2015/11/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にヘルガさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にフィーナさんが現れました。
■ヘルガ > 翌日。
身を清めたフィーナが通されたのはロッカールームだった。
名称に似つかわしくない広々とした清潔な空間には、華美な衣装が並び吊られるドレッサーが並び、
着付け役として二人の侍女も並ぶ。
曰く「客分」として失礼のないように教育されているのだろう。
素性のわからぬ、全裸のフィーナに対しても、嫌な顔ひとつせず着替えを手伝うはずだ。
ヘルガが命じたのは、自分の好きな衣装を着てくること。
下着も、靴も、すべてが貴族社会に生きる者の嗜みとして豪奢なラインナップで、
裏社会に生きたフィーナからすれば、下品なまでに輝く宝石箱のように映るかもしれない。
変装のために着るようなそれを、本日のための装いにしろ――と言うのが「命令」。
「……ちゃんと選べたかい、フィーナ?」
と、昼下がりの日差しが注ぐ廊下に控えていたヘルガは、果たしてロッカールームから現れたフィーナを微笑んで迎えた。
■フィーナ > 裏社会に生きていたフィーナにとって、その空間は未知の世界だった。
輝く宝石の類も、今ままでの彼女であれば眩しすぎる色に映ったのは間違いではない。
しかし、彼女の紅い瞳には躊躇の色は浮かんではいない。
どのドレスを選ぼうかと食指が迷い、まるで初めておめかしする子供のような様相だった。
「これでよかったかな…ヘルガ様。アタシ、こういうの選ぶのは初めてだったから」
光の届かない地下室に比べ、陽の光が十分に届く廊下。
自らの『主人』を見つけて、フィーナは慣れないヒールでバランスを整えながら側へ寄る。
潜在意識のように選んだ黒いドレス。
スカートの丈は短く、なだらかな丘陵のような胸元が覗き、今までの彼女を知るものからすれば、あまりにも女性的な衣装だった。
亜麻色の髪を揺らし、ヘルガを見つめる表情は屈託のない笑顔。
およそ他人に向けることはなかったその貌は、生娘そのものだった。
裏を生き、躊躇なく他人を殺める暗殺者の面影は最早、微塵も残ってはいない。
■ヘルガ > カクテルドレスの装いは、元の素材も相俟って感嘆の息を吐くほど。
しかしすぐに視線を横に反らし、そして深い溜息をついてから。
「問題ないよ。よく似合ってる。ああ、フィーナ…これからきみには、私の雇い主に会ってもらう。そのための衣装だ」
こちらも会食用の騎士装。しかしどこか浮かない顔で、そう切り出す。
屈託のない笑顔に、いまさらながら罪悪感を刺激された。
相手は暗殺者。しかし女性だ。自分が幸せを踏みにじって壊したようなものだ。
それに胸のすくような感覚を覚えて自己嫌悪しながら……
「きみを疑うわけではないが、これを……つけてほしい」
「私の命令に逆らえなくなるものだ。自分の意思では外せない。どうだろう?」
懐から取り出した、ケースのなかにあったのは新しい首輪だ。
ごてごてとして、無骨。まさに狗に嵌めるような。
ドレスに不似合いな仰々しさを見せつけながら、首を傾いだ。
無理にでも嵌めてしまえばいい、が、これから起こることを鑑みれば確認せずにはいられなかったのである。
■フィーナ > 希薄だった感情も、疑いたくなるほどにフィーナの今の表情や仕草は少女のそれ。
視線を反らし、浮かない顔をするヘルガを不思議そうに覗きこむ。
フィーナにとって、ヘルガはかけがえのない存在になっていた。
彼女が自分を囚えた存在であれ、知らない世界を教えてくれて、愛を囁いてくれた。
きっとこれからもそれは変わらないことだろうと、無垢な少女は信じて止まない。
身体だけが大人に育ち、幼い心のままの彼女は、どこか自分の格好が悪かったかと不安そうにスカートの裾を上げる。
「やっぱり……アタシの肌には、合わないかな。……ん、でも。ヘルガが似合っているっていうのなら」
未だ覚束ない言葉遣いは彼女との時間が浅い故だろう。
彼女の気持ちとは裏腹に、屈託のない笑顔を浮かべるのは、彼女を信じきっているからだった。
「今更、ヘルガ様の言うことに、アタシは逆らったりしない」
「ーーでも、つけないといけないんでしょ。じゃあ、する」
彼女の言う言葉を聞けば、迷いなく不似合いな首輪を彼女に嵌めてもらう。
かつてその首にあった大事な人との思い出。それに対する躊躇いを感じている様子はない。
それだけ、ヘルガという存在は、フィーナにとっては大きな存在だった。
薄い褐色の首元で怪しく光る無骨な首輪。首に締まる苦しさに微かな声を漏らし、
公共の場で在るにもかかわらず、彼女に擦り寄った。
その態度はまるで、盲目な恋人のような立ち振舞い。
■ヘルガ > 抵抗や反駁も覚悟していたからこそ、素直に身につける決断をしたフィーナを見て体のこわばりをゆるめた。
罪悪感が薄れるわけではないけれど、自ら受け入れてくれるならまだ、心の痛みは安く済む。
きっと子供の純粋さにつけ込むようなものなのだろうと自嘲しながらも。
懐からもうひとつ、しまわれていたものを取り出す。外されたチョーカーを指にかけて。
「……それでいい。そして、これもちゃんと持っておくんだ。なくしてはいけないよ?」
その持ち物まで奪うつもりもなかった。自分が持っていても仕方がなく、捨てるには偲びないから、本人に返す、というだけの話。
そのまま深呼吸をして、彼女が受け取るかなにかしたなら、身を翻して先導する。
「いいかい。これから出会う方に粗相はしないように……だまって私の言うことを聞いていればいいから」
「ではいこう、フィーナ。きみにとっても重要なことだ」
そうして。連れて行くのは廊下の向こう。豪奢の絨毯を踏んで歩いて、屋敷の奥へ。
「失礼します」と入室した先には、書斎でもなく、飾りも少ないホールに、即席の机が用意してあった。
そこに座しているのは初老の男だ。屈強な肉体を華美なベストに押し込んだいかにも騎士出身の装い。
ぎろりと睨みつけたのはフィーナ……娘の仇のこと。
『ご苦労だったねヘルガ。 …そしてようこそ、フィーナ君。こうして話をするのは初めてだな』
苦々しい顔と声で、男はそう切り出した。
背後に控えるフィーナには、ヘルガの体が再びの緊張にこわばっているのが見て取れよう。
■フィーナ > 「……うん、わかったよ」
何時の頃からか、私の首に巻かれていたもの。
一体何時からだっけ。ーー思い出せない。
手渡された、チョーカーを見つめる紅色にはチクリとした違和感に眉を顰めた。
思い出さなきゃいけないはずなのに、思い出せない。
ヘルガに対する心酔がフィーナの心を深く閉ざしていた。
蛇が這ったような痣を持つ右腕の手首にそれを巻き付けば、不慣れな足取りで、彼女を逐った。
「心配することはないよ。アタシは、フィーナの言うこと、ちゃんと聞くから」
彼女の気持ちを後押しするように、迷いなくフィーナは答える。
なれない衣装に擽ったさを感じながら、覚束ない足取りで辿り着いたそこは、やはり今までとは無縁のような場所だった。
女性としてこういう場に立つことが初めてだったフィーナには何もかもが新鮮で。
当然、睨みつけてくる初老のことすらフィーナは知らない。
暗殺者であることは今の彼女にとってはただの過去で、そもそも暗殺の対象の親なんて、そもそも眼中にもないことだった。
ヘルガの背中が強張った様に見えたフィーナは迷いなく、ヘルガの背中に触れる。
「どうしたの?」と様子を窺うその仕草には、男なんて眼中にはない。
フィーナの世界に見えているのはヘルガ一人だった。
ーーもし、ヘルガを脅かすのなら。
そんな誤解が生まれれば、殺すことに卓越したフィーナは直ぐ様抜かれた牙を生やし、襲いかねないだろう。
その真偽を程を確かめるフィーナの視線はどこか値踏みをする様で。
■ヘルガ > 目配せがあった。男とヘルガの間に。
そして深呼吸を再三する。手のひらをすぅと上げて、フィーナと男の間に、いまにも噛みつかんばかりの姿を戒めるように。
「そういう風に見るんじゃない、失礼だよ」
「……いいかい?『きみは、あの方に危害を加えてはいけないし、あの方の命令にも背いてはいけない』んだ」
細めた瞳で横目に見ながら、そう告げたのは、嵌められた首輪に対する命令でもあった。
それは事実上、フィーナという存在の所有権を目の前の男に明け渡す宣言であったことに、果たして気づけただろうか。
どこまでも自分に心酔してくれる姿に、若干うそ寒いものを感じながらも、…そう告げると、
ヘルガはフィーナの後ろに回る。フィーナは男とまっすぐ向き合うことになるだろう。
そして背後から優しく両手をフィーナの肩に置いてやるのだ。恋人にするように。
「いまからご覧に入れますので」
と告げたのは、フィーナにではなく男に対して。男は渋面で頷いた。
そして行動はフィーナに移した。
背後から、指先で、スカートから覗く太ももの裏側に指を這わせる。
舐めるように、剣を振り慣れた指先が、褐色の肌の上を辿って踊る。
焦らすように触れた後、スカートのなかに白い手が消える。
「……きみは楽にしていていいからね」
と、フィーナの耳元に甘い吐息を吹きかけた。若干緊張にふるえていたが。
そのままスカートをたくし上げ、下着に包まれた臀部を露出させてやりながら、臀肉を、その割れ目をたどり、秘部を。
布越しに触れ始める。――男の目の前で。
■フィーナ > 「でも……あの人、ヘルガのこと……ぇ……ッ」
「ーー……うん、わかりました、ヘルガ様」
頭の中の認識かが書き換えられていく。
首輪から中枢神経を辿い、フィーナが疑問を抱く前に、それは消えてしまった。
所有権が渡っていることに気づかないまま、フィーナは恨めしげに浮かべていた表情を正し、屈託のない笑みを浮かべる。
もっと幼いその笑顔を彷彿とさせるその表情は、男の気持ちを知った様子ではなかった。
罪悪感の欠片も見受けられない、幸せそうな様相で。
「ン……ぁ、ヘルガ……こんな、ところ、で……んぅッ♥」
艶の篭った声が漏れる。
他人の前という羞恥が働いたのか、彼女を一瞬咎めようとする声を上げるものの、それは直ぐにでも嬌声に変わった。
張りのいい褐色の腿を辿る少し硬い指先の心地に薄っすらと戦慄いて、身悶えする。
「ァ、は……はぁ…♥ うん、わかった……ァ、ぅッ♥」
擽ったい囁きに頷いて、ヘルガの身体へ背中を預ける。
羞恥と緊張の解れた声色は、散々愛しあった媚びた声。
見知らぬ男の前でさえ、与えられる快楽に震え、彼女のなぞる指先に湿りを覚えさせるのは、
快楽に堕ちたメスでしかない。
■ヘルガ > 「だいじょうぶだよ。…昨日のように、気持ちよくなってくれればいい……ね?」
僅かな抵抗も、そんな言葉の後押しもなく崩れ落ちるのを見て、微笑んだ。
それは安堵の色。うまくいった、と打算的に考える色だ。
この有様を見て、この自分より年上の少女が普通ではないことを確信し……
……罪悪感が薄れた。指は大胆に脚の間に入り込む。
「……もう濡れている。触ってすぐに湿らせるなんて、本当にだらしのない娘だね、フィーナは…?」
キスは、しない。ただ指で触れるだけ。
それでも弱い部分を知り尽くした指先は、立ったままの、自分にしなだれかかる女性の中心を擽る。
次第、指先は布越しでとどまらず、クロッチ部分を横にずらして直に触れさせた。
硬くなった細指の先が、かすめるように秘核を、割れ目をたどっていく。
そして若干、急くように、湿りを湛えだした内部へと、指を二本、押し込んだ。
「いいこだ。…言う通りにしていれば、こういうご褒美をちゃんともらえる」
「だからきちんといい子に、これからも役目を果たせるね…?」
愛を囁くようで、確認を繰り返しながら。
未だ緊張の色は強く、興奮も少ない。ヘルガのズボンの中も、熱を帯びることはなかった。
リズミカルに指を出し入れし、悶える彼女の体を、膝からくずれさせないよう、腹に腕を回して抱きしめてやりながら。
まずは、それだけで。一度法悦に昇らせてやろうと、上質な床に蜜を散らしながら、奥底へと細指で穿つ。