2021/03/06 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「~♪」

夜。
ピーヒョロロと下手っぴな口笛を吹きながら、館内の廊下を一人のんびりと歩く浴衣姿の金髪の男が一人。
着込んだ浴衣は客室に備え付けのものであるが、男の着こなしは何故か妙に様になっていた。

それはそれとして、男は現在旅籠内を探検という名の散歩中である。
この旅籠は知らないうちに道が変わっていたり施設や仕掛けが増えていたりするので
男にとっては適当に歩き回るだけでもなかなかいい暇潰しになるものだった。
知り合いの従業員に聞いたところによると、その妙な特性のおかげで主に女性が迷ってしまう確率が高いらしいが……。

それはさておき、やがてT字路に差し掛かると、男は一旦足を止めて。

「──さて……どっちに行くべきですかねぇ」

右か左か。
廊下の中央で仁王立ちしながら、男は顎に手を当てうぬぅ、と唸りながら思案し始め。

「んんーむ……よし右だな、右へ行くべきと俺の中の何かが囁いている──おおっと!」

しばらく悩んだ後、男はおもむろに右側の通路へと踏み出し──その途端に、
ちょうど通りかかった誰かと出くわし、思わず足を止めて上肢をのけぞらせた。

エレイ > 出くわしたのは一般の夫婦の利用客。互いに軽く謝り合ってから別れ、男はまた廊下を歩きだし──
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からエレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 風呂は、良い、実に良い。
温くて心地よくて、特に露天風呂は良い。ひんやりとした外気との違いが更に良い。
難点があるとするならば――

「あー………。
 んむ、これはちょっち、やべぇか。」

ざばーって湯がだいぶ、溢れた。
己の体躯でしっかり風呂に漬かろうとすると、これだ。
露天風呂の中に入るとがっつり湯があふれてしまう。
いやあって苦笑い。
他の人は入ってなかったろうか?迷惑かけてなけりゃいいんだが、と。
視線をぐるりと回す、湯気のせいで、ちょっとみにくい