2023/03/22 のログ
クレイ >  
 しばらくそんな不思議な風呂を楽しんだ後。彼はこの風呂を後にする。
 曰く、普通に湯につかった方が俺は好きだなとの事であった。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からクレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「~♪」

ピーヒョロロと下手っぴな口笛を吹きながら、館内の廊下を一人のんびりと歩く浴衣姿の金髪の男が一人。
着込んだ浴衣は客室に備え付けのものであるが、男の着こなしは何故か妙に様になっていた。

それはそれとして、男は現在旅籠内を探検という名の散歩中である。
この旅籠は知らないうちに道が変わっていたり施設や仕掛けが増えていたりするので
男にとっては適当に歩き回るだけでもなかなかいい暇潰しになるものだった。
知り合いの従業員に聞いたところによると、その妙な特性のおかげで主に女性が迷ってしまう確率が高いらしいが……。

それはさておき、男は途中でふと足を止める。
現在のロケーションは客室の並ぶなんでもない廊下だが、そのうちの一室の扉が薄く開いているのを見つけたからだ。

ふむ、と少し思案した後、男はおもむろにそこに近づき、

「……おじゃましますよ、っと……」

小声で声をかけながら、中に半身滑り込ませてこそりと室内を覗いてみる。

誰かいるのか、それとも単なる空き部屋だったりするのか。
いるとすれば自分と同じ宿泊客か、あるいは作業中の従業員かもしれない。
もちろんいるのが一人だけ、とも限らないが──ともかくささやかな期待に軽くウキウキしながら
覗き込んだ男の視界には、果たして何が飛び込んできたのか……。