣を整えたあと部屋の外から手桶と手ぬぐいを持ってくる。
ぬるま湯が汲まれたそれに手ぬぐいを浸して絞り、汗や精液で汚れたヴィールの体を拭っていく。
随分と手慣れた所作に普段からこうして誰かの身繕いを手伝っていることを伺わせた。
自分の汚れもすっかり拭うと、そばの椅子を引き寄せ座る。
「疲れてるならしばらく休んでていい。一晩はとってあるから
まだ帰りたくないならここで寝ててもいい。
僕はそばにいたほうがいいか?それとも帰ったほうがいい?」
まだ少し汚れが気になるのか右手で猫のように自身の顔を洗いながら
ヴィールの方を眺めた。
■ヴィール > 汗や精液等、汚れた身体を拭われるのは抵抗しない。
ふぅ、と大きく息を吐いてから上体を起こした。床に落ちた己の衣服を拾い上げて。
「……どっちでも。俺はどうこう言わないし、帰りたいなら好きにすればいい」
噛まれた箇所を緩々と掌で撫でながら改めて部屋を見渡した。
椅子に座るチェシャに視線を投じて。
「……俺はもうちょっとしたら……そうだな、いい加減帰る」
「あまり家出が長引いて、怒鳴られる時間が長くなるのも厭だしな。……あぁ、めんどクセェ」
■チェシャ=ベルベット > よっぽど家族を相手にするのが苦行なのだなぁと思いながら
棚に載せておいた部屋の鍵を取り上げて、相手に見せながら
「そう、じゃあまた家出したかったらここに来れば。
主人に話は通しておくし、一日二日くらいなら隠れてても僕も迷惑しない。
帰り道も主人に案内してもらえると思う」
人には一人きりになりたい時と場合があるということはわかる。
家出をしたことはないがそうする時、身を寄せられないというのは不便だろう。
鍵を再度棚の上に置き、自分の上着を身につける。
そのまま部屋の外へ向かい、扉に手をかけたまま
「……それじゃ、ヴィール」
またね、とか元気で、というほどには親しくなれていないような気がして声がかけられなかった。
どうせ一晩きりの関係だから、余計な詮索はなし。余計な感情もなしだ。
ただかすかに振り返った横顔がほんのり朱に染まって、不器用そうにヴィールを見つめた。
そうして何も言わず部屋を出て行く。
やがて、部屋の窓の下、路地を一匹の黒猫がヴィールのいる方向を振り返り振り返り歩いて去っていった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
■ヴィール > 苦行という表現は当たりだ。
見せられ、再度棚の上に置かれた鍵からチェシャへと視線を移す。
「……思い出したらな。……まぁ、ありがたく使わせてもらう」
とはいえ日を跨いだ家出は過去、あまり例が無いのだが。
身を寄せられる場所が一つできたということは幸運だった。
「………あぁ。それじゃ、な。チェシャ」
またね、元気で、と再会を想う台詞は此方も口にしないで見送る。
次があるかどうかもわからないのだし、情を生む必要も無い。
――だが振り返った横顔に微かな朱を見れば、きゅっ、と唇を噛んだ。
路地を歩いていく黒猫の姿は、此処からは見える筈も無く。
先程までチェシャと触れ合っていた唇を指で柔く撫でながら、ぽすっ、とベッドに身を沈める。
鍵を持ち、衣服を整えて部屋を後にしたのは――それから暫くの後。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からヴィールさんが去りました。