2016/03/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここは富裕地区にある路地裏、そこを少女はのらりくらりと歩いていた。
結局、風呂敷に包まれた残った品々は売れる事はなかった。
それでも、普通に売り渡した物もそれなりの値だった。
なので、せっかくの王都なので少しは贅沢をしてみよう…!という事で、ここに来たのだ。
…が、贅沢をしようは良いのだが、何がどう贅沢なのかがいまいちピンとこなかった。
とりあえず、食事か?と考えたのだが、その食事さえも何が良いのかいまいち、といった感じだった。
そんなこんなでふらふらしていたら、いつもの路地裏に来てしまった訳だ。
…うん、なんというか、とことん貧乏性なのかもしれない。
■タマモ > 「………まったく、無駄に豪華な建物ばかり建てよってからに。
もう少しこう、程よく贅沢に出来る場所とか、分かり易くしておいてくれんものかのぅ?」
よいせ、といった感じに背負った風呂敷の包みを持ち直す。
同じ風に持ったままだと、その部分が痛くなってくる、それくらいの重量だ。
…ちなみに、成人女性ならば普通に持てる重量である。
さて、あんまりこんな場所を歩いていると、それはそれで面倒事がありそうな気がする。
とはいえ、目的も無いまま通りを歩いて無駄に目立つのは控えたい。
なかなかに難しい状況である。
■タマモ > そんな事をしていると、まぁ、こういう時は嫌な勘は当たるというものである。
歩いていた路地、その前に立ち塞がるように男が居る。
そして、挟むように後ろからも数人の男が現れた。
まぁ、他人様から見れば、今の少女の服装も上等なものだ。
抱えた風呂敷はともかくとして、小脇に吊るした貨幣の詰まった小袋も目立つ。
こんな場所を歩いていれば、目を付けられるのは当然かもしれない。
なんとも、いかにも悪党面した面々が近付いてきて…
そんな状況にも関わらず、にっこりと少女は笑顔を浮かべた。
そして…人気の無い路地裏に、男達の絶叫が木霊した。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にアシュトンさんが現れました。
■タマモ > 「ふむ…やはり、こういう事をする輩じゃ、大した実入りにはならんのぅ…?」
はふん、少女は大きな溜息をついた。
ちらりと落とす視線、その足元には身包みを剥がされた男達が気を失って転がっている。
そして、少女が抱えていた風呂敷がほんの僅かに膨らみを増していた。
何をどうしたのか、いちいち伝えるまでもないだろう。
■アシュトン > (路地裏に面する、貴族邸――二階の窓。
音も無くそれが開くと、闇にまぎれるような黒い影が滲み出て。
するりするりと姿を移動させると、もとより何も起こらなかったかの様に、窓が閉まる)
…………仕事終了、と。
(壁に張り付く人の姿。
ゴーグルで目元を、布地で口元を、更にフードをすっぽりとかぶり、外見上誰か判断は難しい恰好である。
ちょっとした依頼を終えて、家人に気づかれず出てきた所だ)
さて、それじゃ帰――あー……まぁ、問題ないか。
(ワイヤー伝いに降りようとするその直前、眼下の光景に、何とも言えない声が出た。
とりあえず、助ける必要なさそうである)
■タマモ > さて、そろそろこの場を離れるか。
そう思った矢先、ぴくり、と耳が揺れた。
路地の通りからではない、それが聞こえたのは…上だ。
当然、少女はそれに反応してそちらへと顔を上げる。
うん、何か居る。
しかも、どう見ても非常に怪しい格好である、こう、盗人的な?
「おぉ…今日は運が良い、さっきの輩よりも良い物を持ってそうじゃ」
うむ、と一つ頷いて、ぽつりと呟く。
また売り物が増えると、そんな事を考えながら、その相手へと近付いた。
「さて、そこの者。
どこをどう見ても盗人じゃろう?遠慮無く妾に盗んだ物を奪われるが良い」
ぴしっ、と右手に携えた閉じた扇子を相手に向け、声をかけた。
なんとも自分勝手な内容だが、少女は気にしてない。
■アシュトン > ……盗人というのは、まぁ否定しないがな。
その盗人からモノを奪おうとしているお前は何だと小一時間問い詰めたい。
取り返して家人に返す、とか絶対考えてないだろ。
奪うの前提とか盗人よりさらにタチ悪いんじゃないか?
(まぁ、見た目からしてその通りであり、実際盗んできた訳だが。
もっとも、相手が手にして金になるようなモノでもなく、そもそも渡す訳にもいかない)
――というか、案外気づかんモンだな。
(すっと視線を横に流すと、小さくつぶやく声。
まー、これだけ顔を隠していれば、さもありなんか。
そもそもバレないための装備だし。
どうたしたモノかと考えた後、に)
ちなみに、渡す気はない、って言ったら?
(壁に張り付いて見下ろした体勢のままに、喉を小さくと鳴らした)
■タマモ > 「うん?盗人が盗んだ品を誰がどうこう言うものもなかろう?
あくまでも盗品じゃ、別にそんな面倒な事を考える事もないのじゃ」
ふふんっ、どこか無意味に偉そうな態度で言葉を放つ。
少女的には、盗みに入って強奪と、盗まれた物の強奪は別物らしい。
まったく、男性の言う通りの性質の悪さである。
「………うん?」
その相手の呟きに、かくん?と小首を傾げる。
視線を右に、左に彷徨わせ、なにやら思い出しているような仕草。
なかなか思い出せないらしい、視線は更にあらぬ方向へと向き始め…
「おぉ、思い出したのじゃ!…えーっと、あれじゃ、あれ…
傷付いた妾に止めを…ん?いや、違ったっけか…?」
ぽんっ、と手を叩く、思い出したらしい。
だが、その後の言葉を聞く限り、はっきりと思い出した訳ではないらしい?
「ともあれ、そんなお主がこんな場所でこの様な事をしておるとはのぅ…
さぁ、優しい妾はその盗品を奪うとは言わぬ、自首するのじゃ!」
結局は相手が知っているとはいえ、やっている事は盗みだろう。
扇子で相手を指したまま、そうと分かればと言葉を変える。
結局、相手が単に盗人の真似事をしていると思ってるのは変わらないらしい。
■アシュトン > 結局それ、間に一人入ってるだけで、やってる事は盗みと変わらないんじゃ……
直接的と間接的の違いだけで。
(盗品を掴まされて買ってしまった、なら別だが。
そのまま懐に入れてしまうなら、盗人と何も変わらないと言わざるを得ない。
なんとも微妙な表情を浮かべ――てはいるが、恰好で相手には見えない。
雰囲気は滲みだしていると思われる)
おう、思い出したか。
(一つ、頷こう。
として)
なんでトドメさされたのに、ここでピンピンしてるんですかねぇ。
逆だ、逆!
怪我してるのを、助けてやったんだよ!!
(親指と人差し指を立てて突き出すと、その上下をくるっと入れ替える)
冒険者でもあり傭兵でもあり、盗賊でもるからな……本業とは少し違うが。
どうしたモンかねぇ。
(などと言いながら、袖口に仕込んだ試験管の様な形をした瓶、その蓋を開くと。
自分の身を影にして、壁へと垂らしていく。
中身は、催眠毒。
瓶から出ると気化し、吸い込んだ相手の思考を鈍化させ、やがて眠りに誘うという代物である)
まーあれだ、例えばだ。
この館の貴族が酷い悪人で、その証拠になる資料を盗み出した、としたらどうするかね?
(ちょいちょいと、顎で館を示す。
『相手が手にして金になるようなモノでもなく』というのは、そういう事である
これで相手が納得するか、しなかった場合の時間稼ぎ、という寸法である)
■タマモ > 「いやいや、その間に一人入っておるのが重要なのじゃ。
その盗品を持っていた相手が受ける印象は大きく変わるものじゃぞ?
まぁ、それを気付かれずにこっそりとやるのが肝じゃな」
いや、その気付かれずにって部分ですでにおかしい。
そんなツッコミが入りそうな意見だ。
うん、結局は相手の思う通りに大して変わりがないのだ。
「お、おぉ…そ、そうじゃな、助けられたんじゃった。
うむ、はっきりと思い出したぞ!?」
びくーっ、と相手の言葉に耳と尻尾をおっ立てた。
そう言われてみれば、そんな気がする、そんな感じで言葉を紡ぐ。
…かなり信憑性が薄い気がする。
ともあれ、思い出せぬのも面倒だ、そう思えば…少女の瞳は鈍い輝きを放ち始める。
「………ふむ、なるほどのぅ、確かにお主の言う事に嘘は無いようじゃな。
まぁ、内容的には盗みには変わらぬが…それも仕事という訳じゃのぅ?」
相手の言葉を聞きながら、じっと少女の瞳は見詰め続ける。
その言葉が終わるならば、ふむ、ともう一つ頷いて、言葉をかけるも…
ここまで言ったところで、すっとその瞳が細められる。
「して、それで妾をどうするというのか、問うて良いか?」
閉じていた扇子をぱしんと広げ、いつものように口元へと添える。
ゆらり、と空気が揺らぐ…少女の足元を見れば、その動きがはっきりと分かるだろう。
ぐるりぐるりと少女を包むように、風が流れているようだ。
それが足元の僅かな砂埃で目に見えて分かる。
■アシュトン > 印象とかそういう問題なんだろうか……やはり、俺にはどう違うのか分からん。
(小さく唸りつつ、視線が少しとばかり横に逸れた)
……本当かよ。
(レンズ越しに、半眼で見やる)
ご理解いただけた様で何より。
もっとも、今回がそうなだけであって、善良な貴族の家から『依頼』を受けて盗む事もあるがな。
(ちょいと肩を竦める。
自分で売る為にって事はまぁ殆どないが、実際のところ盗人であることに変わりはない。
そういう仕事を選ばない、『何でも屋』なのだ)
どう、するか、ねぇ。
実際の所を言えば、――目撃者がいると、それはソレで困るんだよ。
(出っ張りに固定していたワイヤーを解くと、窓枠を蹴り出し)
別段殺す気はないが――暫く、大人しくしていて欲しいんだよなぁ。
此方の仕事が終わるまで、二、三日ッ!
(空中で、液体の残る瓶を相手の足元に目がけて投擲。
地面に衝突すれば、割れて中身が至近距離でぶちまけられる事になるだろう。
大きく飛んで行く先、狙う着地点は相手の背後、から少しと離れた位置)
■タマモ > 「ふむ…まぁ、妾もそう気にした事もないからのぅ、よく分からん」
どうやら結局は分からずじまいだったらしい。適当に言ってただけのようだ。
まぁ、そんな事を本当に気にするような性格だったら、そもそもこんな事をしないだろう。
「………うむ、今はちゃんと思い出したぞ?」
微妙な間、どうやら今は思いだしているが、さっきまでは…となると、違うようだ。
その視線はしっかりと逸らされた。
「うむ、まぁ、それが仕事であるならば仕方なかろうな?
…そうそう、今の妾の前ではあんまりはっきりと物事を考えぬ方が良いぞ?
でないと、こうなるのじゃ」
少女には、それが全て視えている。
こういった事の慣れた者であれば、そうであるほど、細かな動きまで視え易い。
足元へと投擲されたはずの瓶が、手にした扇子でまるで流れるように掬われ、着地をしようとした離れた位置に放たれた。
地面に、壁に、それを当てるという不確定な真似はしない。
その瓶は、その位置寸前で見えない力でぱぁんっ、と砕け散った。
…が、そうはするも、撒き散らされたはずの中身は液体状を保ったままだ。
割れた辺りで何かに包まれているかのように浮いていた。
当然、すぐ側に居る筈の相手には何の影響もない。
「………のぅ?これで分かったか?」
揺らした扇子は再び口元に、にっこりと余裕の笑みだ。
こんな事をしてくれたのだから、お仕置きも悪くはないのだが。
…それは今度にしておこう。
それを本当にやってしまったら、この男性の仕事は完遂されずに終わるからだ。
忘れかけてはいたのだが、数少ない知人である。
それはさすがに可哀想だと思ったらしい。
■アシュトン > ここまで怪しい「ちゃんと」は初めて聞いたかもしれん。
おう、こっち見て言えや。
(じっとりとした視線が、ゆーっくりとタマモに絡み付く)
(飛翔、からの後)
っ!!
(予定とは違う小瓶の動きに片目を微かに見開くと、コートで身を包み。
落ちてゆく間に、本人の存在感が周囲より微かと薄くなる、の、だが)
…………はぁ。
(ほぼ無音で着地すると、視線を相手へと向けた、後。
浮かんでいる液体を見ながら、分かりやすく大きなため息を漏らすと、肩が微かに落ちた)
あー、やだやだ。
ほんともう、弱小が丹精込めて準備した小細工を、こういうタイプは事も無く受け流しやがるし。
正面からやりあうのは、貧乏くじと表現するよりほかがないな。
化け物とか英雄とか、ほんと勘弁。
(追加のため息と共に、何やらものすごく愚痴っている。
そして、考えるように唸り声を喉で鳴らし)
とりあえず、俺としてはこの事を忘れてくれたら文句はないから、それでいいよな?
(相手にする方法が無い事も無いのだが、それでは正直といって割に合わない。
全力で戦いに行くこと前提である。
なの、で。
もう相手が見逃してくれるならそれでいいやという妥協案に落ち着き、提案する)
■タマモ > よし、もう大丈夫だ。
次の「ちゃんと」は正しいもの、逸らしていた視線を戻す。
「うむ、これで良いか?妾がそうそう何もかも忘れる訳がないじゃろう?
大丈夫じゃ、名前以外はちゃんと思い出したのじゃ」
どうじゃ!?と言わんばかりに、とん、と胸を叩く。
いや、それ大丈夫じゃない。
その言葉に自身の名前を思い浮かべてくれるならば、それでやっと名前も思い出す事になるだろう。
「分かっておるならば、最初からやるべきではなかったのぅ?
優しい優しい妾が相手だった事を、幸運と思うべきじゃぞ?
そうでなければ…お主は今頃、あの連中よりも楽しい事になっておったじゃろう」
肩を落として愚痴る相手と対照的に、くすくすと笑う少女。
ただ、化け物呼ばわりには少しばかりぴくりと眉を動かす。
まぁ、違ってはいないのだから、と…そこは気にしないでおいた。
そして、言葉の終わりに、ちらりと意味ありげに離れた場所に倒れた男達を視線で示した。
あれよりも楽しい事、想像がし易いのかし難いのか、そんな感じだ。
「ふふ…妾としてはそれでも構わぬぞ?
さて、その対価としてお主にして貰いたい事がある、良いか?」
全力を尽くし相手をするならば、それはそれで相手になる。
が、どうやら妥協案と決めたらしい。
それを知れば、その提案に対価を求める。
にんまりと、その言葉と共に少女は笑みを浮かべた。
■アシュトン > 名前だけ忘れるってのも、随分器用なマネだな。
……アシュトン、だ。
まぁ忘れてるなら別に構わないんだよ、うん、うん……
(若干いじけ気味に聞こえるのは気のせいだろうか、いや、気のせいではない。反語)
単純な能力差では俺が圧倒的に負けてるのは確かだが――俺が絶対に勝てない前提で話されるのも、それはソレで腹が立つな。
弱者は弱者なりに、弱者故の方法を持ってたりするモンだぜ?
もっとも、そこまで行くと割に合わんし、綱渡りをする気もないんだけどさ。
すくなくとも、ああはならん、位は言わせてもらう。
(グラスのアチラ側で片目を閉じると、指でチョイチョイとの垂れてる男たちを指さす。
自分で言うのも何だが、人間の範疇でいえばそれなりの手練れでもある。
それを軽く凌駕する存在なら、人間でも妖怪でも魔物でも、化け物と表現して差支えはないだろう)
此方から持ちかけてお願いする形だ、善処はするが、無理難題は叶えられないと先に言っておくぞ?
そもそも、そんな内容は俺がするよりタマモが自分でした方が早いだろうしな。
(恰好のせいで表情こそ見せないが。
ちょいと肩を揺らした後、どうぞ、とばかりに片手を相手に向けた)