2015/11/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 装飾店『灰水晶の瞳』」にキルネさんが現れました。
キルネ > 「またのお越しを……。」

静かな店内にほっそりとした声が響く。
見送ったのは、頬を染めてうっとりと満ち足りた表情の貴族の女性。
店から出て行くのを見届けると、簡素な扉を閉めてまた店のカウンターへと戻っていく。

カウンターには紫の布がかけられ、その上にはいくつかの装飾品が並ぶ。
リング、ブローチ、ペンダント、etc……。
それを見つめながら薄い笑みを唇に刻む。

…さて、またそれなりの収入が手に入った。…次はどうしようか。
カウンターに設えた椅子に座り、ゆっくりと物思いに耽り始める。

キルネ > 物思いに耽りながら、カウンターのしたからクロスを取り出す。
置かれたリングを手に取ると、ゆっくりとそれを磨き始めた。

薄暗い店内に小さな音だけが響く。

少し時間をかけてリングを磨き終えると、白く細い指がゆっくりとリングのラインを滑る。
まるで恋人を大事に愛撫するような手つきだが…自らの作った商品だ。
そうなるのは仕方ないと自覚もしている。

磨き上げた事を確認すると、次はブローチへと取り掛かる。
それもまた、大事そうにゆっくりと磨いていく。

キルネ > ブローチを磨き終え…次はペンダント。
チェーンを手に取り、ちゃらりと下げる。
トップに嵌った紫色の宝石がわずかな光に反射して蠱惑的な輝きを放っている。

先の貴族様も随分と迷っていたようだが…これは選ばれなかった。
次はこれの主が見つかるといい…そんな益体もない事を思考しながら、それも磨き始める。

…次の客が来るまでは、こうしているか。
または手元でできる作業を行っているのが日課になっていた。

キルネ > 粗方、商品の手入れが終わるとカウンターの椅子を立った。
先の貴族から得た収入を元手に、いくつかの材料を仕入れておこう。

そう思い立つと店の扉へと向かう。

扉を開ける前にフードをさらに目深に被り、静かに外へと出て行く。
鍵をかけて『CLOSE』の看板を下げると、ゆっくりと店を後にした。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 装飾店『灰水晶の瞳』」からキルネさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール クラブ」にウスジャリル・ディナームさんが現れました。
ウスジャリル・ディナーム > (テーブルクロスの下で交渉をすすめるのは、上級士官には必須の技だ。
 それが外交や諜報活動とあれば、なおさらである。
 穏やかな音楽が流れるクラブの中で、その場所に似つかわしくない少女は、
 頬杖をつきながら目の前の男を眺めていた。)

そもそもの話だよ。私がお前の言うことを聞いて、国に剣を収めさせたとして…
私にあの島を食い荒らす以上の利益がもたらされるとは到底思えぬ。

それにな?やつらが火蓋を切った以上、王国としては最早黙っておるわけにはいかぬであろう。
隣国のとりなしでもなければ、あそこは我が国に飲み込まれて終わるさ。
(退屈だとばかりに男の言葉を切り捨てる。 目の前にいる相手は、
 オリアーブに強いコネクションを持つ商人だ。 戦争状態になってしまえば、
 一家はご破産…故に、交渉事を行う第九軍に戦争の想起終結を
 働きかけるように頼んで来たというわけである。)

ウスジャリル・ディナーム > よいか。やつらは飲まれる。 強いやつに歯向かった弱いやつは食われるのだ。
おまえのやっている商売も同じであろう。 それともなにか?
あの連中に我々が唯々諾々と従い、この都を明け渡すと思うか?
私がおまえに「持ってる資産を全てよこせ」と言ったら、頷いてくれるか?
そんなことはないだろうよ。 いいか、あそこは……ティルヒアはな、
この国を否定したのだ。目の前にお前がいることが気に入らぬ、と宣言したのだ。
己の力量も顧みずにな。 よっぽどの切り札がなければ、奴らはすぐにやられる。
(片膝を抱くようにして、その膝の上に顎をのせる。 小さく欠伸。
 もちろん相手の言い草はわかるが、自分にはどうでもよいことだ。)

それより、だ。 おまえはもうすこし頭を使うべきであろう。
商機をみすみす逃すほど頭が劣化しているのか?
戦となればありとあらゆる道具が必要になる。
武具、食料、馬、衣類、魔術の焦点具もだ。 今回は船もいる。
あの島と取引していたおまえは、何隻も保有していたよな?

私に幾許か出してくれるなら、兵站を担当している奴を紹介せんでもない。
そうだな…私の紹介で、お前は馬車100頭でも足りぬほど儲けるのだろう。
馬車70頭分の金貨をくれたら、教えてやるぞ。
(目の前の商人は目をむく。 それはそうだ。ビジネスチャンスではあるが、
 出されたマージンは莫大なものだ。 とはいえ、放っておけば身の破滅。
 しぶしぶといった表情で頷く相手に、すました表情で頷く。)

ウスジャリル・ディナーム > 約束、ゆめゆめ違えてはならんぞ。 なにしろ、第9師団の副将軍様は記憶力がいい。
お前は自分の発言に責任を持ち、必ずそれに従わねばならないのだ。 わかったな。
(にやりと笑うその顔には狡猾さがにじみ出ている。
 恐縮する相手に立場を叩き込んでから、 ゆっくりと立ち上がる。)

話は終わったのだな? 私はもう帰らねばならん。 
身体が小さいと休眠を要するまでのサイクルが長い。
(とどのつまりは眠い。 相手に小さく手を振ってから、
 悠々とクラブを後にした。)

ご案内:「王都マグメール クラブ」からウスジャリル・ディナームさんが去りました。