2023/04/22 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からアイカさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にシアンさんが現れました。
シアン > 「あ゛ーーー……」

露天風呂。
街中の雑踏が僅かに聞こえ、隣の仕切りから艶めかしい声が聞こえてくる中――
湯船に体躯を沈めた傍からおっさん臭い吐息と声とを割と大音量で発する男が一人。

「あ゛ーーー……!」

隣接している女湯だか薬湯だかでお楽しみされていた誰かの声がぴたりと止まる。
声が出たり止まったりも気にした素振りなく、
熱湯によく浸してよーく絞ったタオルで顔を拭いてはまた大音量で疲労の声が上がる。
いや、多少は悪い気もするにはするが配慮できるほど気にしていられない。
行商の護衛に付いたと思ったら雷雨に遭うわ盗賊に追っ掛けられるわ車輪が壊れるわ、
お陰様で期日に間に合わせるために昨日から寝ずに一晩駆ける羽目になったのだ。
そら、疲れる。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からシアンさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にリーベンさんが現れました。
リーベン > ある夕方のこと。
大浴場の扉が開き大柄な男が入ってきた。
口をへの字に曲げて、ぎょろりと周囲を見渡す。あまり人はいないようだ。少し唇の端が歪む。

男は湯を頭からかぶり、身体を洗ってから浴槽に身を沈める。
地の底から響くような声が漏れた。ゆっくりと息を吸い、吐く。

「王都に来たらここに来ねぇとなぁ」

男が塒とする魔導機械には寝台しかない。人と接触する時間が少ない稼業であるとはいえ、身綺麗にしたくはあった。
何より娼館で汗くさい男は好まれない。今夜はどこに行こうかと考えているうちに頬が緩む。
傍から見るとなにやら恐ろしいことを考えているようだ。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からリーベンさんが去りました。