2015/11/25 のログ
■キスカ > 「一隻ずつ叩くよりはずっといいはず…モレル商会の人たちと一緒なら情報も入るだろうし」
黒猫のミレーが静かな寝息を立てはじめる。
キスカとよく似た白い虎模様の幼女がよじ登ってきて、抱きついたまま力尽きたりもして。
「女王さまの戦いがどうなるのか、まだよくわからないけど」
「エラい人たちの争いに巻き込まれて、喰い物にされる人がいるんだ」
「そんなの、私の師匠だったら絶対ほっとかないよね!」
「―――私にだってできることがあるのに、しない理由はどこにもないから」
心配と言われてきょとんとした顔をして、そのあとむずむずしてたまらない感じの笑みへと変わる。
「ふふふ。だったらルーキも来ちゃいなよ! 商会的にはさ、腕のいいセンセイは大歓迎だろうし」
「君がいれば私はきっと強くなれる。それっていいことずくめじゃない?」
空いた手で生き人形の頬に触れ、眠る仔猫たちに囲まれながら顎に指を添えてくすぐる。
■ルーキ > 「そうか……情報面については、安心なんだな」
膝の上の茶トラ子もすっかり眠りについてしまったようで。
その頭を緩々と撫でながら、彼女の話を聞く。
「……やれやれ全く。キスカらしい言葉だな……」
「なら、わたしも一緒に行くことにしよう。いい加減、暇にも飽き飽きしてきたところさ」
頬を、顎を擽られれば肩竦めた。
その手を拾い上げて、繋ぐように握る。
■キスカ > 「やった! 言ってみるもんだねー。でも私は人づかいけっこう荒い人だよ。大丈夫?」
「っていうか人形遣いだ。マスターオブパペッツ?? あ、待ってパペッツじゃないよ私はルーキひと筋だから!」
鉄柵の門が開く物音がして、馬車の動きが一旦止まる。
「ありがと、よろしくねルーキ。そだ、ティルヒアといえば…からくり人形って知ってる? 機械で動く人形なんだけどさ」
「専門の人形師なんかもいたりして、ルーキならきっと目の肥えた人たちのお眼鏡にもかなうはず」
「うっかりさらわれたりしないでよ。君は私のたったひとつの人形で、一番のとっておきなんだから!」
お屋敷の正面まであとわずかな距離。手を引いて唇を近づける。髪が触れ合う程のわずかな距離、埋めて―――。
■ルーキ > 「今更だろう。人遣いが荒いなんてことはわかりきってる」
「……あぁ。大丈夫。信頼してるよ」
さりげなく酷いことを言う。
止まった馬車、門の開く音。子ども達はそれにも構わず眠る。
「……からくり人形、ね。あちらは意志の無い人形、此方は意志のある人形か」
「さらわれそうになれば――キスカが何とかしてくれるんだろう?」
なんて戯れに問いかけながら。
近づく距離に瞳を伏せた。二つの影が一つになる、わずかなひと時―――
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からルーキさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からキスカさんが去りました。