2021/05/05 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「~♪」
夜。
ピーヒョロロと下手っぴな口笛を吹きながら、館内の廊下を一人のんびりと歩く浴衣姿の金髪の男が一人。
着込んだ浴衣は客室に備え付けのものであるが、男の着こなしは何故か妙に様になっていた。
それはそれとして、男は現在旅籠内を探検という名の散歩中である。
この旅籠は知らないうちに道が変わっていたり施設や仕掛けが増えていたりするので
男にとっては適当に歩き回るだけでもなかなかいい暇潰しになるものだった。
知り合いの従業員に聞いたところによると、その妙な特性のおかげで主に女性が迷ってしまう確率が高いらしいが……。
それはさておき、やがてT字路に差し掛かると、男は一旦足を止めて。
「──さて……どっちに行くべきですかねぇ」
右か左か。
廊下の中央で仁王立ちしながら、男は顎に手を当てうぬぅ、と唸りながら思案し始め。
「んんーむ……よし右だな、右へ行くべきと俺の中の何かが囁いている──おおっと!」
しばらく悩んだ後、男はおもむろに右側の通路へと踏み出し──その途端に、
ちょうど通りかかった誰かと出くわし、思わず足を止めて上肢をのけぞらせた。
■エレイ > 出くわしたのは男好みのスタイルの女性客。まずは軽く謝罪をしてから話を弾ませ、
体よく部屋に誘うことに成功すればニンマリと笑いながら腰に手を回し、共に連れ立って廊下を後にして──
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からエレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にシシィさんが現れました。
■シシィ > けぶる湯気の中、ぼんやりと浮かび上がるのは柔らかな稜線を描く女のシルエット。
老舗旅籠の、地下の浴場の一つ。ごつごつとした岩肌をそのままくりぬいて洞窟に見立てた少し小さめの浴場。
注がれ、そして流れてゆく湯の音が響く中、結い上げた髪の水気を拭うように指先をくぐらせ、梳いて。
熱気と湯気に少しだけ喘ぐように喉を上下させた。
魔導灯が仄かに光を滲ませる。
演出のためか光りは弱く、湯気も相まって視界はそれほど良くはない。
壁伝いに、そこだけは磨かれているタイル状の床を進んで、爪先を湯に沈めた。
「────……は」
熱気に、温められた体躯が、さらに染み入る湯の熱に僅かに震えて、やわらかく結ばれていた唇が解け、呼気が零れる。
双眸を伏せ、じんわりとつま先から這い上り、体を温めてくれる湯の熱に、ゆるりと浮かべるのは寛いだ表情。
湯殿の湯は、沈められた薬草で色や薬効がそれぞれ違うらしい。
日々、或いは時間ごとに湯の入れ替えが行われ、その時々で違うらしいそれをどれがどう、ということはできない。
地下浴場ということもあって、乏しい明りのしたでは湯の色は確認することも難しい。
掌で掬って、サラリと流れてゆくのを見守ったが、濁り湯ではなさそうだ。
ゆっくりとつま先から、膝、腰までを沈め、段差を降りたらもう一つ深くなる。
ゆるゆると身を沈めてゆけば、最終的には、肩口が湯から覗く程度の深さに落ち着くことになる。
■シシィ > 「───湯あたりする前に行きましょう」
どれくらいそうしていたのかはわからないが、頬に昇る熱の色や、熱気に濡れる肌。少しおぼつかない声音はすでに逆上せているようにも響くけれども、身動ぎと、仕草はよろめくこともなく。
湯滴を滴らせながら、立ち上がると、来た時と同じよう、湯をかき分け、その縁に上がり、パシャ、と湯を切る音をさせて、湯殿を立ち去っていった
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からシシィさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にアウロラ・ラディスさんが現れました。
■アウロラ・ラディス > 大きな仕事の後や手持ちが良くなった時、私は大抵ここの風呂に入ることにしていた。
「…ふぅ。」
今は長い髪をタオルで纏めた状態で湯船に浸かっている。
ここは日によって温室や浴槽なども変わったりといつも新たしい刺激を提供してくれると評判の風呂だ。
何より、ただ水を沸かしただけの風呂とは肌触りが異なる。
私のことを詳しく知っている相手ならば鼻で笑われそうなところだが、
不死社でも体は汚れるのだ。
しかし、今日は随分と静かなようだ。
最近は物騒だと聞くし、こんな遅い時間に入るのは私くらいと言うことだろうか。
ちなみに今日の浴槽はどこかの有名な樹を使ったものらしい。
それはいいが、湯の色が妙に澄んでいるのが気になる。
私は自らの下腹部を隠すよう、横座りで湯を楽しんでいる。