2023/04/16 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 王都マグメールの平民地区に存在する老舗の旅籠。
その名物は宿の名前の由来にもなっている、遠く九頭龍山脈から
魔導機械を用いてはるばる汲み上げているという温泉である。
宿泊客は勿論、日帰りの入浴客にも解放されている温泉は、
日々の疲れを癒そうとする人々に好評を博している。
「ふぅ、……いい湯だなぁ、っとくらぁ」
そんな宿名物の露天風呂に浸かるのは中年の冒険者。
少々音程の外れた感のある鼻歌を口ずさみながら透明な湯に
肩までを沈め、両手両足をだらしなく水中にて伸ばし切る。
ごつごつとした岩で作り上げられた混浴の露天風呂には、
彼以外の客の姿が見えず、事実上の貸切状態を存分に堪能していた。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「──ウボァー……」
日の高い時間帯。
太陽の下、奇妙な声を漏らしながら露天風呂で湯に身を浸して寛いでいる金髪の男が一人。
湯船の縁の岩に背を預け、濡れて張り付いた前髪をかき揚げざま、頭に載せたタオルを手に取り
軽く顔を拭っては、ぷぅ、と息を吐き出し。
「……うむっ、今日もいい湯だなと関心顔になる。ここの風呂のクオリティの安定感は圧倒的にさすがって感じですなあ……」
ハッハッハ、と何が楽しいのか笑い声を上げながら、タオルを頭に載せ直し。
そのまま湯を堪能しながら、やがて音程の外れた鼻歌なんかも響かせ始める。
そんな男の近くでは、なにやら小さな物体がプカプカと浮かび、湯面が波打つのに合わせて揺れている。
それは銀色のボディに赤いつぶらな瞳の、アヒルのおもちゃだった。目的は不明だが、男が持ち込んだものようで。
陽光を照り返すそのアヒルに時々ちらりと視線をやりつつ、男はのんびりと湯を楽しみ続けていて。
なおこの露天風呂は混浴だが、男が入って程ない頃にスタッフの策略(イタズラ)により入り口のみ女風呂と偽装されており、
そうと知らぬままうっかり入ってきてしまう女性客なども現れるかもしれない。
■エレイ > そうして充分に湯を堪能し終えれば、男はアヒルを回収して湯から上がり、ふらりと場を後に──。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からエレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にガウムさんが現れました。
■ガウム > 美しく輝く満月が照らす水浴び場。
静かな虫の鳴き声、風に揺れる草木、程よい夜風、すべてが整い完璧な空間を作り上げていた。
ここは天然の温泉が沸き上がり、旅帰りの旅人や訓練終わりの兵士達の癒しの場となっていた。
簡単な脱衣所とある程度の柵があるだけで、変な気を持ちながら来店せずに気軽に浸かることができる。それもまた、リラックスさせるための工夫かもしれない。
しかし、今日の客人は旅人でも、兵士でも、ましてや″人″でもなかった…
「アァ…気持チガイイ…」
派手な水しぶきと波音を立てる大男がその温泉に浸かっており、全身を温めていた。
足を延ばしても、関節を曲げなければ半身浴もできないほど大きいその男。
褐色の肌に、山脈のように隆起する筋肉、そして、目立つのは黄色い瞳に猛々しい二本の角。
男の名は「ガウム」魔族の村に住んでいる鬼である。
狩りの帰り、疲れた体を癒すべく大木の上で監視しながら人の流れを見て、隙をついて入浴していたのだ。
ガウムの村での人魔共存の精神はこちらでは通用しないだろうと考え、怯えさせないための工夫として無人を狙ったのだ。
「ハァ…酒ト肉アレバ、最高ダッタナ…。」
大きなため息は心地よさと物足りなさの証拠。
自分の住む洞窟にある酒と干し肉、狩ったばかりの動物肉では味わえない味を恋しく考えながら、湯煙と夜空の星を眺めて過ごし続けている。