2016/04/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 ナルラの別宅」にナルラさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 ナルラの別宅」にマリアージュさんが現れました。
ナルラ > ここ数日、さる諸事情であちらこちらに使いを出し、準備や根回しを行っていた。
それも一段落すれば、ナルラは私室にて一段落していた。

屋敷の入口や周辺には顔無騎士達が配備されており、客がやってきたならば素直に通してくることだろう。
顔無騎士に打ち合わせは必要ない、来客があれば誰に伝えるわけでもなく、茶や菓子の準備も済んでいることだろう。

マリアージュ >  
メモを何度も見直しながら、うーんうーん。
ここはどこかしら、と。見回すのですが、場所が判らず。
あやうく危ないようなところにも行きかけたのですが、猫を見つけ。

「まいごのまいごのこねこさん~、あなたのおうちはどこですか~」

しゃがんで微笑んで軽く歌えば、小さなバスケットといっしょににゃんこさんを抱きかかえるのです。
そのあとも軽く歌いながら軽やかに、銀の髪と一緒に薄絹のショールや若草色のワンピースの裾も風に流しながら歩く姿は、少し妖精っぽい雰囲気でしょうか。
猫に案内してもらいながら、辿り着くと、ここかしらと目をぱちくり。

にゃあ

猫がここだと言っているようなので、入り口にいる騎士様に少し肩を小さくさせながら、おそるおそるとした風情で。

「あの‥‥ナルラ様のお屋敷はこちらですかしら‥‥」

上目ぎみに、自信なさそうにいう言葉。
猫と一緒だとどうみられるのでしょうか。

ナルラ > 入り口の騎士は背格好は仮面をし、鎧で武装している以外はナルラと瓜二つだった、マリアージュが声をかければ、くぐもった低く響く声でこう答える。

「ようこそおいでなさいました、コンラート公女マリアージュ様ですね、主がお待ちしております、こちらへお越しください」

騎士は少女にそう伝えれば、門を開け中へと案内していく。
屋敷は広く、別宅にしてはかなりの大きさを誇っていた、ただ調度品や柱の飾りなど、どこかマリアージュにとっては懐かしさを感じるものがある。
そんな不思議な屋敷であった。
案内をする騎士がドアを叩けば。

「ああ、判っている中に通してくれ」

そう部屋の主が伝えれば静かに扉が開かれる。

「ようこそ、マリアージュ姫、迷われましたかな?」

そう言ってソファーへ腰掛けるように進めれば、しばらくすれば同じような騎士が、茶と焼き菓子を運んでくる。

「やはり貴方は、男装よりそういう格好がお似合いだ」

マリアージュ > 切った髪を付けた頭の重みが少しうれしい。
短くしてしまった髪よりもやはりなじみ、首が毛先でくすぐったくにとかならないのです。
――心のゆるみ、気のゆるみ。
少しだけ持ってきていた自分の服を着て、あろうことか、学院の男子寮から、その恰好で出て来てしまっていました。
石だらけの高い建物も多い王都は、どっちを見ても同じように見えまして迷子同然で辿り着いたのは運がよかったのでしょうか。

騎士様のお顔がナルラ様とそっくりなのでびっくりした顔。
思わず小さく口を開けて、ナルラ様?、と声に出そうとしましたが。
先に言われてしまい。
小さく会釈をしようとしましたが、両手の中の猫に気づきます。
しゃがんで、そっと下ろして。

「ご案内をありがとうございましたわ。――はい、よろしくお願いいたします」

軽く裾を持ち上げての会釈。
バスケットを両手で持って、ぱたぱたっと案内の方の後ろについていきます。
不思議そうに、きょろ、きょろっとしてしまいながら。通される居室。

「あの、はい。ナルラ殿下、お誘い頂きましてありがとうございます‥‥あの、お兄様から聞いてきました‥‥」

膝を軽くおり、裾を持ち上げて、深く会釈。
案内されるままソファーにと腰掛ければ、足元にバスケットを置きまして。膝を揃えてお話掛けようとしますが。

「えと、あの‥‥」

バレているのでしょうか。あっ、でも。この前は妹御って。そうだわ、ケイン(=自分)とそっくりだから?間違えてますの?
そんなことをぐるぐると頭の中で。その間、15秒。
本当のケイン・コンラートは父親似で180cmほどの細面な、筋肉質とは決して言えない優し気だが目は鋭い青年。似ても似つかぬ雰囲気なので、父や兄を知っている人には判り切ってしまうことなのですが。

「その、お返事、しないといけないと思いまして‥‥」

ナルラ > しばらくすれば、案内をしていた騎士が猫を連れてくる。
それを見れば。

「ああ、彼にもミルクをあげてやってくれ」

そういうと猫は嬉しそうにミャアと鳴き、騎士は奥へと連れて行った。

「まだそう誤魔化そうとせずとも良い」

必死に自分の秘密を守ろうとフォローするしぐさに思わず笑みをこぼれてしまう。

「ああ、その返事を聞かせてもらおうか?」

そう言ってティーカップを手にし、先にお茶に口をつける。

コンラート公とその兄のケインとは昔、まだ二人がこの王都に住んでいた時に面識はある。
コンラート公の提案で、王族子女を集め、その邪眼を使っての面接が行われたのだ、その時の会場はこの場所。
マリアージュがまだ母のお腹の中にいた時の話だ。

そして先日マリアージュとあった後、急いでタナールにあるコンラート領へと使いを出した。
本物のケインが暗殺に会う危険性を感じたからだ、無論暗殺は未然に防いだのだが、その際に兄のケインとは会っていることは、恐らくマリアージュはまだ知らない。

マリアージュ > 亡き父の約束など露とも知らず。
婚姻させようと考えていたなんて知らない少女。
何か見られている気分で、浅く腰掛け背筋を伸ばした姿勢のよい姿のまま、少しそわそわとさせます。
あっ。
扉を開ければ、案内してくださったにゃんこさん。
きちんとお礼をしてくださるようで、かなり嬉しい。
連れていかれるにゃんこさんの方をみながら、嬉しそうに温かい笑顔で。小さく手をふりふりと胸元でさせます。

「ひゃ、ひゃい‥‥」

ごまかそうとせず、と言われると。慌てて、肩をすぼめて身を小さくさせてしまいます。
また猫さんが来てくれないかしら、誰か来てくれたら、まだお返事をしなくてもいいですのに。
と、扉や窓の方などを落ち着かないように見てしまってから。
――ゆっくりと、深呼吸。
顔をあげてまっすぐに見る目を見せます。
が、

「あ、あの。わたくし、その。めかぶとか判りませんけれど。その、もっとナルラ様をよく知りたいとは、あの、思ってます‥‥」

最後の方になると、顔を赤くして顔を伏せさせていきます。
最後の方は消えそうな声。
それだけ言うだけなのに、なぜかお顔が熱くなるのです。

ナルラ > 少女の照れる姿や仕草の一つ一つが愛らしい、あまり外のことを知らなく育ったのだろうか、
世間知らずなお嬢さんだというのは見て判る。

だからこそ危うい、放っておけば彼女もまたこの国の闇の中に飲まれてしまうだろう。

「猫は好きなのか?」

そう尋ねながら、少しは気を紛らわせ落ち着かせようと話を振る。

「メカブではない、妾……側室だな。正妻というわけではないが私と婚姻を結ぶということになる
 まあ、男と話したこともロクになさそうだからな、急にだとこんがらがるだろう」

そう言って、彼女にも紅茶をすすめる、熱ければミルクもあるし、茶菓子にはクッキーとマドレーヌが用意してある。

「だが幼少の頃、コンラート公は今度生まれてくる子が娘であれば、
 私の妻にしてもらえないだろうかと言っていてな」

そう言って話を切り出す、軽くマドレーヌをひとくち食べ。

「今回、君たち兄妹にすぐに会おうと思ったのは、そういう縁があってだ
 コンラート公は最初は怖そうな方だったが、私には優しくしてくれた」

そうまだ聖王子と呼ばれた頃、彼女が産まれるほんの少し前、コンラート公がタナールに隠居する直前の事である。

マリアージュ >  
まだクラスに入っていない‥‥学院でも扱いに困る生徒、そのまま騎士になるためのクラスに入れていいものかどうかと悩まれているのです。
男の人と話しているだけで、こんな風になってしまいます。
でも、猫の話をされると、ぱっと顔が上がります。
瞳がきらきらと輝くようで、嬉しそうな笑顔。

「はい。あの、にゃんこさんもわんわんも、ウサギさんとか。みんな大好きです!」

力強く?こくりと頷きます。
そして気づきます。いそいそと、足元のバスケットを持ち上げて、テーブルの上に。
掛けてあるナプキンをとりますと、そこにはクッキーが。
ナプキンを両手で広げるようにもって、それで口元を隠しながら。少し上目気味にナルラ様を見ます。

「その、焼いてきましたのですけれど‥‥皆様にもどうでしょうか‥‥」

焼きたてらしく、かぐわしいバターの香り。
小ぶりですが、数は沢山焼いてあるのです。
先ほどのナルラ様にそっくりだと思った騎士の方にも、と。
ふんふん、と真面目な顔をして妾の説明に頷いているのです。

「あの、やっぱり。結婚みたいなものですの‥‥?
 ‐‐お父様がそんなことを!?
 あ、あの。わたくし、ナルラ様と、その、婚姻‥‥」

思わずびっくり、目を大きくします。
紅茶に、お砂糖とミルクを入れて、ソーサを持ち。嫋やかに慎ましく口をつけます。
落ち着かなきゃ、そんなことを思いますが。
逆に、また顔が赤くなってしまうばかりです。

「お父様が怖かったですの‥‥?」

いつも自分には笑顔だった父親の顔しか思い浮かばず、少し首を傾げさせます。優しかった母親。それに兄もいつも優しい笑顔で。
小さい世界でしたが、公爵が住むとは思えないほど、屋敷とは言えない庵でしたが、とても暖かい家庭だったのです。

ナルラ > 「にゃ……わんわん?」

少女の口から出る、用事のような犬や猫の呼び方に、少女の幼さが際立って見えてしまった。
本当にこの子は危うい、頭のなかで危険信号が強く点ってしまう。

「ほう、マリアージュ姫の手製かね?」

そう尋ねながら、甘いバターの香りがするそれを一つ口に入れる。
……美味い、先程から出してある自分の手製のマドレーヌやクッキーより美味く感じる。
砂糖やバターなども最高のものを使っているはずなのに、ここまで良い風味は出せていない。

「まあ、正妻の座は明けておくのは流儀でな、我が父も多くの奥方がいた
 カルネテルの男は、一夫多妻の風習が濃いからな……」

どうやったらこの味が出せるのかと思いながら、もう一口。
一応バスケットの中のクッキーは騎士に持って下がらせ、皆で食べることになる。

とは言っても、食べているのは実際の所ナルラ一人ではあるのではあるのだが。

「ああ、眼光の鋭い“緑眼のバジリスク”の異名を持つお方だからな
 第一印象は怖かったぞ、なにか値踏みをされるような感じであった」

そう軽く頷き

「だが、面談を終えれば好々爺のようであった、私には優しいお方
 民とはどう付き合うべきかを、色々話を聞かせていただいた……
 ああ、それとコンラート夫人も、美しい方だったな、どことなくマリアージュ姫に面影が残っている」

マリアージュ >  
男装しているときでも、到底隠せているとは言えないのですが。
素の姿になると、表情がころころとよく動きます。
男装の時はあれでも、緊張し随分と我慢して押さえていたのが判るかもしれません。

「今日も、ここまでご案内していただきましたの‥‥」

当たり前のように猫に案内してもらったというのです。
作ったクッキーは、見た目は素朴そのものですが。味は正式な王宮の
パーティで並べても見劣りしない。素朴だけによけいに美味しさが
はっきりと判る。1枚ではなかなか判らず、知らずもう1枚と手を
伸ばしてしまう、大きな主張は一切しないですが心地よい味の余韻も
口の中に残すものです。

「はい!。お母様とご一緒によく作ってましたの。今日も上手にできたと思いますけれど‥‥」

ほめられてはにかんでしまいます。
母親がほめられた気分で、胸がほっと温かくなります。

「――いっぷたさい‥‥ナルラ様がおひとりで、わたくしは何人もおりますの?。わたくしは、ナルラ様がたくさんの方が嬉しいですわ」

首を軽く傾げさせてしまうのです。
父親と母親の姿か、近くにいたのは父についてきた父と同じ年齢ぐらいか、それより年上の老騎士が連れて来ていた奥方たち。
みな、幸せそうな姿しか思いうかあないのです。

「――大きくなりましたら、わたくし。お母様みたいになれますかしら‥‥」

少し天井を見ます。
天井ではなく、神の御許へと言った母親に尋ねたのかもしれません。

ナルラ > 「そうか……ああ、友達なのだな」

ふと頭のなかで思い出す、こういう小動物と心を交わし実際に道案内や助力を借りる能力を持つものを。
ここで彼女の言葉を真に受ける訳ではないが、コンラート夫人は妖精の血が流れているという噂もあったので、あながち嘘ではないかもしれないな。

「それにしても美味いな、そのマドレーヌは私の自作なのだが、それが霞んでしまう」

よく出来ている、そう控室にいるナルラの複製体も含め一同思うのであった。

「まあ、マリアージュ姫と同じような立場の娘が、何人かいるということだ、まあ年の近いものもいる、仲良くしてもらえれば嬉しいかな」

ナルラがたくさんの言葉に、思わず茶をむせかえしてしまう。
この少女は突拍子もない事を言うから、その都度驚いてしまうではないか。

「ああ、それならマリアージュ姫は、何人の私がいると嬉しいですかな?」

そう今はジョークを返そう、真実を見極める邪眼を持つ少女、彼女の前では秘密は無駄だ、複製体のことも明かすのだろうが、まだその時ではない。

「そうですね、マリアージュ姫は今も充分愛らしいですが、これから美しくなっていくでしょうね」

そう言いながら今一度彼女の姿を見る、身体つきはまだ子供でも、その姿はこう心から来るものがあって。

マリアージュが天井の方に視線をあげるとき、ふと、彼女の両親の姿が見えます。
それは一枚の肖像画、この屋敷に残されていたコンラート夫妻の15年前に描かれたモノ。
先日、この屋敷で見つけたもので、あとで彼女に見せようと思い天井近くに飾っておいたのであった。

マリアージュ >  
こくり、と。無邪気な笑顔で頷くのです。
でもそのせいで、森で迷っても小鳥に、街で迷っても猫に尋ねるものですから。
まったく道が覚えられません。

「本当ですの?。わぁ、お友達になれますかしら‥‥!」

胸の前で手を合わせて、輝かす顔。
同年代のお友達がいなかったから、余計に期待を膨らませるのです。
嬉しそうにしたまま、ハンカチでマドレーヌをとり、ちぎって口に。
美味しそうに少しずついただきます。
食べる時も、手袋を外しておらず、肌をほとんど見せないのです。
むせかえるナルラ様のお姿に、少し慌てます。

「あの、どうなされましたの?」

マドレーヌを置き、腰を浮かそうとする姿。
そのあとに、質問されたのでほっとした様子で腰をまた落とします。

「だって、お話ししましたり。あと、色々と教えていただきましり。
 空いておられるナルラ様がどなたかおられると思いますの‥‥。
 王都も、まだよくわかりませんからご案内いただけたりしますでしょう?」

頬に軽く人差し指をそわせて、たくさんのナルラ様の使い方を真面目に考えます。
着たばかりの先ほどに比べると、言葉がすらすらでます。

絵に気づいてしまいます。
じっと、見つめる視線。
それは、誰かに‥‥そう、お父様とお母様に似た姿。
静かに、視線を絵に向けて。
――判ってしまったのです。
黙ったまま、目じりからつっと、涙がこぼれます。

ナルラ > 「本当に妖精のようだな、コンラート夫人は妖精の血族だという噂はほんとうだったのかもしれないな」
そう感じる美しさがあるのだ、目の前の少女もまた。

「そうだな、割りと自由な連中が多い、この屋敷の一室に住んでいる者もいるから、顔を合わせる事もあるだろう」

そう言って頷く、茶をむせればこちらをむせ返るのを心配する声に。

「ああ、大丈夫だ……そうだな、マリアージュ姫、改めてお伺いしていいかな?
 もし私の妾に……側室になっていただけますかな?
 もしなっていただけるなら、貴方が喜びそうな秘密を一つ明かしましょう」

自分の使いみちを色々考える彼女に目を細め、改めて今回の議題を問い返します。

「おや?」

彼女の視線に気づき、その先を見ればコンラート夫妻の絵。
あとで教えるつもりだったのだが、あの絵を見られたらしょうがない。

「ええ、あれはコンラート夫妻、貴方のご両親の肖像画です。
 この屋敷は元々、コンラート公のお屋敷だった場所で、貴方がまだお母様のお腹の中にいた頃まで住まわれていました
 ……寮で不都合があるなら、こちらに住まわれてはいかがです?
 ここは元々、貴方のご実家だった場所ですから」

マリアージュ >  
「そんな噂が‥‥?
 妖精さんともお友達ですけれど‥‥」

かくり、と小さく首を傾げさせるのです。
ヒミツ、と言われると。好奇心がむくむくっと出てくるのです。
それでも、結婚?に「はい」というのは、ためらいがあるのです。
まだナルラ様をよくしらないこと、というのもありますが。
それよりも、王都に来た、ケインとしてきた目的なのです。
どうこたえましょうか、と考えてはいるのですが。

「――そうなのですの‥‥?」

改めて、ゆっくりと部屋の中を見渡します。
見たことはないのですが、どこか安心してしまう雰囲気。
でも、大きな庵でしかなかった家とはずいぶんと違います。
部屋の扉をあけたらもう居間で、父や母がいた家。

「お父様と、お母様のお家‥‥。
 でも‥‥あの――そ、そうですわ。
 わたくし、お兄様のお手伝いをしないといけませんし」

そうは言うのですけれど、心惹かれる言葉。
目に焼き付けるように、部屋をゆっくりみており。
天井を見ると細い首元が伸びて見えるでしょうか。

「その‥‥。ただで住まわせていただくことは‥‥」

ゆっくりと顔を戻して、泣きそうな困ったような表情で。
ナルラ様のお顔を見るのです。

「わたくし、ナルラ様にお礼をするものが何もございませんから‥‥」

ナルラ > 「ええ、美しい人でしたし、あと特別な魔法を使えたという話もあり、そんな噂がありましたよ」

色々思い悩む少女、まだ一押もふた押しも足らない様子。

「そうですね、ケイン様も先日暗殺の危機に瀕しましたし……
 その点は私に任せて下さい、本当のお兄様は状況によっては
 私の保養地で安静にして頂きますから」

天井を見上げる少女、その首筋に見える白い肌にゴクリと喉をならす。
そろそろ理解して貰わなければならい、貴方の秘密はもう、私は知っているのだと。

「ですから、この家から学院にケイン・コントラートの影武者として通うといいでしょう。」

ゆっくりと立ち上がり、マリアージュ様のそばまでくれば、手で頬に触れようとし

「私の妾であれば、この家に住むのに遠慮はいらない、自由にお使いください。
 御礼なら、貴方が欲しいですよ」

そう言って、不意に唇を奪おうとする。
ただ初めてのキスは優しく、軽く唇を重ねるだけのものを

「今は、まだ私のことを知らないので戸惑う事もあるでしょう。
 なら今はただ私を利用しなさい、私なら、貴方達兄妹の力になれましょう」

マリアージュ >  
「?。特別な魔法、ですか?」

目をぱちくり。
特別な、というのは知らないのですが。母親が魔法を使えるのは知っております。
父親がやむなく戦いに赴く時に、しばらく手を握りしめていたり。
怪我した方に手をあて治療したり。
治療はマリアージュも使える「普通の魔法」なのです。

「――えっ!?。お兄様が――。
 いつですの?。あの、お兄様、大丈夫ですの‥‥?」

兄が危なかった、というのに。
寝耳に水なので、悲鳴のような声に。
じわり、と。萌木のような緑の目が潤むのです。
ケインとしてきたことなど、一瞬で忘れてしまうような事件。
――お兄様、大丈夫なの?
と泣きそうになりながらナリア様を見上げます。
心が一杯で、頬を触れられ。
‥‥ナリア様には、振れた手からじんわりと暖かい力がマリアージュから流れて来て、少し力強く感じられるかもしれません。

「わたくし、あの――お兄様で‥‥」

混乱したままのココロ、言葉がまったくあっていなくて。
兄が心配で心配でたまらなくて、軽く胸を両手を重ねて押さえて。

「お兄様を、助けて‥‥」

近づいてくる顔に、泣く寸前の声。
もっと顔が近づいてきて、唇に触れる暖かいもの。
唇から唇でも、振れた相手の力を増す魔力が流れていくのです。

「わたくしが、欲しい‥‥?」

桜色の小さな唇、言葉とともにこぼれる息があたるでしょうか。

「わたくしは‥ケインで、ケインお兄様が、‥――」

‥‥‥‥
間近な顔。先ほど触れたものの余韻で、まだ唇がくすぐったい。
何んでこんなに近くに、ナリア様のお顔が?
考えているのです。

ナルラ > 「ああ、通常とは違う体系の魔法、実際は私は知らないが」

ケインのことを伝えれば、取り乱す様子を見せる様子に、心のなかに産まれる少しの罪悪感。
ホオに触れた瞬間に、身体の中に流れこむ温かい力、今まさに自分が口にした不思議な力は、彼女に受け継がれているのだと確認できたようだ。

「大丈夫だ、先日学院でケインの影武者をしていた君にあった日
 すぐに天馬をタナールに飛ばし、暗殺者は捕らえた、まあ自害してしまったので
 誰が黒幕かはわからなかったがな」

そう言いながら、今度は軽く頭を撫でる、先日出会った時に彼女の頭をなでた、同じような手つきで。

「そう隠さなくていい、私は知っているのだ、病弱のケインに変わり
 騎士訓練をマリアージュ、君が受けるために男の姿をしていることを」

優しく微笑む、目を見つめるように話す。

「ああ、私の持てる力を持って、義兄上をお守りしよう……
 だから、私の前では無理をするな、嘘を暴くコンラートの娘が嘘をつくでない」

もう一度、唇を重ねる、今度は舌でかるく彼女を歯を撫でて。

「辛かっただろマリー、安心しろ私は味方だ、嘘だと思うならその瞳で私を見つめろ」

そして彼女が目の力を使うならこう答える。

「私は味方だ、マリー、そして貴方のことを私のものとしたい。
 誰かに汚される前に、私の手で貴方を抱きたい」

マリアージュ >  
間近に上から見れば、薄いワンピースの飾り縫いやレースの下の、
ささやかな膨らみの線がうっすらと見えるかもしれません。
長手袋とワンピースの間の肩や二の腕の半分ぐらいもストールで隠され
ていて、素肌をできるだけさらさないようにしている恰好。
肌が触れるだけで力を与える魔法は、両親や兄にしっかりと言われて。
家族以外はできるだけ触れないように言い含められていた力なのです。
母親よりも無差別な、神様の愛。

「本当‥‥?。よかった‥‥」

無事だと教えられて、身体の力が抜けます。
ほぁー、と。止めていた息をゆっくり長く吐くのです。
頭をなでられて、ゆっくりと落ち着きを取り戻せていきます。

「いつから、その、気付いておりましたの?。
 わたくし、ぜんぜんわからなかったわ‥‥。
 ‐‐その、あの。ごめんなさい」

そう間近な顔の目を見ながら言うのですが、その声をふさぐような、また唇の感触。

「――?」

2度目のキスをされても、まだ何をされたのか。何が触れたのか、頭の中で首を傾げさせて。

「――はい?」

ぎゅっとハグをしたいの‥‥?。
今、わたくしのほうがお礼にハグをした気持ちでいっぱいです。
と、思っていたりしますが。この「はい」をどうとらえるかは、
ナリア様次第なのです。
‥‥汚いのかしら。そういえば、寮でお風呂に入れてませんから‥‥。
でもでも、きちんと拭いてます‥‥。

疑問の目の色をしたり、ハグしたら喜んでくださいますかしらと悩む目を見せましたり。
そして、綺麗ではないのかしら、と少し悲しそうな目。
数瞬の間に、目の色がころころと変わります。

ナルラ > 彼女に触れ、身体の中に流れてくる力はナルラの股間にも、影響を与える。
視界に入った、彼女の身体のラインが感じられると、熱く固くなっていくのが判る。

「ええ、だからケイン殿の事は安心してください、
 先日あなたに向け、手を差し出した瞬間に、貴方は淑女の返し方をしたでしょ? それで気付いたんですよ
それと同時に、他に貴方のことを気付いた者もいるかもしれないと思い、タナールに向かいました」

キスをしても、その反応がない様子に、キスもしらないのかと思い。

「キスも知らないのですかな?」

そう尋ねながら、彼女をそのままソファーに押し倒すようにし、ゆっくりと彼女の身体を弄りはじめていく。

手はそっと胸に触れ、その先端をさぐるように指を動かしていって、その性感を、まだ性感だと判っていないその身体から、ゆっくり呼び起こそうと指を動かしていく。

マリアージュ >  
触れているだけで、少しずつ少しずつ、力が絶えることなく流れてくる感じがするでしょうか。
それは手のひらという細い線から、ナルラ様の中の色々な力や、活力などが増えていく感じが。

「?。だって、それが普通‥‥」

瞬き。あっ、という顔をします。
男の人が男の人にはどうしてたかしら!?
今更ながらに考えてしまうのです。
もう、何人かに同じように手をだしてしまっているのです。

「――キス。え?、あの。キス‥‥」

頭の中で、その中で噛み砕いているところ。
固まった身体が、ゆっくりと簡単に押し倒されます。
胸を触られて、びくっと、させます。

「え?あの、ナリア様、キスされましたの?――ど、どうしましょう。赤ちゃんできちゃう!?」

押し倒されたまま、膝をあげて少し丸まるような恰好で慌てて両手で桜色の唇を隠すのですけれど。
昨日、女の人に胸を触られて、まだ少しじんっと痛い感じが胸の奥にあって。だから胸の下着をつけれず、つけて来なかったのですけれど。
――薄絹のその先の胸、簡単に見つけれるかもしれません。

「ふやっ!?」

びくっと、思った以上の反応が出てしまうかもしれません。
じーんと、しびれる感じが胸の奥から、また背中に、お尻の上、尾てい骨まで走ったのです。
そのため、小さなお尻をもぞもぞっとさせるのです。

ナルラ > 身体の奥から力が湧いてくる、己の中の力はそのまま、他の己の複製体にも影響が出始める。
その数はまだ多くはないが、それらの者たちも発散せねば危険であろう。

「あの時は普通に握手をするべきだったな……アレは淑女であると教えているようなものだ」

そう言ってもう一度唇を重ね。

「ああ、キスだ、私の側室になるのだから、赤子ができるのは問題無いだろ?」

そう言いながら衣服越しにまだ小さな彼女の乳房を揉み、その先端を執拗に攻め立てる。

「だがキスでは子供はできんぞ……子供の作り方、今から教えてやろう」

興奮で少々生きが荒くなってくる、マリーの衣服を乱暴に掴めば、そのまま左右に引き、彼女を裸身へと変えていこうとする。

その時、部屋の扉が開き、彼女の魔力の影響を受けた他の複製体達が入ってくる。

「マリー、驚かないで見てもらえるか? 私の秘密を……他言無用で頼むぞ」

そう言って、男たちは仮面を外せば、ナルラと同じ素顔を晒していく。

この部屋には今、マリアージュ以外にナルラが4人いるのである。

マリアージュ >  
「――!。あれ、握手しましょうということでしたの?。
 おっしゃってくださいませんと判りませんわ」

ちょっと怒ったような目を向けるのですが、子猫ほどの迫力もないのです。
守ろうとした手はかんたんにどけられて、またキスをされます。
触れられた唇が、じんっとするのです。
はぅぅ~、と目を強く瞑って小さな体を震わせます。
昨日、ずっと胸をなでられて、その先をつままれていたのが身体を覚えているのです。
その時の感じ、胸がぞわぞわとして表面にさざ波が走り。胸の先から
痛いような刺激が走るのです。

「だ、だって。そう聞きましたもの‥‥きゃあっ!?」

薄絹のワンピースはかんたんに切り裂かれます。
控えめな白い胸がナルラ様の目の前に。下腹部はまだ大丈夫でしょうか。

「やん、だめぇ‥‥」

慌てて、その胸を両手で隠そうとするのです。
扉の開く音に、助けが来たと、希望の目を、助けを求める目を向けるのですが。

「――ナ、ナルラ様がたくさん‥‥?」

目の前のナルラ様、それと4人のナルラ様。
何度も見比べます。胸を隠す腕も力を入れることも忘れていて、簡単に外せることでしょう。

「ナルラ様‥‥のご兄弟‥‥?」

ナルラ > 「男同士だと、あの仕草だけで握手を求めることを意味するからな
 判らなかったマリーにも落ち度がある」

可愛らしく起こる仕草も可愛いと頬にキスを落とし、現れた他の己自身とともにマリアージュの衣服に手を伸ばし、下着も奪い一糸まとわぬ姿にしていく。
その姿に4人同時に喉を音を立てて鳴らしてしまう。

「マリアージュ綺麗だよ、もっとよく見せてくれ」

二人がかりで両腕と両足を押さえにかかり、ソファーの背を倒せば、ベッド状にし、彼女をその上で強制的に大の字で寝かせようとする。

なおこの様子は、キスをしている辺りから、この部屋に隠された魔導装置により様々な角度で撮影が行われている。

「ああ、兄弟ではない、全て私だ、私の複製体と言えば良いのか
 身体はいくつもあるが、一人のナルラだ。
 コレが私の秘密、マリアージュがさっき言っていたこと、できるかもしれないな」

両腕と両足を押さえる二人がそのまま小さなマリーの胸に顔を近づけば、その先端に吸い付き音を立てて吸いたて、舌で乳首を転がしていく。

「個々でマリーに教えておこう、赤ちゃんの作り方だ。
 マリーはもう、オマタから血が出たことはあるかい?」

そう尋ねながら、彼女のまだ幼い割れ目に触れ、指でそのスリットを撫でていく。

さて開いている一人はどうしよう、そのまま彼女の上に来れば、そのホオや唇に何度もキスをしていくとしよう。

マリアージュ > 「そうでしたの‥‥あ、やだ。その、やめて‥‥」

あの仕草は握手なのだと新事実を知るのです。
さらに破かれて、下着もとられると、白い長手袋とガーターでつるしたシルクのストッキングの姿。
それでも胸の方を隠そうとしているのは、何をされようとされているのか判っていないのです。
小さな胸を見られるほうが恥ずかしい、という年頃。
下腹部の大事なところは、小さな細いスリットがあるだけのような場所なのです。
腰の線は、子供とするには腰が括れて線が流れており。でも、少女というのとも、大人と言うのとも違う。
――精霊や成人したエルフのような腰の流れです。

「あっ、なにを‥‥んんっ、や、ん‥‥そんなところ、汚いところ見たらだめ‥‥」

片手でも十分な細い脂のまだない脚が大きく開かれます。
お尻を動かして逃げようと、脚を閉じようと身体を動かしてもびくともしなくて。お尻を逆に小さく振っているような姿。
触れる手が多くなれば、その分、力が流れ込んでいきます。
全てナルラ様と聞いて、逃げようと華奢な身体を動かしながら、胸を両手で隠しながら。順番に皆様を見るのです。

「――でも、ナルラ様はあなたですわ。だって、目が、そういっておられますもの‥‥。あの、皆様とお喋り‥‥ふわっ!?」

手で撫でられますより、胸の先を口に吸われますと、背中をそらして一瞬、身体を浮かせてしまいます。痛いような感覚が、くすぐったい感覚で胸に広がっていくような感覚。

「わ、わたくし。病気になったことはありませんわ‥‥?。きゃんっ!?。そんなとこ、さ、さわっちゃだめ!?」

まだ女にもなっていないことを伝えたことが判っておりません。
汚いところを触られたショック。顔が真っ赤に染まります。
でも、そこを触っただけでも、その触れた指からも力が流れ込むのです。
キスをされて、頬にも。気持ち悪いわけではありませんが、その上のナルラ様にそっくりな方を両手で離そうと押すのですが、凄くか細い力なのです。
そして、胸を隠していた腕もどいてしまっているのです。