2021/06/20 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にプリシアさんが現れました。
■プリシア > こうした場所に居る時は大概お友達と連れ立ってやって来る事が多い。
今日も又、こんな場所に居るのはお友達に誘われて朝早くのお風呂を入る為であった。
お風呂と云えば家に在るお風呂しか経験が無く。
温泉の話題が挙がった時に興味を持った処、其れならと何人かのお友達との朝風呂と為ったのだ。
此の時間帯為らば人はそう居ないだろう。
翼や尻尾の目立つ自分でも楽しめるんじゃないかと、ちょっとしたお友達の気遣いも在ったのだが。
因みに、当然だが女友達と、である。
其れなりの人数を想定しての脱衣所は学院のプールを連想させるか。
家族としか入った事のないお風呂に家族以外と入る楽しみも在り、ちょっとはしゃぎ気味に。
みんながお気に入りのお風呂に入っている中、自分は色んなお風呂に入ってみたいと点々と回っている状況だ。
「えっと…これは、何のお風呂かな…
色が付いてて、ちょっと綺麗、なの」
冷たいお風呂、温かったりちょっと熱かったり。
かと思えば一人入るスペースしか無い小ぢんまりとしたものや、泡の立った不思議なお風呂も。
そんな色んな変化を楽しんでいた処、次に目に入ったのが此のお風呂だった。
無色透明の印象が強いお風呂に色が付いている。
身体に良い薬草風呂なのか、他の成分が在るのかは解らない。
其れでも変わったお風呂には違い無く、興味が向くのは当然の事で。
身体を隠す一枚のタオルを丁寧に畳んで頭の上に。
チャプンと音を立てて足の爪先からゆっくりと入って行く。
温度はそう熱くない、肩まで確りと浸かれば屋内でない外の見える景色を眺め寛いでいた。
心地良いお風呂か、見える翼は小さく揺れている。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 肩に手拭いを掛けて、全裸姿を隠す事もなく堂々と温泉に足を踏み入れる中年男。
左頬の深い傷跡の他に身体のあちこちには切り傷や刺し傷、火傷の跡など、
大小さまざまな傷跡が至る所に残されて、彼が真っ当な市民ではない事が窺い知れる。
そんな男が悪評高き旅籠を訪れた目的は、疲労回復の為に温泉に浸かる為がまず一つ。
そして、当然、旅籠の噂を把握していれば、同時に下半身の慰労をも兼ね備えている。
「さて、……ひとっ風呂、愉しませてもらうとすっかな」
脱衣場から湯気の立つ風呂場に足を踏み入れると、最初は当然、男湯女湯に別れており、
多種多様の趣きの風呂を巡る内に、次第に男女の垣根が取り払われて、混浴に至る。
壁越しにきゃっきゃっと若い声が漏れる女湯の様子にほくそ笑みながら、
男湯を素通りして、足が向かうのは、勿論、男女兼用の混浴風呂。
悪しき噂の通りに、男女がまぐわう気分にする為の媚薬が仕込まれた風呂へと一目散に向かう。
湯煙の中、目指す目的地に先客の影が覗けば、頬肉がだらしなく歪み、だが、
「お邪魔するぜ。……って、ん、お嬢ちゃん、独り、か?」
その風呂に浸かるのが想定よりも幼き少女であれば、眉根を寄せながら若干肩を落とす。
湯へと足を滑り込ませ、縁に腰掛けながら、周囲の様子を探るように視線を這わし。
■プリシア > 自分もお友達も、当然此処の噂を知る事は無い。
純粋にお友達と楽しむ為にやって来ていた。
色んなお風呂を巡っていれば、当然だが男湯女湯の隔たりに気付かぬ内に此処に来ていたらしく。
湯船の中に寛いでいた中、掛かる声に其方へと顔を向ける。
其の表情が不思議そうなものなのは、其の相手が男性だったからだ。
其れでも声を上げたりしなかった処をみると、そうした部分の欠けている事が判断出来るか。
「あれ、おじさん?
ううん、プリシア、お友達と一緒。
プリシアね、おんせん、初めてだから、色々入ってるの」
不思議そうな顔をしていると云っても僅かな間だけで。
ニコッと気を取り直した様に笑顔を見せれば、縁に腰掛ける男性を見上げる。
男性の身体自体にも傷痕にも、驚いたりはしていない。
そうしたものはお店に来る冒険者にも偶に居て、其れを見掛けているからだった。
逆に其れを気にし過ぎるのが相手にとっても良い事じゃないのを理解しているのだ。
因みに湯船に浸かり平然としているのは、まだ入ったばかりだからだろう。
■トーラス > 男の裸身を見ても、恥ずかしがる事もせず、物怖じもしない、見た目通りの幼い童女。
彼女の返答を耳にすれば、肩を竦めて嘆息めいた吐息を漏らす。
流石に相手の年齢で此の場所がどのような場所なのかを正確に把握していたとは考えられず、
せめて、母親や姉妹などの保護者同伴でないかという淡い期待も打ち砕かれてしまった模様。
「プリシアちゃんって言うのか、おじさんはトーラスってんだ。
さっき、女湯の方で愉しそうにしてたのが、お友達、かな?
ちなみにお友達はプリシアちゃんよりもお姉さんだったり、何なら先生も一緒に、……来てたりしないよな?」
湯の中に身体を浸からせずに、足のみを浸からせているのは、その成分の影響を避ける為。
嘘か誠かは定かではないが、旅籠の主人が上級淫魔から仕入れたとされる媚薬が温泉に含まれており、
随分と強力な効能は男女問わずに無差別に反応を示す事があるという。
万が一の事を考えて湯殿の縁に腰掛けて足湯のみに留める恰好は大人の逸物を惜し気もなく彼女に晒し。
往生際の悪い問い掛けを投げ掛けながら改めて少女の姿を視界に収めるも、
色のついた湯の中では、精々が貌から肩までか、或いは、背中の翼も見て取る事ができる位か。
「へぇ、……プリシアちゃん、その背中のは?」
双眸を細め、黒鱗の翼を捉えると、警戒心を抱かせぬように口端を綻ばせながら問うて。
■プリシア > 彼が何を考えているのかは解らない。
だからか、何処か落胆した様子に小首を傾げる。
「うん、プリシアは、プリシアって云うの。
えっと、トーラスおじさん、覚えたの。
おんなゆ?えっとね、みんなは、あっちに居たと思うよ?
それでねそれでね、お友達、同じくらいなの。
うーんと、でもね、先生はいないよ?」
普通に考えれば、そんな事を知らない相手に教える様な事では無いのだけれども。
素直に其れを答えてしまうのは性格故か。
此の湯船が男性の思う様な成分が在る為らば、屹度そうなのだろう。
其の効果が中々現れていないのは、竜の特性から耐性が在るからなのだが…
其れでも、其れは完璧なものではない。
「えっとね、これ、翼なの。
ちゃんと、動くんだよ?」
そんな他愛も無い言葉を交わす中で向けられる質問。
其れさえも確りと答えれば、其れを示す様に背を向けて、パタパタと小さく翼を羽ばたかせる。
そうして会話を続ければ続けるだけ、効き難くとも温泉の成分はゆっくりと現れる。
微温湯の筈の此の湯船で、ちょっと暑そうに小さく手で扇いでいるからだ。
■トーラス > 「はぁ、そうかそうか。
お友達だけで、こんな場所に遊びに来たんだね。えらいなぁ」
縋る気持ちでの問い掛けも木っ端微塵に砕け散ると些か活気の欠けた笑い声が滲み出る。
生憎とこの温泉に滞在するのは彼女と同年代の童女達だけであるらしい。
男湯を通り抜ける際に壁越しに聞こえた女の声に期待を膨らませた
淡い中年の純情を踏み躙られて小首を傾げる少女の前で大仰に肩を落とす。
だが、少女の背中に作り物ではない翼の存在を認め、それが羽搏く様子に頬が緩む。
「ちゃんと動くんだ、そいつは凄いね。
プリシアちゃんは、……若しかして、ドラゴンと関係があるのかな?」
自分の知っている代物とは随分と異なるものの、彼女の背に生える黒鱗の翼には見覚えがある。
かつての冒険の果て、討伐した最強の魔物が背中に生やした物に酷似したもの。
流石に人間サイズに縮小化している為に、安易に同一と結論付けるには至らぬが、
好奇心と警戒心を抱きながらも、何気ない素振りで問い掛ける。
そして、その慎重さとは裏腹に、彼女が肌を扇ぐ仕草を見せれば、
湯当たりなのか、媚薬の効能なのか、と思考を凝らし。
その判断を下す為に、悪戯な発想に思い至ると、口角を吊り上げて、
腰を浮かせて湯殿の縁を滑り、そっと距離を縮めると湯の中の足を伸ばして、
その指先を少女の膝辺りに触れさせると太腿の上を滑り、肌の上を擦り上げていき。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からプリシアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にエレイさんが現れました。
■エレイ > まだ日の高い時間帯。
太陽の下、変な声を漏らしながら露天風呂で湯に身を浸して寛いでいる金髪の男が一人。
湯船の縁の岩に背を預け、濡れて張り付いた前髪をかき揚げざま、頭に載せたタオルを手に取り
軽く顔を拭っては、ぷぅ、と息を吐き出し。
「……うむ、今日もいい湯だなと関心顔になる。ここの風呂のクオリティの安定感は圧倒的にさすがって感じですなあ……」
ハッハッハ、と何が楽しいのか笑い声を上げながら、タオルを頭に載せ直し。
そのまま湯を堪能しながら、やがて音程の外れた鼻歌なんかも響かせ始める。
そんな男の近くでは、なにやら小さな物体がプカプカと浮かび、湯面が波打つのに合わせて揺れている。
それは銀色のボディに赤いつぶらな瞳の、アヒルのおもちゃだった。目的は不明だが、男が持ち込んだものようで。
陽光を照り返すそのアヒルに時々ちらりと視線をやりつつ、男はのんびりと湯を楽しみ続けていて。
■エレイ > そうして充分に湯を楽しみ、アヒルを回収して場を後に。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からエレイさんが去りました。