2022/12/25 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──ぶえぇ~い……」

日の高い時間帯。
太陽の下、変な声を漏らしながら露天風呂で湯に身を浸して寛いでいる金髪の男が一人。

湯船の縁の岩に背を預け、濡れて張り付いた前髪をかき揚げざま、頭に載せたタオルを手に取り
軽く顔を拭っては、ぷぅ、と息を吐き出し。

「……うむ、今日もいい湯だなと関心顔になる。ここの風呂のクオリティの安定感は圧倒的にさすがって感じですなあ……」

ハッハッハ、と何が楽しいのか笑い声を上げながら、タオルを頭に載せ直し。
そのまま湯を堪能しながら、やがて音程の外れた鼻歌なんかも響かせ始める。

そんな男の近くでは、なにやら小さな物体がプカプカと浮かび、湯面が波打つのに合わせて揺れている。
それは銀色のボディに赤いつぶらな瞳の、アヒルのおもちゃだった。目的は不明だが、男が持ち込んだものようで。
陽光を照り返すそのアヒルに時々ちらりと視線をやりつつ、男はのんびりと湯を楽しみ続けていて。

エレイ > そうして充分に湯を堪能し終え、男はアヒルを回収すると湯から上がって場を後に──
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からエレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にテンドンさんが現れました。
テンドン > 夜の九頭龍の水浴び場。
旅館ではなく、露天風呂領域。
ひた、と、湯煙の漂う空間にへと踏み入れる脚が在る。
氾濫する湯泉と寒々しい風に冷えついて結露した敷石の床面を踏んだ足裏に。
水溜まりがしだかれてぴしゃんと音を立てる。

「はい、右よーし」

右を指さして振り向き。

「はい、左よーし」

左を指さして振り向く。

テンドン > 「お客さんの姿はなーし」

そして最後に正面に見える露天風呂の人気の無さに振り向いて確認。
にしし!満面のスマイルで極軽くその場で柔軟の前準備運動。

「よし、っっとっっ!!!」

正面に改めて振り向き直った所でいきなり足場を蹴り付けて走り出す!
あっという間に前傾がちの風を流す流線スタイルの疾走によってトップスピードに到達。
そのままエリマキトカゲさながらの勢いで後一歩で湯面にへと踏み出そうとする寸前で。

「とぅっ!!!」

思い切り床石を蹴り付けて前にへとジャーンプ!
そして空中で身を丸め!鼻を指で摘まんで口を閉じる!

テンドン > ざぶーーーーん!!!

瞬間に露天風呂に凄まじい水柱、否、湯柱が立ち昇った。
人一人分の重量の着弾の激しさに持ち上がった高波は湯飛沫を周囲にへと撒き散らし。
多重の波紋は一気に湯水を縁石にまで寄せて尚も乗り上がり。
ざばーんっともし津波が起きたら一体どうなるかのミニチュア版を呈する。
瞬間に天まで掴まんばかりだった飛沫は雨となってほんの数瞬降り注ぎ。
その力のベクトルもやがては凪いで静かになって行く。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」にクレイさんが現れました。
テンドン > ooo00000o000

ぶくぶくぶく、立ち昇る水泡は前触れ。

「ぷはっ!!!」

そして直後にその湯面を割って顔が覗いた。
お湯場に入る前に解いた前髪がべったり海藻みたいに額に張り付き顔まで覆い隠して古典的な幽霊みたいだ。
潜水した束の間から直ぐに浮上。

「わはははー、人が居ないからこそできる遊びー」

着弾した中央地点でぱっかり大口を開けて笑いながら。
海月の触手みたいに揺蕩う長い銀髪を這わせながら縁の方に移動。

クレイ >  
 丁度出できたタイミングでガラガラと音がする。人が入ってきたのだろう。

「あん? なんだ誰か入ってんのか」

 声だけは聞こえたのでそう言いながら気にせず歩いてくる。この宿は元々こういう宿だ。そこで見られて恥ずかしいとか見たくないとか言われてもこちらは知らないというスタンスであった。
 煙が晴れれば。一瞬思い出すようにして。

「……ああ、あの時の芋娘か。久しぶりだな」

 意外過ぎる場所で出会ったとばかりにようと挨拶。前は服の上体から見えなかっただろうが、暴力的なまでに鍛え上げられた肉体や全身の傷を隠そうともせず。
 そのままザブザブお湯に入り肩までつかる。

「お前も仕事終わりって感じか? 俺もそうなんだよ。つい今朝戦場帰りでな。多めに金入ったから。ちょっと贅沢でここにな?」

 と笑う。

テンドン > 「んお?」

縁石に寄り掛かる頃合いに聞こえて来た声に振り返る。
張り付いている前髪を指で解いてかき分け。

「やぁやぁ、こんばんはー、お久し振りさんだねえ。ボクはお仕事終了で寛ぎでーす。そっちもお仕事お疲れさまー、世には争いは尽きまじって事だー、食いっぱぐれなくて喜ぶべきか、そうではないのか、悩むところ!」

湯に浸かりながら機嫌よくふんふんハミングを口ずさみつつ手を振る。

クレイ > 「まったくだ、仮に戦争無くなっちまったら……まぁ冒険者にでもなって普通の仕事するか。教師業を専門にするかだな」

 そもそも戦争が無ければ教師としての仕事もないのだが。まぁ剣の訓練とかは出来るだろう。
 お湯に入って体をグーッと伸ばす。

「てか、お前もお疲れ様だな。このクッソ寒い中走り回るとか。お前の場合装備増やしたら走りにくくなるだろうし」

 走る仕事となると装備も限られる。相当大変だっただろと笑う。

「肩でも揉んでやろうか。ほれほれ」

 と冗談めかして言いながら手を動かして空気を揉むように。そもそも走る仕事なのに肩とはという話だ。

テンドン > 「うわあ!セクハラおやじの手つき!!!他の所まで揉んで済し崩しにそういう展開に持ち込む気だ!えっち!すけべ!!死刑!!!」

ばばっと我が身を掻き抱いてざざざざ!湯飛沫と波をもってその場を離れる大袈裟なリアクションつき。
でも、直ぐにゆるっと表情はほころんで笑う。

「需要在るからこその供給ダネ!そういう人の営みのあるところではボクの仕事の口も在るから正直言うと有難いトコロ、まあお兄さんの言うようにさっぶい中駆け回ってるからね、だからこういう湯治は身に染みるよねえ」

ほかほかという顔で両脚を伸ばして寛ぎ体勢。じゃぷっと湯水を手で掬って顔を洗いつつ。

「そういえば、教師って具体的に何を教えてるんだろ。傭兵さんでしょ?剣の師事とか?文武両道の武!」

クレイ >  
「アッハハ! バレたか。なんてな、その気ねぇ相手を襲うかよ。こっちの気分が悪くなるわ」

 と相手のリアクションにアッハハと笑って返す。おおよそ予想通りの反応ではあった。
 何もする気はねぇよと見せる意味も込めて両手を出して風呂の端に肘置きの様に置いた。

「ホントにな。冷えた体に湯がしみるわ……ま、お互い生活がある限りは需要がある仕事だからな。体壊さねぇようにがんばろうや」

 と軽い様子で手をヒラヒラと振るう。
 教師の事を聞かれれば首を傾げて。

「え、殺し方」

 サラッと言い放つ。

「比喩じゃねぇぞ。戦場でどうすれば生き残れるか。どうすれば効率的に勝てるか。つまり殺せるか。それを教える授業だ。騎士とか冒険者とかの生徒が多い学校だからな」

 こういう授業の需要があるのよと。肩をすくめる。

テンドン > 「その、襲う、っていう単語が出て来る時点でもうヤバいとボクは思うんだよね。日頃の積み重ねダゾお兄さん。滅びよ煩悩、と、ノーシス主教も仰っておいでです。喰らえ聖水攻撃っ!」

手の形を湯と内外の境目で複雑に噛み合わせて作り、それを握り圧搾する事によって内圧でためた湯水を飛ばす所謂水鉄砲。
ぴゅっと敢えて作った隙間から放物線を描く。

「風邪でも引いてそのまま年越しだなんて厭だもんねー、養生養生、無理しない。お兄さんはそのままポックリ行ったらあの世で殺した相手から恨み言の雨あられー」

そしてほどいてその手の形をうらめしやの旧いゴーストのポージングにへとかえる。片目に前髪がかかって幽霊ムード。

「わあ。戦術教官でしたか…でも、それって学院の在住生にもそういう戦の場に出て来るような生徒がいるってこと?何だかボク、あの学院ってお金持ちの子達しか入れなくて…そんでお金持ちっていうと現場じゃなくて、遠くから指揮官やってそうな偏見あったなあ。そういう指揮系統を含めて教えてるのかなー」

クレイ >  
「そりゃ現場が現場だしゃねバブッ」

 話している最中にお湯が飛んできて話が途中で止まる。
 ニヤリと笑って。

「無理をしないならこういう事はしないべきだなおらおかえしだ」

 バシャバシャとお湯をかけ始める。お返しというには少し派手だが。
 しばらくかけてるとがそれを止めて。

「俺の教えてる場所はいろんな境遇の奴がいるぞ。まぁ金は要るから難しい奴は難しいが……普通に兵士とか冒険者って奴も大勢いるような学校だ」

 金持ちだけじゃねぇよと言いながら再び端にもたれかかる。

「それに指揮官だからってそういう知識があって損するわけじゃないからよ……血筋だけで指揮官になるアホもたまにいるけど。前の事だが、俺そういうタイプの指揮官を縛って国に連れて帰ったら殺されかけたわ」

 つまりは貴族を縛り上げて国に引っ張ってきたという事だ。
 むしろ生きているのが不思議なレベルだろう。

「なんだ、入りてぇのか学校」

 と首を傾げてそちらを見る。

テンドン > 「ほぎゃあ!!!大人の腕でやり返すなんて卑怯じゃないだろうか!!圧倒的に水量が違う…!降参降参!!!あぶぶぶっ!」

迸る湯水を浴びて後退し、ぶるぶるっと犬みたいに頭を左右に振って染み付いた飛沫を周囲に飛ばす。
両手を掲げて見得ざる白旗を振りながら。

「ふーん、奨学金?ってヤツだっけ、そうゆうの出るのかな。そういう確りした場所の教育自体がボクには雲上の出来事だし、よくわかんなかったけれども、そうなんだねえ。専門職の師事をちゃんと受けた方が実入りもいいのかなあ」

ぎゅーっとお湯を浴びてびしゃびしゃに濡れた銀髪の一部を手で搾って水を落としつつ。

「ボクは別に。入って何か得があるならいいけれども。勉強をする意味があるのは勉強をしたーい!!って子達なんじゃないかなあ…ボクはそんなに困ってないので。お兄さんも、そういう学校を出たクチ?」

クレイ >  
「しらねぇなぁ。俺達の世界じゃ大人だろうが子供だろうが勝者だけが真実だ」

 ハハハと笑う。
 白旗代わりの手にニヤリと笑い返す。
 奨学金に関しては頭をひねって。

「どうなんだろうな。明らかに不釣り合いだろって生徒がいたりもするし……まぁ噂じゃ先生とか貴族相手に自分を売って通ってるって話もあるが」

 直接そういう相手を見た事はねぇからなと。
 まぁこの国だし無い訳がないとは思っていた。
 学校を出ないので困ってないと言えば少しだけ驚いた顔。

「へぇ、意外だな。俺がお前くらい時には行ってみたかったものだが。ガキってそういうもんだと思ってたわ」

 そりゃ意外だと答えて。
 少しだけ笑う。

「残念ながら俺は学校の出じゃねぇよ。10歳までは貧民街で喧嘩暮らし。傭兵に喧嘩売って返り討ちにあって。戦場に出たのが11.それからは宿より戦場にいる方が長い日々さ。だからさっきの襲う発言もだが、たぶんお前の思ってる常識と俺の常識ってのはかなり違うと思うぜ?」

 とケラケラと笑って言い切る。

テンドン > 「うーん、やっぱり。今聞いたエピソードからして、何処かの名のある誰かさんって感じでもないもんね。ずっと現場で頑張ってる叩き上げってヤツなんだ。戦術を学問系統化して教えられるぐらいって事は、その道極めてますねお兄さん傭兵隊の隊長さんでもやってたのカナ」

得心いった!!という面持ちでこくんとうなずいたその後に、ざば、と、湯を乱してそこから体を上げる。

「生きていくのに精いっぱいな訳なのです。もっと生活と心にゆとりが出来たら考えよっかな。その時にもしもお会いすることあらばご教授の程をお願いしまーす☆彡という訳でボクはもう上がるね、お兄さんも、お湯に浸かり過ぎてのぼせないように気を付けて、またねー」

そして笑顔で手を振りながらてくてくと敷石の上を歩き出し。
脱衣場にへと向かっていくのでありました。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からテンドンさんが去りました。
クレイ > 「そういうのをやる時もたしかにあるな。面倒だから他人に丸投げするけど」

 隊長って面倒なのよと言って。
 相手が出る素振りを見せれば片手をあげて見せて。

「おう、お前の運び先に戦場が加わるようなら面倒みてやるよ。後、のぼせるほどははいらねぇよ」

 そう言って彼女を見送る。
 彼女へ話した通りしばらくすればお湯から上がって部屋へと向かう事だろう。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からクレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にアイカさんが現れました。
アイカ > 久々の温泉。
脱衣場で踊り子の服と身に纏っていたローブ、そしてブレスレット類を外し、
今は湯気立ち上る中で内湯の湯船に肩まで浸かっている。

「ふぅ……」

仕事帰りなので汗を流す為に訪れたのだが、それにしても一人は少々味気ない。
今日は仕方ないにしても、そのうち誰かを伴って訪れるのも良いかもなぁ、と思うのだった。

ちゃぷ、と身動ぎすると湯面が跳ねる。
白い肌、そして豊満な胸元。すらりと伸びたしなやかな足を遠慮なく伸ばして、ゆっくりと頭を後方に傾け天井を見上げた。