2021/03/29 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にドリスさんが現れました。
ドリス > 偶には骨休めを、などという夫の言葉を、額面通りに受け取れる筈も無い。
然し、勧められて入った露天風呂というものは確かに心地良く、身体が内側から解れて、蕩けてゆくようだった。

とは言え、白濁したとろみのある湯に浸かっているうち、頭がぼんやりとしてきており、
湯中りというものか、とは思えど、足許までふらついているのは明らかに可笑しい。
慣れぬ浴衣という名の薄物を纏い、しどけない有り様で何とか、客室のあるフロアまで辿り着いたが、

「………もう、直ぐ……もう少し、で、御部屋、に………」

着く筈、だけれども、足が重くて、身体が熱くて―――――少しでも気を抜けば、
其の場に倒れ伏し、意識を手放してしまいそうだった。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」にプレストさんが現れました。
プレスト > 九頭龍の水浴び場。富裕層が訪れることの多いこの場所で目を付けていた美人が居た。
先程露天風呂に向かった女性は遠目から見ても上等な女だ。
容姿に体型、何より一人で歩いているその無防備さ。
表情に浮かぶ儚げとも物憂げとも取れる彩も堪らなかった。
とはいえ流石に露天風呂は男女別々。獲物を待ち受ける様に休憩室からずっと女が。獲物が出るのを待っていたのだった。

「どうしました?随分辛そうですね。」

露天風呂から出てきた女の足取りはおかしかった。
だが、まだ人の目がある。気付かれぬ様に少し離れた場所まで尾行していたが、辿り着いたのは客室のあるフロア。
人目も途切れる。監視の映像装置こそついているが、問題は無いだろうと。
後ろから少し足を速め追い付きな。背後からそう声を掛けた。
その時に、自分の掌がぽん、と彼女の肩に触れる。

ドリス > 何処から何処までが夫の差し金か、露天風呂の湯には特殊な薬物が混ぜ込まれ、
今や身も心もたっぷりと、淫靡な毒に中てられた形だった。
或いは誰の目にもつかなければ、部屋には夫の用意した男が待ち構えている――――という、
御決まりの結末を迎えていたのかも知れない。
然し幸か不幸か、其処へ辿り着く前に、男の声が届いた。

振り返ろうとした、けれどもひどく緩慢な動きで。
何でもありません、と、そう柔らかく拒絶する筈だった。
だが、男の手が肩口へ、軽く乗せられた、其の瞬間。
ぶるり、と思わず、大きく身を震わせてしまい、

「ぁ、はぁ、――――――っ、っ!」

か細くも高く、甘い喘ぎが零れ落ちる。
一拍遅れて、慌てたように口許を片手で押さえ、
ぐっと身を捩って、男の手から逃れようとするけれど。

「なん、……で、も、ありませ、――――――
 どうか、……どう、か、お捨て置…き、くだ、さ………」

返す言葉は震え、途切れ、振り仰ぐ眼差しは熱っぽく濡れていた。

プレスト > 「いやいや、言葉も絶え絶えじゃないですか。
これはいけない、湯あたりとしても重症だ。何、私は医者の心得もあります。
気付け薬を用意いたしましょう。ささ、こちらです。」

随分と若い。だがこのフロアに足を運んだ、利用しているという事は一定以上の富裕層なのだろう。
金目当て。そしてそれ以上に艶めかしい反応を見せた女の様子に男が黙っている筈もない。
浴衣は着崩されてこそいるが、豊かに胸部の盛り上がりが。臀部は卑猥な曲線を描いていた。
見ているだけで滾ると言う物。

些か強引に女の肩を掴み自分の方へ。その肉感的な肢体に自分の股座。すでに浴衣を盛り上げている男の怒張を押し当てていた。
更にもう片方の手が彼女の帯が巻かれた腰に回される。力強く自分の方へと引き寄せたまま固定し。そして彼女が目指した部屋とは別の部屋へ連れて行こうとする。

「何、薬さえ飲めばすぐに楽になりますよ。さぁさぁ――。」

ドリス > 「あ、――――――いや、っ…!」

僅か、鋭い声を上げたけれど、引き寄せる腕の力に抗う余力が無い。
裾の合わせも御座なりな下半身へ、男の熱く硬いモノが押し宛てられれば、
其れだけで無意識に、小さく喉を鳴らしてしまう。
細く括れた腰を捉えられ、豊かな乳房の弾力が、男の胸元で卑猥に歪んだ。
俯く頬に、耳朶に、湯上りの所為ばかりでは無い朱色が滲み、

「いえ、……い、え、どうか、御捨て置、き、――――――ああ、駄目、」

誰か―――――――

そう、叫ぶことすら叶わず、男の腕の中へ蕩け落ちるように。
浴衣姿の女は見知らぬ男によって、何処かへと連れ去られ―――――。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からドリスさんが去りました。
プレスト > ある部屋へと二人が向かい、だがこの宿でそれを咎める者はいる筈も無かった。
お互いがどうなるかはここで語られない話――。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からプレストさんが去りました。